川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月25日

(平成22年5月25日(火) 08:58~09:12  於:参・本会議場中庭側廊下)

1.発言要旨

閣議の前に宇宙開発戦略本部が開かれました。宇宙分野における重点施策についてということで、我が国の成長をもたらす戦略的宇宙政策の推進ということで、3つの分野にわたっての宇宙戦略の方針が決定されました。主には成長戦略に基づく部分でありますので、文科省の立場では、しっかりと研究開発を含めた部分で分担していくと同時に、やはり国際宇宙ステーションの問題とか、月探査の問題とか、そういう、直接、成長戦略の分野ではないけれども、国の大きな宇宙の方針にかかわる問題は、引き続き宇宙戦略本部で骨太に、大局的に議論していきたいという旨を申し上げたところであります。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)高校無償化の関係ですけれども、朝鮮学校に関する検討会ですが、今週中にも開かれるということでよろしいのでしょうか。
(答)前回も申し上げたように、人選をして5月中に1回目を開くということを前提に準備をして、今最終調整に入っております。多分、木曜日の副大臣会見では、もう少し月末に近いですから。まだ決めていないという意味では、今ここまでしか申し上げられない。御了承いただきたいと思います。
(問)では、今日までのところでは、特に開催というのは。
(答)この前とは変わっていません。
(問)閣議の後、割と長引いていましたが、どんなお話をされていたのでしょうか。
(答)皆さんの質問の想定の練習をしておりました。
(問)無償化に関連してですけれども、韓国のしょう戒艦沈没を受けて、総理から追加制裁を検討するようにという指示があったと思うんですが、無償化の対象に朝鮮学校を含めるかどうかという検討に、何か影響を与えることというのはあるんでしょうか。
(答)基本的にはありません。高等学校及び高等学校の課程に類するものに就学支援をするというのが目的でありますので、あくまでそういうことを判断のベースにするということで、今お触れいただいた「検討の場」を作ろうとしていますから、外交的な配慮等々でうんぬんするということではありません。
(問)基準としては対象になっても、経済制裁を理由に支給しないという、そういう判断もないということですか。
(答)ないと思っています。
(問)閣議終了後、外務大臣と、総理のところに入られていましたけれども、このことで何か総理の方から指示がされていたのでしょうか。
(答)終了後は、私は隣の部屋で皆さんへの会見の打合せをしておりましたので、外務大臣、総理のことについては知りません。
(問)関連してなんですけれども、昨日、安全保障会議が官邸で開かれまして、総理の方から、独自の制裁措置について検討するようにということだったようですが、朝鮮半島の情勢が緊迫している中で、そういった独自の制裁措置を検討するということを決めた政府方針に関して、大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)これは直接の所管ではないから、そう踏み込んだことは申し上げることはできませんが、一般論的に言えば、やはり国際的な中で、俗に言う瀬戸際外交というものは、やはり好ましいものではない、というより、よくないことだと私は思っています。そういう意味で、そういうことがされるときには、やはり国際社会全体として毅然とした対応をするということは、必要なことだというふうに思っています。
(問)制裁に関して、文部科学省で、何か特にこういうことができるんではないかというお考えというのは、特にないですか。
(答)ありません。
(問)関連してですが、中井大臣から、特に北朝鮮の問題に関連して、朝鮮学校の関連で言及はございませんでしたでしょうか。
(答)ありません。
(問)琴光喜の件ですけれども、協会からその後、報告はありましたでしょうか。
(答)協会からは、場所が終わったので、本人に一応事情を聞いて、本人は否定をしたということ以上の報告は聞いていません。
(問)一般論としてですね、力士がこういうことで取りざたされること自体が問題だと思うんですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。
(答)取りざたされること自体は決していいことではないと思います。ただ、本当のことが分からないという意味では、何ともコメントの仕様がありません。警察当局も聴取をされるという報道もありますが、もちろん我々には捜査権限もありませんので、協会の調査力も、本人に聞いたという以上にどうできるのかということは、よく考えていただきたいなと思います。やはり、疑いを持たれたら自ら晴らすということ、あるいは真相をしっかり調査するということは、協会として責任があると思いますので、いろんな方策を考えていただきたいというふうに思っています。
(問)普天間問題ですけれども、総理が言っていた決着の期限の5月末が間もなくなんですが、先日、日曜日にまた沖縄に行かれて、当初の辺野古に戻すというふうに言及されました。こうした政府方針がですね、公約に反していると取られかねないんではないかという意見もありますが、大臣はどうお考えかということと、これについて社民党が猛烈に反発していますが、参議院選挙に向けて、連立内の亀裂も懸念されるところなんですけれども、社民党のそうした対応も含めて、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)政党や内閣のマニフェストという意味、マニフェストや公約、あるいは連立合意で言ったときに、「5月末」というものがどういう位置付けなのかというのは、いろんな議論があるというふうに思いますし、必ずしもそれがダイレクトに、今言われたような違反事項かどうかという議論はあると思います。ただ、総理の御発言というのは重いというのは事実でありますから、そういう中で、私は前にも申し上げたんですが、期日というよりもプロセスがやっぱり非常に大事なことですから、連立の枠組みを含めて、丁寧に、地元も、米軍、アメリカも、それから連立の人たちも含めて、やはり誠実に一歩一歩しっかりと、環境がよくなるようにという努力をこれからもしっかりやっていただきたいなと思います。私が直接何かの役に立つ、職務上の部分はあんまりないのかもしれませんが、内閣の一員として支えて参りたいと思っております。
(問)辺野古に戻すという総理の決断については、これはもう仕方ない、支えるということでしょうか。
(答)というか、その中身は、やっぱり総理の判断ですから。別に私に対案があるわけではありません。
(問)宇宙戦略の重点施策が決まったという話ですけれども、具体的に何が決まったんでしょうか。
(答)これは前原担当大臣のところか、泉政務官のところでされると思うんですが、先ほど申し上げたように、我が国の成長をもたらす戦略的宇宙政策の推進という、成長分野というのを念頭に置いた切り口でありますので、その中で、宇宙産業全体は7兆円の規模ですけれども、宇宙機器産業は2,300億円、そして競争力が弱い等々の現状を打開して成長させたいということで、世界に冠たるマーケットコミュニティの創出、宇宙外交を通じた協力国の拡大、イノベーションエンジンとしての技術力の強化という、3つの柱立てで各論に踏み込んで参りたいと思います。
(問)そこに、首相、閣僚によるトップセールスと書いてありますけれども、大臣が売り込んだものというのは。
(答)この前ですね、連休に海外に行ったときに、フランスの大臣とITER、それから科学技術協力の関係のお話をさせていただいたときに、向こうから、ロケットを買ってくれと言われました。
(問)買ってくれと言われたのですか。
(答)言われました、はい。
(問)セールスではなくてですか。
(答)セールスをしておりました、彼女は。むしろこちらから買ってほしいというお話をしていたのですが、やはり、そういう意味では、技術力と同時に経済的なツールという意味で、世界中の各閣僚は非常に熱心であることは事実だと思います。あらゆる機会に、私も、この金星探査機の成功を含めてですね、11基連続打上げ成功、皆さんも聞いていただいているかもしれませんが、打ち上げて軌道に乗ったときから微調整というのを普通はするのですけれども、今回は一切せずに、そのままで完璧な軌道に乗っていたということで、私は世界最高水準に、もう今、きていると思いますので、そういう技術的な要素もしっかり言いながら、セールスをしていきたいと思います。特に、アジア含めて、非常に関心の高い国もたくさんあるということですので。
(問)高校無償化の関係ですけれども、昨日、千葉市長など4政令市の市長がですね、いわゆる地財措置されている減免分も含めた全額の国費負担を求めて要望されましたけれども、受止めはどのように。
(答)これは何か誤解があるのではないかと私は思います。いわゆる地方財政措置として310億円という減免措置を、いわゆる地方交付税で措置をして、それ以外に、それで手当をする分を引いた、生徒さんから集める部分を手当をするというのが総額です。それで計算をすると、88.5パーセントと11.5パーセントになりますというのが標準ですというときに、東京や大阪は、その額よりも高い授業料を納めているから、こちらがもっと多くなるので、標準だけ手当されたら足りないというのと、もう一つはですね、減免分が11.5パーセントより低いところは、例えば10パーセントだったら、集めているのが90パーセントになりますので、88.5パーセント手当されたら足りないという御主張をされているんです。その足りない部分、今までより減るところは、5年間で激変緩和措置をします。これは地方自治体からの強い御要望を受けて、御意見を聞いてやったことでありますが、トータル、こちらだけの話で持ち出しが増えるとおっしゃられるのですけれども、実は地方財政措置をされている減免分の原資を、そのままそこへ使っていただいていたらこういうことは起こらないはずなのです。それが、一般財源ですから、違うところへ行っているという部分で足りなくなったということは、やはり制度上は御理解をいただきたいというふうに思っています。そのことを含めて、激変緩和措置を5年間でしますということで、全部見てほしいということの中で決着した話ですから、終わってから、今更言われるのも、ちょっとけげんな気持ちが多少しております。
(問)地方財政措置されている11.5パーセントというのは適正に使われていないんではないかという、本来使われるべき使途で使われていないんではないかという、そういう意味なのですか。
(答)いや、そういう意味ではなくて、トータルとしては地方財源ですから御自由なんですけれども、我々としては、高校の授業料にかかる部分の財源としては、交付税で手当した部分で、それ以外の部分は集めておられるから、そこを手当しますという制度ですから、そこの部分は、いわゆるその中で、こちらの部分をどう使うかは御自由ですけれども、そのときに結果として、こちらが足りないという論には、やっぱり馴染まないのではないかというふうに思っています。こちらを使えという意味ではなくてね。

(以上)