福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年5月7日

(平成22年5月7日(金) 10:31~10:57  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 口蹄疫対策に関して東国原宮崎県知事と話をしておりまして、電話でですが、遅くなって申しわけありません。
 私自身は、今、農水大臣の臨時代理ということもありまして、もう一つ、消費者の立場ということがありまして、今日、閣議でその件について発言をいたしました。
 今日、閣議後の閣僚懇談会で発言をしたのは、4月20日以降、宮崎県において35例の発生を確認しており、関係府省に御協力いただきながら宮崎県と連携し、殺処分等の防疫措置を実施するとともに、発生農家や周辺農家に対する経営支援を措置していますと。口蹄疫は、牛・豚等の病気であり、人に感染することはありません。また、感染した牛・豚の肉や牛乳を摂取しても人体に影響はありません。このことを国民にお知らせして冷静な対応をお願いしているところです、ということを申し上げました。今、いろいろな対応をしているところです。
 これにつきましては、ちょっと時間が前後してすみませんが、本日の閣僚懇談会で官房長官から口蹄疫対策への取り組みについて、さらに政府を挙げて万全を期すこととし、特に口蹄疫の拡大を防止するため、移動制限や殺処分などの防疫措置を徹底、実現すること、今回の発生地域は畜産への依存度が極めて高い地域であり、発生農家や移動制限の影響を受ける農家の経営再建、維持のための対策を十分に行うこと、地元自治体において徹底した対策を講ずることができるよう適切な財政支援を行うことについて、関係閣僚の尽力をいただきたい旨の発言がありました。
 私自身が農林水産大臣臨時代理として、連携を強め、防疫措置を的確に実施していくことと、国民への正確な情報提供を徹底して風評被害が広がらないよう冷静に対処すること、地域経済への影響を最小限とするよう経営支援対策の実施に取り組んでいくことについて発言をしました。
 これについては、封じ込め作戦ではありませんが、殺菌などもきちんとやって、これはウイルスで広がるもので、それを封じ込めで消毒をきちんとやっていくということに今全力を挙げています。
 そして、私自身が宮崎県出身でよく理解できるのですが、畜産に依存している地域であるということも、これはやはり生活支援、経済安定対策をしっかりとやってまいります。これにつきましては、農水省と宮崎県の事務方で緊密に連携をとりながら、協議、要望等もいただいていますし、対策もしっかり打ち出しております。
 それで、私自身は、今、東国原知事と直接話をして、どういう状況なんですかということで要望等もお聞きいたしました。そうしますと、埋却場所の確保、それから、もう3週間ぐらいになるのでみんなとても疲れてきているので、人員の確保が課題であると。それから、出荷も止められているわけで、ですから、生活支援、経営安定対策、これをぜひ万全にやってほしいと。事務方レベルでは5分の4の支援をできれば満額にしてほしいとか、いろいろな要望もやっているので、これからもよろしくお願いしますという、そういう意見交換を行いました。
 これは今、しっかり宮崎県と農水省、内閣を挙げてやっているわけですが、今後についてはきちんと注視をし、封じ込めで被害が広がらないように、被害を根絶できるように頑張っていきたいと思っています。
 ですから、1点目は、被害を本当に除去していくこと、封じ込めと、2点目は現状においての埋却場所や人員の確保、こういうこともしっかりやっていく。3点目は、生活支援、経営安定対策をしっかりやっていくと。風評被害などが起きずにしっかり畜産農家も立ち直っていけるように応援をしていきたいと思っています。これは、国と県と、力を合わせて、生活支援、経営安定対策をしっかりやってまいります。
 今日は閣議で、これは内閣全体として取り組むということで、官房長官と私のほうからの確認があったということだと思います。県知事と直接話ができてよかったと思います。
 次に、クレジット110番の視察について御報告をいたします。
 明日土曜日、社団法人全国消費生活相談員協会が実施するクレジット110番を視察いたします。場所は独立行政法人国民生活センター2階の大会議室です。時間はちょっと今調整中ですので、また決まり次第内容を貼り出しをいたします。
 全国消費生活相談員協会は、消費者月間協賛事業として毎年5月に電話相談110番を実施してきています。今回のクレジット110番は、消費者から寄せられるクレジットを中心とした苦情相談に対し助言等を行い、またそれらを集約して、関係省庁、事業者団体等にフィードバックする。さらに、不当な行為を行った事業者に対しては申し入れを行うことにより、不当な勧誘や不当な契約条項の是正を促すなど、契約の適正化に資する事業です。
 私自身は、クレジット110番に答えるという形で出ることは多分ないと思いますが、クレジット110番の視察をきちんとやって、今ちょうど5月は消費者月間ですというこれもありますので、クレジット110番の視察をいたします。
 次に、セクシュアルマイノリティを正しく理解する週間というものをお願いいたします。
 これは、性同一性障害については法律ができましたが、性同一性障害やセクシュアルマイノリティに関してはなかなかみんなの理解もなく、当事者は苦しんでいるということが大変あります。ですから、これは人権問題としてもあるわけで、法務省人権擁護局や内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室が後援を出す中、こうしたイベントは初の試みです。
 子ども・若者ビジョンをやっていたり、自殺対策をやっている中で、思春期の子どもたちが性同一性障害や性的マイノリティということで悩んで自殺をする率が高いという一般的なデータも、それはいろいろなデータのとり方があるかもしれませんが、ですから、そういう観点からも人権問題と考えて、こういうことも人権問題だという形で取り組んでいきたいと思っております。取り組むというか、応援をするというか、セクシュアルマイノリティホットライン開設式と記者会見をやります。それから、シンポジウムにも私自身が参加をしたいと思います。
 これは性同一性障害については法律もできましたが、子どもたちの中でもなかなか悩みがあって、文科省もようやく対応し始めたという状況です。ですから、人権問題として皆さんに知ってもらうということも本当に大事だと思っております。
 それから次に、電動車いすのことについて一言申し上げます。
 これは、以前もこの記者会見で質問を受け、また最近も新聞記事になっておりました。この件について調べました。これは、製品事故情報報告公表制度が平成19年5月より施行されてから、平成22年3月までにハンドル型電動車いす乗車中に転落等による重大製品事故として36件の報告を受けております。消費者庁発足以降は4件です。これは製品に起因するものかどうかについては消費者庁としては調査中です。
 これまでの事故について、経済産業省は、操作ミスが多いため、製品開発とともに総合的な対策が必要、運転指導等、それから障害者等にとって使いやすいものが入手できなくなることのないよう配慮することが必要ということから、以下の対応を行っております。
 JIS規格の改正を去年12月に行いました。これは、時速6キロ以上出ないので、車両としていないためにやると。でもそれはあまりに規制し過ぎると、高齢者や障害のある人が動けなくなるということもあるので両方必要なんですが、去年12月にハンドル型電動車いすの安全性・利便性を高める内容の改正をし、例えば第三者が容易に移動等の操作ができるよう手押し走行装置の規制を追加など、4点にわたっていろいろな車いすの安全性についての改善を行いました。止まらなくなるというのを周りの人が停止できるようにするとか、やったんですが、今後これが広がっていくようにと思っております。安全運転指導講習会なども平成21年度で全国で98回開催をしております。
 ですから、消費者庁としては、問題点があることは認識をした上で、JIS規制の改正以後、きちんと安全性・利便性を高める内容の電動車いすが普及をしたり、広がったりするようにということと、あるいは安全性についての講習会などのことについて、きちんと見守ってやっていきたいと思っています。
 独立行政法人国民生活センターが平成19年4月5日にこの安全性についてテストをしております。ですから、こういうことも踏まえて、今後、電動車いすの安全性については、JIS法の改正以降どのようになっているか、あるいは講習会や安全性についてどうなっているのか、今後安全性についてどういう点を注意しなければならないか、きちんと見守って今後も取り組んでいこうと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)口蹄疫の件なんですけれども、消費者庁として、風評被害を防ぐということなんですが、具体的に風評被害を防ぐというのは何かアクションを起こされることがあるのかという点と、風評被害という意味で、宮崎県以外の県が、うちの県には被害はありません、口蹄疫の感染はありませんという発表をしているとか、スーパーで宮崎県産は置いていませんというような表示とか発表がされていること、一部の事業者からは風評被害につながりかねないという懸念の声が上がっているんですが、その点についてどのようなお考えがあるかお聞かせください。
(答)だからこそ、今日、閣僚懇談会で、口蹄疫は牛・豚等の病気であり、人に感染することはありません。また、感染した牛・豚の肉や牛乳を摂取しても人体に影響はありませんと。このことを国民にお知らせし、冷静な対応をお願いしているところですと、改めて今日記者会見でも申し上げている次第です。
 ですから、口蹄疫については、これが広がらないように消毒をし、あるいは焼却処分をし、そして何とかなくすように今全力を上げているところですが、風評被害が起きないように、これは国民の皆さんに直接摂取しても人体に影響はないし、人に感染することはないということを強く申し上げたいと思っています。
 ですから、宮崎県知事との話でも、やはり風評被害や宮崎の製品に対して打撃が起きないように力を合わせましょうということにもなりました。
(問)今日の閣僚懇談会の中で普天間に関する発言を大臣がなさったと聞いているんですけれども、それで、出席した閣僚との間でも何か二、三意見交換があったやに聞いているんですけれども、どういったことを閣僚懇の中で発言をされて、どういったやりとりがあったかというのをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)これにつきましては、総理が沖縄を訪問するということがあった後の閣僚懇談会ですから、基本政策閣僚委員会で本来ならば発言すべきかもしれませんがと前置きをした上で、民主党の沖縄県連、社民党の沖縄県連なども県内移設に強く反対しており、それだけでなく、多くの県民の皆さんも県内移設に反対で、とりわけ辺野古に戻るということなどについては大きな反対があると思いますと。
 ですから、この内閣を挙げてというか、沖縄県民の気持ちを、思いを切り捨てるという政治はやってはならないのではないかと。この内閣を挙げてやはりその声にこたえることができるよう要望いたしますという旨を発言いたしました。
 つまり、戦争中も沖縄はやはり地上戦があって、今も切り捨てられるんじゃないかとか、沖縄に押しつけられるんじゃないかという思いがすごくあると思うんですね。ですから、沖縄のそういう、県内はノーだ、あるいは辺野古に本当に戻らないでほしいという強い思いをこの内閣できちんと受けとめて、内閣を挙げてやっていくよう要望しますと申し上げました。
(問)大臣は以前から、総理が5月末までに決着するということに対して、大事なのは期限じゃないんだということを繰り返しおっしゃっていますけれども、総理は今現在、5月末決着というのは変えるつもりはないというスタンスを続けていると思うんですね。それに対して、今日改めて閣僚懇の中で大臣が発言されたということはありますでしょうか。
(答)今日はその期限については特に発言しておりません。
(問)関連ですけれども、閣議の前後で、総理から、いわゆる総理の案、政府案、これらについて説明を受けたり、そういったやりとりはあったでしょうか。
(答)提案の中身について、直接総理と今日は話しておりません。
(問)ハンドル型電動車いすの件は丁寧に調べていただきありがとうございました。
 質問ということではなくて、昨年12月に確かにJISが強化されましたので、あとは事故が減るかどうか、減らないようであれば、また安全講習の義務化とか、また違った施策が必要なのかと思います。
 ちょっと話は変わりますけれども、今日、一部報道で、神奈川県の生協のコープかながわの1店舗ですか、そこで何か消費期限切れのかつ重を販売していたというものがありましたが、この件について何か地元の保健所から消費者庁は連絡は受けておるんでしょうか。
(答)それについては、JIS法のは強制ではないので、今後どうなっていくのかとか、あと問題はあるけれど、高齢者や障害者の人の足となっていることも事実なので、講習は今義務づけではないんですが、やはり問題点や、それからできれば性能について、こういうものもJIS法が改正されたのでというようなことは消費者庁としては後押しをしていこうと思っています。廃棄分とんかつ販売については、政策調整課のほうで対応します。
(問)基本的に、消費者安全法が昨年9月に施行されたわけで、こういった入院患者とか、そこまではどうも出ていないようなんですが、こういったものも消費者安全法の報告通知義務の対象になるのではないかという気もするのですが、もし来ていないようでしたら、それは遺憾なことだと思うのですけれども、そこの確認はぜひお願いします。
(答)わかりました。廃棄分とんかつ販売について、冷凍保存後かつ重にというこの問題については、法律的にどうかという問題と、現時点において報告を上げているか、それが法的に見てどうか、今後どうするかということについてきちんと担当のほうから申し上げます。
(問)話は変わって、先ほどのクレジット110番なんですけれども、我々新聞社としては、明日大臣が行くことも大事なんですけれども、ぜひ明日の新聞にこういった110番が行われますというPRも大事だと思いますので、実施の時間とか電話番号とかを早目にいただければと、こう思います。
(事務方)これは全国消費生活相談員協会の事業で、4月7日に報道発表しています。
(問)昨日、高速増殖炉もんじゅが運転再開しました。以前も福島大臣は非常に安全性に対する懸念、運転再開に対する懸念を示しておられましたけれども、先日、鳩山総理大臣あてに木村太郎代議士から内閣における核燃サイクル事業への取り組みの姿勢を問うという質問が出ておりまして、その答弁の中で、原発に反対する社民党の方針については内閣として答える立場にないということはわかるんですが、核燃サイクルの推進については内閣として一致した方針であると、そういう答弁がなされていて、内閣として一致しているということに関して、社民党としての福島大臣の立場はよくわかりますけれども、姿勢もわかっていますけれども、やはり大臣としてその答弁というのをどのように受けとめられたのかなというのをお聞きしたいんですが。
(答)高速増殖炉もんじゅについて、高速増殖炉そのものは今世界の中でも潮流ではありません。ナトリウム事故が起きやすいということは指摘をされ、実際、ナトリウム事故が起きて14年間全く動かなかったわけです。
 今回、昨日5月6日、原子炉の運転を再開していますけれども、14年間動かなかったものを動かすことはやはり不安と大変危惧があると思っております。また、これは前回の事業仕分けでも問題になりましたが、9,000億円今までお金を使っていて、動かしていない年も、14年間も毎年200億から300億お金がかかっていたわけです。ですから、安全性の面、それから経済合理性の面から大変問題があると思っております。
 ですから、社民党としては、高速増殖炉もんじゅについては反対の立場は変わっておりませんし、また、この再開に当たって、安全の確保について、これは最優先、そして情報公開に万全を期してやってもらうよう強く要望をいたします。
(問)社民党としての立場はよくよくわかるんですけれども、内閣の一翼を担っていらっしゃる、社民党としてというよりも、内閣に入っている社民党としてどうかということなんですけれども。
(答)社民党の主張が内閣の主張になると本当にいいんですが、ただ、残念ながら今そういう状況ではありません。
 ただ、高速増殖炉に関して、賛成・反対の立場は別として、例えば一般の方たちも、14年間動かしていなくて、本当にこの巨大科学技術が大丈夫かという不安感や危惧、どうなっているのか、安全性の確保はきちんとしてほしいということは、賛成・反対とは別に多くの方が思われると思います。また、9,000億円お金を使い、毎年維持費でお金がかかったということも、税金の使い道という観点からも国民の皆さんは関心を持っていただけると思っております。
 ですから、社民党の立場はもちろん変わらないのですが、内閣の一員とすれば、安全性確保最優先で情報公開に万全を期してもらうよう、その立場できっちり監視していきたいと思います。

(以上)