仙谷大臣記者会見要旨 平成22年6月4日

(平成22年6月4日(金) 9:46~9:56  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 鳩山内閣最後の記者会見でございます。
 総辞職の手続を閣議でしてまいりました。総辞職に当たっての総理大臣談話、あるいは閣議では総理大臣の発言というものがございました。
 8カ月半でございますけども、ある種感無量であります。とりわけ今日、閣議の前に「新しい公共」宣言を署名をして、総括的なあいさつが鳩山総理からもございまして、ある種感慨深いものがあったということであります。
 どうぞ。

2.質疑応答

(問)まず、閣議のときの総理の発言と、閣議と閣僚懇で大臣はどんな発言をされたのでしょうか。
(答)私は発言していません。
(問)8カ月半でこの鳩山政権が結局、総辞職に至ったわけですけれども、今の率直な思いというか。
(答)総理がこの間の両院議員総会でもあいさつをされておりましたが、総理、それから幹事長の政治とカネの問題が大きい壁となって、その制約下で国会運営がなされなければならなかったということが、やっぱり一番御本人にとってもつらいことだったと思いますし、我々にとっても残念なことです。政治主導で、政と官の関係を含め、文字どおりの官僚内閣制から国民主権内閣制に変えようという思いでここまでやってきて、事業仕分け、行政刷新会議の仕事以降、相当成果は上がりつつあるし、上がってきていたと私は思っておりますが、その部分がやっぱりなかなか浸透できなかったということで、こちらのメッセージ力の弱さがあったかもしれませんし、そもそもその前提問題たる政治とカネの問題がやはり相当大きかったかなと思います。
(問)昨日、大臣は官邸でのぶら下がりの発言で、菅氏に対して、これから鳩山政権が持っていた弱点を克服することに期待をされていましたけれども、鳩山政権が持っていた弱点とはどのようなものだったと思いますか。
(答)まあ、1つは、政治とカネの問題だと思います。それから、もう少し総理及び官邸が主導して、政策案件についてもイニシアティブを持って調整に当たるということが、案件が多いということもあって容易でなかった。そこをやっぱり選択と集中でやっていくという必要が多分あったんだろうなと、こういうふうに思っております。
(問)鳩山内閣で政治主導の2つの目玉として、行政刷新と国家戦略を掲げ、大臣は一時両方も兼ねられていたと思うんですけれども、そういう意味での政治主導の成果があったのかというのが1点と、一部閣僚は、官僚との関係の中で、結局、最後までうまくいかないという例もあったというふうに聞きますけれども、このあたり、政と官の関係についてはどうでしょうか。
(答)他の省庁で、政と官の関係がもう一つだというお話を今いただきましたけど、ちょっとそれは、私、わかりません。  それで、やっぱり1つは宿年の宿題、つまり自民党政権下の宿題がこれはもう大変大きく数多いということもあって、先ほどから申し上げているように、政治主導でどれにどう取り組むのかというのは、やっぱりそれほど簡単な話ではないから、もう少しお時間をいただくということが本当は必要だったんだと思いますが、何せこの国会審議で衆・参の予算委員会があり、法案審議があり、いかに時間的に政治主導をするために困難な環境が、この日本の政治と行政との関係であるのかというのが身にしみてわかりました。まあ、これは一朝一夕に変えられる話ではないので、ここをどうするのかというのはこれからの考えようです。
 私に限って言えば、内閣府の方々とも、あるいは内閣官房の副長官補室の方々とも、そして我が大臣室の方々とも大変ある意味で良い意思疎通が図れたし、それから私の思うところで動いてくれたし、知恵もいただいたと、私はそう思っております。
(問)今後の新しい内閣での政権運営について、幹事長をやめられました民主党の小沢さんとの関係を、新しい政権はどのようにとっていくべきだと思いますか。
(答)昨日、菅さんがおっしゃっていたようなことじゃないんでしょうか。鳩山さんもとことんクリーンな政治をつくりたいということでありますから、別に小沢前幹事長がどうのこうのという話じゃなくて、政治姿勢、政治体質の問題として、そこのところはできる限りというよりも、やっぱりいくら理想論だと言われても、そこにどうやって近づいていけるかという、正に壁に電気ドリルで穴をあけるような作業になるかもわかりませんけども、そういうことをやらなきゃいけないだろうと思います。
(問)ということは、あまり要職に残られるというふうにはされないほうがいいということでしょうか。
(答)それは新しい代表の人事構想、人事権でどうされるか。いずれにしても、大変なお力をお持ちなわけですから。人事というのは、人事権を行使した瞬間にプラスもあればマイナスもある、どちらにもリスクがあるということは世の常ですから、じっくりそれはお考えになるんではないんでしょうか。

(以上)