福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月27日

(平成22年4月27日(火) 9:20~9:43  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 どうもおはようございます。
 新しい記者会見室で、またよろしくお願いいたします。
 5月は消費者月間です。「高齢者を事故から守る」というのをキーワードにして、頑張ってやってまいります。
 では今日、まず昨年12月に立ち上げた「子どもを事故から守る!プロジェクト」の現時点での検討状況を御報告いたします。
 これまでに行政機関、関係団体など約50の取組事例を調査し、整理をした結果、子どもの事故の未然防止や拡大防止に向けて、大きく分けて二つの取組を行うことが重要だと思います。
 一つは、保護者、関係者が必要とする情報の発信です。これは携帯電話のページを立ち上げていきます。これはパパ、ママはとても忙しく、悠長にパソコンを立ち上げるとかはなかなかできなくて、携帯電話だと見るということがあり、携帯電話のページを立ち上げて、それで情報の発信をいたします。これが一番見ていただけるんじゃないかと思いました。子どもの事故の7割は家庭で起きており、お父さん、お母さんが利用しやすい形で注意喚起情報を入手できるように、今後、携帯電話のページを立ち上げていきます。
 行政や民間団体などの情報についても、それぞれの管内や行政の縦割りにとどまらず共有化が進むよう、消費者庁のホームページにおいて、有用な教材や資料をダウンロードできるシステムをつくり、情報をつないでいきたいと考えています。
 二つ目は、事業者による製品や施設の開発、改良などの促進です。子どもの行動は思いがけなくて、保護者の注意にも限界があると思います。このため、ライターのように事故実態の調査結果などを幅広く関係者に提供して、事業者の開発、改良などの対応策を促していきたいと考えています。
 また、今般、遊具の事故原因の調査分析結果を取りまとめました。割と共通項があって、修理をしたり補修をすれば事故を防げるということがよくわかりました。この結果を関係省庁や地方自治体などに対して提供して、事故防止に効果的な点検のあり方など周知徹底を図ってまいります。
 少しお金をかければ、子どもの遊具はブランコであり、滑り台であり、複合遊具であり使えるんですが、そのお金を面倒くさいから、古くなったからというので撤去をしてしまうと、結局、公園に何も遊具がないということになるので、例えばこのような修理をこれぐらいの費用でできますよとか、遊具の事故も多いですから、これらの取組を通じて子どもの事故を防止し、でも子どもがやっぱり楽しく遊べるようにということの両立をしっかりやっていきたいと考えています。11時半から、この遊具や「子どもを事故から守る!」というキャンペーンについては、事務方から詳しい説明があります。
 それから次に、地方消費者行政推進本部の開催について御連絡をいたします。
 本日、会見終了後、第2回地方消費者行政推進本部を開催いたします。議題は、基金ワーキンググループと制度ワーキンググループの検討状況の報告です。詳細については、これは10時半、会議後、事務方から説明をいたします。
 それから今日の夜、7時15分から7時45分まで、第1回子ども・子育て新システム検討会議を行います。子育てを応援するために一つの包括的、一元的なシステムの構築をしようということで、子ども・子育て新システム検討会議を開催いたします。これは子ども担当大臣として出席をして、包括的な子育てをきちっと応援する仕組みをしっかりつくっていきたいと思いますし、議論をいたします。
 そして、ジオスに関して何回か記者会見をしてきましたので一応御報告をします。
 ジオス倒産の件について、消費者からの相談状況は以下どういうものかといいますと、4月21日から4月25日までに、国民生活センターには15件、東京都消費生活センターには17件、消費者庁には7件の相談が寄せられています。これらは主に、解約はできないのか、クレジットカード支払いだけれどもどうすべきか、停止すべきかといった相談内容となっております。
 今後とも、消費者庁としては関係省庁と協力して、情報の把握に努めるとともに、消費者からの相談や苦情を踏まえて、消費生活センターなどへの情報提供など必要な対応をしっかり図ってまいります。事業者に対しても、破産管財人に対して、消費者庁として昨日も消費者にわかりやすく情報提供するなど必要な対応をとるよう働きかけたところです。今後も、ジオスの破産管財人及び事業を承継したジー・コミュニケーションの対応を注視し、必要な働きかけをしっかりやってまいります。消費者の皆さんに、あるいは受講生の皆さんが不安にならないように、しっかりこれは注視しフォローしてまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)ジオスの関係なんですけれども、破産管財人とジー・コミュニケーションの対応を注視していくのは、これまでもされてきたと。現状の対応で不満な点、改善すべき点というのはあるんでしょうか。
(答)これは消費者庁として、昨日も担当課長からジオスの破産管財人に対して働きかけたところで、ポイントはやはり消費者にわかりやすく情報を提供してほしいということなので、消費者庁としては、破産管財人が選ばれて、受講料の返還請求権を放棄すればジー・コミュニケーションに引き継いで受講できると一応なっているわけですが、やはりそれは一般の受講生にはなかなかわかりづらいと思うんですね。これは受講料の代金返還請求権を放棄しないで返してくれというのは一つの手段ですが、配当がどうなるのかとか、よく仕組みがわからないと思うんですね。受講料の返還請求権を放棄しなければ、ちゃんとお金が満額返ってくるというわけではありませんので、消費者庁として一番破産管財人やジー・コミュニケーションへ言っていることは、破産管財人に昨日申し上げたことでもありますが、消費者にわかりやすく情報を提供してほしいということです。
(問)もう一点、別の質問です。子ども、お母さん、お父さん向けに携帯のホームページを立ち上げるということなんですが、何か配信するとか、消費者庁のほうから実際に親に直接流すような仕組みというのは、そのページの中にあるんでしょうか。
(事務局)それぞれのものに入っています。メールマガジンのような形で検討しております。

(答)「子どもの事故予防サイト」というホームページで、子どもの事故予防サイト、消費者庁「子どもを事故から守る!プロジェクト」ポータルサイトで、ワンポイントアドバイスとか安全チェックリスト、これは意外と、例えば踏み台がベランダにないですかとか、こうなっていませんかとか、いろんな安全チェックリスト、そして携帯メールマガジンを送って、消費者庁「子どもを事故から守る!」として、3歳から6歳、3カ月の小さな子どもだったらこうですよとか、例えばたばことかいろいろ飲み込まないように、いろんなことの啓発をしようとしています。
 もちろん、パソコンでの情報の提供・発信もするのですが、携帯での情報提供・発信は一番実は利用されるだろうと思っているので、後でまた詳しくイメージ図でも御報告をしますが、こういうポータルサイトをつくって、このように携帯で連絡が来ると、それを見て、赤ん坊は3カ月健診、6カ月健診、1歳児健診とあるから、そのときにチェックリストシートを配るとか、例えば子どもはこういうものは飲み込みやすいですよ、とかということの啓発をすると、家の中での事故を相当防ぐことができるのではないかと考えています。
 後でこれは資料で説明をいたしますので、よろしくお願いします。
(問)ジオスに関連して、ジオスが当初、要するに校舎が閉校された場合に4つのオプションがあると。近隣ジオスに通う。近隣のNOVAに通う。e-GEOSを利用できる。あとお茶の間留学というNOVAのサービスを利用できるという中で、既に3番目のe-GEOSというのがなかなか使いにくいという状況が出ているようですが、それに関して、昨日の接触の中では何か注文されたんでしょうか。
(事務局)また後ほど連絡いたします。
(問)来年度の一般国家公務員の新規採用がどうも半減されるようなのですが、この受けとめと、これは消費者庁に何らかの影響を及ぼす可能性があるのかどうか、見解を教えてください。
(答)今日の閣議及び閣議懇談会で、このテーマは報告があり、そして議論もありました。ただ、閣議、閣議後懇談会では、天下りをなくし、かつ、ずっとみんなが勤め続けられるためにも、それからさまざまな観点から新規採用を若干抑制するということだったので、その人数について報道されておりますが、私は承知していません。閣議、閣議後懇談会では「半減」とか、そういう数字はなく、基本的な考え方が報告をされたということです。
 ですから、それについてはまだ、言葉や数字がひとり歩きするのはいかがなものかとかという意見が閣内からも出ましたので、ちょっとその数字についての受けとめは申し上げられないです。
 ただ、消費者庁としてどうかということで言えば、消費者問題に関する特別委員会でも消費者庁の機能強化、もっと人員を増やすべきではないかというのを、小さく産んで大きく育てるべきだと、国会の中でも野党からも強く言われておりますので、全体の公務員制度をどうするかという議論はもちろん大事なんですが、消費者庁としては、それは国会からも非常に言われていることでもあり、消費者行政を強化するという観点から、消費者庁としては、強気で人員要求をしていきたいと考えております。
 これは、ですから、閣議後懇談会でも、例えばこれから観光立国をしていこうと思えば、税関やいろんなところの人は増やすべきということもあるわけで、公務員を一般的に抑制するというだけではだめで、どこを強化していくのかということはきちっとやるべきであるという意見も出ましたので、私もそのとおりだと思っております。ですから、全体の問題と、その中で、どこを強化していくのかということをしっかりやるべきで、消費者庁としては人員要求をきちっとやって、皆さんの要望にこたえられるべく機能強化をしていきたいと考えています。
(問)消費者庁が人員の強化の要望をしていくというのはわかったんですけれども、全体の新規採用を、半減とは言いませんけれども、減らしていくことには賛成のお立場でいらっしゃるんですか。
(答)半減というのは、やっぱりちょっと極端じゃないかと思いますが、天下りをするから、そこの独立行政法人やさまざまなものにお金を税金を出していくというのは本末転倒なので、天下りを本当に禁止すべきだと思っているんですね。だとすれば、今までのようには新規採用をできないということは明らかだと思っています。あるいは場所によって、役所によっては、例えば地方の出張所やいろんなものについての見直しなどは、これは今までも国会で野党時代にも言ってきましたし、議論をしていくことは必要だと思っています。ただ、一方で、組織としてはあまりに「上が大きく下が少ない」というようにバランスが悪くなると、また組織の活性化という点でも問題になりますし、それからこれだけ不況の折、民間も募集を控えていて公務員も減らすと、もう本当に雇用の場がなくなるという点もあるので、私自身は大きく言えば公務員、天下りをなくすために、今までのようには新規採用できないことは当然であると。しかし、それがあまり極端になって組織の活性化やいろんな点が問題になるのは、きちっと配慮しなければならないと思っています。そして削るべきところ、無駄な部分と、それからやっぱり強化する部分としっかり見極めて、そういう人員配置をすべきであると考えています。
(問)今晩の子育て新システム検討会議の関係で伺いたいんですけれども、包括的な制度についていろいろ構築を考えていきたいというお話でしたけれども、これをもうちょっと詳しく、どういった方向で議論をされるのかというイメージを伺います。
 あと、内閣府のほうに、子育て関係の施策を包括的に担当する部局を新設する構想があるというような旨の報道も今日出ているんですが、これについて現在の状況をちょっと伺います。
(答)これは、まさに今日が検討会議の第1回目で、この担当者の私と仙谷大臣と枝野大臣が直接の共同の担当者で、今まで政務官を中心に議論をし、数多くのヒアリングをやってきました。
 私の考えは、もちろん子ども手当も大事だけれども、現物支給も本当に大事で、子どもを育てるということについては、保育園や学童クラブ、幼稚園、それからさまざまな一時保育や保育相談も含めた、本当に生まれてから学校に上がるまでの子どもたちの子育てを、やはり包括的に支援をする仕組みをきっちりつくるべきだと思っています。そのために、子どもに対する財源をきっちり確保すると。だから、ある種モデルにしているのは、フランスのような形なんですが、「家族手当金庫」というのがあるということや、それからさまざまな保育の給付、いろんなさまざまな保育で子どもたちを応援していることも見てきました。そういう、フランスの場合も金庫にはいろんなところからお金が出ているわけですが、子ども手当の確保と同時に、現物支給をきっちりやっていく。
 もう一つのポイントは、国が責任を持って保育、子どもの育ちをプロデュースし、かつ保育の質を確保するということだと思っています。全部地域に丸投げして「あとは地域でやってください」と言えば、保育が壊れてしまうんではないかという問題があり、もちろん、これは地方分権で保育所と幼稚園をどうするか、その地域における現物支給はどういうものがいいかは全国一律ではありません。幼稚園が多いところもあれば、保育園が多いところもあれば、あるいはそれをどのようにうまくやっていけば、幼稚園、保育園という縦割りを廃して、その地域における子どもたちの育ちをどう応援するかと。それは地域主権の下では地域にゆだねられるということになるんですが、最低限、例えば国がいろんな基準だとか、それから保育の質をどう担保するか、第三者機関を設けて保育の質をチェックするということも個人的には必要だと思っているんですが、そういうイメージで考えております。
 ですから、一つでいうと、保育所と幼稚園のものすごい縦割りを廃し、文部科学省だ、厚生労働省だとなって、子どもたちがそこの壁でなかなかうまくいかなかったことを、それは見直そうと。そして、子ども手当は最低限の支給としても、現物支給や両立支援については2段階というか、それもしっかり保証していくと。それについては地域主権としても、家族手当金庫を例えば一般財源化で自治体に支給して、その自治体が自分の自治体ではこういうことが必要だということで、政策を地域に応じて打っていけるようにしていくと。しかし、単に一般財源化するのはちょっとあれかもしれませんが、まとめて地域には交付していくと。何にもなくて一般財源化をしますと保育にはお金が回らない、子どもにはお金が回らないという問題が出てきますので、「家族手当金庫」というのをできればつくって、そして子どもに関することに関しては、文部科学省、厚生労働省の縦割りを廃して、本当に有機的に、包括的に子どもの立場でやっていくというイメージで考えております。ただ、これは全く、これからの議論です。
(問)追加で伺いたいんですけれども、この議論は、確か検討会ができた当初は6月をめどに基本的な方向性をまとめるという話だったと思うんですが、ちょっと時間がたったので改めて伺うんですけれども、そのスケジュール感というのはまだ変わっておりませんでしょうか。
(答)そうですね、これから議論を始めます。
 それから、これは大臣としてではなく、石原慎太郎知事が帰化発言に対して、「それは彼女のことを言っているのではない」と記者会見でおっしゃったと報道がされておりますが、与党の党首は3人しかおりませんし、それから亀井大臣は地方参政権反対の立場ですので、やはりこれは知事のおっしゃっているのは、論理的に理解ができないと思っております。
 この点については、どういうことなのか、きちっと説明をしていただきたいということを、記者会見の場でありますが、きちっと申し上げます。

(以上)