川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月30日

(平成22年4月30日(金) 09:38~10:02  於:文部科学省記者会見室)

1.発言要旨

私の方からは一点、28日に福井県の方に参りまして、西川福井県知事、その後、河瀬敦賀市長とお会いさせていただきました。西川知事の方からは、地元の敦賀市長との前日の協議の結果、「もんじゅ」の運転再開を了としたいというお返事をいただきました。河瀬敦賀市長からも、同様の御報告をいただきました。それぞれに、今まで14年間待っておりました。地元の皆さん方と関係者の皆さんのそれぞれの努力で、こういう事態にまでこぎつけていただいたことに感謝を表しますとともに、国としても、エネルギーの安定供給の中心としての技術開発と、地球温暖化防止に資する技術開発という意味で、安全最優先、それから透明性確保を最大尊重ということで、しっかり取り組んでいくということを表明して参りました。加えて、現地、「もんじゅ」の施設を視察するとともに、現場の職員に対しても、国民への大きな責任と同時に、期待ももちろんあるけれども、今まで14年間かかった反省を踏まえて、信用を引き続き築き上げるために、安全を最優先した努力をお願いしてきたところでございます。なお、スケジュールとしては、原子力機構からは5月6日の運転再開を目標にしているというふうに報告を受けております。最終的な点検を行って、万全な安全を確保する中で、運転再開が実現されるように期待をしております。私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)28日は事業仕分けの最終日ということで、文教関係の独立行政法人がたくさん審議されました。大臣御自身の、審議を見守っての御印象をお伺いしたいと思います。
(答)28日は福井に夜遅くまでおりましたので、そして、昨日がお休みでありましたので詳細な状況、データを含めてまだ見ておりませんが、大まかな事業仕分けの結果、8法人の事業仕分けについてのダイジェストは見ております。それぞれに、より効率的、効果的にお金を使うようにという御指摘もあれば、これは必要ないのではないかという御指摘もあれば、あるいは事業自体が果たして国がやるのが適切かどうかということの観点からの御指摘もありました。それぞれについて、政務三役を中心に御指摘を受けた中身をしっかり検証し、本来の目的として、別に法人のためにやっているわけではもちろんありませんが、それぞれの目的というものがありますし、その目的が引き続き必要なものも当然ありますので、それを、どういう形でやることが国民にとっての責めを果たすことになるのかということも踏まえながら、事業仕分けの結果をしっかりと検討させていただいて、方針をまとめていきたいと思っています。
(問)今おっしゃられた検討の結果というのは、まとめる時期というのは、いつ頃を想定されていらっしゃるんでしょうか。
(答)仕分け自身もこれが第一弾で、この後、公益法人もあります。それから、枝野大臣の御発言ぶりですと、独法の制度論ということも御議論をされるやに伺っておりますので、そのことの正式なとりまとめというんですか、行政刷新会議としてのとりまとめが6月ぐらいなのかなというふうに感じておりますので、それに合わせながら、正確に申し上げると、そこである結論が出て、それを踏まえて、具体的にどう対応するかを詰めるというのが本来の手順でありますけれども、せっかく御議論をいただいているわけですから、我々としては従前のことを含めて、いろんな角度から、それを踏まえながら検討していきたいということです。スケジュール感は全体の流れを見ながらでありますから、今はまだ確定しているわけではありません。
(問)仕分けでですね、縮小とか廃止ということを指摘された独法が幾つかありましたけれども、既に省内で、その方向で検討しているような具体的な独法、あるいは事業というのはありますか。
(答)いろんな角度からの議論というのは当然ありますけれども、省内の議論は、省内で仕分けをして答えを出すという趣旨でやっていませんし、これは廃止とか、これは継続とかという答えを出していませんので、特段、廃止しようと思っていたということではありません。今回いろいろ答えが出た部分を、我々なりの検討も含めて、改めて検討のそ上にそういうことで出ているのを踏まえて議論をしたいということでありまして、うちで、どうこうという結論を出しているようなとこまでの作業はしていません。
(問)高校無償化の件で、外国人学校の、各種学校に関する「検討の場」の人選なんですけれども、4月末を目途にとかねておっしゃっておられました。その進捗状況を教えていただけますか。
(答)4月1日の省令で、3つのタイプというのを決め、今日の時点で告示をしました。一つ目のタイプとして、いわゆる本国に問い合わせをして確認するというタイプということで、14校告示をいたしました。問い合わせをして確認ができたのが14校、残っているのは1校であります。1校は引き続き確認中であります。二つ目のタイプというのは、いわゆる国際的な認証機関の評価を受けたものということでありまして、俗に言うインターナショナルスクールという学校ですが、それぞれに問い合わせをいたしまして、客観的な認定を受けていることが確認できたのが17校であります。1校は現在認定を受けるところであるということです。そういう意味では、一つ目で14校、可能性としてはあと1校、二つ目が17校、可能性としてはあと1校ということであります。なお、三つ目のタイプについては、現在「検討の場」を作るべく準備中でありまして、今日の時点では、まだ準備中であります。5月には少なくとも1回目の会合が開かれるようにということで準備をしております。
(問)そうすると、一項目目と二項目目は、それぞれ15分の14と18分の17で、これ以上、一気に増えたりする可能性はないということですか。
(答)これは、お宅どうですかではなくて、うちを指定してほしいということから始まりますから、そういう部分では、本国に問い合わせたら、本国の手続きに時間がかかっているというのが1校、それから先ほど申し上げました、現在審査を受けている途中であるというのが1校ですから、それ以外には今のところはありません。
(問)三項目目は人選中で、5月中には一回目ということですけれども。
(答)これは、全体としては、やっぱり公務員制度の基本にかかわる問題でありますから、例えば、勧奨退職をやめるというと、当然ながら辞めない人が増えてくるため、新しい人というのは総定員でいえば要らなくなるということもあります。一方で、天下りも駄目だということになると、あと5年後、10年後、15年後、20年後に、どういう役所の姿になるのかということの、全体のデザインをしないといけないですね。そのときに、それぞれ処遇がどうなるか。私は民間会社にいましたけれども、民間会社で、昭和50年代ですかね、今まで定年が60歳で、どんどん給料は上がる、定昇も含めてということがありましたが、50歳で原則役職は就かない、55歳で給料は75パーセントに下がるというように、上がっていった給料が、がたっと下がってこのままいくという形で雇用を守るということの、トータルの処遇制度を変える、大改正するというのを経験したこともあるんです。民間は大なり小なり、いろいろあると思うんですが、公務員は、そういう部分をあまり想定していないという世界で、I種II種といろいろあるなど、全体にもかかわる話なので、これは全体像をしっかり書かないと、勤めている人も不安だし、そこへ有為な人材が来ていただけるのかということにもなるので、できるだけ早くこの全体を出すことが、一番大事だと思っています。総務省では紋切り的、機械的にやっているだけでしょうが、それぞれの個別の事情があるでしょうからまた調整しましょうということです。文科省としては勧奨退職をする人がありませんから、そういう部分では、新旧交代の部分でいうと、新人採用枠は多分減ることになると思います。
(問)三項目目は人選中で、5月中には一回目ということですけれども。
(答)人選中であります。
(問)それは何か、手続きがすごく難航したりして遅れている。それとも何か。
(答)学校の制度論の専門家という形で、全体のバランスを取りながらの選考でありますので、正に選考中という以上は申し上げられません。
(問)小沢幹事長に関することで2点質問ですけれども、検察審査会が起訴相当とした評決について、本人は何もやましいことはないということで幹事長職にとどまる意向を示していて、鳩山首相も続投を支持していますけれども、小沢氏の進退の参院選への影響についてのお考えを教えてください。もう一点は、それにタイミングを同じくしてですね、民主党内で検察審査会の見直しを求める議員連盟ができましたけれども、その動きについて大臣の御所見を伺えればと思います。
(答)小沢幹事長の進退うんぬんに関しては、かねがね申し上げておりますように、閣僚の一員である私としては、党の人事に対してどうこう言う立場ではないことが一つと、幹事長の職務は、総理である代表が専権的に任命する任命権者でありますので、御本人が進退に言及される以外は、任命者がどうするかだけしかありません。そういう意味では、任命者である鳩山代表が引き続きお願いしたいと、頑張ってほしいとおっしゃっているようでありますので、それ以上のことはないのではないかというふうに思っております。参議院選への影響は、それは分かりません。それと、検察審査会の在り方についての議連ができたようですけれども、これはいろんな法制度において、いろんな観点から、いろんな議論があることは自由だというふうに思っています。
(問)このタイミングでできると、検察審査会制度への圧力になるんではないかという指摘もありますけれども、その辺は。
(答)何をもって圧力と指摘されたか、よく分かりませんが、あらゆる政治活動で、法律を作るとかやめるとかというのは、いつでもやっていることであります。これを政府がやるんだったら、また話が違うけれども、議員がやることは、正に立法府の議員というのは、あらゆる法律についてのいろんな議論をされるのは、一般論としては普通のことではないかと思います。
(問)「もんじゅ」についてですけれども、現場を改めて視察されてですね、特に大臣は製造現場での生な感覚もお持ちだと思いますので、率直にどんな雰囲気であったのかという御感想について、お聞きしたいんですけれども。
(答)直近で言えば、2年ぐらい前の2月頃に訪れましたが、その感じで言いますと、やはり皆さん、非常に何か、張り詰めた雰囲気でおられました。伺いますと、14年前からいた人というのが3分の1から4分の1ぐらいでですね、あとはその後に現場に来られた方ということで、やはり、それぞれに14年間のいろんな思いがあって、いろんなことを準備をしてきたけれども、福井県、敦賀市の御了解も得られて、さあ動く、動かせる、動かすということに対しての、やっぱり非常に張り詰めた緊張感というのは感じました、間違いなく。それは同時に、使命感と責任感とを伴った緊張感だろうというふうに思いました。今まで長い間、いろいろやってもいつ動くか分からない中でやって来られている、そのモチベーションを維持するというのは、それなりの御苦労が多かったと思うんです。それが、一気に目標がセットされたということでの緊張感かなというふうに思います。
(問)あまりにも世間の注目が集まり過ぎたことで、かえってうまくない方向に行ってしまうという懸念も、人間のやることですから、あり得るのかとも思うんですが、その辺の感じはいかがでしょうか。
(答)それは分かりませんけどね。しかし、全然違う話になりますが、名人戦で挑戦をされた三浦八段が、名人戦に決まったら、もう緊張とプレッシャーで夜も寝られなくなった。そのときに、ふとテレビを見たら、バンクーバーオリンピックをやっていて、浅田真央さんが銀メダルを取って、プレッシャーはなかったんですかと聞かれたら、もちろんあったけれども、練習は嘘をつかないので、頑張って練習をしましたと言われて、そうなんだと思って、今まで毎日10時間将棋の勉強をしていたのを、12時間にしたと言っておられました。そして、当日の初手を見学したんですが、非常に緊張しておられました。ですから、やはり緊張はあると思うんですが、そういう部分で、シミュレータを含めてですね、相当訓練は積み重ねてきていますので、そういう意味でのできる準備態勢は万全だと思いますので、しっかりやっていただきたいというふうに思っています。奇しくも、今年の選抜高校野球で始球式をして、投げたのを受けたキャッチャーが敦賀気比高校でして、私が投げたボールをしっかり受けてくれました。僕がストライク投げたつもりなんですけれども。敦賀市長とは、そういうお話をしてきました。
(問)国際宇宙ステーションの継続について検討する宇宙開発委員会の特別部会が、この後、開かれますけれども、大臣としてどのような議論を期待されるかということと、あと、継続に関する大臣としてのお考えを、改めてお聞かせください。
(答)最終的な政府の方向ということでいうと、宇宙開発戦略会議で、総理の下で議論されてオーソライズされるものだと思っています。そこの部分に、実働部隊を所管する文部科学省として、どういうふうな位置付けにするのかをしっかり議論しておこうということが今日の委員会の趣旨であります。先般も、NASAの局長が2度にわたって私のところへ訪問されました。オバマ大統領のいわゆる教書の中でも、当分の間、2020年までですか、アメリカとして国際宇宙ステーションは継続するということで、それに伴って、日本としてのHTVあるいは「きぼう」を含めて、しっかりと継続してほしいという御要請はいただいております。そういう中でも、改めて日本がどういう宇宙戦略を持つのか、そして、世界の中でどういう役割を果たすのかということは、しっかりと議論を、政府としてする必要があると思います。私としては、大きな成果を上げているという意味も含めて、そして、いわゆるスペースシャトルがこの前が最後のフライトということで、宇宙への人輸送はロシアのソユーズ、物資輸送はロシアと日本だけという現状でいうと、しっかりとその役割を果たしていくべきだというふうに思っております。改めて各般の有識者の皆さんに御議論をいただきたいということであります。
(問)学校耐震化の件なんですけれども、総理から、予備費の活用を含めた検討を指示されていると思いますが、しばらくたって、検討状況はいかがでしょうか。
(答)今、各教育委員会を通じて市町村に、どういうものを今年度でやりたい希望があるのかということを詳細に聞いています。詳細にというのは、趣旨として、可能な限り早く、夏休みにしかできないものは夏休みに間に合うようにということです。一つは、大規模な工事になりますと、当然ながら議会の承認が必要になりますので、議会の承認の要るもの要らないものの仕分けはどうなんですかということと、予備費を視野にということになりますと、その財源確保の目途が立つのが国会閉会後ということが想定されるというときに、議会が開いているのか、開くことが臨時で可能なのかということを含めて聞き取りをしております。耐震と老朽と両方の趣旨ですので、それで、本予算と、新たな財源という二つがあって、手続き上、地方議会のそれぞれの事情がありますから、例えば、学校のことだからそういうことで要ると言ったら、議会も分かりましたすぐに開きましょうと言ってもらえる議会もあれば、そう簡単に臨時会というのは開けないという議会もあるようですので、そこら辺も含めて、本予算と新たに財源になる見込みをもっているものとをどう組み合わせてやるかを、今、詳細に詰めているところです。手を挙げてくださいというと、挙がってきたときにですね、前の補正のときもそうだったんですが、実際にやるというと、実は学校も合併をして建て直そうとしているが、合併が遅れていて、今建てたいけれども無理だったとかといって、結局予算が執行できなかったようなこともたくさんあるので、予備費を視野にという意味で、かなり正確に把握するという作業を、今、一生懸命現場でやってもらっています。
(問)これから3か国歴訪となりますけれども、ITERとかスポーツということで案件が盛りだくさんですが、特にどの部分を、御自身では重点を置いて臨まれるおつもりでしょうか。
(答)特にというか、毎日移動、毎日泊まる場所が違うということでありますが、前半のFIFAの会長については、やはり日本にとって、先般の東京オリンピックはうまくいかなかったということがありましたが、前回のワールドカップの経験を踏まえて、スポーツにとっても、教育効果においても、経済効果においても、国際交流においても、非常に大きな影響を与えるものですから、何とか日本の実情と実態と思いが伝えられたらなと思っております。ITERは、御案内のとおり日本も含めていろいろとどこでやるかということの中で、機構長は、今、日本人が行っていますので、新たなスタートをするという枠組みを今、ITER機構全体で議論をしておられるところでありますし、非常に大事な局面に来ているので、日本から責任を持って機構長を出し、相当の負担もしている部分を円滑に、日本が逆にリーダーシップをとってこれからの展開ができるように、関係者といろいろ意思疎通を図って参りたいと思っています。それと、ブリュッセルのEUに関しては、今ちょっとギリシャ問題などいろいろありますけれども、教育と科学技術、特に科学技術ですが、正にこれからのヨーロッパの科学技術も、国やEUという共同体での大きな戦略というのは一番大事なポイントですので、総理も東アジア共同体、日中韓構想を含めてですね、教育と科学技術に関しても、そういう先行したEUの中ではどういうことが行われているのか、しっかりと意見交換をして参りたいと思っております。

(以上)