川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年2月16日

(平成22年2月16日(火) 9:08~9:37  於:文部科学省 記者会見室)

1.発言要旨

私の方からは特にございません。

2.質疑応答

(問)バンクーバー五輪が、今、開かれていますけれども、大臣として所感があればいただきたいのと、もう一つは、ワールドカップ招致委員会が、昨日、第一回会合を開かれたわけですけれども、オリンピックとともにですね、こうした国際大会、政権としてどのように位置付け、これから支援されていくのかというお考えをお聞かせください。
(答)オリンピックが始まりました。それぞれの選手が、これは開会のときにも申し上げたんですが、自分の最大の力を発揮して頑張ってほしいなと。それぞれに、皆がこの人はこれぐらいの成績を取ってくれるだろうというのは、なかなか難しいものだなというふうにも思いますが、とにかく精一杯、力を出し切ってほしいと。上村選手が、メダルは本当は欲しかったけれども、自分としてはできる限りの最高の、全部力を出し切れたのは満足だと言われたのは、非常に印象的でしたし、そういう競技を是非とも皆してほしいと思っています。
ワールドカップの日本招致委員会の第一回会合が昨日開催されました。基本的にこういうふうに考えているということと、2018、2022年の立候補を表明している国の紹介や状況等々が報告された後、自由な意見交換がありました。その中では、2002年に引き続いて、前回は共同開催だったけれども、今度は日本でやるというときには、日本でやるというのはこういう意味があるんだというのを、もっとクリアに訴える力がないといけないのではないかと、しっかりそれを出すべきだとか、国を挙げてというときに、国もしっかりと全力で応援するようにしてほしいとか、開会式、閉会式は8万人以上というスタジアムが必要ということで言うと、それがない、同時に、前回で言えば、基準を満たす競技場が東京都にはなかったと。日本で開催するのに首都でできないということは、やっぱり、東京でやれるようなインフラ整備もしてほしいとかというふうな、積極的な多方面の意見が出ました。私も冒頭で挨拶を申し上げて、やはりスポーツ界だけではなくて、経済界も含めて、いろんな人たちが総掛かりで世界にアピールをしていくという態勢と行動が必要だろうということで、オールジャパンで取り組んでいくべきだし、政府としても、政府閣議了承は得てありますけれども、全面的にいろんな方面で取り組んでいきたいということを申し上げました。オリンピックで非常に盛り上がっておりますが、ワールドカップは1競技だけであれだけの世界の関心を呼ぶ、競技人口の最も多いスポーツとも言われています。スポーツでの、若者を含めた、夢と感動を与えるだけではなくて、観光や経済効果等々、あるいは国際交流という、中津江村にカメルーンの選手がキャンプを張ったというふうなことを含めても、多方面にわたって大きな効果を国にももたらす、国際的にもたらすということで、いろんなことで積極的に取り組んで参りたいと思っています。
(問)オリンピックで、スノーボードの国母選手の件ですが、昨日、予算委員会で質問があって、JOCへの指導徹底をしてほしいということに対して、しっかり対応されるお考えを表明されましたが、具体的には何か対応されたのでしょうか。
(答)連絡をしようと思っているんですが、国会の委員会の日程等々があって、まだできていませんが、経過の報告と、せっかく行って、今頑張っているわけですから、オリンピックが始まったら選手がお詫びの会見をするなんていうのは大変残念なことですから、そういうことのないように、しっかりやってほしいということを申し上げようと思います。同時にですね、昨日の委員会では突然のお問いだったので言い損ねたんですが、発端から経過も含めてありましたが、最後、若干触れましたけれども、橋本団長がいろいろお話をされて、両方で会見をされて、反省をしておられたと私も受け止めました。そういう中で、今は競技中ですので、まずは、国母選手においても全力で競技に専念して、最高のパフォーマンスをしてほしいと。それが彼の一連の部分に関しても、今やるべきことは、それに専念をしてほしいというふうに思っています。あまり、周りで騒ぐようなことにならないようにということも思っていまして、是非ともですね、やはりスポーツマンですから、いろんな若者独特の感性もあるんだというふうには思いますけれども、やはり、ナショナルチームの一員として国民注視の下でやっているという部分は、今回のことで彼も学んでくれたというふうに思いますので、今は全力で頑張ってほしいと思っています。
(問)ワールドカップの話ですけれども、8万人収容のスタジアムのインフラ整備の話ですが、条件もあってどうかという話だと思うんですけれども、例えば、日本の代表サッカーチームの観客動員数なんていうのも、かなり下がってきていまして、そういう中でですね、インフラ整備も大事だと思うんですけれども、果たしてそこがマッチするのかという問題があったりとか、例えば前回の東京オリンピックの招致のときにも、なかなか機運が、盛り上がりがどうだったのかという話と、一般の国民の意識とのかい離の問題、その辺をどうお考えですか。
(答)8万人というのは一応の要件になっているんですが、マストではないようなんですけれども、他の国と競争するときに、キャパの大きいものがきちんと条件を持っているのと、エクスキューズがあるのとでは、差がつくという意味を含めると、やっぱり、そういうのをきちんとすべきだという意見が出たということを御紹介したんですけれども、おっしゃるように、今、ワールドカップの試合を招致するということも念頭に置きながら、各地にいろんなスタジアムができておりますけれども、やはり現実には維持管理が大変な負担になっていることは事実です。自由な討議ですからそういう意見も出ました。また、国としてきちんとそういうのも面倒見てくれよ、みたいなことでしたけれども、おっしゃるように、大会と同時に日常的にどうなのかというのも、大変難しい問題を抱えていることだというふうに、それはそう思っています。それと同時に、やはり東京オリンピックのそういう意見も出ました。東京オリンピックでの、ブラジルと最後にプレゼンをやってというときに、プレゼンだけの評価で言えば、日本は非常に良かったというけれども、最後、国民的盛り上がりという部分は、やはり当初から、 IOCの方が来られたときも言われた世論調査のことを含めて、やはりちょっと弱かったんではないかという評価ですよね、一般的に。そういう意味では、今度も国民的盛り上がりということが不可欠であろうという認識の意見はたくさん出ました。そして、そういう意味で、サッカーの世界、あるいはスポーツの世界だけではなくて、幅広いオールジャパンで盛り上げていかなければならないということと同時に、どうしても日本なんだということをですね、皆で訴えるには、訴求点は何なのかということを、もっともっと議論していこうという話でした。それによって、皆が、盛り上がるということにもなろうということです。
(問)サッカーの日本代表チームがですね、今、ワールドカップに向けて準備をしていますけれども、先般、東アジア選手権で…。
(答)昨日の会議でですね、冒頭の会長の御挨拶は、まずは、昨日の試合は不本意なことで申し訳なかったということから始まりました。今日は岡田監督を呼んで話をしました、ということから言われましたけれども、非常に心配ですね、その部分は。
(問)雰囲気を盛り上げていくという意味では、活躍が求められる。
(答)ですね。誘致に関しては大活躍していただくことが非常に大きな要素であることは確かですが、こればっかりは勝負の世界ですから、そう期待をしております。
(問)スポーツの関連ですけれども、先週来お尋ねしている、相撲協会からの中間報告なんですけれども、現状いかがになっていますでしょうか。
(答)最終的には、最終報告を待つことになりますが、昨日、中間的な報告を頂きました。これによりますと、相撲協会としては、1、場所中にもかかわらず深夜まで飲食し騒ぎを起こした今回の事態は、横綱としてふさわしくない言動である。2、こうした不祥事は過去に何度も繰り返されており、一向に改まる兆候が見られなかった。こういうことで、理事会として元朝青龍関に対して引退勧告を決意したということです。経過で言うと、報告としてはそういうことでした。そして、結果として、その決意をして本人を呼んだところ、自ら引退したいという申し出があったので受理をしたと、こういう経過という理由の報告を受けました。今回の問題に対して、最終的な報告をまとめるというふうに聞いておりますので、今、中間的な部分としては、そういうことを聞いたということであります。
(問)最終的な報告を受けた上で…。
(答)受けた上で、今後の対応については、その中身を見て判断をしていきたいというふうに思っています。ただ、何度も申し上げますが、大相撲の最高位の横綱がこういう形で引退したということは、極めて深刻な問題だと思っております。
(問)今の関係で、中間的な報告ではありますけれども、騒ぎを起こしたということですが、マスコミで暴行があったんではないかという報道もありましたけれども、騒ぎという段階に、今の段階では留まっていることについてどう思われますか。
(答)中間報告ですから、いろいろ調べているというふうには聞いているんですが。正式な中間報告としてという意味ではなくて、状況的な情報としてですけれども、本人は酔っ払っていて覚えていないという、調査に対してはお答えのようですし、相手の人にお話を聞きたいと言ったけれども拒否をされたということで、何が起こったかということ自体がですね、彼らの立場でいうと、要するに調査の限界があるという状況だと聞いております。
(問)そういう説明もあったわけですか。
(答)中間報告でということではなくてですね、どうして分からないのということの部分では、どうもそのようであるという。そういうこと自体も最終報告では言われるのか言われないのか。言われなかったら、またそれは確かめたいと思っていますけれども、どうもそのようであるという、周辺情報です。
(問)細かい話ですが、先ほどの中間報告の中身というのは文書で昨日来たと理解してよろしいですか。
(文科)事務連絡という形で、まだ正式な判をついたものではございません。理事長までは上げた上で頂きました。
(答)理事長に確認したメモがスポーツ局の方に来たということです。
(問)本人を呼んだところ、引退したいと申し出たというお話でしたけれども、確か、本人を呼んで、いったん親方と二人で退席して、そしてまた戻ってきたときに、というようなやりとりがあったと思うんですけれども、引退勧告的なことを事実上したわけではなかったということですか。
(答)経過でいうとそうかもしれませんが、時間軸を大きく見れば、そういう引退勧告をすべきだという認識を持って、最終的には言う前に辞めたという中で、行ったり来たりがあったのかも知れませんけれども、そこまでは、事実関係としてはきちんと、中間報告ですから。
(問)細かいやりとりというのは、まだお聞きになっていない。
(文科)理事会としては、引退勧告を行うということで意思はまとめたということでございますが、その後、朝青龍の方から引退しますという意向が出てきたので、それを受理しましたという報告を受けています。
(答)それと、報告の中では、調査能力には限界があり、処分に踏み切るには相当な時間が必要であるという、先ほど申し上げたような経過で時間が掛かるということだけれども、こんな騒ぎを起こしたということと、今まで何度もやったということを踏まえると、事実関係の把握は別にしても、今回の事態に至っているだけでも、引退勧告をすべきだという認識で一致したと。それで本人を呼んだところ、引退をすると言ったということです。
(問)最終報告はいつぐらいになるんでしょうか。
(文科)なるべく早くということでございますが、また理事会に掛けて議論したりするので、少し時間が欲しいというふうに言っております。
(問)確認ですが、引退勧告を決意した、ですか、決議した、ですか。
(答)決意。引退勧告を実際にしたということではないという中間報告です。引退勧告をしようということを決めたということです。
(文科)寄附行為上は引退勧告というのは特にございませんので、事実的な行為になるわけで、理事会の意思として引退勧告するということは決めたけれども、特に形式があるわけではないので、朝青龍に引退勧告をしようとしていたけれども、先方から引退させてほしいと言ってきたので受理しましたという経緯になっています。
(問)これまでですね、文部科学省は、一連の朝青龍の件、この前の理事選から時系列で報告するように日本相撲協会に求めていて、それを文書で作成することを要請したために、日本相撲協会は各理事の了承が取れないので時間が掛かるという言い訳をして、今日まで来たはずです。けれども、今お話になった内容というのは、中間報告とはいえですね、これまでも散々言われてきて、もう皆知っていることなので、それにこれまで時間が掛かるということは、日本相撲協会が、財団法人としての機能を果たしていないんではないでしょうか。
(答)トータル、最終報告がいつ出てくるのか分かりませんが、それも含めて、監督官庁としては総合的に判断して対応したいと思っています。
(問)いらいらしませんか。
(答)日本文化の象徴ですね、相撲はね。だから、そういう部分で、古い伝統というものと、新しい世の中というものの葛藤はあるのかなという感想を持ちましたね。
(問)皮肉を込めておっしゃったんですか。
(答)いやいや、だから、伝統文化というものと新しい時代というのは、やっぱり文化の摩擦じゃないですか、今までどおりというものと、変革を求められるというものとのね。今までどおりだから文化であるという側面と、やっぱり時代が変わってきたなという部分は、これは組織の運営も、中身も、やっぱり非常に両方いろんな議論としては葛藤があるんだというふうに思います。
(問)高校無償化ですけれども、自民党の方から予算委員会で、所得制限をした方がより効果があるんではないかという対案が出ていますけれども、大臣としてですね、所得制限みたいな考え方というのは受け入れられないことにお変わりはありませんでしょうか。
(答)これは閣議決定した法案です。これは正に政策判断ではなくて理念の違いだと思っています。昨日も委員会で申し上げたとおり、自民党が提示された考え方も一つの考え方として私もあると思います。マニフェストでもですね、自民党案は、高校の授業料減免制度を拡大していくというマニフェストで、我々は、公立高校の実質無償化と、私学への低所得者に対する手当てをするという、所得制限をしないということです。高校というものは基本的に公によって大きく支えられるという、学びたい人に提供されるというものという国にしたいということと、経済的に負担の多い人を応援してあげるというのは、理念が違うということと思っています。
(問)埼玉県内の小学生の性同一性障害ということについて、先週金曜日に、第一報についての御所見を述べていただいたところですが、現時点で、今後行動するお考えがあるとしたらどんなお考えか、教えていただけますでしょうか。
(答)いろいろと法律的な問題も含めて、これが社会的に大きな話題になり、手立てがいろいろとされつつあるという、現在進行形での性同一性障害に対する日本の法律と社会の対応だと思うんですね。動いている途中だと思う。そういう中で、このように低学年の子どもが、こういうことで非常に深刻な悩みを抱えておられるということがあったこと自体は、私は結構、ちょっと驚きました。現実には、結構非常に大きい問題としてあるなということと同時に、このケースにおいては、学校、教育委員会、それから保護者を含めてですね、非常に最大いろんな手立てを取って対応しておられるということも、教育現場の対応としてはきめ細かくよく対応していただいているというふうにも思いました。制度的にどうするかということも大事ですが、やはり、それぞれのお子さんの立場に立って、周りがどうかして健やかに育っていくという環境を作ってあげるということに、それぞれの教育委員会、学校現場、我々も含めて、いろいろと知恵を出していきたいというふうに思っています。
(問)民主党の小林千代美議員の関係で、北海道教職員組合から、違法な資金提供があったんではないかというような疑いが出されていますが、その点の受止めをお願いします。
(答)捜査中のことですので、個別の案件に私の立場でどうこうということは、コメントはありません。
(問)子ども手当の満額支給をするかどうかを巡ってですね、総理大臣と閣内でいろいろと意見が食い違っているところがあると思うんですけれども、財源論も含めて、今のそういった議論について、閣僚としてはどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)一番のおおもとは、マニフェストで国民にお約束したことを、最大限守る努力をするというのが前提であるというふうに思っております。個々の問題うんぬんという技術論、財源論ということは、当然いろいろ出てくるとは思いますが、基本的にはその姿勢であることは、皆、一緒だと思っています。
(問)公務員制度改革が間もなくまとまりそうな感じですけれども、例えば、各省庁一元化になりますと、法律的にいろいろ、条文についても詰めなければいけないと思うんですけれども、文科省としては何かお考えというか、要望みたいなものはあるんでしょうか。
(答)特にありません。省でうんぬんという問題ではないと思っています。ただ、一元的にという部分は、優秀な人材を幅広く活用するという意味での効果は当然あると。これは文科省という意味ではなくて、それぞれの役所でですね、やはり、その分野に非常にたけた経験と専門知識とを含めた人材を養成するというのが各省庁の一つの役目でもありますから、そういう意味と両方の機能が、うまくかみ合うようにするということは非常に大事だと思います。それぞれの役所で、文科省は文科省なりに、他の役所は他の役所なりに、人材のその分野の専門性を高めていくという部分で、やっぱりトレーニングしていると思うんです。もちろん、いろんなところに、省内でも、あるいは省外にも、外国も含めて行っていますけれども、それはトータルとして、この分野のエキスパートを育てようという中で今まで動かしてきた部分がありますから、そういう部分はやはり大事であるということは、これは法律の問題というよりも動かし方の問題だと思っていますので、個人的には、割に気にはしています。
(問)北海道教組の問題ですけれども、容疑の内容についてのコメントができないというのはよく分かりますが、教組が捜索の対象になったという事実についてはどのように受止めていますか。
(答)だから、中身が全く分からないので、捜査の部分に関してということですが。北海道教職員組合という団体というのは、北海道人事委員会への登録団体という意味で、その登録されているというかかわりは北海道人事委員会であって、文部科学省が直接にかかわる団体ではありませんので、その部分でも、特段何かを今言えと言われても、ちょっと違うということであります。
(問)4月の高校無償化が始まる前の、今年度の3年生が卒業できるかどうかという課題が一つあると思うんですけれども、厚生労働省の方で、滞納している授業料を何とか手当てできるようにという仕組みを、ちょっと変えたと思うんですが、文科省で何か対策を考えられていることはありますか。
(答)厚生労働省からのお呼びかけでいろいろと連携する相談は、今、高井政務官がさせてもらっています。
(問)先ほどの公務員制度改革ですけれども、優秀な人材を引き立てて育てるというのは、一方でですね、次官級を部長級に転任扱いで、通常人事で格下げという仕組みもあるわけですが、その点は、職員の間にですね、当然緊張関係を呼ぶ一方で、士気を下げるんではないかというようなことを指摘する声もあるんですが、その辺はどうお考えですか。
(答)どの社会も、そういう社会なんです。だから、公務員という世界だけが、いったん得られた立場は、普通で言えば保持されるということでない、普通にしようという議論ですから、今から違うという意味での思いはあると思うんですけれども、それはそういうもんだということではないんでしょうか。しかも、それが制度上の問題と、運用をどうされるかというのとは、両方ですから、制度上できないというのをできるというふうにするのと、しょっちゅういつでも落としてやろうかというのとは違いますから、そういう意味の懸念はあまりしていただかなくてもいいと思っているんです。きちんとその職責で全力を挙げていただくということで、それに、やはり非常に、限界があったりした場合には、そういうことがあるというのはどの世の中でも、特に、最高位に近ければ近いほどあることですよね。ポジティブにとらえてほしいなと思います。

(以上)