菅大臣記者会見要旨 平成22年4月27日

(平成22年4月27日(火) 9:11~9:26  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 今日の閣議では色々な課題がありましたが、私の方からはG7とG20の報告をいたしておきました。

2.質疑応答

(問)高速道路料金を見直すかどうかをめぐって、小沢幹事長と前原大臣の意見が対立していまして、政府がいったん決めたことが覆るかのような印象を与えていると思うんですが、これについて政策決定のあり方という観点で副総理どういうふうにお感じになっているかという点と、あと料金の見直しそのものについては副総理どのようにお考えでしょうか。
(答)高速道路無料化という基本的な色々な考え方について私も、かつて代表であった時代から色々かかわりを持っております。今実際に政権交代の後に色々なことが起きておりますが、色々な意味で注目はしていますけれども、今の私の立場から言うと見守っているということに尽きると思います。色々言えばそれはあるかもしれませんが、それぞれの担当大臣もおられるし、色々な意見がある中で調整は進んでいますから見守っていると。それ以上でも以下でもありません。
(問)財政健全化法ですけれども、昨日の財制審のごあいさつですと、かなり今国会の提出に意欲を示されているように聞こえたんですが、総理との間ではかなりこの国会に出すという方向で固まっているのか、その状況を教えてください。
 2点目は、昨日のお話の中でも負担ではなく分担だということをかなり強調されていましたけれども、これは民主党を含めてマニフェストを作る中でもそういうお考えというのは浸透しているのか、まだだとすれば、どういうふうに菅大臣として訴えていきたいと考えているか、その2点をお願いします。
(答)法案については、色々なレベルで準備を進めることについては、総理のその都度了解というか、理解をいただきながら進めております。ただ、最終的な判断はまだ、党との関係等もありまして最終的な判断までには至っておりません。今7合目から8合目にかけての調整段階というところです。
 マニフェストとの関係というのは、ちょっと私もマニフェストに、もちろん最終的な政権公約というまでは参加しておりますが、個別課題のところにはあまり議論の関わりが今の段階ではあまりありません。私の認識は大きな意味で今度のG7、G20でのギリシャの議論も1つの大きな他山の石としなければならないし、また日本の足下の状況も財政の厳しさは皆さん認識しているわけですから、そういう認識とマニフェストとの関係というのは、私は全ての人が両方のことを理解した中で考えていただいているものと、そういうふうに思っています。
(問)最終判断はいつごろまでに。
(答)出来れば今月中にと思っていますけれども。
(問)税財政についてお聞きしたいんですが、昨日財制審が久々に開かれましたけれども、今回から専門家による組織というような、専門家的な意見を、議論を深める場というふうに衣替えしましたけれども、改めてこういった役割を財制審に担わせるという改組の狙いについてお話をお聞きしたいのと、吉川会長について菅大臣としてはこれまでの旧政権下でもやってきたなどを含めてどのように評価されておるのかというところをお聞きしたいと思います。
(答)実は財制審のあり方についてというか、必ずしも私も過去の財制審をよく知っているわけではありません。ただ、改めて再スタートするに当たって、従来はそれこそ色々な経済界、場合によっては言論界等々からも色々な方が加わって、それに専門家の皆さんもおられたわけで、それはそれで1つの意味はあったとは思います。ただ、往々にしてそういう審議会は、役所が原案をもって、それに一つの権威付けをするために使われるケースが多くて、社会的に大変有力な方が多い割には、言ってみれば役所の振り付けで最後の結論を得るというケースが私には多かったように見えておりました。そういう意味で今回は、何か役所が基本的なものを出して、それの権威付けのために議論をお願いするということではなくて、実質的な政策的な提言なり知恵をお借りしたいということで、そういったメンバーの皆さんに絞ってお願いしたいということです。違う場面ではまた経済界とか労働界とか言論界とかあってもよいと思いますが、少なくとも今回の分科会についてはそういう位置付けでお願いしたということです。
 吉川先生は、私まだあまり個人的なお付き合いというところまで行っておりませんが、従来から色々な発言等については聞いておりまして、大変幅広く、色々な皆さんからもこの分野ではやはり、第一人者という言い方が適切かどうかは別として、極めてこういう分野においては広く多くの人から信頼されている学者だというふうに私は理解をしておりますので、大変良い方に会長になってもらったと、こう思っています。これから少し個別にも意見交換を出来るだけ早い時期に時間をとって個別にもお話をしたいと思っています。
(問)「政治とカネ」の問題なんですが、昨日鳩山総理に対する検察審査会の結論が出て、不起訴相当という結論が出たわけですが、総理の「政治とカネ」の問題についてはこれで一区切りついたとお考えか。あと、小沢幹事長についてはまだ結論が見えてきていないわけですが、結論にもよるかもしれないですが、今後小沢幹事長には「政治とカネ」の問題についてどういう対応を望んでいくか。あと、これらの問題が今、支持率が相当下がっているわけですが、今後の政権運営にどういうふうに影響していくか、参院選にもどういうふうに影響していくか、その辺のお考えをお聞きしたいんですが。
(答)今色々な課題を政権としても抱えているわけですが、そのうちの1つが、総理がもともと検察においては不起訴になり、検察審査会にかかっていたということがあったわけですけれども、率直なところほっとしております。つまり不起訴が相当というか、これで総理についてのこの問題における少なくとも検察ないし検察審査会の手続は終わったということになりますので、ほっとしております。それに加えての色々な議論はもちろん野党の方から既に出ておりますが、それはそれとして、少なくとも司法的手続としては秘書の方の判決も含めて、これが確定すれば完了しますので、1つの大きな手続の山は越えたと、こう思っております。それ以外の色々なことについてはまだまだ、なかなか大変だなというのが率直なところです。
(問)高速の無料化の政策の是非はともかく、小沢幹事長が政策決定に関与してくるということがまた起きて、政策決定の一元化ということに反するんじゃないかという意見がありますが、これについてどう思われるかというのが1つと、全く別件で、舛添新党に対する感想があったらお願いします。
(答)今度の高速道路の問題は、いわゆる党と内閣の関係の問題と、これは幾つかの問題があるのですが、どの範囲で内閣という立場からも議論するかという問題があります。基本的なことは、1つの大臣を超える問題は閣僚委員会の場で議論するということになっているわけですが、今回の問題は国交大臣の権限の中での問題であったわけで、そういう点で、どの範囲で議論することが適切かということもあるいはあるかもしれません。いずれにしても今党の方も、特にマニフェストをめぐっては色々な政策的な政府側との合同の場も出来てきましたので、今後色々な政治課題、政策課題について党と内閣の間で合同の議論をする場というものが作られていくことも十分あり得ますので、今後はそういう中でこなすことも必要なのかなと思っています。ですから今その過渡期的な中で多少問題が起きているというふうに思っております。
 舛添新党については、舛添さんも私にとっては同世代の人でありますから、大いにそういう意味では頑張ってもらいたいという一般的には思っております。ただ、よく分からないというのが率直なところです。多分総理大臣になりたいというのはよく分かるのですが、何をもって党を立ち上げて、どういう主張をなさりたいのか、よく分からないというのが率直な感想です。

(以上)