前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月18日

(平成22年5月18日(火) 12:43~12:56  於:院内・内閣記者会3)

1.発言要旨

 私の方から2点お話をさせていただきます。まず、高速道路の件でございますが、無料化の社会実験及び新たな料金割引については、6月から同時に開始をする予定をしておりましたけれども、しかし会期末まで一か月余りとなりまして審議日程も限られる中、関連法案が現時点において委員会審議前でありますから、まずは準備の目途が整った無料化社会実験を先行して6月下旬から開始することといたします。新たな料金割引の開始時期につきましては、今後の国会の審議状況を踏まえて決めていきたいと、このように考えております。それから、国鉄のJR不採用問題でございますけれども、先般スキームを決めまして1,047名の問題に対する人道的な観点からの解決案について申し入れがございまして、これに対して政府としましては、4者・4団体、原則原告団910名全員が次の事項について了解をして、その旨を正式に機関決定することを条件として、これを受け入れるということを表明させていただきました。1つは、解決案を受け入れてもらうこと。これに伴って裁判上の和解を行い、すべての訴訟を取り下げること。2つ目に、不当労働行為や雇用の存在を二度と争わないこと。したがって、今回の解決金は最終のものであり、今後一切の金銭その他の経済的支援措置は行われないこと。3つ目に、政府はJRへの雇用については努力をしますが、ただし、JRによる採用を強制することはできないことから、人数等が希望どおり採用されることは保証できないと、こういうことを我々は申し上げてまいりました。これを受けて、昨日4党から4者・4団体に属する原告団のうち、904名の方のそれぞれの条件について了解をして、受け入れることを承諾する旨の文書が提出をされたところでございます。政府といたしましては、これによって4月9日のお示しをした条件が満たされたものと判断をいたしまして、4党から申し入れのあった解決案を正式に受け入れることといたしました。したがいまして、本日、私から鉄道・運輸機構に対して、この解決案に沿って問題の最終解決を図るべく、速やかに裁判上の和解を行うように指示することといたします。私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)高速道路の無料化については、何日というのは決まっているのでしょうか。
(答)下旬です。
(問)もう1点、新料金が発表された6月に実施できないと。国民の多くは実施されると受け取った中で、これが実施されないということについてどのように御説明をされますか。
(答)法治国家ですので、法案が国会で審議されて成立をしなければ実施できませんので、我々としては今後速やかに、もう既に閣議決定をして国会に提出をして本会議で質疑をしているわけでありますので、速やかに議論をしていただきまして成立をしていただき、そしてその結果として料金を決めるという行為を早く実施していきたいと考えております。
(問)上限料金の関係なんですけれども、昨日、大臣は関連法案の審議に入らないのが要因であるとおっしゃられたんですけれども。
(答)入らないというか、まだ審議が進んでいないと。
(問)そうなった要因についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)国対にお任せしていることですから、私からそのことに言及することは差し控えたいと思います。
(問)言い方を変えますが、実質値上げで、負担になるケースが多いということで、党内、大臣の周りからも異論が相次いでおりますけれども。
(答)利便増進事業というのは枠が決まっていて、党の要望では利便増進事業を建設に回すということの要望を受けて利便増進事業の見直しをしているわけですから、トータルとして値上げになるのは当たり前のことであります。
(問)反論する方がおかしいと。
(答)今、申し上げたとおりであります。
(問)そうすると実施がちょっと延期されたことで、今の1,000円が続くのか、また1,000円はどのくらいまで続くのか教えてください。
(答)土日ETC限定1,000円は続くことになります。いつまでということは、いつこの法案が成立をするかにかかわってまいります。
(問)確認なんですけれども、無料化の社会実験と新料金制度の実施時期がずれるということは、新料金制度は6月はもう難しいだろうと、そういう御判断でよろしいでしょうか。
(答)はい。
(問)北方領土のビザなし渡航の件なんですけれども、先日、戻ってきた第1陣がロシア側が提出した、あちら側が入港申請書と言っているものに船長が署名と記入をしたんですけれども、その点についてロシア側の実効支配を認めるおそれがあるということですが、この点、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)北方領土担当大臣といたしまして、北方領土は我が国固有の領土でございますし、日露の関係を友好的に進めていき、そして人的な交流を図っていく中で、平和的な解決を図っていくという中で、ビザなし交流が行われてきたわけでありますので、是非そういった新たな取り決めというものについては、見直して元に戻すということに、我々も努力をしていかなければいけないと考えております。
(問)関連してですが、外務省が第2陣以降は船長が書類に署名とか記入をしないようにとの指示を出しているのですが、そうするとロシア側が強硬な姿勢に出て、ビザなし交流中止だとか、そういうことを主張するおそれがあるのではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
(答)日本の原則は曲げるべきではないと思っておりますので、外務省が示されている方針は私は正しいと思います。
(問)これは船長に判断を委ねるという話になると思うのですが、船長にそういう署名をするしないということを任せるのは少し酷な気もするのですが、その点もいかがでしょうか。
(答)いずれにいたしましても、ロシア側がそういう要求をしてきているわけでありますので、我々は原則を曲げずに対応するということが必要かと思います。
(問)事業仕分けのことについてですが、全日本トラック協会が仕分けの対象になると聞いているのですが、その問題点については大臣どのように御認識されておりますでしょうか。
(答)今から事業仕分けされる団体でございますので、所管をする大臣が予断を持って今申し上げることは控えたいと思います。
(問)県のトラック協会への交付金還流問題の関係ですが、これについては何かお考えというのはあるのでしょうか。
(答)ですから、現時点において私から申し上げることはありません。事業仕分けが行われた後にその結果については皆さん方から伺われましたら、それについてはお答えはしたいと思います。
(問)普天間の関係で、福島大臣がサインするしない、方法は別にしても、今の段階では了解はできないということを正式に総理に伝えられましたけれども、地元での交渉が難航し、米国とも進んでいる中で、与党の中でもこういった歪みというか、意見の相違が見られるということをどのように受け止めていられるかということと、近く北朝鮮がやったというふうにみられている韓国哨戒艦爆破事件の調査結果が出ますけれども、日中韓の連携を取る中で、どういった対応を、特に海上保安庁を監督する立場として取っていこうとお考えでしょうか。
(答)まず、5月末までに、鳩山総理は米国、そして連立与党、地元との合意を取るということを申してこられたわけでありまして、そういう意味ではそれに向けての努力が引き続き行われているというふうに思っております。今日が5月18日ですか。あと2週間かけて決着をみるように努力をされているわけでありますので、沖縄担当の大臣としても、しっかりと総理をサポートしていきたいと、このように考えております。2つ目の北朝鮮の問題ですが、今日閣議の後の閣僚懇談会で、岡田外務大臣が日中韓の外相会議の報告を含めて、北朝鮮が関与した疑いが強ければ6者協議の開催には日本としては応じられないと、こういう御発言をされておりました。いずれにしても、緊張が高まっていくことは必至だと思っております。我々は、一義的に海を守る海上保安庁を所管する国土交通省として、日頃の警戒監視活動を万全に行っていくということと同時に、不測の事態が起きたことを想定をして、しっかりとした対応策というものも行っていきたいと、このように考えております。
(問)JALの件でお伺いしたいんですけれども、この間も聞いたのですが、盛和塾の件で、大臣は具体的にどのような調査をして、どのような対応を考えられているかということと、今のJALの再建の在り方というのは、大臣が思い描いている再建のイメージと合致しているのでしょうか。
(答)調査はまだやっておりまして、今日担当課長が日本航空側から現状について話を聞くと、こういうことになっておりますので、金曜日の記者会見の場で全体のことも含めて調査結果については御報告をさせていただきたいと考えております。
(問)今のJALの再建の在り方については。
(答)1月19日に企業再生支援機構が管財人となって会社更生法を適用して、今更生計画をまとめられている段階でございますし、再生計画というものがあったわけでありますけれども、不安定な国際情勢の中で、より深掘りをしたものにしていくということで鋭意努力をされていると、このように思っております。我々航空行政を監督する立場としては、公的資金の入ったJALと他の航空業界との公平性をどのような観点からしっかりと担保していくのかということについては、特に気をつけながらこの更生計画の策定と、またJALの再生についてしっかりと見ていきたいと思っておりますし、我々航空行政を監督する立場で様々な法律でそれが担保されておりますので、必要があれば、その法的根拠を基にして国土交通省としての意見も申し上げていきたいと考えております。

(以上)