菅大臣記者会見要旨 平成21年12月4日

(平成21年12月4日(金) 10:30~10:47  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 今日は、閣議が行われたわけですが、私の記憶ではというか、感じでは、鳩山内閣になってから最短の閣議の時間でした。閣僚懇を含めて15分ぐらいだったのではないでしょうか。議論がなかったというよりも、いろんなことが今動いているわけですが、それぞれが緊張感を持ってそれぞれに当たっているという段階で、今日の朝の閣議では、いろんな緊張感を持って進めていることの、ある意味での一場面ということで、特に多くの議論が自発的な意味でなかったと。だれか急がせたわけではないんですが、そんなところでありました。

 マーケットのほうは、もう皆さんよく御承知のとおりの状況でありまして、いろいろな政策展開がマーケットにも届いてきたのか、円のほうも88円台に戻っておりますし、株のほうも、今日は寄り付きが1万を超えたということですが、今少し戻しているようですが、戻すというか下げていますが、それにしても、うまくマーケットも反応してくれたなと、そんなふうに思っております。もう少し円安が進んでくれるといいなというのが、私の感想であります。

 あと、先日、財政に対する市場の信認確保に関する検討会で、その検討会での一定の結論を発表したところです。これは、あくまで検討会としての結論でありますが、それを国家戦略室としては生かした形で、次の予算編成の基本方針などにつなげていきたいと、このように考えております。

 今日は私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2問お願いをいたします。1問目は、環境税についてです。暫定税率の廃止等の関係で、改めて環境税の導入について副総理の御所見を伺いたいのと、来年度、平成22年度予算編成において、この暫定税率と環境税の問題の決着のポイントはどういうところにあるとお考えかというのが1問目です。
 2問目のテーマは、科学技術予算についてです。前回の閣議後会見で、科学技術予算、平成22年度のものについては文部科学省と財務省の間で議論されるというふうにお述べになられましたけれども、あくまでも科学技術担当部局として平成22年度予算編成に絡むことはないのかどうかということ。加えて23年度以降、次年度以降ですが、科学技術予算の編成のあり方、あるいは予算そのものについて、何か副総理の中で考えていらっしゃる改革のイメージみたいなものがあれば、伺いたいと思います。
(答)1問目の環境税、さらには暫定税率の問題については、昨日も関係大臣にお集まりをいただきまして、多少の意見交換をいたしました。まだまだ百家争鳴といいますか、そういう状態です。何とか週明け、来週中いっぱいかかるのはちょっとかかり過ぎかもしれませんが、来週どこかの段階では、一つの方向性を見いだしたいと、このように思っております。
 それから科学技術予算については、扱い方は前に述べたとおりで、多くの予算は文科省が概算要求しているわけですし、他の省庁の要求もあります。それぞれ先日の行政刷新会議のルールとして、仕分けの対象になったものも、ならないものも、基本的には各省がある程度、仕分けの考え方を尊重する中で財務省と調整をしていくと。しかし、中には、これだけはやはり必要じゃないかということの、そういう科目もあり得るということであります。
 科学技術予算については、私も川端大臣とも多少意見交換をしていますが、幾つかの点で、やはり仕分けの対象になって減額と言われたものについても、場合によってはそれを復活させるような働きかけを、川端さんなり、文科省もやりたいという意向でありますので、一義的には、そこの作業を見守っていきたいと思っております。
 ただ、同時並行的に、総合科学技術会議のほうも、いろいろと、この予算について、優先度判定というルールがありまして、それで優先度が高いといったようなことも意見としては既に出てきております。それも含めて関係省庁がどう判断されるのかということになろうかと思っております。
 ただ、最終的な場面は、予算閣僚委員会、最後は閣議ということになりますので、特に予算閣僚委員会に至るまでの段階で、科学技術担当としても、そういう関係省庁のやりとりの推移がどうなってきているのかということをわかった形で、その場面が来たときには臨みたいと思っております。ですから今は、まだ予算関係閣僚委員会、そういう最終段階には至っておりませんので、今言ったようなところで見守っているというところです。
 それから一つだけ言い忘れておりましたが、今日の閣議の中で、ある野党議員から、私の三権分立に関するいろいろな論文などについて、質問主意書が出ておりまして、その質問主意書に対する答弁をいたしておきました。興味のある方は読んでいただきたいと思いますが、簡単に言えば、日本国憲法は国民主権というものを原理として、そして、それぞれ国会、内閣、裁判所を憲法で規定している。つまりは、三つのこの機能が規定されているわけで、国会と内閣の関係では、憲法67条で「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会が指名する」と、そういう形になっているのだと、そういうことを私の論文で述べたのだという答弁になっております。つまりは、67条には、いつも皆さん方にも言いますけれども、大統領制ではなくて議院内閣制というのは、国民が国会議員を選んで、その国会議員が内閣総理大臣を選んで内閣をつくるわけですから、その内閣と国会が、いわゆる権力が独立しているという表現は、私はできないと。機能としては独立、それぞれ別ですけれども、つまりは、言ってみれば、株主が経営者を選ぶのに、株主と経営者は独立しているなんていうことはあり得ないわけでありまして、国会が総理大臣を選ぶ以上は国会がまさに総理大臣を選ぶのであって、それが独立しているというような考え方は、私は今の憲法に書かれていない、ちゃんと67条を読んでくださいということを、これは私の言葉ですが、もうちょっとおわかりやすい言葉で答弁書に盛り込ませていただきました。以上です。
(問)昨日、長妻厚生労働大臣と会われたときに、子ども手当てに関して、副総理のほうから、地方負担、それから企業負担について検討してほしいという要請をしたそうですが、これはどういう理由からなんでしょうか。国民に対してわかりやすい説明が必要だと思うんですが、お願いします。
(答)ちょっと質問の意味がよくわからないんですけれども、長妻議員に地方負担のことを私が要請したというのですか。
(問)子ども手当ての財源を確保するに当たって、地方負担、つまり長妻さんは全額国費負担ということで主張されているんですが、そうではなくて、地方負担あるいは企業負担に関して検討してほしいというふうに要請したと聞いているんですが、違うでしょうか。
(答)ちょっとニュアンスは違いますね。つまり、マニフェストというのは、民主党として国民にお約束したわけで、それは民主党議員あるいは民主党所属のメンバーは、ある意味、全員がその実現の責任を負う立場にあるわけです。ですから、例えば7.1兆というお金があればこうなるんだということを言っているわけですが、7.1兆というのは、だれか外の人が持っていってくれるわけではなくて、どういうふうに捻出するかということそのものを、最終的には閣議で決めなければいけないわけです。ですから、子ども手当てを実現するという直接の概算要求をしている省庁である厚労省も、トータルのマニフェストを実現するための財源についても、他の大臣と同様に一つの考え方を持ってもらわないといけないので、私はあらゆる関係大臣に、この問題に限りませんが、ではどういうふうに考えるのですかということはお聞きしています。ですから、それを今の質問のような、部分的に取り出せば、そういうことも含まれていますけれども、もうちょっと一般的に、ではどうすればいいんですかと、そういう言い方です。
(問)確認ですけれども、そうすると財源の確保を全額国庫負担ということであれば、厚労省としては、どういう確保の仕方があるかを具体的に考えてくれというふうに言ったということでしょうか。
(答)必ずしも、厚労省が財源が全部国費だという言い方が、私は必ずしも、子ども手当てが国費であっても、では例えばある費用が国費から外れるとか、そういうことだってあるわけですよ。つまりは内閣全体ですから。ですから、そういう議論を総務省ともやっているわけです。ですから、あらゆる問題で、「ここだけ」といっても全部つながっているわけですから、そうすると、ここでは国費を全部、この項目には全額国費であっても、そのかわり今までは国費が見合っているところのこの部分は、では国費でない形で手当てができるとか、そういうことを含めての議論ですから。
(問)ガソリン税と暫定税率の関係なんですが、以前、副総理がテレビ出演で、環境税とか暫定税率の組み合わせもあり得るという発言をされて、それは何らかの4月からの導入ということも示唆されているのではないかと思いますが、総理や平野官房長官は、4月からの即時導入には非常に否定的な考え方を示されていますが、ここはちょっと閣内で食い違いがあると思うんですけれども、そこはどう思われますか。
(答)食い違いとか食い違いであるではなくて、まさに、今そういうことを含めて議論をしているわけですから。過程、過程の一言一言で言えば、食い違いをないようにするには、一切皆さん方に日本語をしゃべらないようにするということになりますから。ですから、まさにそういういろんなことを、昨日の例で言えば関係の省庁の大臣にお集まりをいただいて議論をしているわけですから、まだまだ百家争鳴の状態だということを申し上げたわけです。
(問)来年度の予算なんですけれども、現在、基本方針を取りまとめる作業がまっただ中だとは思うんですけれども、めどとして、大体いつごろまでに取りまとめされたいとお考えなのか。また、あと今回は財務省原案という形をとらずにということですけれども、鳩山内閣ならではの目玉ですとか、特色になるものがございましたら、御紹介いただきたいと思います。
(答)今、第2次補正の取りまとめの最終段階に来ているわけですが、その後に、来年度予算の取りまとめになっていきます。最後の最後は、やはりなるべく早目にとは思っていますが、やはり今月の終わり近くになる、ならざるを得ないのかなと。できるだけ早くとは思っておりますが、そのように考えています。
 鳩山内閣としての本予算という意味では初めての予算ですので、やはりいつも申し上げているように、鳩山総理の言葉を借りれば「コンクリートから人へ」と、まさにそのことが一番大きな特徴になるのではないかと、こう思います。
(問)補正予算をめぐっては、昨日、今朝の実務者レベルの協議で、政府側は7.1兆円規模を主張して、国民新党側は8兆円規模を主張したということなんですけれども、政府側が規模の面で歩み寄る余地というのはあるでしょうか。
(答)その言葉の使い方も、ちょっとよくわからない。国民新党も政府ですよ。社民党も政府ですよ。
(問)連立与党内で食い違いがありますけれども。
(答)だから、連立与党内のことではあるけれども、政府対何とかではないですよ、全然。みんなが責任を持っているのですから。最終的には何らかの結論を出すのが内閣の責任ですから。その今、最後の9合目なのか、9.5合目なのか、そういうところにあるのかなと、そう思っています。

(以上)