古川副大臣記者会見要旨 平成21年11月11日

(平成21年11月11日(水) 17:07~17:29  於:合同庁舎第4号館11階共用第一特別会議室)

1.発言要旨

 お待たせしました。ただいまから、菅副総理部局と仙谷刷新大臣当局に関する記者会見を行わせていただきたいと思います。
 まず、菅副総理局の、一昨日行われました政務三役会議の報告からさせていただきます。
 メインは、今日行われました内閣委員会の所信的挨拶の案について議論したというところであります。あとは、アンヘル・グリアOECD事務総長の菅大臣への面会依頼の件について。科学技術関係では、総合科学技術会議有識者議員の国会同意人事について案を了解したということでございます。科学技術に関する国際協議への内閣の対応について、これも提案がありまして了解をしたということであります。
 今日、国家戦略室のスタッフミーティングを行いました。まず、今週月曜日から民間の人がもう1人加わりましたので、その人の紹介を行いまして、その後、それぞれの皆さんが今やっていること、お互い現在やっていることと、取り組んでいることについての報告、そして意見交換を行わせていただきました。
 戦略室関係で、皆さん方に途中経過報告をお伝えしておきたいと思います。まず予算編成のあり方に関する検討会の論点整理、これはパブリックコメントに出しておりまして、11月30日が締め切りでございます。現在、30件以上のコメントはいただいておるところでございます。内容については、全部まとまったところでまた分析をしたいというふうに思っておりますが、途中経過で申し上げました。
 予算編成等のあり方の会合について、閣議決定を行ったものについての実施状況につきまして、今のところ、これも適宜私どもでフォローしておりますけれども、繰越制度の一層の活用に向けた取組につきまして、財務省にて各府省や各地方自治体からの問題点の指摘や改善要望について窓口を設置すると閣議決定いたしました。そのことを受けまして、具体的な窓口を明らかにするために、主計局長名で各省官房長に事務連絡を既に10月30日というところで発出をいたしております。
 以上が菅副総理部局の関係のところの御報告事項でございます。
 次に、仙谷大臣の部局でございますけれども、今日も政務三役会議が行われ、また、御存じのように今日からまさに事業仕分けがスタートしたばかりでございます。ちょうど開会式の時間と内閣委員会がバッティングをしてしまいましたので、私ども開会式には出られなかったわけですが、インターネット中継をしておりますので、大臣室のほうでインターネット中継を見ながら、現状どうなっているのか、確認をしました。また、現場から報告等を受けて、今日から始まったこの事業仕分けの状況把握を行ったというのが今日の仙谷大臣部局の政務三役の議題でございました。
 この事業仕分けは、外部の目を入れて外部の視点で、現場の感覚を取り入れ、そして公開の場で議論する。一部の官僚と族議員によるこれまでの密室の中での予算編成から、国民の皆さんに広く開かれた予算の編成を行っていく。その一環として、いわば今回初めて取り組んだものであります。そういう意味では、いわば密室に閉ざされてきた予算編成の過程が、国民の皆さんに一部分がオープンになって、国民の皆さんとともに予算のあり方、そして予算をつけてでも行うべき事業のあり方が何なのかを考えていければと思っております。さらには、事業仕分けの後の結果を踏まえて、その予算の裏側にあります、見直していくべきさまざまな独法や公益法人等も含めた、行政の大掃除につながっていく大きな一歩が今日から始まったというふうに認識をいたしております。
 本当に、ここに至るまでには、とにかく初めてということでありましたので、さまざまな、いろいろな困難もございましたけれども、関係者の皆さん方の御尽力でこぎつけられたということに心から感謝を申し上げたいと思っております。
 私も午後早速訪れてまいりました。本日は、雨の中、かなり激しい雨でございましたけれども、大変多くの方においでをいただいて、体育館でちょっと私も寒いんじゃないかなと思って行ってみましたら、窓が開いているくらいに、かなり人も多くて、また議論も白熱している分だけ熱を帯びていたような状況でございました。
 ちなみにこの中で、皆さんどれぐらいの方が現場に行かれましたか。あまり行っていないですね。ぜひ一度、やはり現場というのが大事ですから行っていただければなと思います。もちろんインターネットでも見ていただけますけれども、やはり現場のリアル感、その場に行っていただくのとは臨場感が違いますので。
 今回、初日の開催に当たりまして、例えば傍聴のレシーバーが不足したり、若干人の誘導等で少しうまくいかなかったとか、そういうところもあったことは事実でございます。かつて政権のもとでは大変膨大なお金を使ったタウンミーティングなんていうのも行われたりもしましたが、とにかく少しでも無駄をなくしていくというところがこの行政刷新会議、そして事業仕分けの目的でもございますので、今回の会場の設営につきましては、やはりそういうところから自分たちでやっていこうと、今回は体育館も雨漏りしていたようでありますけれども、場所も含め、できるだけコストのかからない形でと、設営についても、事務局のメンバーに、また内閣府の人たちにも応援に出てもらって、自前で行い、今回の事業仕分けを今日からスタートいたしました。
 初日でございますので、いろいろなことを想定はしておりましたけれども、やはり実際に始まってみないとわからないという、そういう不慣れな点から、さまざま来ていただいた方とかに御迷惑をおかけした部分があるというところについては、率直におわびを申し上げたいと思っております。ただ、そこは直せる部分は現場での対応も適宜行って直していくということで改善を進めております。例えば、先ほど申し上げました傍聴のレシーバー、席の数だけは用意をさせていただいたわけですけれども、立ち見の人たちが増える、出るというようなこともございまして、また、これはぜひちょっと報道関係の皆様方にもお願いしたいんですけれども、レシーバーがないとなかなか広いところで聞こえないということもあって、幾つもレシーバーを持っていって足りなくなったというようなことも現場ではあったようでございまして、その点については、一般の傍聴者の方々も大勢いらっしゃいますから、ぜひ報道関係の皆様方の御協力も今後いただきたいというふうに思っております。せっかく来ていただいたのに聞きにくかったという方々には、この場をお借りしてお侘びを申し上げたいと思っております。早速、改善策を講じまして、午後からは、同じ場所で3ワーキングチームをやっておりますので、一応その場でレシーバーがなくても聞くこともできるように、あまり大きな音は出せないんですけれども、スピーカーを各ワーキンググループに設置をいたしました。また、明日からはレシーバーの数を本日よりも倍増する方向で今準備をしております。今日のいろいろな不備があった点については、できることは最大限努力をして改善をしてまいりたいと思っておりますので、皆様方にもその点を御理解をいただきたいと思っております。
 とにかく、今回の事業仕分けは、国民の皆さんと一緒に、国民目線の予算をつくっていく、いわば新しい予算編成、これまでの予算編成とは全く異なる新しい予算編成のあり方の第一歩であります。そういう意味では、国民の皆さんにそうしたプロセスを伝えていただく、マスコミの皆さん方の御協力もいただきまして、ぜひ一人でも多くの国民の皆様方の注意や関心を呼び、予算編成が国民の目線で、国民のために行われるようなものに変わっていく、そういう第一歩につないでいきたいと思っております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)大きく2点お尋ねします。まず1点目は、まさにお話のあった事業仕分けの作業ですけれども、先ほどの政務三役会議の中で、この会議の議論の進め方ですとかあるいは結論の持ち方、そういったようなところで何かしら意見交換というのはございましたでしょうか。また、この件に関して、政務三役会議の中で仙谷大臣は何かおっしゃいましたでしょうか。まずそれをお願いします。
(答)今日の会議は、今日からスタートしたわけですから、インターネット中継を見ながら、また現場に行っている人からの事務局からの報告等を受けて、現場がうまくいっているかどうかの確認と、若干現場でレシーバーが足らないとか、インターネット中継もマイクに近い人の声はよく聞こえるけれども、そうではない人の声が聞こえないなど報告を受け、改善するところは改善するように指示を出していたということで、それ以上の議論はいたしておりません。
(問)政務三役会議でも議事運営そのものに関しては特に何も。
(答)はい。
(問)もう1点、今度は菅大臣のラインのお話ですけれども、先ごろ、菅副総理が閣議後会見で、一次補正の執行停止によって確保した2.9兆円、これにほぼ相当する程度の規模の景気雇用対策というのを二次補正でやっていきたいというような意向を示されたんですけれども、改めまして、そういった規模の景気雇用対策をこの時期にやるその意義、あるいは必要性、あるいは狙い、そういったものについて御説明いただきたいと思います。
(答)景気対策をやるやらない、そして内容をどうするかということについては、これは総理をはじめとして、内閣として決められることだと思っております。菅副総理としての御意見を言われたということは承知をしておりますが、それを踏まえて、総理をはじめ内閣としていつどのような形で決定するかというところは、まだ今検討中のところでございますので、私からコメントするということはございません。
(問)国家戦略室のスタッフの役割分担なんですけれども、今、国家戦略室のスタッフがかかわる政策の分野は幾つぐらいあって、それぞれに何人ぐらいついているのかということと、あと、環境とか雇用とか、既に動き出していますけれども、彼らはどのような役割をその中で果たしていくんでしょうか。
(答)今お話がございましたように、環境や雇用は既に菅副総理が対策本部の本部長やあるいは本部長代行をやっておられますから、そういう部分で菅副総理の仕事をサポートしていくというところが一つあると思います。もう一つは、国家戦略の総理決定の中でも示されております税財政の骨格、まさにこれは予算編成の基本方針の策定に向けての作業も進んでおりますので、そういったものを中心に行っていくということになります。
(問)実質的な政策の数というのは何テーマぐらいあるんですか。
(答)基本的には、今のところはその3つのところを中心にやっていくということですね。
(問)もう1人新しく増えた方の肩書き等詳しい情報をちょっと教えていただきたいんですけれども。
(答)肩書きというのは。
(問)新しくスタッフが増えたと先ほどおっしゃっていましたけれども。
(答)それは前の職ということ?NTTの秘書室の担当部長をやっておられた方です。
(問)今朝、菅さんがガイトナー財務長官とお会いになっているかと思うんですが、どういった意見交換をされたのかということと、昨日、菅副総理は会見で、アメリカと経済状況、財政状況について大体共通したような認識を持っているので、そういったことも含めて意見交換したいというような趣旨をおっしゃっていたものですから、少しどういった意見交換をなされたのかお願いできますでしょうか。
(答)私同席しておりませんので、存じ上げませんのでコメントすることはできません。
(問)菅大臣政務三役のところの議題に出ていたOECD事務総長の菅大臣への面会というのは、これは具体的にスケジュールとかは決まったんでしょうか。
(答)いや、まだ今後検討していくというところです。
(問)2点伺いたいんですが、1つは長期金利の上昇について、副大臣、市場関係者との検討会もやっていらっしゃるんで、テーマでやっていらっしゃると思いますが、最近の上昇傾向についてどういうふうに受けとめているかというのが一つと、あと、日銀との政府との対応ですが、菅大臣が前の会見で何らかの形でやりたいというお話をされていますが、現在の進捗状況はどうなっているのか、その点について伺いたいんですが。
(答)長期金利は確かに10日ぐらいまで上がっている、また今日は低下もいたしております。金利というのはもちろん日々上下したりしておりますから、これが趨勢的に上がっていくようだと、それは注意していかなきゃいけないというふうに思っております。が、私どもは、長期金利、それについてはこれは注意深く見守っていくというのが基本的なスタンスでありまして、できるだけ長期金利が上がらないように、財政の規律、そして国債マーケットでの信認を維持すべく最善の努力を尽くす、そのための政策運営を行っていくというところでございます。
 日銀との関係につきましては、何らかの形で日銀と政府との間で意見交換、意思疎通というものをやっていく必要があるというところでは、これは政府として、そして日銀のほうも多分同じような共通認識を持っているというふうに思っておりますが、そのあり方についてはさまざまな検討を今行っているところでございまして、まだ具体的にどうこうという形で決まっているという状況ではございません。
(問)少し気の早い質問になるかもしれないんですけれども、国家戦略室からいわゆる国家戦略局にするための格上げ法案、通常国会に先送りされているという見通しになっておるんですけれども、この法案の作成について、いわゆる今の国家戦略室というものがどの程度関与するものなのかというところをちょっと伺いたいと思うんですが、特に古川副大臣、いろいろ兼務されていて御多忙だと思いますので、そういう意味では、現場からの制度設計というのはやはりおやりになりたいのではないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
(答)大変気の早い話だと思いますが、これは来年の通常国会に提案する方針だというふうに私も伺っているところでして、実際にそういう作業を行うということになれば、どういう形になるかわかりませんけれども、当然実際に法案を作成する人との意見交換とかはやっていくことになるんじゃないかなというふうに思っております。
 よろしいですか。どうもありがとうございました。

(以上)