菅大臣記者会見要旨 平成22年3月23日

(平成22年3月23日(火) 9:09~9:22  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 「もういくつ寝るとお正月」ではなく、もういくつ寝ると予算が成立するか指折り数えてきましたが、何とか予定通りであれば明日予算が成立するということで、それに向けて最後の努力をしたいと思っています。

2.質疑応答

(問)週末のテレビ番組で、内閣府の大塚副大臣が法人税率の引き下げについて参議院選挙のマニフェストに盛り込むべきであるというお考えを示されました。税調会長であられる大臣のお考えをお聞かせください。
(答)税調の方は2月末に専門家委員会がスタートして、まずは所得税を中心にご議論いただきたいということをお願いしております。しかし、併せて法人税や消費税についても大いに議論していただくということで、またそういう方向性もきちっと伝えておりますので、そういう議論の中で法人税のあり方、これは総理も国会で今の法人税、やや他の国に比べて高いのかなということも言われておりましたので、税調の中でしっかり議論をすることになると、こう思っています。
(問)民主党の小林千代美議員の関係で、北教組の幹部が2人起訴されまして、小林議員は離党も議員辞職もしないということですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)大変ある意味で残念な事件でありまして、ただ今回の事件では本人の関与はなかったというのか、検察も本人についてのことは対象としていないようですので、今後の対応についてはそれぞれの立場で色々とさらなる検討がされるのかなと思っています。
(問)社会保障の関係で2問伺いたいんですが、先週の参議院の財政金融委員会の中の大臣の答弁で、中期財政フレームの作成に当たりまして来年度、2011年度の子ども手当をどうするか試算するところから始めたいというふうなご発言がありました。この試算の具体的中身というのか、どのような形でやりたいというのか。加えて、その試算の狙いを改めて伺いたいというのが1点目です。2点目ですけれども、これは大臣の提唱で年金制度のいわゆる抜本改革の検討が始まりました。社会保障費の中で特に年金についての議論を先行させた狙いと、あと6月に財政運営戦略、あと中期財政フレームの取りまとめが待っております。そこへ向けて今の年金の議論をどう反映させたいのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
(答)子ども手当も今の中期財政フレームも基本的には来年度予算が成立してから本格的な議論というふうに思っています。子ども手当の試算というのは当然のことですけれども、マニフェスト通りに実行する場合にどのくらいの費用がかかるのか、あるいは逆に色々なケース、もしそれが難しいとなった時に、例えばどのくらいのものであれば税との関係がどうなるのかとか、あるいは実物給付というのか、逆に待機児童を早急になくするという形で財政を活かすとしたらどういうぐらいになるのかとか、色々なケースを想定して試算をするということがまずは必要かなと。もちろん基本は前から申し上げていますようにマニフェストを実現することに全力を挙げるという姿勢は変わっておりませんが、色々なケースについてもきちっと検討していこうと、そういう試算が必要かなということで申し上げたところです。
 社会保障制度の中で年金をと言われましたが、必ずしもそういう意味ではなくて、介護の例えば報酬の引き上げとか、あるいは医療費の診療報酬の引き上げとかは、この間の第2次補正及び本予算の中にも盛り込まれているわけでありまして、さらに年金制度の抜本改革という問題を1つ新たな土俵を先日作ったということで、簡単に言えば社会保障全体についての議論が必要な中で、特に年金は毎年毎年ということの中での対応では済まない問題ですから、そういう意味で作ったということです。
(問)小林千代美議員の関係に戻らせていただきたいんですけれども、小林議員について関係者が逮捕されるのはこれで2件目です。総理も朝のぶら下がりで何らかの対処をする必要があるとおっしゃったんですが、繰り返しになりますが、小林議員の対応は副総理自身は正しい判断だと思われますか。
 あともう1件、民主党の支持母体である連合傘下の事件が相次いでいるということで、参院選への選挙運動に影響する懸念の声もあると思うんですが、参院選への影響をどのようにお考えでしょうか。
(答)率直に申し上げて小林議員のある意味での選挙違反とか政治資金の資金提供に絡む問題、さらに幹事長や総理の色々な政治とカネの問題、そういったことで国民の皆さんに大変ある意味で十分な理解というか、そういうものが得られない状況にあるということは大変残念な状況だと思っています。小林議員の問題も今後どういう形に、まだもう1つの裁判といいましょうか、いわゆる選挙違反の方の裁判が残っておりますし、今後どういうふうに推移するかということも含めて、今私が財務大臣という立場で中心的には関わっては一切おりませんけれども、今後の中で党として何らかのさらなる検討が必要になることもあろうと、こう思っています。
(問)参議院選挙への影響は。
(答)ですから今申し上げたように、幾つかの事件がまだ国民の理解が得られていない状況が続いておりますので、それ全体について参議院選挙への影響はやっぱり心配されますね。
(問)閣議後に総理と松井副官房長官と何か協議されていたようですが、差し支えなければどういった内容だったんでしょうか。
(答)いよいよ明日予定通りいけば予算が成立しますねという、そんな話です。
(問)先ほどの子ども手当の再検討というか、その辺は中期財政フレームと一緒に戦略室の方でやるのか、それとも厚労省なりがやるのか、その辺はどうでしょうか。
(答)中期財政フレームの取りまとめは戦略室の、まさに設置の段階から、私が責任者をやっていた段階からそこが中心になってということになっています。
(問)法人税について改めてお聞きします。法人税の引き下げについては既に半減している法人税収がさらに大幅に下がるような事態も予想されるわけですけれども、その是非について。それから、もし引き下げが必要となればそのタイミングについて、中長期的なお考えなのか、出来るだけ早く必要とお考えなのか、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)法人税についてはこの予算では租税特別措置の見直しをやりまして、いわゆる課税ベースは広げていくべきだという基本的な姿勢と、それから税率そのものについて、欧米、さらにはアジアの近隣諸国との比較で日本がやや高い水準にあるという認識と、そういったものが現状の一致した見方だと思っています。この扱いについては先ほど申し上げたように税調での議論にいよいよ法人税も含めて本格的にお願いしますので、ある意味では所得税、法人税、場合によっては消費税も含めたそういう議論の中で、あるものは急ぐ、あるものは若干時間をかける、そういうことをまたその中で判断していかなければならないと思っています。法人税については特別な制度設計が必要ということではなくて、簡単に言えば水準をどうするかと、課税ベースをどうするかということですので、議論そのものはそう複雑ではないと。あとは政治的な判断をどうするかだと思っています。
 税収の問題は、今の税収は非常に従来の法人税に比べても半減している状況ですので、これはやはり景気の回復、経済の成長に最も影響されやすい税制ですので、単純に税率を下げたから税収がどうなるという判断だけではなくて、課税ベースの問題とかそういう景気の回復とかと相まって、さらに言えば所得税や消費税とも相まってトータルで判断する問題だと、このように考えています。

(以上)