菅大臣記者会見要旨 平成22年2月5日

(平成22年2月5日(金) 17:50~18:03  於:衆議院議員食堂前)

1.発言要旨

 今日は衆議院の予算委員会ということで、色々議論はありましたけれども、確実に議論が進んでいるということで、何とか年度内成立に向けてこれからも気を引き締めてやっていきたいと、こう思っています。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)これからG7に出発されますけれども、財務大臣になられて初めての外遊でもあります。どのようなことを現地では訴えどのような成果を期待されますでしょうか。
(答)今、世界の経済あるいは財政さらには金融、それぞれまだまだ非常に課題が多い状態だと感じています。そういう意味では、それぞれの問題についてまずフランクな意見交換ということが、特にこのG7ではそれを実現しようということになっていますので、そういう姿勢で臨んでいきたいと、こう思っています。
 今、日本は、そういう中では比較的金融もそれほど大きな課題を抱えていませんが、逆に言えばオバマ大統領の金融規制の問題、あるいは色々な為替の問題等々ありますので、日本経済も何とかデフレ脱却、この不況からの脱却に向けて、今ぎりぎりのところにありますので、そういうことについてどういう形でプラスの方向が見出せるかしっかりやっていきたいと、こう思っています。
(問)次に、小沢幹事長の政治資金団体をめぐる問題で石川議員ら3人の元秘書が起訴されましたが、小沢幹事長については不起訴となりました。それで幹事長を続投する意思を表明しています。これについて副総理はどのようにお考えでしょうか。
(答)検察庁がしっかり幹事長からの話を聴いた上で起訴するに値しないというか、起訴はしないという一つの結論を出されたわけですから、その点は小沢幹事長の主張が認められたと、このように感じています。そういう中で参議院選挙も近いわけですけれども、しっかり参議院選挙に向かって取組を進めてもらいたいと。内閣にいるメンバーは、予算をあげることで、あるいは景気を良くすることで、国民の皆さんに応えていきたいと思いますが、そういうものを今度の参議院で活かしていく、そういうことについては幹事長を中心にやっていただきたいと、こう思っています。
(問)続投には党内でも異論はありますけれども、参院選への影響、政権への影響をどうお考えですか。
(答)今申し上げたように、検察がかなり丁寧にといいましょうか相当深く色々な関係者から話を聞いた上での結論ですから、私は幹事長本人についてのいわば色々な問題は一定のけじめがついたと、このように思っております。選挙への影響というのは色々な要素がありますので、いつも言うことですが、私の持ち場からすれば、マニフェストの実現を含めて、とにかく経済あるいは景気あるいは雇用を少しでも良くしていくことを早く実現したい。それが参議院選挙に対する私の立場からの最大の仕事だと、応援だと、こう思っています。
(問)G7とG20なのですが、G7の役割が低下していく中での、今回在り方を見直そうというG7だと思うのですが、副総理としてはG7がどのような在り方であるべきだというふうにお考えかということと、その中で日本はどういった役割を期待されているかということを教えていただければと思うのですが。
(答)私はG7の役割がそう小さくなったというふうには思っていません。確かにG20という形で、特に新興国、中国とかインドとかブラジルとか多くの国が世界経済において大きな役割を果たすことになったという意味で、そういう意味ではG20というものが重要ですが、一方やはりしっかりした、例えば為替のマーケット、株のマーケットを持っている、あるいは国際的にいざというときにこの間ドナーとしての役割を果たしてきた。そういう立場はやはりG7でありますので、私はG7がしっかりして色々な方向性を、きちんとその中でお互いのコミュニケーションをしっかりと保って、一つの結束というのでしょうか、一つの方向性を出すコアになるという役割は今でも変わっていない。それに加えてG20のある意味ではダイナミックな成長というものとうまく役割分担してその2つの場を有効に機能させることが世界経済にとって必要ではないかと、こう思います。
(問)2010年度に国交省が行う公共事業の箇所付け、政府の言い方では仮配分の資料なのですが、民主党県連には提出できた資料をまだなぜ国会に提出できないのかという点と、民主党はマニフェストで財政を透明化するというのもうたっていたと思うのですが、これでは国民の信頼性が高まらないのではないか。この2点お伺いします。
(答)私の立場からすれば、箇所付けというのは予算が成立した上で、確か実施計画でしたか、そういうものをそれぞれの省庁が決めて、それを財務大臣がいわばOKを出すという手続があって初めていわゆる箇所付けというものになるというふうに認識していますので、今の段階でそういう手続はもちろん一切とられていませんから、箇所付けと呼ばれるそういうもの自体がまだ存在しないというふうに思っています。ですから存在しないものを出せと言われてもそういう正式な形での存在はないわけですから、それは致し方ないのではないかなと。
 公開の問題は公開の問題としてこれから予算編成過程だけではなくて、予算の執行過程をできるだけ国民の皆さんが、例えばインターネットなどで、この100億円がどういう形で使われどういう形になっていくかということがわかるような、そういう形にしていきたいというのは、まさにこれから取り組むことは決めていますが具体化はこれからの課題だと思っています。
(問)オバマ大統領の新しい金融規制の動きについて、菅大臣はG7でどのような御意見を表明されるお考えでしょうか。協調を呼びかけようというふうに伝えられていると思うのですけれども。
(答)私はサブプライムローン、あるいはこの10年、20年の金融工学と呼ばれるものが、大きい流れとしていえばやはりやや行き過ぎたリスクを色々な形で国民に対して、あるいは色々な国にとってそうした少しリスクを、どういう表現をしたらいいのでしょうか、まき散らすような、そういうことの一つの要因になっているということはやはりしっかり見定めていかなければならないと思っています。そういう意味ではオバマ大統領のアメリカ内部での一つの改革を提起されたことは理解できるところだと思っています。と同時に、この不況が出口になるにはまだ早い段階ですので、そういう点では昨日今日とアメリカなり日本の株価がかなり下がっていますが、そういう実体経済にそのことがマイナスの影響を与えないようにという、そのことの両立ですね。あるべき姿ということと、現実のこの景気回復にマイナスにならないようにという、このことの両立を図るようにというスタンスで臨みたいというか、そういうスタンスで機会があればきちんと話をしたいと思っています。
(問)同じくG7の関連ですが、人民元の話題も出るというような一部報道もあったのですけれども、人民元の話題が出る可能性と、もし出た場合について日本のどのような姿勢を示すのか、それについてお伺いします。
(答)人民元の話題が、一時何か私がカナダの財務大臣にそれを話題にしようと要請したという間違った報道が、皆さんのせいとまでは言いませんが皆さんの報道がだんだんそういう形で伝わったものですから、ちょっとこの問題は気をつけてもし報道するなら報道していただきたいのですが、やはり中国の現状についてはもちろん各国それぞれ非常に関心が高いわけですが、やはり同じアジアということで日本の、私やあるいは日銀総裁に対して中国の現状についての見方をより強く聞かれる可能性はあるのかなと思っています。
 いずれにしても、中国が安定的に成長していってもらいたいというのが基本的な日本の姿勢でありますから、そういう安定的な成長を維持してもらいたいと。そのための中国の努力も色々されているようでありますので、そういう中で為替の問題をどのように考えるか。G20ではありませんので、当事者である中国が出席されていない中でこの話題をどこまで取り扱うのか。そこはG20の場での議論というほうがある意味でフェアなのかなと、そんなふうにも思っています。

(以上)