福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年12月25日

(平成21年12月25日(金) 11:20~11:45  於:消費者庁4階会見室)

1.発言要旨

 どうも皆さん、おはようございます。
 今日、基本政策閣僚委員会を経た後、予算が恐らく決まると思います。私は少子化担当大臣なので、私立の保育所の運営費が一般財源化にならず、一応、保育所の問題に関して、国が関与をしてきちんとやっていく仕組みは少なくとも残ったということは正直よかったと思っています。
 私自身、ずっと児童手当の中の事業主負担部分と自治体負担部分は子ども手当の導入になったので、これは子どものためにぜひ使ってもらいたいと思っていました。保育所、学童クラブ、児童養護施設、こういうところはまだまだ本当に弱いので、これが子ども手当の財源になるにしろ、その浮いた分のお金を保育所やさまざまなことに国は振り向ける努力をすべきだと思っております。ですから、いろいろありましたけれども、少子化担当大臣としては、子ども手当の創設と、保育所、学童クラブ、それから児童養護施設などの現物とのバランスが必要で、両方応援する必要があるのだとずっと言ってきました。子ども手当のほうばかり、割と国は責任持ってやって、こちらの現物支給のほうはちょっと弱くなったことも非常にあるんですが、結果的にはやはり子供のための予算を確保して、これからも頑張っていきたいと考えています。子ども手当に期待をしている人ももちろんたくさんいらっしゃいますが、やはり学童クラブや保育所充実を求めている声も本当に大きいことは毎回いろいろな人と話すたびに思っていることです。ですから、少子化担当大臣としては、この予算の結論はよかったと思いますし、事業主、地方自治体の児童手当の負担部分をとにかく子供のためには確保できたというのはよかったと考えています。1月末に「子ども・子育てビジョン」を発表いたします。今数値目標をどうするかについて議論をしているところです。この数値目標、いいものが出せるように頑張ってまいります。
 そして、昨日も国土交通省、文部科学省、厚生労働省、財務省などの実務者と意見交換をしました。学校の空き教室や国有地で空いているところ、あるいはUR住宅やいろいろなところで何とか保育所などをつくれないか、使わせてもらえないかということを実務者レベルでもきちんと議論をして、空き教室や空きスペース、ビルの中の空きの部分、あるいは公団住宅やUR住宅、いろいろなところで空いているところを保育所として使えないかということについて大いにやっていきたいと考えています。ですから、来年はどんな年にしたいかというと、子ども手当の創設をきちんとやる、それから待機児童解消を含めて随分変わったよねという年に少子化担当大臣としては、しっかりしていきたいと考えています。沖縄の保育所に関しても改善ができるように頑張ってまいります。
 あと来年は、男女共同参画担当としても第三次基本計画、いい中身にするべく頑張ってまいります。また女性差別撤廃条約の最終見解の中で実現できるものはできるだけ実現していくようにやっていきたいと考えています。
 例えば、シェルターなどのNGOに対して何とか資金援助や財源、応援ができないかということも何とか考えていきたいと思っております。
 あと食品安全については、トランス脂肪酸の表示はどうかとか、「子供を事故から守る!プロジェクト」の中でも食品の問題は大きくあります。食品安全について、来年度は大きく進むような施策をしっかりやっていきたいと考えています。
 大体自分の担当部分は言いましたよね。消費者庁ができて年を越すことができたわけです。来年は半年たって、またスタートなので、消費者庁ができて随分やはり消費者行政が変わったと言ってもらえるようにやってまいります。地方消費者行政の強化プランについては、今日政務三役で議論し、午後、副大臣が記者会見をすると思いますので、そこに任せたいと考えています。
 年末、どうも1年間お世話になりました。消費者庁担当大臣としては、半年間大変お世話になりました。来年はホップ・ステップ・ジャンプのステップ・ジャンプができるように頑張ってまいりますので、よろしくお願いします。
 年末年始、とりわけお餅をのどに詰める事故とか大変増えます。年間の事故で食品をのどに詰まらせる事故のトップがお餅なんですね。ですから、高齢者やお子さんや若い人もそうですが、お餅を食べるときに注意してくださるよう、消費者庁として食べ方まで言うこともないだろうと思いますが、食育担当でもありますので、よく噛んで気をつけてくださいと。
 今日が閣議後の記者会見では最後ですので、ぜひよいお年を。消費者被害が起きないように、お餅をのどに詰まらせないように、よいお年をお過ごしください。衆議院選挙の最中に「生活再建」、「いのちを大切にする政治」と言って選挙を行いました。この内閣が生活の底支えをしていく、下支えをしていく内閣、人に優しい内閣として頑張るように私自身も頑張ってまいります。自己責任で、自分の責任でしょと言ってきた冷たい政治からやはり優しい内閣に、温かい内閣に変えていきたいと、そういう政治を目指したいと考えています。自殺対策としてもワンストップサービスの中で、こころの健康相談と多重債務の法律相談もやっていきますけれども、この内閣がそういう生活を支える、人が生きていくことを応援する温かい内閣だということをもっと前面に打ち出して、来年はそのような政治がもっと躍進して、みんなの目にもっと見えるように私自身の担当する施策としても頑張ってまいります。

2.質疑応答

(問)振り返っていただいて、特に消費者庁担当ということでありますけれども、この1年、消費者行政にとってどういう1年だったのかということと、先日たしか3カ月、消費者庁発足3カ月のときに評価はしない、できないというお話だったと思うんですけれども、そうはいっても9月から発足して、この年末までどういう年だったのかというか、総括をいただきたいなと思いますが。
(答)この1年、消費者庁として見れば、国会で法律が成立するかどうかということで、超党派で法律が成立し、消費者庁が誕生いたしました。初めて、生活者の立場、消費者の立場で行政をやるのだという行政庁ができ上がったということは私自身も感無量で大変意義があると考えています。自分自身で担当大臣になって思うのですが、頭の先から足の先まで生まれてから死ぬまで、朝起きて水を飲んで、お水じゃなくてコーヒー飲むところからかもしれませんが、朝、家の中で起きて、夜お布団に、ベッドに寝るところまで、全部消費者、生活ということが本当にかかわっています。ですから、扱うテーマの多彩さと人の生活と命に直結しているとっても大事な役所だと思いがあります。そういう意味で言えば、この1年振り返れば消費者庁が9月1日にできたので、日本の消費者行政についてはエポックメイキングな、やはり画期的な年だったと考えています。
 それで、評価ができないというのは自分が担当大臣なのでなんですが、私自身は来年は本当にホップ・ステップ・ジャンプのステップ・ジャンプで頑張りますが、私自身は消費者庁ができて変わったよねというのをやりたいと実は思っていたんですね。それは新しい役所ができて、横断的にやる役所ができて、生活者の目線でやるんだ、消費者の目線でやるんだと言って、消費者庁ができて変わったよねという状況をつくらなければ国民の皆さんに申しわけないというか、国民の皆さんにとって、消費者の立場でやる役所として頑張っていきたいと思ってきました。その意味では、まだまだ稼働し始めて不十分な点やもっとやらなければならない点はあるんですが、私自身はこの1年、特保、エコナの問題などに取り組み、特保食品安全についての検討会をつくったり、被害救済のための研究会をつくり、不当な収益などについて検討を始めると。それから、今後個人情報保護法などに関することを消費者委員会の中で、審議会か検討会を立ち上げるわけですし、あと「子どもを事故から守る!プロジェクト」を皮切りに、そういう横断的な取組をしようということもあるわけですから、マクラレーン社のベビーカーやいろいろな点も含めて機敏に対応することで解決するということを来年もしっかりやっていきたいと考えています。ですから、まだものすごく評価してもいいという状況ではなく、まだまだ改善すべき点とかはもちろんあると思っていますが、「消費者庁ができて変わったよね」と言ってもらえる幾つかの点はあるので、私は消費者庁ができて本当によかったし、消費者庁はまだまだ不十分な点もあり、まだまだ検討したり、もっとダイナミックにということはあるんですが、職員は初めて消費者庁に来て、202名で頑張ってくれたと思っております。ですから、国民の皆さんにも、来年は消費者庁ができて4カ月目からスタートをしますので、来年はさまざまなプロジェクトや食品安全について、「消費者庁ができて本当に変わったよね」と言われるような成果を具体的に出していきますので、消費者行政にぜひ期待をしてください。
(問)鳩山由紀夫首相の政治とカネの問題で伺います。
 今日、東京地検が首相の元秘書2人に刑事処分を下しまして、本人については不起訴ということの結論を出しました。大臣、普段から政治とカネの問題についてはかなり厳しい目を注がれていらっしゃるかと思うんですけれども、今回の件を御覧になって、首相は十分に説明責任を果たしたというふうに感じられておいででしょうか。また、今回の件が今後の政権運営、鳩山政権の運営についてどのような影響を与えるかということについても伺います。
(答)これについては裁判不起訴になりましたので、見守ってまいります。
(問)先ほども冒頭大臣おっしゃっていましたが、今日、基本政策閣僚委員会が入って、恐らく閣議ということで来年度予算の原案が固まるわけですが、社民党の党首としてミサイル防衛構想とか、反対ないし難色、そこまでいかなくても関係大臣、防衛大臣等に注文、留意してほしいというようなことがございましたら、教えていただけますか。
(答)それは作業チームの中でも議論してきましたし、それから基本政策閣僚委員会の中でもその点についてDDHの問題やミサイル防衛計画については、基本政策閣僚委員会の中で私自身も党首として言ってまいりました。ですから、これは平行線のところもあり、あらゆる機会にというか、基本政策閣僚委員会及び作業チームで意見を言ってきましたし、防衛大臣とも話をしたりしてきました。ですから、問題点は指摘をしてきたというつもりです。
(問)先ほど大臣のお言葉の中で餅をのどに詰まらせる事故が正月起きるとおっしゃいましたが、これは消費者庁に事故が通知されるような仕組みになっていますか。
(答)そういう形には今、要するに形状や中身、こんにゃくゼリーとお餅がちょっと違って、お餅っていろいろな形が、これやはりお餅のこの形状だからこうなるというわけではないんですね。ですから、さっき注意喚起を呼びかけたんですが、今の御質問は、多分、こういうことについても消費者庁としては関心を持つべきだという御意見だと思います。ですから、それはちょっと検討していきたいと思っております。
(問)恐らく消費者安全課に言わせると、餅を詰まらせる事故が消費者事故ではないという見解になると思います。脂肪吸引事故、あるいは子供のライターを使った火遊び事故、これらも今、消費者安全法で集まってこない事故情報になっているんです。大臣、消費者庁は十分ではないとおっしゃった最たるものがこの消費者安全法だと私は思っているんですけれども、ただ集まった事故でも一部まだ非公表なんです。それ前々回ぐらいで医療事故の公表を求めたんですけれども、まだ公表されていないんですが、こういう検討状況どうなっていますか。
(答)それについてはまた報告を求めて皆さんに報告をしたいと思います。
(問)ぜひ来年早々には公表されるように期待していますので。

鳩山総理の政治とカネの関係で重ねてお聞きしたいんですが、昨日の総理の会見について、大臣はどう受け止めていらっしゃるかということと、それから今日閣議で総理御自身がそれについて御発言があったようですが、それについて御紹介いただけますでしょうか。
(答)昨日の記者会見はリアルタイムではちょっと見ることができなくて、文書で見ました。それについては、でき得る限り答えようと、知っている限りにおいて説明責任を尽くそうとしていらっしゃると思いました。今日閣議の中では、昨日の報告と、それから皆さんに迷惑をかけて本当に申しわけないという発言がありました。
(問)2点あるんですけれども、1点目は来年の1月から消費者ホットラインが大幅に遅れてですが、全国で始まることになりしまた。まだ使えない地域ですとか、IP電話からかけるとつながらないとか、課題を抱えたままでのスタートになりますが、改めてどう取り組んでいかれるか、お願いします。
(答)これは試運転というか、調査をまたやったんですよね。試運転をやったというふうに聞いています。ですから、なかなか全国展開でというのに、まだ課題もあるということは理解をしておりますが、一応それが始まれば、また事故情報の一元化ということには大きく寄与すると思いますので、スタートを本当にさせて、そして不十分な点などについては、また検討してやっていきたいと考えています。
 さっきの防衛省との関係で一言言いますと、注文もつけると同時に、例えば社民党がずっと、これは社民党としてなんですが、取り組んできた政策に、自衛官のオンブズマンや自衛官の自殺の問題などがあります。それは私自身が今自殺対策担当大臣をしていることにもちょっとつながっているんですが、いじめや自殺やセクシャルハラスメントや、そういう人権侵害の問題に関して、具体的に取り組んだり、裁判を応援したり、遺族の人たちの話を聞いたり、いろいろな取組をしてきました。ですから、諸外国にあるような自衛官オンブズマンのような制度を一挙につくるのがなかなか難しくても、自衛隊オンブズマンの制度の調査について、例えば予算をつけてやってもらえないかということを要求というか、要望をしているところです。それは最終的にどうなったかの確認は、ちょっとまだしておりませんが、もちろん、これはだめではないかという部分も、意見は申し上げましたが、逆にそういう提案型の、もっと提案型というとあれですが、このいじめや自殺やこういうセクシャルハラスメントや自衛隊の内部における自衛隊員の抱える、自衛隊員の皆さんが困ったり、本当に悩んでいる問題に関しては、実は取り組んでまいりました。交渉も行ってきました。ですから、もし自衛隊オンブズマンの制度についての調査の予算などがつけば、また一つ、一歩前進だと思っています。そういうちょっと小さな、一見小さいことですが、保育所予算をつけろなんていうことをもちろん社民党は言ったり、特別会計にメスを入れろとか、診療報酬上げてほしいとか、あと作業チームの中では、生活保護の母子加算の復活と児童扶養手当の父親への適用と障害者施策について、税金をもっとつけてほしい、予算をつけてほしい、その3点は特に言ってきました。昨日、児童扶養手当に関して、父親にも適用してほしいということに取り組んで、ずっと要望を受けてきたお父さん、パパと子供たちがお花を持ってきてくれて喜んでくれました。これも金額とすれば莫大なお金ではないんですけれども、生活保護の母子加算の復活やそういうこともみんなも頑張り、厚労省も頑張ったんですが、社民党も作業チームで頑張って、最終案をきちんとまだ見ないと安心はできませんが、一応つける方向で、生活保護の母子加算の復活と児童扶養手当の父親の分と、それから障害者の施策などについて、3点セット、作業チームで主張してくれということを、作業チームのメンバーに社民党として言いました。社民党の作業チームに。こういうことが入って、それもよかったと思っています。
(問)警察庁の発表で自殺者の数が先月末までに三万人を超えたと。このままいくと1年間でもしかすると過去最悪に迫るペースだということで増えていますが、改めて受け止めと今後の取組についてお願いします。
(答)警察の発表で11月末で3万人を超えると。これは今までのペースの中では一番最悪で、年末に3万人を超えるかどうかという話なのが、11月末の時点で3万人を超えてしまったということは、本当に残念で胸が痛くなることだと思っています。これを自殺、死に至る人をとにかくなくすために自殺対策緊急戦略チームをつくり、参与に清水さん、本橋さんに入ってもらい、自殺予防100日プランをつくり、3月を自殺対策予防月間にしたいと考えていて、もう一つワンストップサービスの中に、自殺対策の基金を使って、こころの健康相談と法律相談をやろうとしてきました。にもかかわらず、まだまだ3万人を自殺者が超えるということを変えるために、これからも施策として頑張っていきたいと考えています。
 政府が自殺者をとにかくなくしたいと思い、いろいろなことをやっているというメッセージも、もっと出していきたいと考えています。
 最後に2つだけ。鳩山総理についてなんですが、この間3党首会談で食事をしたときに、私が実は一番心に残っている言葉は、自殺の話になったことです。やはり今不況下で中小企業も大変だという話になりますから、自殺の話になりました。そうしたら、総理が「とにかく自殺者の数を減らしたいんだよね」とおっしゃって、私はそれは一番印象に残っている言葉です。あと障がい者制度改革推進本部が内閣の中にできて、総理が本部長、私と官房長官が副本部長で、東さんという車いすの弁護士が参与になり、室長になっていますので、障害者の問題なども、これは総理の肝いりで始まりましたので、こういうところでも成果を出したいと思っています。私が人に温かい政治と言ったのはそういうところです。
 まだ自殺者の数が減らない、というか、自殺者の数が増えるということについては心の痛むことで、何とか政治の力でやれることは何でもやっていきたいと考えています。
(問)今年最後の会見ということで、内田消費者庁長官の人事問題、これは何らかの結論が出ているのでしょうか。若手のとか中堅の職員の方からも、もういいかげん、どうにかしてほしいねという声を実際に聞くものですから、現状とお考えをお聞かせください。
(答)これについては、この間の質問主意書の回答どおりで検討をしております。
 まだ今日も予算とかあったり、これでよいお年をと言ってもまだ28日までというか、ずっとおつき合いいただけると思うんですが、でも最後の、ここで行う最後の記者会見になるので、どうもお世話になりました。来年また頑張ります。よろしくお願いします。ありがとうございました。

(以上)