古川副大臣記者会見要旨 平成21年10月28日

(平成21年10月28日(水) 17:38~18:00  於:第4合同庁舎11階共用第一特別会議室)

1.発言要旨

 お待たせしました。
 ただいまから仙谷大臣部局と菅大臣事務局の今日の政務三役会議についての御報告を申し上げたいと思います。
 まず仙谷大臣部局の政務三役会議でございますが、今日は、公益認定の審査の進め方について議論をいたしました。この問題につきましては、泉政務官のほうから報告がありまして、少し意見交換をした上で、もう少し、これについては政務官と事務局とでよく相談をしてもらうということになりました。
 あと、菅副総理の政務三役会議のほうでございますけれども、明後日行われます日銀金融政策決定会合につきまして、また津村政務官に出席をしていただくということで、そこでの政府としての考え方ということについても議論をいたしまして、了承させていただいたということであります。あと、政府だけではなくて、外のいろいろな方々も参加して今までやってきております。円卓会議という会議がございますが、それについて今後どういうふうにするかということにつきまして議論を行いまして、今までのあり方がいいのかどうかと、その中身の衣替え等も含めて、少しこれから精査をした上で、そのまま続けるか続けないかも含めて、ちょっと検討しようということになりました。
 科学技術政策関係のところでございますが、これは産業競争力懇談会は来月末に開催予定の産業競争力懇談会全体会議について、菅副総理に対しまして、科学技術担当としての出席依頼がありまして、菅副総理も科学技術に対しては大変強い思いがございますので、できれば出たいというお話がございました。それと、津村政務官のほうから、先週、北京のほうで行われました国際原子力エネルギーパートナーシップ閣僚級会合の御報告をいただきました。それと、科学技術と社会に関する世論調査、これは仮称でございますけれども、これを来月早々にも行うということについて了承をいたしました。
 あと、事務方のほうから、経済状況等についての報告があったということであります。
 それと、もう一つ、これは今度のあさっての金曜日、先週申し上げました財政に対する市場の信認確保に関する検討会を10月30日金曜日の4時半から、内閣府本府の5階特別会議室において開催をするということになりました。当日は、先日申し上げました外部のメンバーであります翁百合さん、後藤康雄さん、富田俊基さんにおいでをいただき、我々も参加をいたしますけれども、そこでまず財務省の主計、理財のほうから今までの財政と規律のあり方とか、今までの、あるいは現状についての国債管理政策等を含めての説明を受けた後、後藤さんのほうからプレゼンテーションについてはお願いをするということになっております。2回目以降は、また翁さんや富田さんにもお話をしていただくつもりでおります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2点お尋ねします。まず1点目は、菅副総理のもとで来年度予算の編成に当たっての新しい基本方針といいますか、あるいは従来の基本方針をさらにバージョンアップしたものをまとめていらっしゃる最中かというふうに思うんですけれども、先だって菅副総理は会見で、重点分野として、現時点で雇用ですとか環境などに重点配分したいというような御意向を示されましたが、その一方で、歳入の見通しをまとめる作業というのはどういうふうになっているのかなと。特に、税外収入について確定する作業というのは今後どのように進められるのかなというふうに思うのですが、先週、藤井財務大臣が、独法などが抱えている余剰な積立金などというのは、やはりこれは洗い出して、財源として活用していきたいというようなお考えを示されたんですけれども、それを政府全体でやっていくのであれば、恐らく国家戦略局なり、あるいは行政刷新会議がきちんと指揮をして、指揮のもとに号令をかけて、そういった作業をしていく必要があるのかなと。しかし、それも今となっては、もう時間としてはかなりタイトかなというふうに思われるのですけれども、そのあたりの作業というのはどうなっているでしょぅか。
(答)これは、私は、そういうことは財務省においても大臣も言われたわけですから、主導的にやられればいいんじゃないかなというふうに思っておりますが、もちろん私どもとして、前から申し上げている歳入とか何かをどういうふうに見積もっていくかとか、その辺のところは、経済見通し等は踏まえて、これは私どもの責任でありますけれども、そういうものを踏まえての歳入の見通し等を行っていくと。税外収入の部分というのは、そういう、いわば定性的なところで見えてくるものではなくて、むしろ財務大臣が言われたような、そういうところを洗い出していくというところでありますから、そこはぜひ、財務省、財務大臣が中心になってやっていただきたいなというふうに思っております。
 また、行政刷新会議などでは、事業仕分けなどやっていく中で、当然そこの中には独法とか、そういうものも絡んでまいりますから、そういうものを洗い出していく中では、そういうものが見つかってくるということもあるかもしれませんが、そこだけにフォーカスを当ててやるということは、今のところは考えておりません。
(問)国家戦略室あたりが号令をかけて、独法などか抱えているいわゆる埋蔵金の洗い出しをすると、そういったことにはならないということでしょうか。
(答)これは、国家戦略室では声をかけなくても、これはもう内閣全体として、そういうことをやっていこうということは、もう選挙の前から我々決めておる話でありますから、一々言わないとそれぞれのところの担当で動かないというものではなくて、そういうことは随時、もう既に各省の政務三役を中心に行っていただいている話だと思いますし、また今後ともやっていかなければいけない話だと思いますので、あえてまたそれをわざわざ、国家戦略室で、一々また言ってということには多分ならないんじゃないかなというふうに思っております。
(問)もう一点、行政刷新会議の評価チームのメンバーの人選ですけれども、現状作業はどのようでしょうか。
(答)大臣もおっしゃられたと思いますけれども、今かなり最終段階に来ておるんではないかなというふうに思っておりますので、遠からず、何らかの形というものがまた見えてくるんではないかと思います。
 同時に、民間のほうの入っていただく方々の今リストアップというものも随時進めておりますので、そういう方々のほうの作業も同時にやっていくということであります。
(問)行政刷新会議の今のチームの人選の関連なんですが、党側で独自に人選を進める動きがあるようなんですが、これは、要するに党側に決めてもらって、政府はそれを受け入れるというような格好で進んでいくことになるのかどうかということについて、教えてください。
(答)それは、党側で独自に決める動きというのは、どういうことを指しておられるのかわかりませんけれども、ここのところ随時、党のほうの方々とお話をしながら詰めてきている話でありますので、そういう中で収束していく話だと思っておりますので、党が独自とか、これも別に私ども内閣のほうと党が二元的にやっているわけではないので、そういう意味では、両方の今までの意見交換の中で、おのずとそこはまとまっていくということになるんではないかというふうに思っております。
(問)関連して、行政刷新のワーキンググループのメンバーを一度、政府側が決めて党側がひっくり返すと、こういった党側の動きについてはどういうふうに思っていますか。
(答)これは、政府側が決めてという、ちょっとこれも私どもの、これは私の責任でもありますが、ちょっと勇み足をしたところがあることは、正直言ってあるかと思います。
 ここのところは、私どもも事業仕分けに向けて、一人でも人が多いほうがいいというのと、そういうこともありまして、かなりそういう事前の党の関係者とか、また政府の部内も含めてなんですが、きちんとあまり、ちゃんとホウ・レン・ソウをしない中で、先にそれぞれの人に声をかけてしまったというようなこともありまして、そういう意味では、私どもの手順とかというところに勇み足があったことは、否めないというふうに思っていますし、これはもう一方で、私どもが考えなきゃいけなかったのは、ちょうど事業仕分けの時期と国会の開会中と重なっているわけであります。そういう中で、やはり国会議員の仕事は、まずちゃんと国会が開会しているときには、国会の委員会等に出席するというのが、やっぱり国会議員として大原則のところでありますから、ちょっとその辺のところについての私どもの認識とか何かに、そこのところが私自身も含め、配慮が足らなかった部分はあったことは事実でありますから、そういう部分も踏まえ、大臣もおっしゃっているように、もう一度ゼロベースで国会との関係、そういうものも踏まえ、きちんと国会議員としての仕事をちゃんとやりながら、同時にこちらの事業仕分けにも実際にできる、そういう人材はどうなのかということで再考してきたわけでありますので、その中で決めていくということでありまして、党側の対応がどうかとかという話ではなくて、やはりここのところはちょっと、私どものほうに勇み足があったということだというふうに私自身も認識しておりまして、ここは今後も当然、国会とかいろいろな関係もあるわけでありますから、やはりそういうものを注視して、政府に入っていない議員の皆さんに、いろいろサポートをお願いするときには注意をしていかなきゃいけないと。今後のそういう意味では、私自身にとっては、皆さんに本当にちょっといろいろ、一度声をかけた皆さんとか何かには御迷惑をおかけしたんですが、これを教訓として、今後はそういう、いろいろなところに国会等のそういったものには、よく配慮した形でお願いをしていくような、そういう教訓としていきたいというように思っております。
(問)日銀の決定会合に関連してなんですが、日銀ではCPとか社債の買い切りについて、年末の期限を延長しないという考えもあるようですけれども、それに対して、政府としてのお考えを改めてお聞かせください。
(答)金融政策の具体的手段については、コメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、一般的に言えば、日銀において、金融政策の面から景気を下支えして、また企業金融に詰まりがないように、適切に対応していただきたいという思いはあるということは間違いありませんが、金融政策の具体的な手段については、これは私どもはコメントする立場にないということは御理解いただきたいと思います。
(問)刷新会議の政務三役のことで2点お伺いしたいんですが、1点は、先ほど御説明があった公益法人の認定の審査の進め方なんですが、とりあえず今日の議論の中で、こういった基準、これまでつくっていた基準については、もう少しこうしていこうという、もう少し具体的な議論の中身について、途中経過をいただければということと、あと、政務三役冒頭で、独法の随意契約の見直しについても仙谷さんから話があったかと思うんですが、このことについて今後の進め方等で、もし議論があったら教えてください。
(答)この公益認定の審査につきましては、個々の法人ごとに見ていく必要があるんじゃないかなということで、この点については、もう少し政務官等を中心によく詰めてもらうようにというお話が出たというところであります。
 独法等につきましては、これは総務省などで注視をして改革に取り組んでいこうと、今御指摘にあったような点も含めてありますから、そういうところとも連携をとっていくことになろうかというふうに思っております。
(問)科学技術政策について2点お伺いします。
 1点目は、補正予算の最先端研究開発支援プログラムなんですが、当初の2,700億が1,500億に減らさせて1,000億を30人に配ると。残りの 500億を若手に配るという話が出ていると思うんですけれども、いつ、何人ぐらいに配布するというふうになるんでしょうか。
 それからもう一つ、女性研究者枠をつくるんじゃないかという話もありましたが、これはいかがでしょうか。
(答)これはちょっと、今担当してもらっている政務官のほうからお答えいただきます。

(答(津村政務官))若手枠の500億円についてのお話だと思いますが、こちらは毎週木曜日に開いております有識者会合で議論をしていただいています。500億円を、スケジュールとしては明日、実は中心的なメンバーである相澤議員が御出張中ということもあるので、明日も議論は行いますが、方針を固めるのは、場合によっては来週になるかもしれません。
 そんな中で、キーワードとして「若手」、「女性」それから一部に「地方」というのも考えたほうがいいという意見は既にいただいています。そうした中で、現在事務方に複数の案を提示していただいて、その中で、その中といいますか、それをたたき台にしながら、有識者議員の方と議論をしていこうと思っていまして、現時点で何人に幾らということは決まった方針はございません。
(問)もう一つ、すみません。
 先端領域の研究を支援する予算は、ほぼ同じ内容の予算が各省庁に存在する場合があります。例えば大学のシーズを産業界に持っていく、いわゆる「橋渡し」というような予算では文科省、経産省、厚労にもあります。iPS細胞も、文科、厚労、経産にあります。こういった形の予算のあり方を、今年の予算編成から見直すというお考えはありますか。
(答)(津村政務官)2,700億円の補正予算の場合も、専念義務という形で重複を避けるという工夫はあったように思います。今回1,000億円になったことで、その重複義務、専念義務を外すという議論は確かにあるんですが、これから、その500億を使っていく際にも、非常に規模が大きい税金の押しをするわけですから、当然、他省庁との重複を避けるということは基本的な作業として行っていくと思います。
(問)来年度の本予算について、いかがですか。
(答)(津村政務官)来年度の本予算についても、当然これから優先度判定等の必要な手続をしていきますので、どのレベルのことまでおっしゃっているか、ちょっとわかりませんが、私たちとしては、重複感のある税金の無駄遣いというふうに、国民の皆さんから見られるような予算の使い方をするつもりはありません。
(問)また行政刷新会議のワーキンググループの話に戻るんですが、週初めから始めたのが少しとまってしまったということで、予算編成の作業が遅れるんではないかという懸念も聞かれるんですが、このあたりに影響はないのかということをお聞かせください。
(答)事務レベルではいろいろな準備はずっと、引き続きやっておりますので、遅れた部分というのは、要は議員の仕分け人の皆さんが勉強していただくのが、開始が遅れたということでございますので、これは決まり次第、後は民間のほうの方々も、これから今決まってきていますので、当然これは仕分け人の皆さんは事前に勉強していただくという、そういう作業の部分が今までよりも、ちょっと詰めてやっていただかなきゃいけなくなるということでありまして、事業仕分けの実際にやるための必要な事務的な作業は、もう事務局においてずっと続けてやっておりますので、そういう意味では予算編成とか、そういうものに対しての影響は、ないというふうに考えております。
(問)先ほどの日銀の関係で、今日の三役会議で、特に政府として今回の政策決定会合で何か主張するという考え方について、新たにまとめたものがあるのかどうか。
 あと、先ほど議論されたという話がありましたが、具体的に何か話せる範囲で、どういった議論をされたのか伺いたいんですけれども。
(答)話せることはございません。
(問)方針としては、さっきのおっしゃった政府の方針ということでいいんですか。政府の方針としては、日銀に対する基本的な態度というか、先ほどおっしゃった、景気の下支えをお願いするとか……。
(答)いや、それは、基本的な考え方として、そういう考え方をとっているというだけであって、別にそういうことをお願いするとかそういうことを打ち明けたわけではまったくありません。それは、先ほどのは、政策会合とは別に、CP・社債の話についての話ですから、それについて言えば、そういうことですということであって。
(問)今回の政策決定会合について何かというのは、あるけれども言えないということですか。
(答)いや、それは、この場で事前に申し上げる話ではありませんから。

(以上)