中井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月18日

(平成22年5月18日(火) 8:52~9:07  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 一般案件、国会提出案件、人事、政令、それぞれ処理がなされました。人事では、国家公安委員会の新しい委員の任命の同意の求めるということで決定がなされました。したがいまして、今週中の本会議で御処理をいただけるものと考えております。
 特殊会社の役員人事についての話が仙谷さんからございまして、官僚OBの常勤役員に占める割合が2分の1となっているのを3分の1にまず削るという報告がございまして、これは今後1年以内であります。閣議後、これについて閣僚から、一遍にゼロにするということではないのかという議論があり、一遍にできることとできないことがあるんだという話、言ったり来たりがございまして、4年の間にゼロを目指してやっていくという党のマニフェストの公約どおり実行ということで、了解に達したところでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問) 餃子の事件の関係なのですけれども、千葉県のほうの事件で、今まで袋に穴があいていないとされていたものが、その後、科警研で調べたら、実は穴があったというようなことが今回わかったんですけれども、それに関してお考えをお願いします。
(答)先週報告を受けました。また公安委員会でも報告があって、議論のあったところでございます。やはり初動の調査、捜査をきちっとやらないと、後になって齟齬を来す。科学的な捜査というものの必要性、これを徹底してほしいという注文でありました。過去、中国側の捜査について、時間がかかったことを含めて、日本側からマスコミの皆さんを含めていろいろな推論や意見が出たわけですが、中国側が犯人と目される者を逮捕した後、その供述や証拠調べの方がきちっとしていて、日本の証拠調べの方がずさんであったというのは、誠に恥ずかしく、残念なことであります。大至急、この袋等をもう一度調べ直したようですが、そういう諸々の結果を持って、5月中には日本から中国側へ人が派遣され、十分な証拠等の調整、検証、こういったものが行われると考えています。こういう事件を契機に、各県警が初動調査というものを十分慎重に科学的におやりいただくことを強く望みたいと思います。
(問)昨日、政府としての口蹄疫の対策本部を立ち上げられたと思うのですが、先月20日の発生確認から約1カ月たっての立ち上げということで、政府の対応の遅さが感染拡大を招いたとの声もあるんですが、ここら辺について、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)今回の口蹄疫の広がりというものは、やはり今の餃子の事件と一緒で、初動で口蹄疫でないと認定をしてしまったところから来る誤りだろうと思っています。しかし、その後、大変な広がりを見せて、昨日僕らが考えていた条件よりも早く本部が開かれました。私も自分の選挙区の畜産業者が2人、あの地区で大規模な牛を飼う事業、牛の肥育に携わっておりまして、心配をいたしております。
 問題は、私は本部会議でも発言をしたのでありますが、この今の法律が古過ぎる。それは各農家が2、3頭の牛、豚を数匹、あるいは鶏を50羽ぐらい飼っていたときの法律なのですね。何かと言いますと、そういう疫病が出たときには、獣医さんに頼んでと殺をしてもらう、静脈注射ですね。そして、自分の庭に埋めなさいと書いてあるんですよ。自分の私有地に埋めなさい。ところが、今や牛を飼っている僕の友人なんかも700頭とか、数百頭単位ですから、1頭がまた数百キロですから、そんな私有地なんてありません。にもかかわらず、そういう法律のもとにやられたために、本来早急に処分しなければならない牛を隔離の中で生かし続けた。そうせざるを得ない、法律違反だから。そのことによってウイルスが生き続けるわけです。また、農家の方は、獣医さんが来てくれて処分してくれるまで、飢え死にさせるのはかわいそうだというので、飼料をやるんですよ。これは人情としてそうなんですね。この間に蔓延しちゃった。だから、もう超法規的に、ばんとと殺のあり方や埋設のあり方を変えなければならなかった。
 僕は今回本部が立ち上がったのだから、そういう超法規的な措置をとること、そして法律改正すること、こういったことを強く求めたところでございます。そういった体制の不備、過去の整備の不備が、今日のあの非常事態を招いたと。実態はもうはるかにかけ離れている。そういうことだったと思います。だけれども、それを今さら言っても仕方がありませんから、1日も早く封じ込めて、そして終焉が迎えられるようにやらなければ大変な被害が日本中に出てくると考えています。
(問)普天間問題についてなんですけれども、総理が目指す5月末決着まであと2週間になって、厳しい状況は依然として続いているんですが、社民党の福島党首が5月末までに決める政府の基本方針に、沖縄県内移設が盛り込まれた場合には同意できないと、閣議了解も応じられないという考え方を示されていて、国民新党も現行案の修正は難しいという考え方を示されていて、閣内からこういった異論が出ることについて、大臣としてどのように見ていらっしゃるかと。
(答)この普天間の問題については、閣内から異論というよりか、福島さんはずっと社民党の主張をいつでもどこでも全然変わりなく繰り広げられているわけですから、これをもって閣内の異論ということではなかろうかと僕は思っています。閣議前に何か会議がおありだったようですが、閣議の待機をしている雑談の中で、何人かから福島さんに、そうは朝から晩まで違うことを言わんでいいじゃないかと。しかし、福島さんはかわいらしくて、一生懸命おやりになっているから、なかなか憎めないんだよねとか、福島さんがおっしゃっていただいているから、鳩山さんも気の毒にねという同情票があるとか、いろいろな話が出ておりまして、和やかに議論しながらやればいいと。
 しかし、社民党さんもやっぱりどこかで譲っていただくということがなければ物事は進みませんから、いろいろと社民党さんは社民党さんの御議論をいただければいいんじゃないかと。また、関係閣僚会議も、社民党さん、福島さん等に十分御説明をされていけばいいのではないかと思っています。
(問)理解は得られるというふうに見ていらっしゃるのですか。
(答)僕は今の社民党さんを余り詳しく知っているわけではありませんが、昔の社会党さんなら、口でわっと言うことと、腹の中とは違うことが往々にありましたから、そういうわけにいくかどうか、よくわかりませんね。十分、仲間ですから、話を聞く、対応していることをきちっと説明すると。ただ、社民党の方が、内閣が努力していることを少しわかっていただいているかどうか、社民党全体がね、ということを心配しています。
 今日は閣議前に、私がそのときに、この間沖縄の反対の集会か何かを見ていましたら、「沖縄を返せ」という歌を歌われていたんですね。あれは懐かしい歌だなと。知っているのかと小沢さんとかに聞いたら、そんなの全然知らないと言っていました、枝野さんも。知っているのは防衛大臣と僕ぐらいかとか言って、防衛大臣は「きけわだつみのこえ」を中井さんは知っているかとか言っておったから。だから、随分古い運動家がまた出てこられたんだなと。そういうところが社民党の運動家がおられるんでしょうね。僕らも学生時代に沖縄返還の前に行って、その歌を歌ったことがありますよ。知らないでしょう、皆さん、「沖縄を返せ」なんていう歌。そういうところかな。
(問)韓国の哨戒艦の沈没のことなのですが、韓国政府は既に北朝鮮の関与を断定したとの報道も一部ではありますけれども、20日の調査報告の結果次第では、日本としてどう対応すべきか、拉致問題の大臣として、そこの点をお伺いします。
(答)今日、閣議で岡田外務大臣から15日の日中韓の外相会議の報告がございました。そして、6者協議についての対応がこの事件の問題に絡んで微妙に発言が違っていたと。こういう御報告と同時に、万一20日過ぎに北の関与ということを含んだ報告が出された場合に、十分韓国と連携をとってやらなければならない。同時に、北というのは何をするかわからない国であるだけに、閣僚の皆さん方も十分協力をしてほしい、こういうお話がございました。
 私は先月韓国に行ったときにも、日本は韓国の沈静で冷静な対応に敬意を表し、そして出された結論で韓国が対応する方向で一致してやりたいと、こういうことを申し上げましたから、岡田さんのお考えと一緒だと思っておりまして、韓国がどういう対応をとるかによって私どもも考えていきたい。国連における制裁を求めるのか、どういう形になるのか知りませんが、いろいろな準備は、私どもも心づもりとして、してまいりたいと思っています。

(以上)