川端内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年1月26日

(平成22年1月26日(火) 18:35~18:49  於:参・本会議場中庭側廊下)

1.発言要旨

私の方からは1点ですね、報道にもありましたけれども、江戸川区において、児童が虐待により死亡に至るということが起こりました。非常に深刻に受け止めて、先ほど来、長妻厚労大臣とも連携を取りながら、政務官同士も連携を取ってということで、私からコメントをこれから読ませていただきます。今回このような痛ましい事件が起こったことは、大変残念であり、強い憤りを感じています。今回の事件は、学校が本児童に対する虐待の疑いを把握した後、児童が学校を休みがちになるなど、重要な変化があったにもかかわらず、関係機関と連携した対応が十分に図られていなかったものと聞いております。児童虐待問題は、児童の人権を蹂躙する大変な問題であり、社会全体の最大の課題の一つと認識しており、本日、厚生労働大臣とも相談し、今後、児童虐待防止について両省でも更に連携を密にして取り組んでいくことを確認し合いました。二度と同じことが繰り返されることがないよう、全国の教育委員会、学校関係者には関係機関との連携など適切な対応をお願いするとともに、すべての国民・地域社会の皆さんが子どもたちに目を配り、子どもたちが安心してすこやかに育つことができるような社会の構築に向けた御協力をお願いしたいと思っております。なお、文部科学省では、本日付けで各教育委員会等に通知を発出し、児童虐待防止に向けた学校等における適切な対応の徹底を促したところでございます。文部科学省としても、今後とも、学校関係者を対象とする各種会議等において、学校現場における児童虐待防止について、周知徹底を図っていきたいと思っております。

2.質疑応答

(問)先週、民主党の小沢幹事長が東京地検の事情聴取を受けられたということで、先週の記者会見で大臣は、「事情聴取を踏まえた中で、幹事長も国民への説明責任を果たされるのではないか」と話されていましたが、説明の内容が国民への説明責任として十分な内容だったと思うかどうか、大臣の考えを教えて下さい。
(答)この前の記者会見は、事情聴取を受けてその中身とそれに対する説明をされました。私はかねがね、事態は何が問題になり、どういうことを説明しなければならないのかが、当事者ではないのでよく分からないということでコメントを避けて参りましたが、御本人の口からこういうことが問題になり、自分としてはこういう答えをしたということをおっしゃった部分は、一定の説明は果たされたと思っております。ただ、事実関係を含めて御本人しか御存じないこともたくさんあるということでありますので、これからいろんな形で、時期に応じて適切に対応されていかれるものと認識しております。
(問)大臣御自身は、その説明を聞いて納得はいったのですか。
(答)本人が、要するに記載の問題と、それから資金の出所というんですかね、資金の元になるものということを言われたということ自体は、一生懸命言われたということで、そういう説明を受けて、そうであろうというふうに思いました。違うとか何とかということを検証するすべを持っておりませんので。
(問)検証するすべがなくてもですね、以前は遺産だと言っていたのが、金庫にあったと言ってみたり、やっぱり二転三転している印象がありますし、どの報道機関もそういう書き方になっているわけですけれども、国民がこれで納得できると思っていらっしゃいますか。
(答)それは、御本人が真実を知っていて発表されて、それにおいてメディアの方も報道されるし、それにおいての世論の反応もあると思います。それで御本人が、それを受けて、またしかるべく対応をされていくものだと思います。
(問)対応というのは、より細かい説明ということですか。
(答)それは、御本人がこれで十分だと思われるのか、皆さんの声も含めて、もっと必要だということだったら、個別具体なことも含めてもう少し説明されるか、それは御本人の判断だと思っています。捜査の進展もあると思いますので。
(問)御本人は幹事長職を、今のところ続投という姿勢を示していますけれども、大臣御自身は続投を支持されますか。
(答)人事権は代表にありますので、総理である代表が幹事長を続投ということを言われた以上、組織人としてはそれを了としたいと思っています。
(問)虐待の件なんですけれども、関係機関の連携不足というのは、過去も同じようなことが何度もあったかと思うんですけれども、大臣としてはどの辺りに一番問題があるとお考えでしょうか。
(答)本当に細かくは、関係者からも話を聞いたわけではないのですが、やはり、歯医者に行って、「これはどうも暴行を受けたのではないか」というところから、学校に連絡がいってということで、親御さんが、そういう暴行は認めたけれども二度としないという、そこら後ですね、そこから後の対応は、やはり連携と、それから、行ったら親御さんが「頭が痛いから休んでるんだ」ということとかの部分のときに、子どもにひょっとしたら何かが起こっているのではないかという危機管理というか、子どもが大変な目に遭っているのではないかという感度が、私は非常に薄かったということが極めて残念な思いがします。就任のときに申し上げましたけれども、いろんな形でメッセージは出ているというのを、どう受け止めるのかということと、それにどう反応するのかということが、やはり非常に甘かったという印象を今、持っています。事実関係を詳しく、まだ経過でしか聞いていませんけれども、印象としてはそうです。
(問)これまでも虐待に関しては、関係機関の連携というのを徹底するようにという通達は、上位機関からいくらでも出ていたと思うんですけれども、根本的にですね、更に何か進めていくお考えなんですか。
(答)この立場に立たせていただいて、ここまで言うのも初めてなんですが、例えばこういう紙にしてもですね、見ればそういうことがあったら全部こうしなさいみたいなことが書いてあって、なぜできないのかということが、その受止めの問題だけではなくてね、やはりいろんなことがあると思うんです、現場では。例えばいっぱいあるとかね、あるいは対応に慣れていないとか。慣れていないから、そういう児相も含めての部分と、それからカウンセラーの配置とか、それから法律改正してそこにはある種の強権力を行使できるようにしたとか、やっているのが機能しないのはなぜなのかということは、一番の問題意識として、今、私にはあります。ですから、やはり非常に悲しいことですし、もう許し難いことなんだけど、起こってしまったという部分を、このタイミングに改めて、関係者に今一度、皆もう一度考えて欲しいという、タイミングとしては、すぐにこういう行動をさせていただいた。日常的にいっぱいやってるんですけれども、なかなかそれが上手くいってないという。
(問)全然別の話なんですが、政府の重要案件である普天間基地の移設問題でですね、昨日、平野官房長官が週末行われた名護市長選挙の結果は「斟酌する理由はない」というような発言をしました。党内とか関係者からは、結構批判も含めていろいろ反応もありましたが、それについての御意見、受止めをお聞かせください。
(答)どういう文脈で言われたのか、今日の新たなそういう質問なんかで言うと、それだけを選挙のテーマにしたものではないという見方と、それから判断は国の責任において行うというものであるということの、いろんな思いの表現がああいう斟酌するものではないという表現になったのかなというふうに私は推察をいたしました。住民の意思として、やはり争点がそういうものであって、一定のそういう意思が示されて市長が選ばれたこと自体は、私はそういう位置付けのものだと思いますけれども、斟酌うんぬんという言葉自体は今日伺っていると、いろんなことで国の責任でやらなければならないと、地方の皆さんに何か責めを負わせるものではないというのが強く出た言葉だったのかなというふうに思っております。
(問)予算委員会なんですけれども、「政治とカネ」の集中審議が2月中旬までに行われる見通しなんですけれども、陸山会を巡る一連の問題で、国会が真相解明に乗り出すべきというふうにお考えでしょうか。
(答)それは各党間と国対で御協議されるものだと思いますので、私の立場でコメントは今のところ、するべきではないと思います。私も国対は長くやっていましたから、やっぱり内閣との部分では、ちょっと立場は違うと思います。
(問)虐待の話に戻るんですけれども、校長は会見で、子どもには「虐待を受けている」ということを担任に言って欲しかったというふうなことを言っていたんですけれども。
(答)就任以来ずっと言っていることなんですが、今回の例という意味ではなくて、例えば、自らもう明日生きる道を選ばなかった子どもがいたときに、どうして言ってくれなかったんだという周りの声はよく聞く話なんですが、いろんなサインを出していたのに気が付かなかったということと、それから、言うという人間関係を持っていなかった、言ってもらえなかったということの思いを持つべきだろうと私は思います。言ってくれなかったのは、なぜ言ってくれなかったのかということに、責めてる意味じゃなくて、やはり、どうしてその子どもは言ってくれなかったんだろうということに、次に解決していく大きなポイントがあると、私は思っています。
(問)これまでの政策をもう一度見直す必要があると思うんですけれども、思い切って、きちんとした対応をするような部署とかですね、緊急のチームなんていうことは念頭におありですか。
(答)先般、だから子どもを見守り育てるネットワーク推進会議を作ってですね、警察も厚労省も含めて、そしてNPOも、連合の皆さんも、JCの皆さんもと、正に総掛かりでやろうと。だから、やるべきことと、やる仕組みとは大体できてきているし、これからもやっていきますが、その一番基の部分にやっぱりもどかしさをまだ、私は感じています。それをどうしたらいいのかが、仕組みを作るとかということよりも、やっぱり心の芯からそういう大変な目に遭っている子どもを守らなければいけない、救わなければいけないみたいな部分が、もっともっと皆が、本当にせっぱ詰まって思わなければいけないということではないかな、ということで、あえて長妻さんとやらせていただきました。
(問)大相撲初場所が終わりまして、朝青龍が優勝しましたけれども、来月1日に日本相撲協会の理事選が、いろいろこれまでと違った異例の、貴乃花親方が立候補するような動きがあって話題を呼んでいます。大臣はこの選挙がきちんと行われるかどうかについて関心はありますか。
(答)微妙な話なんですが、結果がどうなるかに関しては、今までと違うという状況になってきている部分では関心はあります。ただ基本は、協会は協会の制度とルールでおやりになることですから、それにとやかく言うつもりはありませんが、やはりあらゆる団体が、これだけ大きく社会が変化している中ではね、いろんな変化が起こってくるという中に、やっぱり相撲協会も、なかなか経営的にも、観客数の問題とか、いろんなことがこれからどうあるべきかという、いろんな議論があるんだと思うんです、多分。そういう意味では、こういう機会に、より活発にいろんなことが議論されて、より良い協会になっていくきっかけの一つになればいいなというふうに思っています。

(以上)