菅大臣記者会見要旨 平成22年1月26日

(平成22年1月26日(火) 19:26~19:40  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は大変忙しい1日で、最後、閣議があり、環境の閣僚委員会がありました。特に私からこれと言って報告することはありません。

2.質疑応答

(問)一部の報道で、年金制度改革につきまして関係省庁で協議会を設けることが検討されている旨の報道がございました。これの事実確認も含めまして、年金制度改革の進め方について、現在の副総理のお考えを伺いたいと思います。
(答)年金問題はもちろん厚生労働大臣が所管をするわけですが、制度問題になりますとこれは財政の問題含めて、かなり大きな課題になります。そんなことで、一方で今、いわゆる税と社会保障の共通番号の検討の方も多少の絵柄をまとめつつありますが、年金の方もそういう土俵が作れないかということで、今、厚労大臣の方に少し、どういう形なら議論がしやすいかという検討をお願いしているところです。
(問)今の関連ですけれども、厚労大臣に検討をお願いしているということですけれども、その検討の結果の具体化がいつ頃、時期的なメドになりそうですかということが確認したいのが1点と、あと年金改革につきましては民主党のマニフェストにおいても工程表で述べられている話ではありますが、消費税を含めた税制改革議論に直結する社会保障の財源の話になるかと思いますので、年金改革のスケジュール感について今どのようにお考えか、改めて伺いたいと思います。
(答)まだスケジュール感まで申し上げるところまで話が進んでおりません。事務局も、出来れば国家戦略室にと思っていますが、多くのことが今国家戦略室にかかっているものですから、それもまだきちんとした相談というところまでいっておりません。そんなことでもう少し、今準備のためのさらなる検討の段階ですが、もうちょっと時間がかかります。
(問)関連ですが、これは議論開始は出来れば2月中にも開始したいということなのかというのが1点と、マニフェストでは年金制度改革の関連法案の成立を平成25年度中ということを工程表で示していますが、その工程表は変わらないと思うんですが、かなり先の話ですが、今から早めに議論を進める狙いはどこにあるのか、その2つお願いしたいと思います。
(答)基本的には衆議院の任期というのは4年間ですから、2013年には任期満了を迎えるわけですので、それまでにどういうところまで、何を進めておくかということを考えながら、それが私が考える時の基本的な時間の長さの見方です。もちろん、何でも13年ぎりぎりまでかかってよいかどうかは別ですから、少なくとも13年ないしはそれより前に次の選挙の時期が来るわけですから、それまでにどういうことを実現し、どういうことを場合によってはその選挙で問うていくかということも含めて、そういう絵柄の中でものを考えなければいけないかなと。昨年はいつもここで言っていますように、9月の組閣でしたから、当面の問題として年内予算編成にある意味でエネルギーを各大臣とも傾注していましたので、いよいよ今年から本番というか、正念場ですので、逆に言うと今年、来年、再来年でどこまでのことを進めておくかということの中で、税と社会保障の番号とか、さらには今申し上げた年金問題とか、さらに1月12日の閣僚懇で提起した各省庁の特別会計の問題とか、そういうものを順次進めていきたいと。もちろん、私だけではなくて、仙谷さんのところでは色々な公務員改革の問題ももちろんありますし、もちろん成長戦略の問題もこれから動き出しますし、それらを全て2013年のいわば任期の終わるところまでにどこまでやっておくのか。どこまでやろうとするのか。そういう感覚でものを考えているところです。
(問)今日、スターズ・アンド・プアーズという格付会社が、日本国債の格付けの見通しについて、安定的からネガティブに見通しを下げたということなんですが、これについての受け止めと、その理由の1つが、民主党政権の政策では財政再建が思ったより時間がかかりそうだというのが理由の1つに挙げられているんですが、それについてのご所見があればお伺いしたいんですが。
(答)民間の格付会社による格付けということで、逐一コメントをするということは従来も差し控えてきたということですし、私も差し控えておきたいと、こう思っております。いずれにしても、国際的なマーケットからも信認を維持するためには財政規律を維持して、財政健全化を進めていくことは極めて重要な課題であるということは一般的にも、今の状況の中でも十分認識をしております。政府としては、昨年の末に策定した新成長戦略の具体化を進めていくとともに、今年の前半には中期財政フレーム及び財政運営戦略を、これは主に国家戦略室ですが、中心に策定をして、財政健全化の道筋を示していくと。そういった努力は当然のことではありますけれども、きちっとすることによって、国際的な市場からの信認も維持をしていくことが出来ると、こう考えております。
(問)話題が変わるんですけれども、名護市長選を巡って昨日、平野官房長官が、選挙結果を斟酌しなければならない理由はないと発言をしたんですけれども、これについての受け止めと、副総理ご自身はこの選挙結果を斟酌すべきと考えるかどうか、その2点をお願いいたします。
(答)この普天間の問題は、現在官房長官が中心に、色々3与党含めて、現地の状況も自ら足を運ばれたり、色々されておりますので、一言一言、色々報道がなされていることは私も知っておりますが、直接ご本人に真意を聞くといった場面も私はありませんし、ある意味で色々な形で努力をされているというふうに思っておりますので、あまり個別の言葉についてコメントすることは差し控えたいと思います。
(問)陸山会のことについてちょっとお伺いします。国会で小沢幹事長の参考人招致も含めて真相究明に、陸山会を巡る疑惑の真相究明に乗り出すべきとお考えかどうか。それから、現時点で小沢幹事長は説明責任を果たされているとお思いでしょうか。
(答)これも今、私の最もやらなければならない役目は経済・財政、もっと具体的に言えば2次補正と本予算を一日も早く成立をさせる。そのことが国民の皆さんに対して私の立場でやらなければならない最大の仕事だと思っております。もちろん、幹事長の問題が色々とメディアだけではなくて、色々な形で動いていることは知っておりますけれども、今私がそのことをあれこれコメントするというのは、私の立場からすれば控えておきたい。すべてのエネルギーは、2つの予算を通すことに傾注したいと、こう思っています。
(問)外国人参政権について平野長官が、基本政策閣僚委員会で議論する考えを示しましたけれども、その意味で、今後菅さんのところで調整を図っていくお考えでしょうか。また、それに関連して法案の提出時期について見通しがあればお聞かせください。
(答)3党の基本政策閣僚委員会は、私が副総理という立場という中で、これからも一応、まあどういう表現をしたらよいのでしょうか、責任者というのか、他の2党との窓口になるということにはなっております。ですから、その場で3党間で調整しなくてはいけないことがあれば、基本的には調整することになります。ただ、色々なテーマによっては、全て私が中心になるというよりも、少なくとも普天間の問題では官房長官の下でちょっと別枠で出来ておりますし、また、予算の場合は下部にワーキングチームを作っておりますし、いろんな形が考えられますので、具体的にまだどういう形で扱うのかということは、まだそこまで具体的な話にはなっておりません。
(問)先程の格付けの見通しに関係して、格付会社とかマーケットの一部で大臣の姿勢とか、あるいは民主党の経済政策が財政拡張的ではないかというような見方が一部にあると思うんですが、改めて大臣の財政再建に対する認識をお聞かせください。
(答)皆さんは何度も私の会見なり、私の色々な発言を、あるいは文書も含めて見られているわけですからお分かりだと思いますけれども、常に言っていることは、財政再建ということと景気対策という、この2つの、確かに狭い道ではありますけれども、その2つのことを常に目指して努力しなければならない。このように考えてこの間も色々な予算案を作り、あるいは他の色々な政策立案にも携わってきました。ご承知のように、来年度予算では44兆というのは決して小さな額ではありませんけれども、ぎりぎりマーケットに対して国債発行を抑制的にしたというふうに、一般的には受け止められているのではないかと思っております。もし若干の、まあ両面がありますから、どちらを言っても言い過ぎるとあれですけれども、私が緊縮財政を今とる状況にないという表現をしたことが、逆に過大に何かこう受け止められているのではないかという気もしないではありませんが、皆さんは一番、先程も言ったようによく聞いておられるので、私としては常に財政再建、財政規律というものと同時に、今のこのリーマン・ショック以降、まだ景気は本格的、自律的なところまで戻っていないし、中期的に見てもデフレ状況から脱却は出来ていないし、成長もまだなかなかゼロになるかならないか、色々な数字が少し良くなっていますが、そういう状況でありますので、繰り返しますけれども、常にその2つのことを念頭に置いて、何とか両方を実現する道筋を歩んでいきたい、これが私の一貫した考え方です。

(以上)