福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月18日

(平成22年5月18日(火) 9:16~9:43  於:中央合同庁舎4号館6階605号室)

1.発言要旨

 どうも皆さん、おはようございます。
 まず、口蹄疫対策本部が昨日設置をされ、口蹄疫に対する基本的対処方針について確認がされました。
 消費者庁としては、これについて、この宮崎県に設置する本部に消費者庁からも人を派遣をいたします。これは風評被害や消費者という立場から、しっかり職員を派遣して、何かあれば消費者庁本隊と一緒に行動して、適切に対応していきたいと思っております。
 口蹄疫に関する不適切な表示につきまして、5月10日に消費者庁のホームページを通じて消費者への情報提供を実施し、13日に都道府県の消費者行政担当部局、消費者団体にお知らせをしたところです。口蹄疫に関する不適切な表示が行われないように、消費者に対して誤ったメッセージが送られないように、消費者庁としてもしっかり対応をしてまいります。
 また、これは社民党党首としてという立場もあるのですが、消費者担当大臣としては、宮崎県庁で東国原知事と日曜日に話をし、その後、川南町に行って皆さんの意見もお聞きをいたしました。その切実感をしっかり受けとめて、担当大臣としても党首としても頑張っていきたいと思っております。
 明日、社民党で農水省に対して申し入れ、要望をする予定です。
 次に、新聞報道にありましたダイヤモンドの鑑定かさ上げについての消費者庁の取り組みについて申し上げます。
 ダイヤモンドの鑑定については、業界団体である宝石鑑別団体協議会が統一基準を定めて、個々の企業が鑑定を実施をしております。消費者庁は昨日17日、同協議会の会長から情報収集を行いました。協議会では、21日、金曜日に緊急理事会を開催をして、鑑定を行った会社、全国宝石学協会の代表者から事情を聴取し、対応を協議する予定であると聞いております。消費者の皆さんとの関係では、販売店に現物と鑑定書を持ち込んで相談していただければ、必要な対応を行うことができるので、販売店に相談することをお勧めしたいとのことでした。
 ダイヤモンドの鑑定は高度な専門的技術に基づいて実施されるものであり、関係の業界において適切に運用されることを期待したいと思っております。消費者庁としては、業界団体の取り組みを見守って、しっかりやってまいります。
 PIO-NETで、ちなみにダイヤモンドに関する相談件数、PIO-NET情報についてご紹介をいたします。
 直近3年のダイヤモンドに関する相談事例の中で、職員の目視によるものですが、ダイヤモンドの鑑定に疑問がある旨の相談件数は平成19年度で1件、平成20年度で1件、平成21年度、ゼロ件です。ですから、ダイヤモンドの鑑定に関するPIO-NETの相談は非常に少ないということが言えると思います。平成20年度のものは「鑑定機関で指輪の売値を鑑定してもらったら14万円と言われたのに、他のリサイクルショップに聞いたら2万円と言われた。鑑定能力のない人が値段をつけて問題ないのか。」、平成19年のものは「数年前に契約した指輪を質店で鑑定してもらったら、品質が鑑定書の記載より劣り、ほとんどの品が買値の数分の1の鑑定額で、鑑定機関や鑑定書の信用性も問題があると言われた。」ということで、ダイヤモンドの鑑定についての相談件数がPIO-NETの検索によりますとそういうものだということをご紹介をいたします。
 ライターの件なんですが、経産省のほうから結論が出ると聞いております。それをきちっとやっていくと同時に、消費者庁のほうで回収も含めて検討ということで、回収のやり方、自治体によって回収の仕方が違いますので、それと回収することによるメリット、デメリットも十分ありますので、検討している最中です。
 以上です。

2.質疑応答

(問)全国宝石学協会のダイヤモンドに関連してなのですけれども、これは大臣としては問題視されているということなのですか、特に基準というのが法的にあるわけではないのですが。
(答)ただ、あらゆるものの鑑定というものが存在をするので、それぞれの製品に応じて、やはり販売店が鑑定を依頼するということになると思うんですね。これは刀剣とか美術品とか宝石とかということだと思います。
 今度の件は、報道でまず知った問題ですので、これについては真実がどうかということや、あるいは鑑定が妥当にされているかどうかということも含めて、ちょっと様子を注目したいと思っております。
 鑑定は人がどう鑑定するかによってももちろん違いますので、21日に緊急理事会を開催して、鑑定を行った会社の代表から事情聴取し、対応を協議する予定であると協議会から聞いておりますので、その結果をまた聞いて、どのようにそこで言っているのか、何が問題なのかということをしっかり聞いていきたいと思っております。  ちょっと細かいんですが、景品表示法上の考え方についてちょっと申し上げます。
 景品表示法は、事業者が、自己の供給する商品または役務について、一般消費者に対して、その内容が実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示等を不当表示として禁止しています。全宝協が宝石の販売業者からの依頼に基づいて鑑定を行い、鑑定書を発行するサービスを宝石の販売業者に対して提供しているものであり、全宝協は宝石の販売を行っておりません。したがって、全宝協が鑑定書においてダイヤモンド業界団体の統一基準よりも緩やかに評価していたとしても、当該鑑定書に表示され、記載されたかさ上げされた評価は、全宝協にとって自己の供給する商品についてのものではないので、評価のかさ上げを景品表示法上問題とすることは困難であると考えています。
 このとおり、自己の供給する商品の内容についてのものではないので、景品表示法違反の問題とはならないと。したがって、景品表示法違反被疑事実として調査対象にはなりません。しかし、もしもこれが本当の鑑定よりもいいものだという鑑定が行われているとすれば、消費者の知る権利を侵害し、消費者の権利を侵害していることになりますので、ここの金曜日の会議でどのような事情聴取というか、ヒアリングが行われ、どう考えるのかということをまた消費者庁としてお聞きして、その後どういうことをやっていくかについて、しっかりやっていきたいと思っております。
(問)関連して、ダイヤモンドの話なのですけれども、何か私が聞いたところでは、ダイヤモンドの価値というのは、店頭での価値の数分の1から悪く言うと10分の1ぐらいだと、あとは全部人件費というのが聞いたことがあるのですけれども、といって別に鑑定の問題じゃなくて、質屋に持っていったらそれは安く評価するのは当たり前だとは思うんですけれども、そもそもダイヤモンドというのは消費者庁の所管するものじゃありませんよね。普通、よく消費者庁は所管官庁と連携してこういう推移を見守るとおっしゃるのが常なんですけれども、ダイヤモンドというのは特にこういう業界団体はどこの官庁が所管しているんですか。今回のは連携はしているんですか。
(答)土曜日に報道を見て、すぐ消費者庁に連絡をして、この件についてしっかり消費者庁として対応してほしいという指示を大臣として出したんですね。その後、ですからいろいろ対応してもらって、この間17日、同協議会の会長から情報収集を行ったということもあり、経産省と連携して、担当官庁と連携してやっております。
(問)それと、さっきの口蹄疫の話なんですけれども、現地に消費者庁から人を送られるという話なんですが、これは食品表示課の方になるのか、それとも横の連携を見てやっていくのか。
(答)昨日の段階で決定しました。政策調整課の職員です。
(問)表示とは関係ないのですか、どういうことがねらいなのですか、職員を送るというのは。
(答)一番消費者庁としてやらなければならないのは、風評被害や誤ったメッセージが消費者に伝わる、あるいは不安感をあおることを防止する、正確な情報を伝えるということだと思います。その観点から、消費者庁としては入るということになると思います。ただ、事態の推移によっては、また新たな問題が起きれば、それを現地からすぐ消費者庁に上げてもらって対応していこうと思っています。ですから、消費者庁としてはその方に行ってもらい、カバーする範囲は風評被害等を含めた防止なんですが、別にそれだけに限定するわけではなく、地元で生起する問題に関してすぐ消費者庁に上げてもらいたいと思っています。
(問)宮崎県庁か何かの中にいるんですか。
(答)昨日、対策本部で官邸で話したのは、川南ではなく県のほうにおいて、そこにそれぞれの役所から直接出向した人間がいて、小川勝也総理補佐官が常駐して陣頭指揮をとり、全体を統括しながら、役所の職員と連携をして、何かあればすぐ連携をとることになっております。ですから、多分県庁の中なのか、別の事務所かわかりませんが、宮崎県の中にと聞いております。
(問)普天間問題について伺います。
 官房長官のほうから、政府方針としてまとめる際に閣議決定、閣議了解、総理発言等、いろいろなことが出てきてますけれども、大臣としてはどのような形で政府方針を決めるのがふさわしいとお考えでしょうか。
(答)これは極めて重要なことですので、しっかり3党で基本政策閣僚委員会でも議論をし、決めるべきだと考えています。ですから、その前に議論せずに発言だけで終わるというものではないと考えています。でも、だからこそ5月末の決着に時期的なものにこだわらず、しっかり議論をしていきたいと考えています。
(問)5月末ではないにしても、今の大臣のご発言だと書面が必要な閣議決定か閣議了解によって政府方針を決めるべきであるということだと思うのですが、今の言われているのが桟橋方式が出てきた場合、社民党が反対する考えを明確にしていますが、その場合、辞任とか罷免という事態も想定されますが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)桟橋方式について、閣議決定、あるいは閣議了解するということに関しては、社民党は明確に反対です。ですから、それまでというか、桟橋方式にならないように、きちっと話をしていきたいと思っています。
 私は日米関係はとても大事だと思っております。地元の反対があるにもかかわらず決定をすることは、これは地元の反発が非常に大きくなると思います。そうしますと、日米関係にとってもそれはよくないと考えています。ですから、日米関係も極めて重要であると、地元の反発を大きく引き起こすような形で基地建設をすべきではないと、地元の同意がなく強行をすれば、地元の大きな反発を引き起こすでしょう。それは日米関係にとっても本当によくないと思っています。アメリカに対する反発は大きくなるでしょうし、その地域の日米関係だけではなく、全国の中における日米関係もよくないと考えています。だからこそ、地元の同意がきっちり必要で、地元の同意なくして強行することはできないと思っています。
(問)口蹄疫についてなのですけれども、赤松農林大臣がゴールデンウイーク視察中、福島大臣が臨時代理ということでお仕事されていたと思うのですけれども、その際口蹄疫に対する対応はとられていたのでしょうか。
(答)農水省のほうから逐一報告を受けておりまして、副大臣、それから担当の局長とずっと話をしておりました。6日にも農水省と話をして、7日に東国原知事と話をし、要望をお聞きしております。
(問)既に被害が8万5,000頭を超えている段階なのですけれども、もう少し早く対応できなかったのかなと思ってしまうのですが、今の段階での対応というのは遅過ぎたというふうなことはないのでしょうか。
(答)消毒を十分にして、被害を封じ込めるということを農水省は真剣にやっておりまして、今後きちっとした生活支援、それから防疫体制も含めた何がもっと必要なのか、それと今土地をほぼ確保できておりまして、地元の川南町長、東国原知事とも話をしましたが、地元で例えば獣医さんはなかなかまだ足りないと。たくさん農水省は応援を出しているのですが、大きな家畜を扱う獣医さんがまだ少なかったり、それから獣医さんでなければできないということもあって、なかなか殺傷と埋却の点で、川南町は埋却処分の土地をほぼ確保をしていると聞いておりますので、その封じ込めと殺傷処分と埋却処分が迅速に行われるようにと考えています。
 昨日は対策本部だったんですが、予備費から大至急生活支援やさまざまなことが行われるようにと思っておりますし、そのことを総理にも伝えております。
(問)ここまで増えてしまったということに対しての責任というのは、今のところとる必要はないというふうにお考えでしょうか。
(答)今は口蹄疫が広がらないように、内閣を挙げて全力でやるべきときですし、全力でやっております。
(問)確認なのですけれども、1点だけ、口蹄疫対策というのは、大臣のご認識の中ではこれまでも十分だったという認識なのでしょうか。
(答)ここまで広がったわけですから、その点についてはなぜまだこれが撲滅宣言ができないのかという点については、十分反省する必要はあるとは思います。
 ただ、現地に行きまして、それぞれ消毒をしている人たち、自衛隊の皆さん、県の皆さん、町の皆さん、国から国家公務員も行っておりますので、現地は本当に必死であらゆることをやっておりますが、それにしても広がっているというか、撲滅宣言ができないということに関しては、これからしっかりやっていきます。
 それから、地元の商工会や生産業者の皆さんとは直接は会わないでほしいと言われたので、電話や書面でいろいろたくさんいただきました。ですから、今の段階は埋却処分を迅速にすることと移動の制限がありますので、生活支援をどうしていくかというところにありますので、そのことも全力でやってまいります。早く撲滅宣言ができるように、これは対策本部、厚労省、農水省中心ですが、しっかりやってもらえるようにと思っています。
(問)関連して、大臣が宮崎出身ということなのですけれども、出身者としての宮崎の畜産に対する保護の思いとか、そういったことをお願いできますでしょうか。
(答)私は中学、高校は宮崎市内なんですが、川南近くの高鍋というところにも私は住んだことがありまして、そして周りの人や今回社民党の宮崎県連、宮崎県連もその前にヒアリングなどをやっているんですが、実際畜産を営んでいた人もいます。
 今回、川南町の町議の人に大変お世話になったんですが、その人も畜産の農家でありまして、だからちょっと当日は逆に会えなかったんですけれども、ですから宮崎は本当に日本の中でも有数の畜産をやっている県であります。
 そして、私は1年前にえびの市で牛を飼っている人の家に行って、牛舎のところで直接お話を聞いて、宮崎の畜産をどうやって行っていくかということなどもお聞きしているので、今回宮崎牛というブランドもあるわけですが、宮崎の畜産が打撃を受けていることに関しては、本当に心を痛めています。町全体がちょっと今本当に疲弊していますので、畜産農家だけではなく商工会やいろいろな人の活動が全部ストップしていますので、大至急やっていきたいと思っております。
 堆肥や草の移動もちょっと今できないので、その処理も実は大変なんですね。ですから、そのことも逐一いろいろお聞きをしましたし、大至急の地元からは特別交付金だけではなく、今すぐやってほしいという声を本当に切実に聞きましたので、予備費でぜひやってほしいということは総理にも伝えましたし、全力で、消費者担当大臣でもあるんですが、社民党党首として、1人の国会議員としてもしっかりやっていきたいと思っております。
(問)今日、閣議なんですけれども、若干時間が押していたようなのですけれども、これはもし大臣のほうから普天間の関係で何か発言をしたり、そういうやりとりがあったのかどうかということで、可能な範囲でご紹介いただければと思います。
(答)今日閣議がそんなに特に長引いたという感じでもないんですが、公務員制度改革についてのというか、天下り問題についての若干のやりとりがありましたが、それは意見交換ということでありまして、そのほかについては特にはありません。
(問)何度かお聞きしているのですけれども、今日の国民投票法施行に当たって改めてお願いします。
(答)国民投票法が3年たって施行の日を迎えました。これは国会の成立のときに衆議院では強行採決でありましたし、また附帯決議がたくさん付されております。この点はどうかという点、かなり白紙委任をされて、この法律が成立をしたと思っております。そのことをきちっと詰めることなく、施行になっていることには、若干問題もあるのではないでしょうか。そして、今、憲法第25条など、生存権の憲法理念を生かしていくことが重要で、憲法を変えるというそういう時期でも、問題でもないと思っています。
 連立3党での合意におきましては、憲法について第1章を最後に設けまして、憲法の平和主義、基本的人権の尊重、国民主権を堅持し、憲法理念の実現を目指すということが1章設けて書かれています。ですから、この内閣は憲法理念を生かす内閣であるという、その立場だと思っております。
 憲法理念を生かすといいますと、いろいろ重要な権利がありますが、今私が思うには、とりわけ生存権を規定した第25条の問題だと思います。今はまさに憲法の理念をしっかり生かすべく内閣のもとで全力を挙げてまいります。

(以上)