福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年2月19日

(平成22年2月19日(金) 9:05~9:26  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は、まずドメスティック・バイオレンス「「DV相談ナビ」の充実(転送サービスの開始)」についてお話をいたします。
 これは2月22日からスタートです。DVに苦しんでいる女性でどこに相談していいかわからないという方を相談機関につないで、支援に関する情報を入手できるよう昨年1月から全国共通のダイヤル0570-0-55210で最寄りの相談窓口を案内しています。この案内サービスについて、来週の22日からさらにサービスを充実して、相談窓口の案内だけではなく、利用者が希望する場合はそのまま窓口に転送して相談を受けることができるようにしています。
 この間もDVで殺人事件が起きたと報道されていますけれども、被害に悩んでいる方が少しでも早く支援に結びつくことができるよう、便利になった「DV相談ナビ」について知ってもらい、利用してもらいたいと思っております。
 これについては、ホームページや政府広報の一環として全国紙、ブロック紙でもお知らせをする予定です。ぜひこれを広く報道をお願いします。
 この転送は、第1次補正、前政権の第1次補正で盛り込まれていたものを削らずに、やはりきちっと転送サービスの開始をしようというものです。DV被害がなかなかなくならない中で、この転送サービスによって、より便利にして相談の充実を図りたいと考えています。
 もう一つは、「中央交通安全対策会議専門委員会議(第1回)」キックオフについてです。
 近年の交通事故の状況は道路交通事故死者数が9年連続して減少しており、死傷者数も5年連続で減少しています。しかしながら、依然として90万人以上の人が交通事故により死傷しているほか、死者数に占める高齢者や歩行者の割合が大きく、これは対策が本当に必要です。23年度からを計画期間とする第9次交通安全基本計画の策定、作成に向け、本日、中央交通安全対策会議専門委員会議、第1回目を開催します。キックオフです。今後秋ごろをめどに、中間案を取りまとめた上で、22年度末をめどに第9次交通安全基本計画を作成してまいります。
 交通事故死の方が減っていることはいいんですが、やっぱり高齢者、自転車、歩行者の皆さんたちの事故はやはり続いておりまして、いいというか本当に対策になるような基本計画をつくって、また前進していけるよう頑張っていきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)昨晩から今朝にかけてメディアの報道ベースなんですけれども、17日に東京の練馬でアパート火災がありまして、幼児2人が亡くなったのですが、現場からどうも幾つかライターが見つかったということで、また子供のライターによる火遊び火災が疑われています。ライターの安全規制については、経産省の審議会で今検討が進んでいますけれども、ただ、私傍聴していますと、業界団体が規制導入に慎重な意見をその場で述べたりしております。そういった業界の反発がある中で消費者庁としてこのライター規制についての導入についてメッセージがあればお願いします。
(答)これは消防庁に確認をしたら、まだ発表はしていないようですが、報道ではライターが原因だったのではないかということが出ておりまして、やはりここでも、記者会見でも申し上げましたが、子供と点火ライターの関係ということがもし問題であれば、やはり規制が本当に必要だと思っております。
 経産省の審議会でやっておりまして、消費者庁としても重大な関心を持って、もっとスピーディーにぜひやってもらいたいと思っています。
 今、メッセージということなんですが、やはり日本は木造建築も多いですし、子供と点火ライターということのつながりは、火災が多いということは、今までもずっと言われてきています。だとしたら業界が慎重にということではなく、子供の命と、もちろん大人の命と火災を防ぐために点火ライターを子供がやはり使いにくくすることは絶対に必要だと思っています。それは大人にとっても使いにくくなるかもしれませんが、何を重要視するかといえば、子供が不注意で点火ライターがついてしまうという現状は、やはりなくすべきだと思っています。それは、日本は火災が多かったり、木造建築が多かったりということもありますし、繰り返しになりますが、子供の何かの事情で点火ライターを使ってしまうということからの火災が結構続いているということもあり、これは、私は、今は英断で、やっぱり点火ライターを子供が、やはり子供自身が簡単に使えないようにするということは、私は必要だと考えています。
(問)この件、ライターによる子供の火遊び火災については、たしか消費者庁から総務省にその発生状況を紹介していると思うんですが、何か情報とか得られているようでしたら教えていただきたいんですけれども。
(事務局)ちょっと今すぐわからないので、事務的に回答させていただきます。

(答)この点火ライターについては、この間、前回、点火ライターと子供の火遊びで事件が起きるということが出た後に、消費者庁において関係各省庁の担当者というか、実務者会議をやっているときに遊具の件や子供の問題、それから点火ライターも課題となりました。そのとき経産省からの説明があり、消防庁からの説明もあり、そこに出席したのは厚労省や文科省やいろいろ全部出席していただいているんですが、場合によっては経産省がもし業界からの要望が強ければ、消費者庁としてはやっぱり消費者、生活者の立場から意見を言っていかなければならないと思いますし、消防庁からの正式なこの事件に関する回答をいただきたいと思いますので、必要があれば近いうちにでも点火ライターに関する各関係省庁の実務者に集まっていただいて、消費者庁としてはイニシアチブをとって、きちっと規制をしていくという方向をできれば打ち出したいと考えています。
(問)それから最後に、消費者安全法の話なんですけれども、子供のライターによる火遊び事故は消費者事故ではないということで、消費者庁に通知されていません。それはライターに法規制であるとか安全基準がないということで、ライターそのものに、ライターが安全性を欠いたかどうか判断できないということで消費者事故に該当しないということらしいのですけれども、どうも安全基準がないから安全性を欠いたか判断できず、したがって消費者事故ではないというその筋書きにどうも疑問を感じるんですけれども、消費者安全法の運用、そこを何とか見直すことはできないのか、どうなんでしょうか。
(答)ライターの件が前から議論になっていますが、また今回もそうではないかと言われていますので、その点については検討してみます。
(問)追い出し屋の問題に関連して、今月から家賃保証業者の業界団体がデータベースの運用を始めたようなんですけれども、これについて日弁連など一部から批判が出ているようなんですけれども、大臣としてのお考えはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)これは追い出し屋という問題がもともとあって、つまり1カ月でも滞納すると鍵をつけかえて入れないようにしてしまうと。ですから、今までの裁判例だと3カ月ぐらい債務不履行にならない限り契約解除ができなかったわけですが、追い出し屋という問題がありかつそれが住宅の問題に関しての住宅弱者と言っていいでしょうか。なかなか住宅を借りることが困難な人たちをより困難にしているという、そういう住宅の中における人権問題、住宅の生存権と人権の問題が発生していて、そのことについては問題ではないかと、野党時代にも議論したり取り上げてきました。それに伴うデータベースの問題については、今検討中です。つまり、データベースをつくることが必要かどうか、あるいはつくった場合に、今回、法律をつくって規制をしようという動きがあることは御存じだと思います、追い出し屋に関して。それをやるときに、そのデータベースをつくることが必要かどうか、あるいは、もしつくった場合に、住宅弱者と言われる人たちにとっての被害が発生しないようにということは、両方議論するべきだと考えています。
(問)国交省のほうでは、データベース自体は規制することはできないということを言っているんですけれども、消費者庁としては、このデータベースというのは容認する方向なんでしょうか。
(答)検討中です。
(問)普天間飛行場の問題について改めてになりますが、一部報道で、キャンプ・シュワブ陸上案について政府内で検討は進んでいるという報道もあります。これまで再三、党首として発信されていますが、改めて政府内で検討しているかどうかも含めて、あと社民党の対応を含めてコメントいただけますか。
(答)政府内でどのように検討しているかということについての詳細の報告は受けておりません。それで名護市長が一昨日、社民党本部を訪問されました。名護市長が、自分は選挙のときに辺野古の沿岸部も、それからキャンプ・シュワブの陸上案もだめだということで、それを訴えて当選をしたと。その民意と、それから自分の思いをぜひ大事にしてほしいという要望がありました。それはそうだと思います。
 社民党は、辺野古の沿岸部に海上基地をつくることに反対をしてきました。名護市長、名護市民、それから沖縄県民の皆さんは、やっぱり沿岸部でも陸上部でもだめだという思いだと思います。これはもう3党連立合意で、沖縄県民の負担軽減のために在日米軍基地については見直す方向で臨むとしておりますので、それは普天間基地が閉鎖・返還になることはもちろん重要なんですが、キャンプ・シュワブにつくることが沖縄県民の負担軽減になるかどうかということは、大変問題だと思います。
(問)話戻って恐縮なんですけれども、この「DV相談ナビ」ですが、充実させるということですけれども、大臣としてこのDVの問題について、今どういった問題認識を持っていらっしゃるか教えてください。
(答)私は弁護士としてDVとセクシャル・ハラスメントをやってきたので、国会議員になって、これは超党派で与野党を超えてドメスティック・バイオレンス防止法をつくり、1次と2次の改正もやりました。これは議員立法で、しかも超党派でやったということで、自分のやってきたことと立法が結びついて、保護命令の導入だとかドメスティック・バイオレンス防止センターをつくるとか、あるいは市町村に広げる、NGOに対する援助やさまざまな施策を、とりわけ10年間の間にかなり進んだことは、世界の潮流と日本の国内の多くのNGOや当事者の頑張りと国会と内閣が結びついたいい例だと思っています。
 第3次改正をやるかどうか、これは必要な部分もあるでしょうし、今、内閣府の男女共同参画担当大臣として取り組んでいるのは、基本計画に女性の暴力についてきちっともっと盛り込むということです、どうやって根絶をするのか。
 それから2点目は、NGOが今やはり財政逼迫をしておりまして、委託事業という形だと、どうしても運営費などに困ってつぶれていっているNGOも多いので、どういう工夫をすればNGOに対して財政援助ができるのかという問題。それからDV防止法が結婚していることを前提にしていたので、どうしても恋人やいろんなレベルではまだカバーできないと。それは相談所には行けるんですが、そういうDV防止法からちょっと適用しにくい、本当は適用あってもいいと思うんですが、という部分をどうやってきちっと拾い上げていくかということ。それから、いろんなところの連携や、それから今回の事件でもそうですが、もう少し連携を組んだり、一歩進んで何かできなかったのかということについての検討をしたいと思っています。ですから、ちょっと長くなりましたが、昨日の男女共同参画会議、官邸で開かれた会議でも、女性の暴力については有識者の皆さんからも、閣僚からもちゃんとやるべきだ、大事な問題だという意見が出たところです。
 第3次基本計画に女性の暴力についてきちっと盛り込んで、根絶するための基本計画にするということ。2点目は、第3次改正も視野に入れながら、とりわけNGOへの援助の充実やその他についてもきちっと今の段階でもできることをやっていくということです。
 現在、NGOに対してどう援助ができるか協議をしたり報告を受けているところです。
(問)昨日の副大臣会見で一通り伺ったところでもあるんですけれども、改めて大臣の見解をお伺いしたいということで、iTunesの問題でありますが、先日、アップル社とiTunes社の担当を呼んで、いろいろ要請されたと。書面でいろいろ質問事項を手渡したということは評価したいと思っているんですが、消費者の不安とか不満を考えると、ちょっと消費者庁として対応が少しぬるいのではないかという認識は我々記者は持ったわけですけれども、大臣、どう考えますか。
(答)このiTunesの問題に関しては、これは被害が具体的に発生しているので、これは的確に対応しなければならないと思い、副大臣から発表があったところです。これは消費者庁としては対応したと思っております。
 もしぬるい、あるいは対応が遅いということであれば、それを反省材料として、これからももっと果敢にやってまいります。
(問)特に一点、原因がどこにあるのかというのはすぐにわからないことなのかもしれませんけれども、消費者が一番不満に思っているのは、何も注意喚起がなされていないということと、アップル社側からですね。もう一つは、相談したくてもメールでしか相談を受け付けず、双方向でやりとりができない。つまり電話での相談窓口がないということに対する不満がかなりあるんですが、その点、やっぱりもう少し強調して、強い権限はないかもしれませんけれども、相手側に求めることではないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
(答)わかりました。いろいろな形で実は注意喚起をしたりしているつもりなんですが、注意喚起が弱いということであれば、もう一工夫、二工夫したいと思います。
(問)ごめんなさい、アップル社側からの注意喚起です。
(答)そうですね、それは消費者庁としては動いているつもりなんですが、アップル社からこういうことの消費者、多くの人たちへの消費者への注意喚起が行き届かなくてというところであれば、それはまた注意喚起の中身をもう一回検討して、必要があれば消費者庁の側からそれは話をします。これは前の例のトクホの問題のときに企業がやる広報がどうしても、広報はやっている、注意喚起はやっているんだけれども、消費者にとってちょっとわかりにくいとか、もうちょっとはっきり言わないとわからないじゃないかと、企業が発信する広報については思うこともあります。消費者庁がやっていることは副大臣の記者会見で言っていただいたんですが、会社がやっている注意喚起をどうするかについては、もう一回チェックをしたいと思っています。
(問)こんにゃくゼリーは、今どういう状況になっていますか。
(答)これは食品SOS対応プロジェクトの中でというか、子供を事故から守るプロジェクトの中でそれをやるとすれば、やっぱりこんにゃくゼリーを避けて通れない。食品SOS対応プロジェクトの中で今検討中です。これはリーダーが泉政務官ですから、そこで議論をしています。
 こんにゃくゼリーだけではなく、やはりこの間食品安全委員会にも出しましたが、いろんなものがのどに詰まるということがあり、こんにゃくゼリーだけではなく、もうちょっと広げて被害が起きたりすることについても対応したいというふうに報告を受けております。鋭意検討中です。

(以上)