仙谷大臣記者会見要旨 平成21年11月24日

(平成21年11月24日(火) 9:09~9:26  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 一昨日、昨日とお付き合いいただいた方には御苦労さまでございました。お天気よくてよかったですよね。
 今日の閣議は、取り立てて御報告するようなことはございませんので、御質問ございましたらどうぞ。

2.質疑応答

(問)世論調査の結果の反応をちょっとお伺いしたいんですけれども。我々フジテレビのほうで行った世論調査の結果で、事業仕分けについて無駄の洗い出しに役立つという答えや関心が持てるという答えがおよそ8割に及んでいるんですけれども、その一方で議論の進め方については賛成と反対がほぼ拮抗して40%台となっています。また、その権限や責任がはっきりしないといった意見も3分の2を超える67%以上となっておるんですけれども、そのあたりはどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)昨夜、BSフジの2時間の番組、プライムニュースを御覧になりましたか。
(問)全部はちょっと見ていないです。
(答)昨日2時間びっちり、行政刷新会議からは片山善博慶応大学教授と事業仕分け人の市川眞一氏が出演されて、また、平野達男参議院予算委員会筆頭理事も出演されて、そのような意見が多いということは確認しましたけれども、これはもう議論の進め方、あるいは仕分け評価の結果が議論の進め方とどう関連しているのかという点は、事業仕分けそのものをもう少し生で見ていただくか、1時間、1事業についても1時間ちゃんと見ていただくか、インターネットで見ていただくか、いずれにしても見ていただかないで、テレビニュースを中心に御覧いただくと、やはり少々ショーアップされ過ぎているとか、感情的な、決めつけが行われているんじゃないかとか、その種の議論になってくるんだろうと思います。これは、私はいつも申し上げているようにメディアポリティックス時代のいい面と悪い面が出てきているので、できるだけ、特に事業仕分けは1時間なら1時間見ていただいて評価いただきたいなと思います。特に、テレビなんかでコメントをされる方は是非御覧いただきたい。そこでのあれやこれやの評論が世論をつくっていく、誘導することになっていると思いますので、是非そうしていただきたいな。御覧いただければもうちょっと可視化の持つ意味、そして評決結果についてのある種の流れというのがよくおわかりいただけるんではないかと思います。多くの国民の皆さんというか、普通の生活を営んでいる皆さんは1時間びしっとこういうものにお付き合いするというのは大変なことではありますけれども、そこは面倒くさがらずに是非見るという格好で、そして見たことを踏まえて評価を、それ自体に対する評価をしていただければ、より政治参加が実質化されると思います。
 どこかの新聞にもお書きいただいていたと思うんですけれども、やはり政治のあり方が変わりそうだという、この事業仕分けを御覧いただいて、それはそういう期待感がこの内閣にとって強いんだなと改めて私自身が感じました。つまり今まで見えなかったこと、特に税金の使われ方がどう決められているのかというのが見えなかったのが見えてきたということが一番大きいんじゃないでしょうか。そういう感想です。
(問)昨日と似たような質問で恐縮なんですけれども、昨日はスーパーコンピューターの質問でしたが、ほかの科学技術関連予算でも若手や女性の研究者への予算が大きく削られる結果になっていますけれども、研究者から人材の流出とか、喪失というのを危惧する声が非常に強くなっています。仕分け結果とは別に今後の行政刷新会議や予算の閣僚委員会での方向性というか、コンクリートから人へという鳩山内閣の方針も踏まえて、こういった研究者の声をどう反映させて、どうこたえようと考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)極論すれば東京大学の権威のもとに、これ極論ですよ、あるところに研究費が集中したり、そこである種の親分、子分みたいな関係になって、果たして科学技術の水準を高めるとか、ノーベル賞級の技術者を養成するというふうになっているのかどうかということが、やはり今問われておって、改めてそこに対する問題提起がなされたと僕は思っているんですね。だから、それは一人一人のいわゆる世界的な科学者と言われていらっしゃる方々にそれぞれの評価があると思いますけれども、昨日も改めてフジテレビのBS番組を拝見していましたら、非常に今の金の使われ方、今おっしゃったようにポスドクとか、技術者養成みたいな格好での使われ方が問題じゃないかという、これもまた世界一流の科学者が指摘されておるわけですよね。そこは私は全額カットするとか何とかという極端な議論じゃなくて、この時点で見直していくと、使われ方を見直していくということはあってしかるべきじゃないかという気がします。つまり、よくお聞きになると思いますけれども、ある一つの教室に3つも4つも5つも6つもの助成金が入ってきているところもあるというふうなことも聞きますね。ところが、地方大学でこつこつとなさっている研究のところにはもう必死になって陳情したり、寄付集めしたりしても、なかなか研究費がつかないという話もお伺いしますよね。だから、そういうことでいいのか、つまりある種の研究に対する評価者がある種の手配師になるのではなくて、どういう仕組みでやれば、きちんとした評価がなされて、それで中抜きみたいな格好にならないのか。つまり、どこかはジャブジャブに研究費はなっているみたいなことがあり得るのか、ないのかという、これを真剣に文部科学省も、あるいは総合科学技術会議のほうも見直していただくと、こういう趣旨だろうと思うんですね。確かに結果として、もし3分の1とか半分とかというふうに縮減したときにそこにぶら下がって飯を食っている、結果として飯を食っている技術者の方々が職を失ってアメリカへ行くとか何とかというお話ありますけれども、それは果たしてそうなのかどうなのか。そういうことを言っておる人がおられるというだけの話で、そういう方々がアメリカで果たして採用されるような力があるような研究なのか、あるいはアメリカのほうにそんな余裕が今あるのか。アメリカの研究参加のシステムもそうそうそんなに甘い話じゃないですよ。
(問)確認なんですが、今日から事業仕分け後半ですけれども、先日、大臣が、財務省の関連の国立印刷局と造幣局の話をされていらっしゃったと思うんですけれども、一方で前半作業のときに、最終日に一部文科省のもんじゅのところで議論されなかったところもあると思うんですが、要はトータルで9日間やったときに、対象になる事業数は改めて幾つになりますか。
(答)国立印刷局と造幣局をどういう格好で俎上に上せるのか、ちょっと今つかんでおりませんので、トータルの事業数というのも私は今のところつかんでおりません。追加でどのぐらいあって、削減どのぐらいするのか、それは具体的な仕分け人の配置関係等々で微調整があるのかもわかりませんね。
(問)あと後半終わった後の行政刷新会議の親会議なんですけれども、前半と後半合わせたものを議論するということで、多少長目にやられるのか。
(答)時間がかかると思いますね。
(問)今日もう日程は決まっていらっしゃるんですか。
(答)今調整してくれているんじゃないでしょうか。忙しい方が多いもんですから。だから、土・日みたいなところを使うということになるかもわかりませんね。
(問)鳩山首相の元秘書が立件の方向という一部報道があったんですけれども、立件された場合、首相に一層の説明責任が求められると思いますが、大臣としてはどのように考えていらっしゃいますか。
(答)捜査の結果については私は全くタッチしていませんので、天のみぞ知るということでしょう。だから、その場合の立件の程度にも、あるいは質にも関係あると思いますので、それはそのときに考えさせていただくとしかお答えのしようがありませんね。
(問)あともう一つなんですが、明日独立行政法人が役員の公募を締め切ると思うんです。明日ですね。それで、選考方法はこれまでと同じような方法をとるんでしょうか。つまり、理事については独法の理事長が選考するという形になるんでしょうか。
(答)この問題はある意味でここまで政治化しており、ある意味でガバナンス改革の問題ということになっているわけですから、当然のことながら、政務三役が理事長と打ち合わせというか、御相談しながら、公募に来た人を何らかの格好で試験というか、選考をしていくことになるんじゃないでしょうか。それを皆さん方にもプロセスというか、少なくともこういう理由でこういう人を選んだと、つまりこういう試験をしたと、面接試験なのか、あるいは選挙の候補者を決めるときみたいに公開の討論をするというようなこともあり得るのかもわかりませんけれども、それは各省庁の大臣、政務三役に今の段階ではお任せしていると、こういうことですね。
(問)公務員制度改革なんですけれども、今日の一部報道で一連の公務員制度改革関連法案は来年の通常国会にはちょっと間に合わないというようなことを政府高官がにおわせているという一部報道があったんですけれども、大臣の中の公務員制度改革のスケジュール感を教えていただけないでしょうか。
(答)政府高官とは誰なのか私はわかりませんけれども、どこでどのようなことをおっしゃられたのか全くわかりません、これは。我々は、我々というか、私のつもりでは事業仕分け終了後、事務局を再編成をして、それから御意見いただける方々も決めて、それから着実にやっていこうと思っています。従来から申し上げておりますように、現実に1年半国家公務員制度改革の議論が頓挫して、中断して機能停止しているわけですね。そのことも含めて総括をしなければ次の段階にやみくもに入っていったところでしようがない、そういうふうに思っていまして、12月の中旬ごろにはある程度の日程というか、方向性と日程については、皆さん方にもお話しできるようになるだろうと思っています。
(問)その再編成、事務局の再編成というのは、12月中旬までには終えるという。
(答)それはそうですね。皆さん方御承知かどうか分かりませんけれども、民間から事務局に張り付いてこられた方の相当部分はもういなくなっているんですよね。だから、これはどうしても官民からの事務局を再編成するしかないなとは思っていますけれども。
(問)公務員制度の改革の推進本部を1回解体して、例えば刷新会議の事務局なんかにくっつけたりということをお考えなんですか。
(答)いやいや、国家公務員制度改革は内閣官房の仕事ですから、それはあくまで別です。私の担当というだけの話。

(以上)