菅大臣記者会見要旨 平成21年11月25日

(平成21年11月25日(水) 19:10~19:22  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 それでは、「雇用戦略対話」について、私のほうから報告の会見をさせていただきます。

 もう皆さんに、お手元に資料が渡っていると思いますが、先ほど総理も出席のもと、関係大臣と労働界、経済界、さらにはこの分野で詳しい学者、また卒業者を出すという立場で学校関係者、さらにはNPO関係の方、そういった皆さんにお集まりをいただきまして、「雇用戦略対話」を開かせていただきました。細かいやりとりは、必要であればといいましょうか、後ほど山崎統括官のほうから質問があればお答えさせていただきますが、私のほうからは、概略的なお話をしていきたいと思います。

 それぞれの立場から、今の雇用状況に対して相当しっかりした対応が必要だという御意見が出ました。その中で、幾つか共通なところがありましたのは、やはり雇用調整金など、現在の雇用を支えている仕組みが継続できるように要件緩和といったことが必要ではないか、こういうこともありまして、最終的に合意をいただきましたものの中で、このものも盛り込んだところであります。

 合意の文書も皆さんの手元に行っていると思いますけれども、基本的には冒頭に、今日合意した問題については、「政府における「経済対策」の検討に十分反映していくものとする」と。若干の質問がありましたので、この「経済対策」という意味は、第二次補正というものも含み、ある程度、来年度予算ということにも念頭に置いて、そういったものに反映させていくという、そういう意味であることも明確にいたしました。

 さらに、新卒者支援の問題、また貧困・困窮者支援の問題など、それぞれの方から意見をいただき、また若干の意見交換も行わせていただきました。

 特に、いろんな方の発言がありましたが、竹中さんという方のNPOグループの方の発言は、総理が所信表明でも言われたチャレンジド、障害をお持ちの方がICT、普通はITといいますが、コミュニケーションという意味でICTという「C」が入っておりますが、そういった技術を活用すれば、チャレンジドの皆さんにも労働への参加が可能なので、そういう問題もしっかり、この中に含めてほしいということがありました。

 また、最後のところといいましょうか、「「雇用戦略」の本格的な推進」のところに「有給休暇や育児休業等の取得促進、労働時間の短縮は、ワーク・ライフ・バランス等の観点から、経済・雇用面で大きな効果が期待されることから、政労使一丸となって強力に取り組む」とさせていただきました。ここの中身は、有給休暇とか育児休業を取ることによって、せんだっても、たしかシルバーウイークといった時期に、かなり観光地は賑わったわけでありますし、また日本の場合、有給休暇が非常に取られていない。これをしっかり取ることによって、今申し上げたような効果に加えて、ある種のワークシェア的な要素も必要になるというか、逆にワークシェアの促進にもつながると。こういったこともありまして、経済・雇用の面で大きな効果が期待されているということになっております。

 また、これもいろんな委員の方から出ましたが、この「雇用戦略対話」は適宜開いてほしいということに加えて、地域で雇用戦略会議というものを今つくっているわけですが、そういう地域雇用戦略会議との連携を図っていこうということも、確認させていただきました。

 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)少し、ちょっと大まかな質問をさせてください。
 今回、こうやって第1回が開かれたわけですけれども、今日、委員の方からも適宜開いていただきたいという御意見もあったということですが、今後の雇用戦略対話を開いていくスケジュール感みたいなものがあるならば伺いたいということと。
 そもそも、この戦略対話というものの枠組みの性格というか、機能について御説明をいただきたいと思います。今日決まった合意を拝見すると、決まった合意の部分については、先般の政府の緊急雇用対策の域を出ないのかなという感じがするんですが、今後この対話で何らか新しい施策を打ち出していくような、そういう機能を持たせるのかどうか、そこをちょっとお話を伺いたいと思います。
(答)どの程度の頻度かという話は、これから具体的にいろんな課題に取り組む中で、そうした要望も伺いながら、まさに適宜開いていきたいと。機械的に1カ月とか、あるいは2週間とかというふうに決めるというよりも、今日の会議から、さらにこの踏み込んだ形、あるいは状況の変化の中で協議をしたほうがいいという判断をしたときに、御意見を聞いて開いたらいいんではないかと思っております。
 例えば先ほど申し上げたように、雇用調整助成金の扱いなどについても、一定の方向は出しましたけれども、最終的にどういう仕組みの中でこれを出す仕組みができるかといったこともありますし、また、そういう予算、あるいは本予算、補正予算、本予算の関係でも、場合によっては、もう一度開いていこうではないかという場面もあるかと思っております。
 それから、2つ目の質問も同じようなことで、もう答えてしまったところもありますけれども、さきの10月23日の「緊急雇用対策」は、政府としてこういう形でやりたいということで、もちろん、この間、自治体や労働組合、経済団体等々にもいろいろ働きかけをしてきたわけですが、今回は逆に言えば、そういった働きかけがある程度、形になってきたということを踏まえて、ある意味では、ここまでは形になりましたと、これからさらにお願いしますという、それぞれの立場でそういう意見を交換したと、そのように理解しています。
(問)そうしたら、次のこの雇用戦略対話で、いろいろテーマが掲げられているんですけれども、次の実現したい戦略目標みたいなことや何か具体的に考えていらっしゃることはあるでしょうか。
(答)的確に、どういう部分かわかりませんが、今日は自治体関係者は、この場にはおられませんでしたけれども、いろいろな知事会、市長会等とも話をして、11月のたしか30日ですか、最初のワンストップ・サービスの、最初ですから試行実験になると思いますが、そういうこともやるわけです。ですから、そういうことが進む中で、あるいは学生さんの内定状況もだんだん、現在非常に厳しいわけですが、その厳しさからだんだんと卒業が近くなることによって、より大きな課題になってくることが十分考えられますので、そういう中で、先ほど申し上げたように必要な議論はまたしていきたいと思います。
(問)会議の中で、総理が冒頭以外にどのような発言をされたか、御紹介いただけますでしょうか。
(答)総理が最初に、皆さんがおられるときに話をされたことだけで、あと終わった後、個人的には話をいたしましたが、それ以外の発言はなかったと思います。

(以上)