菅大臣記者会見要旨 平成22年2月15日

(平成22年2月15日(月) 12:15~12:21  於:衆議院議員食堂前)

1.質疑応答

(問)GDPなんですけれども、10-12が3期連続プラスで実質でも4.6という、まずこれはどういうふうに見ておられますでしょうか。
(答)年間ベースでいうと4.6の成長ということで、率直なところ傾向としてはい良い傾向だなと思っていますけれども、ただ少し、前回2次のQEで訂正幅が大きかったものですから、もうちょっとそれ自身もちょっと慎重には見ていかなければいけないと思っています。  また、雇用情勢とか海外の状況も決して楽観できない要素も幾つかありますので、そういう下押しのリスクもあるというのを念頭に入れながらやっていきたいと。第二次補正さらには来年度予算、できるだけ来年度予算は早く年内、年度内に決めさせてもらって、切れ目のない経済政策をとっていきたいと、こう思っています。
(問)特に個人消費とか設備投資の内需は良くなっていますけれども、自律的な回復というふうに見えるのか、もしくは二番底をこれで回避できたというふうにお考えなのか、その辺は御認識はいかがでしょうか。
(答)7四半期ぶりに内需が0.6ということで、そういう意味では二番底懸念というのは少し薄らいできたかなと。多少雲の間から明るさが少し見えてきたけれども、まだ油断はできないと、そういう感じですね。
(問)自律的回復とはちょっと……。
(答)まだぎりぎりのところですね。その可能性が出てきたというぐらいのところではないでしょうか。
(問)一方では年間通じると5%去年はマイナスで過去最悪のマイナスだったんですけれども、これについてどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
(答)これはやはりリーマン・ショック以来のこの世界的な不況が、特に日本の場合は輸出依存が非常に大きかっただけに、金融はそれほど大きく傷んではいないわけですが、輸出依存の大きさが逆にこの状況でどんと輸出が下がったということの影響は大きかったと。世界的、特にアジアの情勢も少し良くなりつつありますから、そういう年間を通じても一番最悪というか一番厳しい時期は何とかこれまでの1年で、いわゆる21年で何とか一つの区切りをつけたいと、こう思っています。
(問)中国との差も縮まっていますけれども、これについてはいかがですか。
(答)縮まるというのは、GDPですか。
(問)そうです。
(答)世界第2位というのは、確か私が大学生に入った頃、世界第2位ということになったわけですが、昨年まではぎりぎりその座が維持できそうですが、今年以降は変わるかもしれません。しかしその1位、2位の問題もありますけれども、日本がもう一度元気を取り戻すことができる、そういう再スタートの元年に今年はしたいと思っています。  やはりこの間ずっといろんな議論をしていますけれども、どうも財政出動が必要だということと、どういうところに財政出動すればいいかということが、これまで必ずしもめりはりがついた議論になっていなかったと。財政出動というと規模の話ばかりして、中長期的にあまり効果のない、いわゆる大きな橋とか大きな道路とか飛行場とか、逆に財政出動を、例えば雇用を生み出す介護とか保育とかに振り向けたときに、逆にそこから成長が生まれてくるのではないだろうかと。つまり雇用が潜在的な需要を引き出していくという分野があるのですね。ですからそういう意味では、今そういう政府支出の中でも何がこれからの日本にとって効果があるのかということを少しめりはりがつくように、もうちょっとしっかりした議論の上での見通しをつけていきたいと、こう思っています。
(問)今回良い結果だったと思うんですけれども、これが政府の景気判断に与える影響というのはどうですか。
(答)それは今申し上げたように多少の明るさは増してはきているけれども、まだまだ雇用情勢あるいは外国の下振れ懸念も含めて決して楽観できるところまではいっていないと。警戒を緩めないで、一次補正に続く本予算をできるだけ早く成立させていただいて、切れ目ない財政運営をやっていきたいというふうに思います。

(以上)