福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年3月9日

(平成22年3月9日(火) 9:15~9:51  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず始めに、「トランス脂肪酸の表示に向けた今後の取組について」御報告をいたします。
 トランス脂肪酸に関しては、これはマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸についてというのは、消費者の皆さんからも非常に関心の強いところであり、昨年12月より、関係省庁とともに議論を進めてきました。この中で、多くの食品事業者がトランス脂肪酸についての取組を進めていることがわかりました。表示をするとかに関しては、実はもう企業のほうが進んでいると。一方、トランス脂肪酸の定義や分析法などのルールが決まっていない、同じく、疾病リスクを高める飽和脂肪酸などと一体的にとらえる必要があるといった問題意識から、積極的な表示に踏み切れないでいる事業者も多いことも明らかになりました。
 これらも踏まえて、消費者庁では、トランス脂肪酸の表示に関して、以下のとおり進めてまいります。
 トランス脂肪酸の脂質や栄養に関する情報が消費者に正しく伝わるような普及・啓発の取組を進めていくということです。
 それから、もう一つは、油脂関係の技術者などの協力を得て、技術作業チームを構成して、トランス脂肪酸の定義や分析法、飽和脂肪酸の表示ルールなどの技術的な課題を整理します。そして、今年の夏をめどに、事業者が情報開示を行う際の指針となるトランス脂肪酸の情報開示に関するガイドラインを取りまとめます。夏までというと時間は短いですが、しっかりトランス脂肪酸の情報開示に関するガイドラインを取りまとめる予定です。
 そして、その間も、先ほども申し上げましたが、消費者に正しくさまざまな情報が伝わるよう普及・啓発の取組を進めてまいります。
 冒頭言いましたが、食品事業者がトランス脂肪酸に関する情報を容器包装に表示することやホームページなどを通じて開示する取組を進めるよう、関係省庁とも協力して要請を行ってまいります。これは並行して行っていきます。
 消費者庁としては、まず事業者が自主的にトランス脂肪酸の情報開示を進められる環境づくりを進めた上で、トランス脂肪酸の表示の制度化に向けて、関係省庁の協力を得て検討していくということです。夏をめどにガイドラインをつくりたいと考えています。
 もう一つ、今年はAPECが日本である年です。「2010APEC女性リーダーズネットワーク(WLN)会合の開催について」御紹介をいたします。
 APECが日本で開かれるということで、この中での女性リーダーズネットワークの会合も日本で開かれると。男女共同参画担当大臣としては、これが日本でまた大きな起爆剤となって広がっていくようにと思っています。
 9月19日から9月21日までの3日間、都内において開催いたします。APEC女性リーダーズネットワーク会合は、APEC21の加盟国・地域の産業界、学界、行政、民間団体などの女性リーダーからなるネットワーク会合であり、500名程度の参加が期待されています。これは男女共同参画実現のために毎年女性の経済活動の発展を促進することを目的としてAPECの議長国で開催をされるというものです。日本ではこれは初めての開催となります。
 ですから、男女共同参画担当大臣としては、女性リーダーズネットワーク、APECの女性会議に非常に意欲的に取り組みたいと思い、今、意見交換をしているところです。
 APEC会合を機に、国内外の、とりわけアジアの女性リーダーたちとのネットワークが強化されるということ、それから日本の国内でもまた強化されること、アジアの中での強化ということを考えています。企業、農業、それから環境などさまざまな分野で活躍されている女性にスポットが当たって共同参画の取組が一層進むことを本当に期待をしています。
 3月24日、1時半、女性と仕事の未来館でキックオフセミナーを開催いたします。
 今年のWLN会合で、日本は何といってもアジアの中の国ですから、APECの中での連携が特に強くなるように、それから、会社で勤めている人もそうですし、起業家の人たち、農業、環境などさまざまなテーマでの連携も考えております。実行委員会の皆さんたちと話をして、多くの人が関心を持ってもらえるように、とりわけ若い人たちが関心を持ってもらえるように、アジアの中のネットワークということで、例えば大学生などにも積極的に働きかけたいと考えています。
 それから、先週金曜日に明らかになった畑作物のカドミウム汚染に関する問題について申し上げます。
 これは、金曜日に新聞報道があり、それからすぐ厚生労働省に次長に行っていただいて、厚生労働省と協議をいたしました。また、夕方、私と泉政務官が環境大臣のところに会いに行って、どういう事情なのか事務方から説明を聞くとともに、環境大臣とこれまでのことと今後について意見交換を行いました。
 そして、私自身が赤松農林水産大臣と、それから長妻厚生労働大臣と話をして、今後連携をして取り組むということを4大臣で意見一致をいたしました。
 これについては、一つは、厚生労働省においては、調査結果を確認して再審議をする、再審議の可能性について検討を進めていただけるよう要請をするよう、指示を私自身がしたわけですが、厚生労働省において近く開催される定例の審議会、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食品企画部会」において当該調査結果を報告し、御確認いただく予定にしていると聞いています。
 ですから、厚生労働省において、またこの送られなかった調査結果、お米については送ったけれども、畑作物については送らなかった、なぜ送らなかったかというのは、環境省も極めて問題だと思いますが、その結果を厚生労働省の審議会においてきちんと審議をしていただく、環境省がなぜ送らなかったのかというのは環境省に行っても言いましたけれども、それはきちんと確認をしていただく予定です。
 カドミウムの問題については、これはそれを今すぐ食べて死ぬというわけではないかもしれませんが、健康の問題、命の問題については非常に大事な問題で、国民の関心も強く、関係省庁間の連携を透明性の高い形で進めていくことが必要だと考えています。これは、畑作物に国際基準を上回る作物がある、あるいは何倍もの物があるということ自体がやはり極めて問題なので、今後しっかり取り組んでいきます。
 消費者庁のもとで、あとの3つの役所、環境省と厚生労働省と農林水産省の担当部局責任者に参集していただいて調整をいたします。これは、泉政務官の指示のもと、今週中に関係省庁の担当部局責任者に消費者庁に集まっていただく形で今調整中です。ですから、環境省、厚生労働省、それから農林水産省で消費者庁がプロデュース役をやって、これで司令官の役を果たしながらきちんと調整をしてまいります。
 今、農林水産省は1月からカドミウムについての全国調査を始めています。これについては、ぜひここの議論を農水省が現在始めているカドミウムに関する全国調査に生かしていただく、そこに必ず生かしていくようにしたいと考えています。
 消費者庁が去年できて6カ月なんですが、こういう役割は消費者庁として非常に大事であると思い、迅速に行動しました。というのは、環境省は土壌汚染と思っているわけですね。土壌汚染が自分たちの仕事だ、そして厚労省は人体の問題である、そして農水省は作物と思っているので、その3つがばらばらというか、うっかりすると落ちてしまう、これは畑作物についてのカドミウムの調査をなぜ送らなかったのかは、前政権の話ですが、追求していきたいと思いますが、とにかく土壌汚染と人体と作物と分かれている中で、それぞれ連携が、重要な書類が他の役所の審議会などに送られないとか、あるいはお米だけだと思っていたというのは環境省の話なんですが、なぜ重大なことを共有化して国民の命という観点からやらないのかというのが今回消費者庁が大きく動いた理由です。
 ですから、過去の検証ももちろん大事ですし、それから厚生労働省において審議会で再検討してもらうということの約束はしていただきました。同時に、今後やる農水省の調査、これは二、三年かかると言われていますが、もしかしたらちょっとスピードアップをしてもらうとか、例えばどういうことで注意してやってもらうということも含めて、4省庁で力を合わせて連携をとりながらやっていきたいと考えています。
 これは、繰り返しになりますが、泉政務官のもとで消費者庁のもとに3つの省庁の担当部局責任者に集まっていただいて情報共有と確認をしていくということになります。その意味では、司令塔というか、消費者庁ができた理由が横断的に機能する役所をつくるということでしたので、縦割りで落っこちてしまう問題をなくすようにするということなので、このカドミウムの問題についても最後までフォローしていきたいと考えています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)トランス脂肪酸のことについてですけれども、事業者が積極的な表示に踏み込めない理由を少し述べていただきましたけれども、もう少し詳しくどういう状況なのかというのを教えていただけますか。
(答)私が説明を初め受けたのは、つまり添加物、例えば乳化剤とか何かの着色料とかそういうのだと添加物という形で従来表示に入っているわけですね。トランス脂肪酸というのは成分なんですよね。だから、糖分に関して、例えばちょっと添加物とは性格が違うといいますか、脂肪酸に関するものなので、内容物についての表示ということになるということで、なかなかその定義や分析法などのルールが決まっていないということが、要するに添加物ではないものなので、それが一つということと、もう一つは、なぜトランス脂肪酸だけなのか、例えばたくさん食べると問題があるのは、飽和脂肪酸やいろいろなものも入っていて、なぜトランス脂肪酸だけなのかという議論もありました。
 また食べ物というのは大企業だけではなくて、比較的中小の小さなお菓子屋さんメーカーなどもあるわけですから、トランス脂肪酸の表示に関してはどうかというのもあったんですが、この間、鋭意検討してもらい、それから企業の取組みも調べ、それから技術作業チームを構成してどういうふうにやっていくのかというのもやった上で、結論として、トランス脂肪酸の情報開示に関するガイドラインを本年夏をめどに取りまとめを行います。
(問)その表示の義務化についてはその方向で最終的に動くということですか。
(答)これはガイドラインを取りまとめるということですから、そのガイドラインの中身にもなりますが、トランス脂肪酸の表示に大きく一歩踏み出すということになるのではないでしょうか。そのための環境づくりを夏までやってまいります。
(問)ガイドラインということで義務化を検討ということになったと思うんですけれども、義務化ではないわけですよね。
(答)そのことも含めて夏までに検討をいたします。
(問)義務化される可能性はまだ残っているんですか。
(答)それは残っていると思います。私は義務化をしないとは聞いておりません。
(問)トランス脂肪酸の件なんですけれども、これはいわゆる流通しているような製品にガイドラインというものを当てはめて考えると、その店舗だけで販売される、提供されるような食品、一般の食品について、そういうものにも適用されるのでしょうか。
(答)トランス脂肪酸というのは、お店の表示はまたちょっと別で、今、ファミリーレストランなどでも結構いろいろな表示やカロリー表示はしておりますが、そこまでの表示はどうか。ただ、このガイドラインをどうまとめるかということについては、しっかり今後夏まで精力的にやっていきますので、ちょっとまだガイドラインの中身については、義務化の方向も、ガイドラインというと義務化と言葉が矛盾するかもしれませんが、どういう形でガイドラインをまとめるかについては、夏までに、何かを除外するとか、何かを絶対入れるということではなく、技術作業チームの中でその取りまとめを行ってまいります。
(問)関連してなんですけれども、今ある現行の法律を何か改正するのか、新法をつくるのか、それも合わせて検討するということですか。
(答)これは、トランス脂肪酸に関して言えば、なぜ他のものを入れないのかという議論も随分ありまして、それも含めて、今おっしゃったことはガイドライン策定の過程の中で検討していきます。
(問)今、大臣がおっしゃったように、ガイドラインと義務化というのは言葉として矛盾してしまいますので、とりあえず夏までにできるガイドラインというのは、強制力のない任意の指針であると。義務化の可能性については今後も続けるという、継続的な検討で続けると、このような理解でよろしいのですか。
(答)私自身は義務化も含めて検討してほしいということで初め指示を出し、そしてその過程の中で、今までも精力的にやってもらったと思っています。ガイドラインをつくって、そして状況を見て、その後、義務化も含めて検討、法律の改正も含めて検討ということに実際はなっていくと思います。ただ、このガイドラインのつくり方にもよりますけれども、かなりこれも表示ができる方向でやっていきたいと考えています。これはガイドラインですからそうですが、そのようにやっていきたいと思います。
(問)カドミウムの件なんですけれども、先ほどおっしゃったように、消費者庁に担当部局責任者を集めて横断的にチェックするというお話ですけれども、それはある種の会議体のようなものを正式に発足させるみたいなものなんでしょうか。
(答)これは継続してやっていく必要はあると思いますが、泉政務官のもとに4省庁の会議になるんですよね。

(事務局)会議を開くとかそういうことも、一たん集まって状況を確認してみないとわからないところもありますので、まずは一たん集まって、定例でやるような会議になるかどうか、何回も開くような会議になるかどうかはまだちょっとわからないです。
(問)プロジェクトチームをつくるとかそういうことではないんですか。
(答)今はプロジェクトチームとは名づけていないんですが、ちょっと検討してみます。ただ、今までは環境省と農林水産省と厚生労働省がばらばらだったわけで、お互いにあうんの呼吸はあったかもしれませんけれども、それぞれ情報を知らないわけで、その意味では、プロジェクトチームみたいな形が今後あるかもしれません。
 今後どのような形で進めるかということについても、この第1回目、今週開くときに4省庁が集まって決めようとは思っています。ただ、一つは、農林水産省が行う全国調査は時間がかかるものですから、それをみんなで共有する必要はあると思うんですね。環境省も共有すべき、それから厚生労働省も共有すべき、消費者庁はそれをフォローする必要がありますので、今日の段階でプロジェクトチームをつくるとはまだしていないんですけれども、それはかなり継続的な情報共有の仕組みにしたいと消費者庁としては考えています。だから、農林水産省が行う全国一斉調査の結果発表まで、最低限それは4省庁でフォローしていくというのが、ベストではないでしょうか。
(問)トランス脂肪酸に戻りますけれども、メーカーには中小企業も多いのではないかと。仮に今後義務化になった場合、かなりコストがかかるということで、中小企業としてはかなり厳しいのではないかなというのがあるんですけれども、その辺何か考えていらっしゃることはありますか。
(答)まずガイドラインをつくり、その後、義務化を検討というタイムスケジュールになるのだと思います。ただ、ガイドラインといってもやはり政府がつくるガイドラインですから、やはり強い実質的な効果はあると思っています。また、このガイドラインの中身というのは、まだしっかりこれからも議論してまいります。
 私自身は、昨日も遺伝子組み換え食品やさまざまな点についてもNGOの皆さんと意見交換をしたんですが、あと、クローンの問題などについても、時代の大きな流れは、やはり消費者の権利、あるいは消費者が選択をする、それがいいとか悪いとかという議論はもちろんあるわけですが、消費者が例えばあまり大量にとらないようにするとか、知らないうちに同じものばかりとらないようにするとか、大きな流れは情報の開示と消費者の選ぶ権利というか、消費者の権利だと思います。
 そのことを考えれば、やはり情報開示はいろいろなものはできるだけしていくというのが時代の流れだと思います。よく知って消費者も選んでいくということも必要ですし、やはり表示があれば私自身もじっと見ますし、多くの方もそうだと思います。お菓子についてもやっぱり見ますので、それはもともとトランス脂肪酸について表示の義務化も含めて検討となった段階で、それは表示をできるだけする方向での選択と思っています。
 それはいろいろな総合的な配慮は必要でしょうが、消費者庁の立場からすれば、消費者の権利、消費者の利益、それから、可能であればすべての情報を開示、あらゆる成分を表示せよというのはなかなか大変ですが、できるだけいろいろなものは開示をして消費者が選んでいく、あるいは消費者が少なくともわかるようにするということが必要だと思いますので、その大きな流れの中の大きな一歩だと考えています。
(問)2点伺いたいんですけれども、ちょっとこれまでの話とは変わってしまうんですが、先週の障がい者制度改革推進会議の中で、視聴覚障害者の方々から、チリの地震の津波に関してなかなかテレビでは情報がわからなかったと。避難に支障を来すケースもあったということで話が出てきて、大臣はその場で関係省庁に働きかけるということをおっしゃったかと思うんですけれども、その後の進みぐあいというか、実際に働きかけというのは行われたのでしょうか。
(答)2点ありまして、まず、総務大臣とこの問題について一緒に考えていきましょうということは申し上げました。総務大臣はそういう問題があるということは考えていらっしゃって、今後また話をします。その前に、同時並行で、実は実態どうだったのか、つまりあそこで障がい者制度改革推進会議でなかなかわからなかったとか不十分だったというのは、一体どういう点が不十分だったのか、どういう状況だったのかを、推進会議の室長のもとでヒアリングをしっかり行ってもらうと。あのとき発言された人も含めて、実際何を不都合と障害者の皆さんが思ったのかという実態調査、ヒアリングをやることにして、そのことをやっていただいております。
 ですから、それをある程度客観的に集めて、それを提言という形になるのか、要請という形になるかわかりませんが、それも含めてやってまいります。
 ですから、今日御返答するとすれば、あのときを受けとめてヒアリングをやっているという状況です。あるいは、そのことを指示をしたという状況です。結論がある程度出れば、憶測では言えないので、それをまとめて、ちゃんとそれをまず検討してやりたいと思っています。
(問)ヒアリングは大体いつごろ終わるとか、そういうスケジュール感は。
(答)それはすごく体系的なヒアリングではないかもしれませんが、実際どうだったんですか、どういう点に問題があると思ったのですかというのをきちんと聞くように指示をしたので、そんなに遠くない段階だと思います。
(問)もう一点なんですけれども、また普天間のことを伺いたいんですけれども、昨日、名護市議会のほうで、シュワブの陸上案について、これは受け入れられないということで決議がありましたけれども、これに対する受けとめをまず伺いたいのと、あと、官房長官が昨日の会見の中で、そういう決議があったとしてもそれを超えてやっていただかなければいけないとそういう場合もあるのではないかというような発言をされていまして、これについての御見解も伺えますでしょうか。
(答)昨日は、基本政策閣僚委員会のもとの沖縄基地問題検討委員会に案が出たと。これは委員としての提案と聞いておりますし、そのように理解をしています。それで、昨日、名護市議会でキャンプ・シュワブ案もだめだという決議がされたことは、やはり民主主義、民意という点で非常に重要視をすべきだと考えています。それは人々が望まない、とりわけ全会一致で反対ということですから、人々が望まない、名護市長も望まない、それから県議会も全会一致で望まないということについては、やはりそれを押し切ってということは困難だし、やるべきでないと考えています。
(問)普天間の関係で、昨日、検討委員会で案が出て政府の絞り込み作業が始まりますけれども、それにどう関与していくかということと、あと、その絞り込み作業に望むことというか、どういう視点でやってほしいかとかを改めてお願いします。
(答)今後どう進めていくかが極めて重要です。それで、朝、官房長官に連絡をしました。今後きちんと協議をして、問題をブラックボックス化しないようにという要請をしました。ですから、検討委員会できちんとを議論する、あるいは基本政策閣僚委員会で議論なり報告をするなど、そういうことは極めて重要だと思っています。
 社民党としては、提案を委員からとしても受けました。その後、政府として検討しますとなって、ブラックボックスになって、そして最後にアメリカともほぼ8割がた交渉が終わっているのでこれでいかがですか、みたいな形で、基本政策閣僚委員会で言われても、それは、例えば他にもう選択肢がなくなるという問題も起きるわけです。ですから、私はブラックボックス化にしないでくれと。要するに、政府が引き取ったのであとは任せてくれというか、協議あるいは情報も出ないということになれば極めて問題なので、決してブラックボックス化しないでくれと、信頼関係の中できちんと情報交換、協議をお願いしますという要請をいたしました。
(問)その関連で、基本政策閣僚委員会は次どのタイミングで開かれるべきだというふうにお考えですか。
(答)ですから、これは社民党の理解では検討委員会は続くと考えておりますので、私は進め方について2つあると思うんですね。1つは、基本政策閣僚委員会で今後の進め方を協議するということもあると思います。あるいは、検討委員会は今後も進めるべきだと社民党は考えておりますので、そこで協議を続けるかどうかそこでの議論でやるということもあり得ると思っています。しかし、今日の朝、官房長官に要請をしましたし、今後はその進め方についての一致が必要だと考えています。
 それと、今、基本政策閣僚委員会と言われたので思い出しましたが、労働者派遣法の改正案については、まだ協議中です。これは、私が思うのは、労政審で結論が出て、それを1ミリも1カ所も変えられないというのは、本当に問題ではないかと。労政審は基本的には前政権のときの、労政審の結論を1ミリも1カ所も変えられないというのは問題ではないかと。社民党としては5カ所言ってきたわけですが、とりわけ、例えばちょっと理念的かもしれませんが、私自身は、小泉政権下、とりわけその前もそうですが、労働法制の規制緩和をしてきたことが極めて問題であると。
 今回、自公政権のときにつくった案のときにも盛り込まれていたんですが、事前面接の解禁が部分的に入っているんですね。これは今度労働者派遣の規制を強化しようという法律の中に規制緩和が入っているというのは、やっぱりこれは理念的にもおかしいと思っております。
 ちょっと細かくてすみませんが、派遣元は派遣先に人を送り込む人材供給だと言ってきたわけで、派遣先が人を選べる、面接をして人を選べるというのであれば、これは派遣の構造そのものの根幹が違ってくると。つまり、そうやって面接をしてA、B、Cだめ、Dならオーケーとするということは、派遣先がそれだったら直接契約をしてくださいという話であって、それは問題であると思っています。これは男性は茶髪はだめよとかいろいろなことがあったり、あと、女性ですと、ある派遣会社が容姿でランクづけをしていたとかがあって、結局登録はされていても派遣の仕事に行けない、だから労働法制の強化ということを、やろうとしている派遣法の改正の中に労働法制の規制緩和が入っているということ、私はこれは前政権のときの法案の中に入っていて、極めて問題だと指摘をしてきたところなんですが、それが今度もまだ残っているという点でやはり問題だと思っています。労政審の結論を1ミリも1カ所も変えられないというのは、やっぱりおかしいと思っておりまして、これはとにかく最後まで頑張りたいと思っています。
(問)普天間のことで、当初はブラックボックス化しないことが重要だとおっしゃっていますけれども、昨日は、社民党検討委員の具体的な移設先の地名というのは明らかにされないままに提出されております。実際、候補地に上がっている現地の方々にどのように社民党として説明されていくおつもりでしょうか。社民党として検討の候補地を明示はせずに政府側に検討委員の案として提示をされていますけれども、それについては、当初は地名はオープンにしないということをずっと主張されていたと思うんですが、今後どのように、現地では実際に候補地に上がっていると思っている、少なくとも社民党の委員が上げたと思っている候補地もあるんですけれども、どのように説明されるおつもりですか。
(答)それは社民党の案ではなく委員が上げた案です。それから、社民党の大きな主張は、昨日の資料でもやっぱりグアムが一番と考えているわけです。それは、各個人が考えたとしても、それはグアムに行くまでのローテーション、第3次案みたいなもので、アメリカももともとはグアムに集中させるという案を出しているわけですし、それはやはりきちんとやるべきだと考えておりますので、その主張をやってまいります。
 それともう一つは、今までの議論でやっぱりとても不足をしているのは、今日新聞にも出ておりますが、例えば抑止力というのは一体何なのか、そして海兵隊の抑止力というのは一体何なのか、そしてどうやっていくべきなのか、アメリカの再編の議論の中で、アメリカはどう本当は考えているのかということも含めて、その議論はやはり足りないと思っています。移設先がどこかということだけになっていて、本当に日本としてどう考えていくのかという議論は本当に少ないと思っていますので、一方、協議なり話し合いということもありますが、そもそもなぜ社民党がグアムが一番と考えるのか、そして抑止力とは何なのか、なぜ沖縄になくてはいけないのか、海兵隊の抑止力とは何か、日米安保改定50周年という節目の年にそういう議論も、時間は短いんですけれども、やはりそういう根本的な議論なくして問題の解決はないというか、そういう議論もすべきであると考えています。

(以上)