川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月27日

(平成22年4月27日(火) 09:09~09:24  於:参・本会議場中庭側廊下)

1.質疑応答

(問)昨日、事業仕分け2日目ということで、文部科学省所管の独立行政法人もたくさん対象になりました。仕分けの結果についてはそれぞれの独法によって異なりますけれども、全体を御覧になって、どのように御覧になっていたかを教えていただけますでしょうか。
(答)研究開発法人が中心でありましたので、詳細はまだ見られていないんですけれども、一つはですね、全体的に、科学技術政策の在り方、進め方みたいなことが議論になったというふうに思いました。これは既に、いわゆる研究開発法人も含めて、トータルとして、どういう戦略と、どういうお金と、どういう仕組みでということについて、全体として総合科学技術会議が科学技術政策担当の立場で総合的に議論をしているのと、研究開発法人の中身のことに関しては、古川副大臣、鈴木副大臣の下でやっているという部分と基本的に認識は変わらないのかなと思っています。要するに、問題意識としては、それは、すでに進めていることですので、そういう御指摘はあってしかるべきかなと。後は、ガバナンスの問題とか、効率化という問題はいろいろ御調査いただいて、我々のまだ至らぬ部分、独法の中の問題も御指摘があったので、これは真摯に受け止める中で対応していきたいなというふうに思います。全体的には、いい議論をされているんではないかと思います。
(問)仕分けの中で、唯一、規模の拡大というのが認められたのが、文科省関連の独法、美術館、博物館の運営法人の独法でした。これについてはどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
(答)やはり、内閣、総理の御認識も含めて、文化芸術というのは非常に大事な問題だということですが、ものすごく高いんですよね、いろんな美術品の収集とか、特に日本の本来の物が外国に行っていたりという部分等もあります。そういう部分では、基本的な認識として、しっかり中身を充実しなさいという御指摘をいただいたことは有り難いことだと思うんですが、ただ、財政の問題、仕組みの問題等々がありますから、いろんな御指摘も含めて、それを踏まえながら、よりいい方向になるように、これをきっかけに検討していきたいと思います。
(問)独法が制度上抱えている問題として、目的積立金というのができない、なかなか認められないという限界が指摘されましたけれども、これを改革するとなると文科省単独ではなかなか難しいのではと思われますが。
(答)そうですね。全体の仕分けのとき、終わった後の議論になるのではないかと思います。今の問題もそうですし、いわゆる制度上ですね、例えば単年度予算であるとか。それから、契約は当然ながら単年度ですが、すぐそこにも食堂があると思うんですが、例えば食堂の契約についても、毎年入札して契約するというと、民間からいったら、ちょっとイレギュラーかなというふうに思うんですけれども、これしかできないんですね。例えば、5年間、特段のお互いに条件違反がなければ延長するという契約をすると、2年目からは随意契約だということになって、リストとしては随意契約に分類されるとか、今言われたものも含めて、制度上、会計処理上、財政法上、いろんな仕組みがあって、冷静に考えるといいのかなというのがあるでしょう。これらの問題は、これをきっかけに、随分出てきているのかなと思います。例えば、文科省の建物でいいますと、建物自体はPFIですのでPFI法によって15年の長期契約が許されている。そうすると、その委託された会社が食堂を委託するのは、民民ですから、15年契約か何かしていると思います。ところが、もし、文科省が食堂と委託契約しようと思うと、単年度しかできないということになります。こうしたことも含めて、全体的にこれをきっかけに、より効率的なお金の使い方をするために、仕組みを一回見直した方がいいという課題は、いくつか出てくるのではないかと思っています。
(問)昨日の仕分けでは、総合科学技術会議がきちんと機能していないという指摘が何度もされていました。各独法の議論において、ずっとされていまして、実際上、あそこには100人ぐらいしかスタッフがいませんし、文科省が半分、黒子行政みたいなことをやっていると思うんですけれども、そろそろこういうスキームを、抜本的に変えた方がいいんではないでしょうか。
(答)これは文科省というよりも、科学技術政策担当の内閣府特命担当大臣の話ですけれども、正に国としての研究の戦略的テーマの在り方、決め方、それと、それを裏打ちする財政上の措置の在り方、そして、それをどこにどう配分するのかという配分機能の在り方、そして、それを受けた組織がどういうふうに研究を実行するのかという実働部隊の在り方、この4つのフェーズをどうしていくのかということを、根本的に問おうということで、今議論をしているところであります。これが、トータルとしては国家戦略局を置いて、国家戦略にという位置付けの中で、一つの科学技術政策戦略ということになるわけですから、そういう議論をしているということは、正に、総合科学技術会議が悪いとか、おかしいとかではなくて、どうも総合的にしっかりと、内閣の大方針で動くというシステムの機能としては十分ではないという認識を持って、今、一生懸命議論をしているところであります。ただ、何かスポットだけを見て、これはけしからんとか、良いとか悪いとかという、あまり感情を含めたような議論にはならないように我々も気を付けているし、仕分けの方も気を付けてほしいなと思います。問題意識に関しては、そういう認識でやっています。
(問)国家公務員の新規採用を絞るうんぬんという話は、政府内では、今どのような議論をされているんですか。
(答)これは、今日、総務大臣から、記者会見か何かで言及されており、閣議では、総務大臣というよりも、総理の発言としてありました。厳しい財政状況の中であるので、一定の基本的な考え方を総務大臣が示す中で、採用は絞っていくという方針が、今日出されました。
(問)その受止めをお願いします。
(答)これは、全体としては、やっぱり公務員制度の基本にかかわる問題でありますから、例えば、勧奨退職をやめるというと、当然ながら辞めない人が増えてくるため、新しい人というのは総定員でいえば要らなくなるということもあります。一方で、天下りも駄目だということになると、あと5年後、10年後、15年後、20年後に、どういう役所の姿になるのかということの、全体のデザインをしないといけないですね。そのときに、それぞれ処遇がどうなるか。私は民間会社にいましたけれども、民間会社で、昭和50年代ですかね、今まで定年が60歳で、どんどん給料は上がる、定昇も含めてということがありましたが、50歳で原則役職は就かない、55歳で給料は75パーセントに下がるというように、上がっていった給料が、がたっと下がってこのままいくという形で雇用を守るということの、トータルの処遇制度を変える、大改正するというのを経験したこともあるんです。民間は大なり小なり、いろいろあると思うんですが、公務員は、そういう部分をあまり想定していないという世界で、I種II種といろいろあるなど、全体にもかかわる話なので、これは全体像をしっかり書かないと、勤めている人も不安だし、そこへ有為な人材が来ていただけるのかということにもなるので、できるだけ早くこの全体を出すことが、一番大事だと思っています。総務省では紋切り的、機械的にやっているだけでしょうが、それぞれの個別の事情があるでしょうからまた調整しましょうということです。文科省としては勧奨退職をする人がありませんから、そういう部分では、新旧交代の部分でいうと、新人採用枠は多分減ることになると思います。
(問)どれくらい減るんですか。
(答)全体で10人のオーダーだと思います。
(問)今どれぐらいですか。
(答)採用しているのは、6、70人ですから、その部分で言ったら、2割とかでしょう、率にしたら。
(問)今おっしゃったのは、本省のI種II種、合計でということですか。
(答)役所によって随分違いますからね。これから、最終調整です。
(問)文科行政への影響みたいなものは。
(答)トータルとして定数を減らしているという話にまでいっている話ではありませんから、今、そういう数字が出てきたという、これから精査していく話です。もちろん業務に支障がない範囲で、より効率的にしながら、できるだけ定数は減らしていくという、人員を減らしていくというのが、望ましい姿ということだと思います。
(問)今、10人ほど減らすとおっしゃったのは、来春入省組ということになりますか。
(答)ですね。
(問)昨日、鳩山総理の資金管理団体をめぐる問題で、検察審査会が不起訴相当の決議をしました。その受止めとですね、その中で、政治資金規正法に関して、世間の一般常識と合致していないんではないかという意見が出されたそうですけれども、それに関する御意見をお聞かせください。
(答)検察審査会は検察審査会としての、独自の権限で判断をされたんですから、特段コメントはありません。そういう見方をされたということは承知をしています。
(問)「もんじゅ」の検知器が故障したということなんですけれども。
(答)ナトリウムの二次系の配管から万一ナトリウムが漏れたら、空気がナトリウムに汚染されるので、その断熱材の周辺の空気をいつもブロワーで吸い取って検査をするということで、その吸い取りのブロワーという掃除機の吸い込みみたいなものが、オーバーヒートか何かして止まったということです。すぐアラームが出て、異常発生ということで検知をして、その後、止めて復旧すると同時に、関係各所に、行政機関も地方自治体も含めて、全部に連絡するということについては、非常に迅速機敏に対応できたというふうには思っています。それで、安全をモニタリングしているという機能の一部がトラブったということではありましたが、なぜブロワーが止まったのかという詳細は、これからの課題です。止まった異常については、これは、どうしてもこういうものですから、いろんなところで多少の不具合は起こり得るものだと思います。そういう意味での対処としては、冷静迅速に対応できて、関係各所ともに、きちんと対応していただけたんだというふうに思っています。
(問)ただ昨日、三者協議があって、昨日の今日みたいな印象もありますけれども。
(答)私は製造現場にいましたから、全く何のトラブルも起こらないということはあり得ないものです。フェイルセーフという概念は、起こり得るというときに、それが起こらないようにすると同時に、起こったときに万全に対応できるかということです。その意味では万全に対応はできたと思っています。タイミング的には昨日の今日ということですが、そういうもんなんですね。だから、それはそれで、きちんと対応できたということは、ある意味では、そういうことが起こっても、冷静、的確、迅速に対応できたということが、一つ示せたのかなと思います。先般、訓練をしましたけれども、実訓練みたいな、実シミュレーションではきちんと皆やってくれたなと思います。もちろん、そういうことが起こらないに越したことはありません。
(問)仕分けの関係ですけれども、先ほど大臣から、受止めとしてはうれしいんだけれども、自己収入で独法がやれということなんで、厳しい部分があるという認識かと思いましたが、その辺をもう少し詳しくお願いいたします。
(答)文化芸術の部分で収集もしっかり拡充してという認識を共有できて、評価をいただいていることは、非常に良いことだというふうに思います。ただ、それを着実にやるときに、財政が厳しいということと、いろんな工夫を当然努力してやるべきということは事実ですし、結構難しい話だというふうに思います。いろんな知恵を、また、これをきっかけに、改めて見てみるというのも、この仕分けの趣旨だと思いますので、一生懸命やって参りたいと思います。

(以上)