前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月20日

(平成22年4月20日(火) 8:55~9:19  於:院内・内閣記者会3)

1.発言要旨

 私から1点お話いたします。中央建設業審議会の開催についてでございまして、先月の16日に入札契約制度の更なる改善策といたしまして、企業の経営評価と下請企業対策の2点を今後の改善の方針として公表いたしましたけれども、その際お話しましたとおり改善事項についての具体的な審議を行うために4月22日木曜日に中央建設業審議会を開催することといたしました。ここでは、公共工事に参加する企業の経営を事前に評価する経営事項審査について、ペーパーカンパニーの高得点防止や企業実態のより公正な評価のための審査基準の見直し、そして元請下請関係をはじめとして、契約の対等化・明確化を促進するために建設工事の契約のひな形であります標準契約約款の改正についてご議論をしていただきまして、夏頃を目途にとりまとめをしていただきたいと考えております。資料につきましては、後ほど広報課よりお渡しをしたいと思います。私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)高速道路の料金割引について、法律というより料金割引の内容について、かなり党内からも異論が出ておりますが、それについてここ数日間の各方面からの意見を踏まえて大臣のご所見をお願いします。
(答)法律の立て付けといたしましては、利便増進の中身を変更すると。今まで料金割引とスマートインターチェンジに使われていたものをB/Cの高い高速道路の建設に回すということと、インターチェンジの建設にも回せるという中身にすること、あるいは国幹会議の廃止といったものが法律でありまして、本来であれば国会の審議ではそういった法案のみをご審議いただければ良かったのですが、具体的に料金体系、割引はどうなるのか、あるいは利便増進事業で建設を行う所はどこになるのかといったことは国会の審議に資するために事前に公表しておくことが客観的に公平な、オープンな国会議論をしていただくためには良いのではないかといってご提示をしたところでございまして、我々が思っていたようにオープンな議論がなされているのではないかと思っております。しっかりとご説明をして、例えば国民の皆さん方も料金が割高になるのではないかということを仰っておりますけれども、その前提が例えば土日ETC限定の1,000円からの値上げというふうにとっておられる方もおられますし、実はこの制度というのは今年度限りなのです。来年からはなくなるということについて言えば、自公政権が続いていてもこの点については割高になるということでありますし、またこれはあくまでも試行であって、様々な影響を見ながら他の交通機関の影響とか渋滞とか、あるいは環境影響とかそういったものをしっかり見ながら3月31日までのあくまでも試行であって、次の段階、あるいは最終形に対する社会実験であると、こういったことをしっかりお話をしてご理解を得ていければと、このように考えております。
(問)内閣支持率の件ですが、最近の調査では20%台半ばということで、大臣も従前マニフェストに書かれたことを粛々とやっていくだけだということでしたが、時間が経てば経つほど落ちている現状について、それで良いのかという疑問があるのですがいかがでしょうか。
(答)内閣支持率が下がり始めた大きな原因というのは、政治とカネの問題があったと思います。しかし、今は普天間の問題に代表される民主党政権、鳩山政権の約束と実行状況に対する乖離といったものに対する国民の不満、不信感というものが増幅をしているのではないかと思います。特に、最近の報道では普天間の問題について、大きくクローズアップをされているのではないかと思っております。私の立場としては、国土交通省のいわゆるコンクリートから人へといったことで、税金の使い道を全ての事業について見直しをしていくということと同時に、国土交通省所管の産業の発展のためにしっかりと成長戦略を立ててそれを実行していくという、この大きな2つの車輪を回していくという方針は変わりがありません。また、内閣府の特命担当大臣としては、沖縄の問題については、直接は基地の問題にはかかわりませんけれども、沖縄の振興、そしてまた宇宙政策をひとつの成長戦略の核にしていく。こういった私に与えられた使命をしっかりと果たしていく中で、何とか内閣支持率が下げ止まって、そしてまた上がっていけるような環境をしっかりと自分の職責を果たす中で果たしていきたいと考えております。
(問)金曜日から事業仕分けの第二弾が始まります。どのような議論を期待されるかということと、財政再建に対してはあまり効果がないのではないかという指摘もあるようですが、そういったことに関してのご所見をいただけますでしょうか。
(答)枝野行政刷新担当大臣が行われる事業仕分けを、しっかりと是非やっていただきたいと思っておりますし、我々はできる限りの協力を惜しまないつもりでおります。また同時に行政刷新で行われる事業仕分けは限定されております。現段階においては、我々が所管をする1,098の公益法人、あるいは独法について、しっかりと事業仕分けを自ら行っていって、内部留保、あるいは役割を終えた公益法人、あるいは民間でできる内容をやっているものについては、徹底的に自らの事業仕分けを行う中で、財政再建にも資するように努力をしていきたいと考えております。財政再建にそれほど大きな影響がないのではないかという議論がありますが、私はそうは思っていません。公益法人に手を着けて、特別会計にも絡むかたちで手を着けていけば、即効性はないかもしれません。私もよく申し上げているとおり、公益法人を解散する場合でもやはり1年から3年くらいかかるわけですね。これは今、働いている方がおられますので、その方の再就職をどうするのかということを考えた時には、ある程度の時間が必要になってきます。しかし、こういったものを廃止をしていくと、ストックが一時的に生まれてくるのではなくてフローの無駄がなくなっていきますので、そういう意味では、全ての公益法人、独法を見直して徹底的に洗い直していけば、相当程度の行革効果が生まれてくるのではないかと思っておりますので、それぞれの役所を担当する大臣が行政刷新担当大臣と協力するとともに、自らしっかりと事業仕分けを行い、そして財政健全化に資する役割も果たしていくということが大事かと考えております。
(問)支持率で先ほど大臣は今、支持率が下がっている原因というのは普天間に代表される政権の約束と実行状況に対する乖離と仰ったんですけれども。
(答)現時点におけるね。
(問)ええ。普天間においてはどういったところが乖離しているとお考えなのかと。また、仙谷大臣が場合によっては総理が退陣しても、衆参同時選挙という話をしてらっしゃいますけれども、総理の進退のそういった発言が閣僚内から出ていることについてのお考えをお聞かせください。
(答)まず後段でございますけれども、解散とかそういった問題は正に総理の専権事項でございますので、総理から任命をされた大臣が軽々にそういった発言をすることはいかがなものかと思っておりますし、鳩山内閣をそれぞれの閣僚がしっかり支えていくことが、何よりも重要なことであり、それ以上の役割はないのではないかと思っております。この普天間の問題というのは、まだ正式に政府からの考え方が示されていない中で、沖縄の県民の皆さん方や、あるいは移設先だと取りざたされているところの皆さん方が、それに対するフラストレーションもためていらっしゃっているという面があるのではないかと思いますが、いずれにしてもしかるべき時期に政府は明確な方針を打ち出して、当該地域へのお願い、説得をしっかりやっていくことになると思いますので、乖離と申し上げたのは、まだ政府として正式にスタートしていないと、そういったものが始まってきて、それをどう真摯に鳩山総理がリーダーシップを発揮されて取り組まれていくかということによって国民もまた感じる雰囲気が変わってくるのではないかと思っておりますし、閣僚の一人として、私もやれることは努力をしていきたいと考えております。
(問)普天間問題によっては総理の進退にも響くとお考えでしょうか。
(答)これは総理がしっかりとやるということを言明されておりますので、それをやられると。そしてそれをまたしっかりと内閣全体でバックアップをしていくと、それに尽きると考えます。
(問)先週末に、沖縄タイムスが行った県内の普天間に関する世論調査で、約9割が県外、国外を望むという回答を選んでいます。昨年の11月の同様の調査では約6割となってますけれども、今週末の県民大会の前にだいぶ県外、国外を求める世論も高まっているのですが、先ほどの質問と少しかぶってしまうのかもしれないのですが、5月末の決着に向けて担当大臣として内閣でどう取り組んでいくのですか。
(答)恐らくそう遠くない時期に、政府として明確な方針が示されることになろうかと思います。その時になぜそういう結論に至ったのかといったことも含めて、当該地域に対して丁寧かつ真摯な説明をしていくということが何よりも重要なことではないかと思っております。まだ政府の明確な方針が示されていない中で予断を持ったことについては差し控えさせていただきたいと、このように思います。
(問)そう遠くないというのは、いつ頃というふうにお考えですか。
(答)5月の末ですから、約束をしておりますのが。したがって、おのずと定まってくるのではないかと思います。
(問)アイスランドの火山について、結構日本でも足止めをくらっている人達がいたり、物流の影響なども懸念いたしますけれども、大臣のこの問題に対しての受け止めと何か政府としての対応策などを考えていますでしょうか。
(答)このアイスランドの火山噴火に伴う、空港内の滞留者についての対応ですが、成田空港及び関西空港では欠航が広がった16日の金曜日の夜から毛布の配布や空調や洗面所のあるエリアでの宿泊の受け入れ、各種の情報提供などを実施してまいりましたほか、成田空港でも17日から寝袋、軽食等の提供を行ってきたということであります。この成田空港や関西空港において帰国出来ずに、空港施設内に滞留されていた海外の方々を対象といたしまして、国土交通省といたしましては関係自治体や空港会社などと連携をして、日本政府観光局による臨時相談窓口の設置、それから昨日実施をしたと聞いておりますが、空港周辺地へのエクスカーション、つまりは小旅行、食事付き日帰り旅行の実施、また空港内観光案内所による低廉な宿泊施設の斡旋と、こういうことをやらせていただいております。ちなみに昨日のエクスカーションでは21名の方が参加をされて、成田山新勝寺、こういったところをご案内させていただいたということであります。なお、帰国が可能になり始めた、飛行機が飛び始めたという情報の中で、今朝0時現在において成田空港には126名の方が滞留されている、関西空港では39名の方が滞留されているということであります。いずれにいたしましても、日本に来ていただいて、その方々がこういったトラブル、アクシデントがあっても日本の対応に満足していただいてお帰りをいただけるように最善を尽くしていきたいと思っております。また安全が大事ですので、確認をした上で徐々に飛行の再開ということになるかと思いますけれども、また噴火をするかもしれませんので、これは自然の問題ですので予断を持ってどうのということが申し上げられる状況ではありませんけれども、現状においては安全性を確保したうえで再開が徐々に進んでいくと、このように期待をしているところでございます。
(問)高速道路の関係ですが、広島県と愛媛県を結ぶ本四連絡道路がありまして、住民の生活道路としても使われているのですが、新たな料金では実質値上げになるかたちで、地元自治体では現行制度の継続を国土交通省に求めているのですが、地元の支援策も含めてどのように対応されるか教えてください。
(答)そういったご意見もございますし、他方で、宇高航路の話もありましたように、高速料金が下がったことによって生活の足、通勤の足として使われていたフェリーが一時的にも運航を断念すると、今は何とか再開を決断していただきましたけれども、永続的に続いていくかどうか分からないということで、様々な交通体系に配慮していかなければなりません。特に今回本四架橋において特別の料金というものを設置をいたしましたのは、内航フェリーのみならずJR四国への影響というものを大きく勘案をいたしました。是非四国の皆さん方にも、勿論、料金が高くなってご不満があるというのは重々承知をしておりますが、フェリーを利用されている方、あるいはJR四国の経営というものを考えた時に、あるいは高速バスなどを考えた時に、全体としてどういうあり方がいいのかということも我々は勘案して決めておりますので、ぜひご理解をいただきたいと思います。なお、そういった島においてお住まいをされている方々については、当該地域において今回創設をいたしました社会資本整備総合交付金、こういったものを使って料金割引に資するようなものにするということも考え方としては活用できますので、今、本四架橋の瀬戸大橋においてはそういった方向で議論がなされていると伺っておりますので、どうかそういったことも含めて当該地域とご相談いただいて、使い勝手のよくなった社会資本整備総合交付金を使い、そしてNEXCOと、あるいは本四架橋株式会社とご相談をいただく中で、住民の方々のご要望には最大限適用するように、我々もバックアップをしていきたいと、このように考えております。
(問)兵庫県知事が、本四の出資金を負担しないという意向を示しておられますが、これについての受け止めをお願いします。
(答)兵庫の知事のみならず大阪の橋下知事も同じような発言をされていると伺っておりますけれども、あくまでもこの法律の立て付けから申し上げますと、NEXCO3社、それから本四については、我々がこれを決めさせていただき、法律が通れば、おそらく6月中には実施ができるのではないかと思います。そして、首都高と阪神高速については、これは地元の議会の議決が必要になりますので、首都高と阪神高速の500円から900円という対距離制プラス上限制というのものについては、更にこの議決を経た上での実施となるということですので、遅れることになるのではないかと思っております。先ほど申し上げましたように、それぞれのお考え方があると思いますけれども、あくまでも総合的な交通体系と物流コストの低減というものの中で、それぞれの地域の活力を引き出すという目的で約2割の無料化と上限制を導入させていただきましたので、その趣旨をご理解いただく中で、その試行にご協力いただければありがたいと、このように考えております。
(問)先日、神奈川の松沢知事が大臣のところに訪問されて、首都高の電気自動車とプラグイン・ハイブリッドを半額にしたらどうかと提案されたかと思いますが、大臣はそれに対しては事務方にすぐできるかどうか検討するように指示をしたと松沢知事のお話がありました。そのあたりの事実関係を教えてください。
(答)松沢知事からハイブリッド、電気自動車、そういったエコカーについて、首都高での料金割引をというご提案がございまして、前向きに検討させていただきますということを申し上げました。先ほどお話をさせていただきましたように、首都高につきましては、これは出資をしていただいております自治体の議決が必要でございますので、そういう意味においてはご要望いただければそういったものを勘案する中で、最終的に地元自治体と協議をする中で、あくまでも試行でございますけれども、試行の形態について定めていきたいと思っておりますし、松沢知事のご提案というのは、私は非常に良いご提案だと思っておりますので、前向きに検討するように事務方に指示をしたところでございます。
(問)試行の形態を定めたいと仰られたのは、今年度の試行のつもりでやる上限制に関して見直しもある得るということですか。
(答)先ほどから何度も申し上げていることなのですが、法律の立て付けを申し上げるとNEXCO3社と本四については、これは法律が通ればこの試行はやらせていただくという立て付けになっています。そして首都高と阪神高速については、これは地元の議会の議決が必要だということの中で、議決がなければそういった試行も含めて実行できないということになりますので、自治体のご意向を伺いながら行っていくということであります。今のに加えて、阪神高速でも様々な環境で問題が生じている地域をできるだけ通らないために、他の路線を安くして、そしてそちらに誘導しているという環境面を配慮したロードプライシングをやられているところがありますので、そういったところは大阪府とも協議しながら存続をさせていくという方向で我々議論をしているところでございます。

(以上)