中井内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月16日

(平成22年4月16日(金) 8:44~9:03  於:衆議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 一般案件、国会提出案件等々、それぞれ処理されましたが、一般案件の中では、例のいわゆる北朝鮮に対する制裁、船舶と外為、貿易のものの2件が入りまして、また、国会提出案件では、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況に関する報告、いわゆるオウムの報告が行われまして、これに対して法務大臣と私から発言いたしたところであります。
 終わりましてから閣僚懇では、原口総務大臣を始め何人かの議員から、成長戦略について仙谷さんから発言があって、もっとアイデアを絞ってくれという発言だったのですが、これに対して、結構出しておるのだけれども、受け手が悪いのではないかと。受け手の、仙谷さんが悪いのではなしに、事務方がうまく反応しないのではないかという話が出て、数人の閣僚から、ITの国家戦略ということで10数年前からやっているが、全然進んでいないのではないかということで、長妻君などは、「国が電気代を幾ら使っているかわからない」とか、「予算の施行状況がどうかということもこのコンピュータでは出てこない」というような実例が次から次へと上がって、もう少し各省庁、督励して、ITを使いこなすということもやろうということになりました。
 私は黙っていましたが、例えば警察などでも、3月中、自殺防止強化月間ということをやっておりまして、4月初めに「一月間の自殺件数はどうだったのだ」と聞きましたら、「20日ぐらいまで待ってくれ」と言うのです。「どうしてだ。各県警本部が毎日コンピュータへ打ち込んでいけばしまいではないか」と言ったら、「いや、一々細かいデータを書いて、それを一月後、県警が集計して、それを一つ一つ打って本部へ送る」と。「何のためにコンピュータがあるのだ。毎日、件数だけでも打てばよいではないか」と。そういうことを含めて、なるべく仕事を迅速化しないようにできたコンピュータなどというのは何の意味もないというのが実感ですから、警察の仕事は人手を使う仕事ではありますが、精いっぱい督促してみたいと思います。同時に、拉致対策本部でも、今、データをつくらせていますが、とにかく五、六年、データなしにやってきた。コンピュータのデータがないということではどうしようもないわけですから、これらを含めて、遅れているところは精いっぱいやっていきたいと思っています。
 あと、中国の餃子問題については、昨日、公安委員会で、面子はどうでもよいから、早く交流して真相解明に踏み込むべきだと申し上げました。これを受けて、少し中国側から人を受け入れるという方向になるかなという形で調整が行われていると報告を受けています。僕は、どっちでもよいと思っています。捜査当局には、いろいろと面子があるのだと思いますけれども、そんなことで時間をつぶしているべきではないと考えて、実質的に証拠と犯人の供述とがきちっと合うのかどうかというようなことを含めて、早く確認できるようにしてほしいと思っています。
 それから、タイでのマスコミの方の死亡事故につきましては、私が昨日、公安委員会で申し上げたとおり、警視庁内部に捜査本部を置く、こういうことになったようでございます。また、お住まいの石神井警察署のほうにも、それはそれなりに家族の方に御対応したりというような形での体制はつくるようでございます。今後とも、こういうふうに海外で事故や不慮の死に遭われた方の捜査ということに関して、どういう捜査本部体制をとるかということを、十分、準備させていきたいと考えています。
 大体、以上のようなところです。

2.質疑応答

(問) 先ほどおっしゃった中国側から人を受け入れるというふうなことで、日本から中国に行くということですか。中国から日本に来るという?
(答)中国から先に捜査当局が来るというのでもよいのではないかと、僕は言っているわけです。
(問)そういうことで調整……
(答)調整が始まっていると思います。そして、それを受けて直ちに日本側も折り返して行く。そのほうが早いのではないですかね。中身は知りませんが。
(問)先ほどの法務大臣ともあった、いわゆるオウムに対する発言、これはどんなことだったのか。
(答)これは、普通の報告に対して、警察は公安調査庁がオウムの幾つかの施設を毎年チェックに入っているわけです。そのときに警察は、情報提供や、あるいは周辺警備をやっておりますし、また、依然として逃げています3人のいわゆる指名手配の人たちを引き続き追跡調査している、こういうことを申し上げました。
(問)先ほどおっしゃっていた北朝鮮への制裁の2件を、具体的にもう少し詳しく教えていただけますか。
(答)今までと一緒でありますが、1年ということがまず1つ。それからもう一つは、この法案作成、提出の中で第3国経由の貿易、これに関して目を光らせる、追跡調査する、こういうことが盛り込まれた点が従来と違うところです。私どもは、外務省もそうでしょうが、韓国で引き上げが始まった哨戒艇の沈没の原因、これがどういう結果になるか、大変注目しています。韓国側が極めて冷静で、アメリカ、イギリス、オーストラリア、それからスウェーデンの4カ国の調査団に任せて原因を究明する、こういう態勢をとられていることは、本当に一つの学ぶべき知恵だと思っています。対北に対して対応するときの学ぶべき知恵だと考えています。
(問)金元工作員の日本への招聘については、何か方向性などについて教えていただけることがあれば。
(答)今日、新聞を見ましたら、某新聞には何か私のスケジュールが目的も含めて書いてありましたが、一切そんなことはありません。誰も関与しておりません。常にああいう形で報道されるということは、あまりプラスにもなりませんし、特定の漏えいルートがあるのか、何かささやく人がいるのかと、非常に不愉快な思いで見ています。韓国へは、アメリカで毎年行われています北朝鮮に対する人権週間で、1週間ほどいろいろな行事が毎年ワシントンで行われて、日本からも家族の会はもとより、民主党は毎年ここへ人を送り続けてきたので、今年はこれが、アメリカ主催ですが韓国で行われるということですので、国会の26日以降の日程がわかれば、一度、ジャパンデーみたいなところでスピーチをしてくれぬかという依頼は受けています。それ以外、何もありません。
 金さんの招致については、韓国側と交渉を始めていることは間違いありませんが、5月であるとか何であるとかというようなことは、一切何も決まっていません。
(問)大臣の所管外の話で恐縮ですが、沖縄の普天間基地の移設問題について、総理は5月末の決着ということを常々おっしゃっているのですが、それでも5月末決着が無理ならば、総理の進退問題にも発展するのではないかという見方、野党を中心にそういった話も出ているのですが、大臣の見解というか、そういった見通しはいかがでしょうか。
(答)野党は、常に「総理は辞めろ。内閣は退陣しろ」と言うのが仕事ですから、野党が言われることを一々気にしておったのでは、仕事はできません。普天間の問題については、僕は管轄外ですから、今までも一切発言はしてまいりませんでした。総理や官房長官、外務大臣、防衛大臣も苦労されておるわけですから、5月末にはうまく決着が図られるようにという思いでいっぱいです。
(問) 無理であったら進退問題に発展とかという……
(答)無理かどうかというのは、さっぱり僕はわかりません。何をもって無理というのかわかりません。また、総理は総理で、非常にお家柄から上品にお育ちですから、マスコミの皆さんに対しても独特の言葉遣いをなさいます。私らもお話を申し上げて、非常に丁寧なお言葉をお使いになりますから、真意をきちんと確かめないと判断を間違うときもありますので、そういう意味で、総理は十分実現可能と思って御発言なされている、こう考えています。まだ一月半ありますからね。
(問)新しい高速道路料金制度なのですけれども、新しく打ち出されたのですが、一部で仙谷大臣など党内から、「おかしいのではないか。四国は何で高いのだ」という話とか、いろいろ批判の声も党内、閣内から上がっているのですが、これについて大臣はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)僕は、昔、予算委員会で質問しましたときは、大平さんだったかな、宮沢さんと橋龍さんが大臣をされていましたが、「四国に3つも橋とは何事だ」と言ったら、3人がそれぞれ「余計なことを言うな」という答弁をされましたのを覚えていますよ。全く無駄な橋だったのだな、四国の。ずっと赤字ですよ。
 だけど、それを今さら言っても仕方がないので、これらを含めて、前原さんが担当として、日本全体、どういう料金体系をとるか。そして、マニフェストとの整合性をどうするか。十分お考えになった上での第1回目のスタートだろうと思っております。フェリーの料金とか、JR東海・東日本の9%にも及ぶ旅客数のダウンとか、これは高速道路だけではなしに、昨年は新型インフルエンザの問題がありましたが、こういうことを含めて、バランスを考えておやりになったのだろうと思いますが。
(問)先ほどの韓国の、北朝鮮人権週間の件なのですけれども、大臣のほうで、国会の日程の調整がつけば、非常に対外的にアピールするチャンスにもなるのかなというふうに思いますが、これは調整がつけば行かれたいということですか。
(答)調整がつけば行きたいと。26日以降がどういう審議日程になるのか、29日まで見えないものですから。
(問)奈良県警で、警察官2人に対する付審判の開始が決まったという件について、御見解を。
(答)付審判?
(問)2003年だったと記憶しているのですけれども、自動車で逃亡中の容疑者に対する発砲で、被疑者が1人死亡、1人重傷、警察官2人に対して、特別公務員暴行陵虐致傷罪ですか……
(答)それは、僕、すみませんが、聞いていませんので、聞きましてでいいですか。また今日午後からでも、なんだったら聞きにきていただければ、感想を言います。
それは、2003年の事件?
(問)発生はそうだったと思います。

(以上)