菅大臣記者会見要旨 平成21年10月16日

(平成21年10月16日(金) 10:26~10:58  於:官邸記者会見室)

1.発言要旨

 それでは閣議後の定例会見を始めます。

 もう官房長官から概略は報告があったと思いますが、本日の閣議で雇用対策本部が正式に決定されました。この後、実際の第1回目の雇用対策本部が、たしか1時過ぎから開かれることになっております。実際には、内容的なことは、かなり既に準備が進んでおりまして、19日月曜日に事務局長会議を開いて、国会が始まるまで、23日ごろをめどとしておりますが、まず第1弾としての、多分「緊急雇用対策プログラム」と名づけることになると思いますが、そういうものをまとめたいと思っております。基本的には、10月の臨時国会では補正予算を出さない方針でありますので、今までのいろいろな1次補正等で積まれた財源をうまく使って、雇用創造、あるいは貧困対策、さらには新卒者対策等、効果の上がるものを具体的な形で取り組める体制をつくりたい。場合によっては、自治体や、あるいは経済団体、労働団体等、さらには学校などにも協力要請をしていく。ある意味で、特に高卒や大卒の新卒者が、卒業はしたけれども仕事がないという状況、さらには、ロストジェネレーションと呼ばれるような状況にならないように、これは政府の責任も大きいわけですが、同時に各界各層の一緒になっての協力も大事だと思っておりますので、そういうことも目配りしながら対応していきたい、このように思っております。

 また、今日は、1次補正の見直しを確定する報告が閣議でも承認されました。私が担当している科学技術の関係では、最先端技術の研究に補正予算で2,700億円の予算が組まれていたわけですが、最終的には1,200億円を圧縮することになりました。つまりは、2,700億円が1,500億円ということに、まず補正予算では圧縮することになりました。この1,000億円を、従来から決まっております30人の中心研究者に配分する。これは、総額は2,700億円に比べればかなり小さくなりましたが、しかし、それでも平均、1件当たり、あるいは1人当たり33億円というかなり大きな額でありますので、これについてはこれで方針が固まりましたので、早急に今後の作業を継続してもらうように、近く関係者のほうに申し上げたいと思っております。そして、当初はあと1,000億円、若手研究者など新たな基準で配分すると考えておりましたが、そのうちのまず半分を、この補正予算としては実施していく、こういうことになりました。この件については総理ともお話しして、総理のほうからも、「来年度予算等を含めて、この分野には自分自身もしっかり力を入れたいと思っているので、必ずそうした中で今回縮減したものについても、きちんとそれに実質的に見合うものを対応するようにする」というお話もいただきまして、最終的には今申し上げたように、2,700億円の中1,200億円を縮減し1,500億円で、今申し上げたような2つの区分で補正予算としては実行に移していきたい、このように最終的には決定されたところであります。

 また、せんだっての段階で、いわゆる地球温暖化の関係の関係閣僚会議での決定に基づいて、私が責任者になり、小沢鋭仁環境大臣が事務局長になった中期目標達成検討チームについて、今日もいろいろと打ち合わせをいたしまして、当初、この検討チームと並列的に、いろいろと途上国支援とかもあったわけですが、基本的にはこういう途上国支援とか、あるいは排出権取引とか、あるいは従来のマクロ経済的なモデルとか、すべてはこの中期目標を達成するという目的の中でのいろいろな項目でありますので、基本的には私の責任の下、小沢鋭仁事務局長の下、すべての項目について、この中期目標達成検討チームで一元的に取り扱う。その上で、多少特徴的な問題は、場合によってはその一元的に取り扱う検討チームの中に、海外のことを扱うプロジェクトチームとか、あるいは場合によっては排出権取引を取り扱うプロジェクトチームとか、そういう形をとって、基本的には私とその下の小沢事務局長の下で一元的に取り扱うという形にしていこうということで、関係方面と了解をとったところであります。また、これにはもともと有識者の参加もいただきたいと思っておりますので、これもそういった意味では、私の責任の下のところで有識者の皆さんへのお話を聞く、そういう形も具体化していきたい、このように思っております。

 以上が私からです。

2.質疑応答

(問)今日で鳩山政権が発足して1カ月ということになると思うのですが、特に副総理は政治主導の重要性を唱えておられました。そういう政治主導の部分で、この鳩山政権の1カ月への自己評価をいただきたいというのが1点目です。
 2点目ですけれども、本日、来年度の本予算の概算要求がありました。これから圧縮作業が始まると思うのですが、マニフェストの実現に向けて、やはり省庁横断的にどの事業を優先し、どの事業を削るのかというようなことを考えなくてはいけないと思うのですけれども、その際にどういった形でその優先度を決めていくべきか。省庁間にまたがるような事業はどっちを優先すべきかという優先度を、どういうふうに内閣として意思を決めていくべきか、副総理のお考えを伺いたいと思います。
(答)まず、今日がちょうど鳩山政権誕生から満1カ月ということになりました。私は、政治主導で政権運営をするという基本的な鳩山政権の考え方が、私の目から見ると、当初「どうなるかな」という面もたくさんあったわけですけれども、ここまでのところでは予想以上、私の期待した以上に具体的に展開している、このように感じております。
 もう何度も申し上げましたけれども、閣議のあり方、そして閣僚委員会、そして一方では事務次官会議を廃止する。「これを廃止するとなかなか閣議が回らないのではないか」という指摘も、そういう分野のOB的な人からも話があったわけですが、しっかりと閣議も閣僚委員会も機能しております。また、政務三役が、各省のある意味での責任チームとして、この補正予算の見直し、さらには本予算についてもフル回転している。どちらかといえば、まだ人材が不足しているという面はあるにしても、少なくとも従来の自公政権のときのように、閣僚はいろいろと官僚の皆さんに囲まれて決定することになったとしても、副大臣や政務官はほとんど肩書きだけで、実際上の決定には関わらなかったときに比べると、全く様変わりしてきているということは、皆さんの目からも明らかだと思います。
 そういった意味で、私はこの1カ月間、それに加えて言えば、やはり鳩山総理を中心としての外交面での存在感、もう鳩山総理については言うまでもありませんが、国連での地球温暖化の問題や多くの課題について発信され、さらに、岡田外務大臣もアフガニスタンに自ら足を運ぶなど、積極的な外交活動を続けている。そういうことを含めて、私は非常にこの1カ月間、期待を超えての活動であり、また政治主導という面もそういう点で進んできている、このように見ております。
 もちろん、これからの問題としては、まだまだスタートして1カ月でありますから、いろいろな巻き返しとか、いろいろ困難な場面が、これまたたくさん予想されますけれども、それを乗り越えてやっていけるということが、この1カ月の中で、ある意味では自信を含めて持てた1カ月であったと、このように思っております。
 また、来年度予算における概算要求が出たわけですけれども、その中での優先度と言う問題の御質問です。端的に言えば、第1の優先度はマニフェストです。マニフェストに盛り込み国民の皆さんと約束したことをどこまでやっていけるか、これが第1の優先度であることは言うまでもありません。あえて言えば、それに加えて、マニフェストでは必ずしも詳細に、あるいは大きな項目では盛り込まなかった中でも、まさに雇用の問題、景気の問題、そして先ほど申し上げた地球温暖化の問題、こういった問題は、マニフェストに盛り込まれた問題と、やはり同様なレベルでの優先度が、私は置かれてよいと思いますし、既に閣議や閣僚委員会でも、そういう位置づけでいろいろな活動が始まっていることは、先ほども申し上げたとおりであります。そういう見方をしております。
(問)そうはいっても、マニフェスト以外の、あるいは今、副総理が挙げられた雇用等々以外の事業というのが、いろいろ各省庁にあるわけで、それぞれ必要性はあると思うのですが、あくまでも優先度の高いマニフェストや、その他、雇用等の事業を実現するために、それ以外の事業というのは切っていかなくてはいけないと思うのですね。それは、省庁間にまたがる優先度、あるいは優先づけ、「これはだめだ」というような格付けみたいなものが必要になると思うのですが、それは仙谷大臣のところの行政刷新会議だけで担うのか、それとも、やはりそれは閣議の中で意見収れんというのか、方向性というのを明確にすべきなのか。この辺は、具体的にどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
(答)どうしても「切っていく」という言葉が出るのですけれども、確かに一応の概算要求が出ましたので、それを部分的には減額するということもたくさんやらなければならないと思いますけれども、もともとは、今回、22年度の予算という意味では、ゼロベースでそれぞれの省庁から各大臣に案を出していただいたわけですから、ある意味ではゼロベースからの案だという認識で、特にマニフェストや重点項目以外については、かつての内閣がやってきたことの踏襲が多いわけですから、そういう意味ではゼロベースで考えていこうというのが基本的な姿勢だと理解いたしております。そういう意味では、最も中心になるのは各省庁の大臣、副大臣、政務官のいろいろな意味での努力に係るところが多いと思いますが、当然ながら、行政刷新会議が次いでそういうものを見渡して、いろいろと作業を進められるのだろうと思っております。
 よく国家戦略室について、いろいろ期待も含めて「どういう関わりを持つのだ」というふうに言われるわけですが、先ほど申し上げたように、大きく言えば、過去のいろいろな政権がやってきた無駄の多い、あるいは天下り先などにどんどんお金をつぎ込むような予算編成を改めるという部分については、行政刷新会議が中心になって取り組む。そして、私の部門は、「未来に向かって、この日本を、世界を、こういう方向に持っていきたいんだ」という鳩山総理あるいは鳩山内閣の方向性について、それをどのようにして実現するのか、そういうものを検討していく。予算においても、先ほど申し上げたように、当面は緊急雇用対策本部として、例えば10月の臨時国会では考えておりませんが、1月の常会になりますと2次補正と本予算の中で、それをどう扱うのか。さらには、温暖化についてどう扱うのか。こういうものについては、もちろん関係省庁との関係はありますけれども、大きい方向性としては、国家戦略室が方向性を考えていく場ではないか。もちろん必要な閣僚委員会等の作業チームを持っておりますので、そういう連携の中でやっていきたいと思っています。
(問)補正の見直しの件なのですけれども、2.9兆円というこの数字、あるいは今回の作業について、どのように評価されているのかということと、あと、その作業の中で、最終的に仙谷大臣と各省の大臣が折衝されて、各省の大臣が「もうこれ以上だめだ」ということで頑張ってしまうと、なかなかそれ以上切り込めないという局面が見られて、今後の予算編成作業の中でも、行政刷新会議あるいは国家戦略室というところが、十分にその指導力を発揮できないのではないかと懸念する見方もあると思うのですけれども、そのあたりについてはどのようにお考えなっていますでしょうか。
(答)まずは、補正予算という形、1次補正という形で既にもう動き出していたものを、いわばいったん止めて降ろすべき荷物を降ろすという作業でありましたので、なかなか大変な作業の中で、私は関係者、特に仙谷大臣や古川副大臣はよく頑張られた結果が、この2.9兆円という形になったのだろう、このように見ております。
 今後の中でいえば、まだ私も詳細には聞いておりませんが、行政刷新会議の中に、今の体制に加えて、もっと国会議員を何人か参加させるというのは、これは報道ベースでありますけれども、今日見ました。私の実感からいっても、一つの省の中身を、補正であった場合でも、「これはあまり重要性が薄いのではないですか」という以上は、その各省の大臣や副大臣と議論ができる体制をつくらなければいけない。そういう意味では、今の行政刷新の大臣、副大臣のお2人、あるいは政務官を含めた3人の方だけではなくて、もっとそこがそういう対応力を持つような強化がされるという報道を聞いて、私は、ぜひそれはやられたらよいのではないか、やっていただいたほうがよいのではないかと。その中でしっかりと、今後の展開の中で、もちろん各省の大臣に、まさに要求大臣としてだけではなくて、査定大臣として考えてほしいということと連動して全体を進めてもらえる、このように見ています。
(問)先ほどの1カ月を振り返った中で、予想以上の仕事ができたという評価をされておりましたけれども、鳩山政権が政治主導の中で車の両輪として進めた行政刷新会議と国家戦略室の仕事に限って見た場合に、国家戦略室の仕事というものは、この1カ月、当初描いていたような仕事をできていたのかどうかという点については、どう評価されますでしょうか。
(答)私は仕事という言葉は、多分、使っていないのですね。政治主導という形になれたかどうかという意味で、政治主導という形になれたというふうに思います。
 それから、国家戦略室については、私が大臣就任の挨拶でも申し上げたように、第1の国家戦略室に課せられた期待は、あるいは、あえて言えば仕事と言ってもよいかもしれませんが、役目は、まさに官僚主導、官僚内閣制を変えていく、まさに政治主導に変えていくということでありましたから、こういうものをつくるという総理の決定と、そこに私が責任者として就くということを表明された段階で、かなり霞ヶ関がそれに向って、「これは本気なんだな」という意識になって、そして、その後のいろいろな展開の中で、今申し上げたようなことを各大臣が頑張ってやっておられる。閣議も、私が十数年前に厚生大臣として出た閣議とは全く様変わりしています。そういう意味で、当時、もう半分のことが達成されたのだというのは、決して言葉じりで言ったのではなくて、実際にそういうことにその後もなってきたと思っております。
 それに加えての仕事といえば、もちろん陣容などがもっとあれば、いろいろなところにできるものもありましたが、少なくとも中心的な課題として与えられている予算編成の骨格という、つまり予算編成のあり方について、近く一つの方向性を出しますが、例えば複数年度については、来年度からは無理だけれども、再来年度からはそういうふうに目指そうとか、あるいは使い切りは来年度からなくしていこうとか、公開性をもっと広げていこうとか、今日の閣僚懇でも私のほうから申し上げておりましたが、そういうことについては、まさに仕事というか、作業が進んでおりますし、加えて、総理から改めて指示された雇用問題、環境問題については、今、本格的な作業に入り始めたところですから、いろいろな制約条件はありますけれども、その中では国家戦略室としても相当程度の仕事は進めてきた、このように思っております。
(問)1次補正の関連ですけれども、見直し前に1次補正で実施される予定だった金額は幾らなのかというのをお聞きしたいのですが、いわゆる政府の成長率の目標の前提になっている数字だと思うのです。今回の2.9兆円というのは、どれぐらい当初の段階での額が減ったのか増えたのかということを考えると、景気対策を考えたときに一つの重要な数字になると思うのですが、その辺について教えていただければと思います。
(答)細かい数字は、私のほうでは精査していません。というのは、お分かりのように、いろいろな項目が基金に積まれて、3年間にわたって支出するといったようなことが多いものですから、そのうちの初年度が幾らの予定であったか、あるいは、実際には予定であってもほとんど執行が始まっていないところもありますので、それがきちっと分かっているとすれば、それは行政刷新会議のほうでは分かっておられるかと思いますが、細かい数字は分かっていませんけれども、私のほうでも大方の枠組みの中で、景気に対する影響は検討いたしました。
 結論的に言えば、景気に対するマイナスの影響はほとんどない。という理由は、先ほど申し上げたように、もともとこの約15兆円の補正予算のかなりの部分が、2年目、3年目というものに分けられていますので、今回の2.9兆円は、ほぼその範囲内におさまっているというふうにおおよそ見られるものですから、そういう意味では、すべてを執行した場合の今年度中に執行されるものと、今回の見直しによってとめられた後、執行されるものは、今年度という見方でいえばほとんど変わっていない。それによって景気に対する悪影響はほとんどないというのが、私なり私どもの見方です。
(問)政府の成長率の目標の3.3%マイナスという今年度の成長目標はありますけれども、その前提になった1次補正の歳出を幾らする予定だったのかという数字はあると思うのですが、事務方は出さないのです。それは、出していただくことはできないのですか。
(答)私のところがやるべきことかどうか分かりませんし、その3.3%というのも前の政権の目標でありますし、税収見通しも全く違っていますし、その後の経済見通しも大幅に変わっていますから、出さないとかというよりも、もしかしたら、それは財務省なのか、あるいは行政刷新会議なのか、別に逃げるつもりで言っているのではなくて、私のところにおいて、今、そういう数字は持っていませんということを言っているのです。
(問)経済財政担当大臣として、そこのチーム、経済財政担当部門は持っているはずだと思うのですけれども。
(答)何をですか。
(問)数字を。成長率の見通しを弾いているのは、まさに大臣の所管の……
(答)ですから、その先ほど申し上げたことについては、成長率に対するマイナスの影響はほとんどないというのが結論です。
(問)来年度予算の規模なのですが、先ほどのお答えで、各大臣の概算要求についてゼロベースの案を出してもらっているというお答えがありましたけれども、既に要求段階で、もう今年度の当初の概算要求の予算規模を超えているわけです。90兆円になったり、上がってきている。それから切っていくのは非常に難しいというふうに思うのですが、もう比較として予算規模が、来年度予算は今年度予算より拡大してもよいというふうにお考えなのかということが1つと、あと、もしそうであれば、税収も減るわけなので、国債発行が相当増えると思いますが、それも問題ないとお考えなのか、この2点について確認したいのですが。
(答)まず、前もこの場で申し上げたのですが、私は、当初は全体の歳入見通しを立てた中で、それぞれの役所の歳出が決まりますので、それぞれの役所の大枠を考えるというやり方、イギリスのやり方が一つのやり方かなと思っておりました。
 ただ、ほかの場面でも申し上げましたが、今一番重要なことは、歳出の額ももちろん重要なのですが、中身を大幅に変更しています。簡単に言えば、「コンクリートから人へ」ということで大幅に変更しています。そういう意味では、中身の変更というものが大幅に行われている。つまり、シーリングというものをかけなかったのは、単に抑えるのをやめたのではなくて、ドーンと減るところとドーンと増えるところがあり得るということでやったわけですから、その中身の変更が、この補正の見直しの中でも、あるいは本予算の要求の中でもかなり出てきていることは、私は事実だと思っています。
 その上でいえば、マニフェストの初年度にかかる費用が、もともと7.1兆円ということを予想していましたから、ある意味で、従来の前内閣がやった当初予算に新規政策を単純に上乗せすれば、当然、かなりの額になることは予想されたわけですから、それをそうならないようにということで、それぞれの大臣に要請してきたわけですが、現在のところは7.1兆円を全部丸々上乗せした形の数字に比べれば、私はかなり抑えられた数字だと思いますけれども、かなり高い水準の数字が出てきていることはそのとおりであります。
 また、一方、これも全部言い出すと、時間がちょっとあれですが、まずは麻生内閣の時点での歳入の税収見通しが大幅に違ってきている。下方修正が必要だという問題が、まず1つ、目の前にあるわけです。それと、来年度の税収、さらには、いわゆる埋蔵金を含めた税外収入、そういうものを含めて、どの程度の予算規模が全体としてバランスのとれたものであるかということは、もちろんその段階その段階で念頭に置かなければならない、このように思っております。
 今、数字を挙げて申し上げる段階にはありませんけれども、少なくとも22年度の本予算の中で、さきの麻生政権下で44兆円の国債が発行されたわけですが、さらに言えば、それを超えての歳入欠陥を埋めるための国債発行が多分必要になると思いますから、そういうことを考えますと、そういう規模の国債を発行することはしないで組み立てる、基本的にはそういうイメージを持っております。
 ただ、具体的な数字については、まだ少なくとも従来の麻生政権の負の遺産も負っておりますので、そういうものを一遍に脱却することはできないし、景気状況も決して楽観を許しませんので、そこは中身を変えることが今回の予算の一番の眼目で、総額については、今申し上げたような中でぎりぎりのバランスのある予算にしていきたい、このように思っております。

(以上)