福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年11月24日

(平成21年11月24日(火) 9:16~9:40  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。3連休の後で髪を切っている人もいろいろいますが。
 まず初めに、消費者庁の今後の取組、工程表に対することを御報告いたします。
 お手元に工程表が配られていると思います。この工程表に関しては、初めに工程表をつくり、それからこれについてはパブリックコメントを実施いたしました。ですから、先月20日に素案を公表してパブリックコメントを実施しました。その結果、128名、様々なあるいは機関の団体の方から御意見をいただいて、これを踏まえて工程表を資料のとおり取りまとめをいたしました。丁寧な御意見をお寄せいただいた皆さんには、本当に感謝をいたします。
 相談員の待遇のあり方や、それから地方消費者行政の体制のあり方、国から地方への支援へのあり方など、特に多数御意見をいただきました。これについて、お手元の工程表の中に、ですからきちんと盛り込んでおりますので見てください。
 この工程表については、本年度末の時点で振り返って、取組の進捗状況を消費者委員会にも報告をします。つまり、この工程表を一旦つくったらこのままということではなくて、本年度末の時点で、もう一回進捗状況を消費者委員会にも報告した上で、各課題の重要度や取組の時点なども改めて見直していこうと考えています。その意味では、一応これをつくりましたけれど、もう一回見直していくということもやっていきますので、よろしくお願いします。
 それから、子どもに対するライターの安全対策について申し上げます。
 これは、先週、特に問題になりましたが、これはちょっと先週も申し上げたんですが、子どもに対するライターの安全対策、子どもがライターで遊んで火事が起きるという問題など、子どもが簡単に操作できないようにする、いわゆるチャイルドレジスタンス機能を付加することについて検討するよう消費者庁に先週指示をいたしました。
 具体的には、早急に関係機関へのヒアリング、国内製品の注意喚起状況や輸入製品の流通実態、輸入製品に起因する事故割合など、このヒアリングをまずやってくれと。流通品について、チャイルドレジスタンスへの対応状況を調査して、海外での基準との比較等を行います。こうした輸入製品も含めた実態を把握した上で、どのような対応が必要か、年度内に一定の報告を示します。これについては、火事等が起きたら大変ですので、輸入製品を含めた実態を把握の上、どのような対応が本当に必要なのか、年度内に一定の方向性を示していきます。これについてはまた御報告をいたします。
 次に、トランス脂肪酸について申し上げます。
 これは、マーガリンやショートニングに含まれるトランス脂肪酸の安全性について、議論があるのは、皆さん御存じのとおりです。このトランス脂肪酸について、含有量の表示をすることについての検討を消費者庁に指示をいたしました。これはトランス脂肪酸は表示の中に入っていないんですね。でも、これは入れるかどうか検討してほしいと。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを上昇させ、善玉コレステロールを減少させ、また多量に摂取を続けた場合は動脈硬化などによる心臓疾患のリスクを高めるとの報告があり、アメリカなどでは、このトランス脂肪酸の含有量の表示が義務づけられています。
 食品安全委員会の調査によれば、日本人の一般的な食生活ではトランス脂肪酸の摂取量は少ないとされていて、直ちに問題になるとは考えていないということです。ただ、うちもそうだったんですが、マーガリンは油がわりにじゃーと使ったりしておりまして、脂肪の多い菓子類や食品の食べ過ぎなど、偏った食事をしている場合は摂取量が多くなることも十分あります。
 ですから、これはトランス脂肪酸を含む食品の成分表示のあり方については、アメリカなどでは、これはトランス脂肪酸の含有量の表示が義務づけられておりますので、国際的な動向も踏まえ、国民の健康の増進を図る観点からきちんと検討していきたいと考えています。
 これはちょっといつまでというのは申し上げられなくて、トランス脂肪酸についてはちょっとまだ表示をするかしないかどうするかについての結論の期限がちょっと今日申し上げられないんですが、トランス脂肪酸については、含有量を表示することについての検討を消費者庁に指示をいたしましたので、また結果等について皆さん方にきちんとお知らせをいたします。
 次に、私もこのパープルリボンをずっとつけていて、25日、明日が女性に対する暴力撤廃の国際日です。明日が内閣府が行う女性に対する暴力撤廃の最終日です。それで、先週も言いましたが、東京タワーが初めて紫色になると。これは石井幹子デザイン事務所、日本電波塔株式会社の協力、快諾をいただいて、東京タワーが紫色になるというこのキャンペーンを行います。
 女性に対する暴力について、それは重要な人権問題で、根絶しようという政府の意思と、というか内閣の意思と、それからあなたは一人じゃないよということを、多くの女性、場合によっては男性にも伝えることができればと思っております。これは女性に対する暴力をなくすキャンペーンとして、明日、東京タワーが初めて紫色になる、女性に対する暴力撤廃東京タワー、キャンペーンをやりますので、ぜひ報道をよろしくお願いいたします。
 それから、男女共同参画会議を11月26日、木曜日、17時30分から、官邸において開催いたします。これは、本年8月に、国連の女性差別撤廃委員会から最終見解が出されました。これを踏まえた対応などについて議論をしてまいります。
 また、来年に策定予定の第3次男女共同参画基本計画について、今後の進め方を確認するとともに議員間で意見交換を行う予定です。
 また、監視・影響調査専門調査会で議論を重ねてきた新たな経済社会の潮流の中で生活困難を抱える男女についての最終報告、貧困問題などを踏まえ、男女共同参画会議として総理及び関係各大臣の取組を求める意思を決定する予定です。また、会議後に記者会見を行って、私から会議の概要について御報告をさせていただきます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど大臣がおっしゃられたトランス脂肪酸の表示についてですけれども、こちらのほう、大臣の御意向としては、健康増進の観点から表示をしていくのがやはり望ましいという意味合いで検討していくということでしょうか。
(答)食品安全委員会は、通常の摂取量であれば大丈夫で大量にとらなければと結論を出しているのですが、やはり大量にとって問題があり得るとすれば、それはやはり表示をして、例えばトランス脂肪酸がこの製品には入っている入っていない等、御存じマーガリンというのはいろいろなものに使われていますので、なかなか表示が大変だという話を実は聞くんですが、国民の健康を守るあるいは食べ物についてみんなの理解を深めるということで言えば、表示をする方向でぜひ検討していただきたいと考えています。
(問)先ほどの関連なのですが、実は、消費者団体がこれについてはもうずっと以前から表示をしろと、そして諸外国との比較もかなり皆さんされてきたのですが、なぜ今こういうことを指示されたのでしょうか。
(答)2つあります。外国では表示をされている、あるいはどうなのかという意見も国内にもいろいろな消費者団体からあったこともよく私自身は知っていました。これについてはどうしたらいいだろうかと思い、資料などはもちろん集めていて、食品安全委員会からもこれについてはどう考えていますかということでは、資料をもらったり話を聞いたりしてきました。また、先週19日の参議院内閣委員会でも議論になって、表示を検討したらいかがという質問が出ましたので、その2つの理由、元々これは外国の例等もあり、表示、何か対応策をとったらどうかと思っていたところで、国会の中で質問も出ましたので、表示をするかどうか、表示できるものならきちんと表示したらどうかという観点から指示をいたしました。
(問)業界としては厳しいというふうなリアクションも多分あるのだろうと思うのですけれども、そこについてはいかがですか。
(答)ですから、これは検討を指示ということなので、その中で実際何が例えば障害になるのかということも十分消費者庁でヒアリングも行って結論を出していきたいと思っています。
 ただ、外国でできているのだったら、日本でもやはりこれはできないというよりもでき得る限り表示できないかという方向で、何が障害かも含めてきちんと消費者庁で検討していきたいと考えています。言えば、国民の健康に関することで議論もあるわけだから、やっぱり表示があれば、それは食品の安全や健康、あるいは消費者の理解を深めるという点では、表示をするというのは大事なことのように私は思います。
(問)トランス脂肪酸の表示の対象、マーガリン以外にどれぐらいの範囲で考えているのか。
(答)それも消費者庁の中で検討してもらいますが、トランス脂肪酸が入っていれば、それはマーガリンだけではなくて、ショートニングや、もしかしてサンドイッチなんかにもたくさん使われているでしょうし、ちょっとどこまでというよりもトランス脂肪酸を表示するに当たって、可能なのか、問題があるのか、何が困難なのかということをきちんと検証してもらいたいと思っています。
(問)もう一点、その検討対象は商品への表示だけなのか、店舗でレストラン等でメニューへの表示というのも検討する対象には入るんでしょうか。
(答)店頭で表示しているのもあったりなかったりいろいろお店によって違いますので、これは基本的には食品についての表示になると思います。ただ、検討は私自身も何かに限定しているわけではありませんので。
(問)工程表についてなのですが、かなり地方の処遇のところは相当意見が出てきたようなのですが、やはり前のこと以外には何も見えてこない。年度内に繰り上げをしたということなのですが、私は活性化基金の見直しも早急にしなければ大変なことになると思っていて、この辺の地方について、これからは余り見えてこないということでも、強化プランとかの中で何か具体的にお考えになっていることがあるのか。
 それから、情報統括官制度を置くことに関しては、消費者行政推進本部とあわせて、結構地方の現場からは、国と同じような仕組みが必要なのだろうかと。もともと連携はしているし、私たちは市民や県民に伝えることが仕事なのだとかなり批判的な意見があったのですが、これについてはそのまま残っていて、その具体的なものも見えないところがあるのですが、この辺についてお教えください。
(答)消費者安全情報統括官の設置については、ちょっとまだ私自身もどうかというのはわかりませんが、全国を回ったというか、そんなにたくさん回っているわけではないんですが、知事さんたちと話をしたり、市町村と話をしたり、相談員と話している中で、私は2つあるというふうに思っているんですね。
 1つは、消費者庁に地方協力課を設け、それから国の予算も使い、国自身がどうやって地方消費者行政をてこ入れし、元気にするかというのが1点目。
 それから、2点目は、地方、都道府県、市町村でこの間相談員が減って、なかなか地方消費者行政が弱くなってしまったという、この間の現実は確かにあります。ですから、ナショナルミニマムを国が保障し、どこに住んでいても消費者が守られるというのをつくることも大事なんですが、特に力を入れようと思っているのは、国だけが頑張るのではなくて、都道府県、市町村にも頑張ってもらおうと。
 ですから、都道府県の知事を本部長にして、地方消費者行政の本部を立ち上げて、できればそこにいろいろな人を巻き込んで、NGOやいろいろな方も入れてやってもらいたいと思っています。また、市町村でもそういう形でやってもらえないかと思っているんですね。
 今度、この間、市長会に行って、基本的にはあれはハローワークの中での自殺対策が主だったんですが、消費者行政についても少し話をしましたし、今度、全国都道府県知事会議に行くことになっているんですが、全国都道府県知事会議で発言をするんですが、そこは消費者の問題とそれから少子化と自殺と男女共同参画の4点セットで発言します。知事の皆さんに、47人の知事にお願いをしようと思っています。地方消費者行政活性化基金の使い勝手のところもそうなんですが、知事自身が消費者行政が極めて重要で頑張ろうと思ってくれれば、これはものすごく変わるわけですから、都道府県、市町村、ここの首長に対して優先度と予算の使い方、基金などを使ってくれということも含めて働きかけていこうと思っています。
 この間御報告した女性首長大集合というのを12月19日に内閣府の講堂でやります。今、27名女性首長がいるんです。今の段階で20人ぐらいは出席するとなっておりまして、もっとふえるかもしれませんが、女性首長に対しては、とりわけ都道府県、市町村でも消費者行政、少子化、男女共同参画などを取り組んでくれということをまた改めて頼もうと思っておりますので、国が頑張って、予算あるいは地方協力課をつくり、いろいろな強化プランをつくって働きかけるということと同時に、自治体自体の予算をちゃんとつけてくれと、あるいは頑張ってやってくれと、知事を本部長にして地方でやってくれということも大いに働きかけていこうと思っています。
 国だけ頑張るというよりは、私は最近、自治体に頑張ってもらうためにどうするか、相談員のお金を自治体もちゃんとやっぱり頑張ってくれと、上げている自治体もあるわけで自治体も頑張ってくれということもやっていこうというふうに思っています。
(問)先ほどのトランス脂肪酸の件ですけれども、表示の検討、表示するかどうかの検討というのは消費者庁だけでできるものなのか。それとも、例えば農水省とか厚生労働省とか関係省庁、今まで表示すべきだという声があってもやってこなかった省庁だと思うんですけれども、そのあたりはどのように働きかけというか説得していくお考えでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、これは多分、農水省と厚労省も入りますよね。ですから、消費者庁が他の省庁とも協議をしながらということなんですが、やはり外国で表示があるわけで、それから問題を指摘する声もしっかりあるわけですから、これについては消費者庁がイニシアチブをとって頑張ってやっていきたいと思っています。
(問)偏った食事をしていなければそれほど日本ではすぐに問題が起きるわけではないと。偏った食事をしていること自体も、偏った食事をしている人たちの件、これを今、文科省と農水省が食育をやっていますけれども、文部科学省もこの辺では少し関与があるのかと。もともと偏った食事をしている人たちの問題ですか。偏った食事をしている人たちが余り気にしないで毎日日々の食事をしている人たちが表示を見るかどうかというのもまたありますが。
(答)確かに食育が大事だとは思いますが、ただ、表示になればみんなも、例えば私もやっぱり保存料とか食材とか見ますので、表示があれば少しずつ表示を見るようになりますし、新たに表示に加わるということであれば、それについての問題提起というのもあると思いますので、まず第一歩として、表示をするかどうか、表示できないか、私としては表示をする方向で検討してほしいと思っていますが、その方向でまず進めたいと思っています。
 偏った食事やいろいろな点については、食育の担当もしておりますので、そこでもやっていきたいと思いますが、ただ、表示がなければ人々はわかりませんし、それから、表示をするということをきっかけにやっぱりある種の啓発もできるようになるんじゃないかと思っています。
(問)一点だけ、今回、国民生活センターの体制全体について検討という言葉が工程表に追加されていますが、この国民生活センターについては、社民党の近藤正道議員がかなり強くいろいろ発言をしてくださいました。大臣自体は、国民生活センターはどのようにすべきだとお考えなのでしょうか。今言えますでしょうか。
(答)私は、国民生活センターは、相談員をはじめADRをやっていること等、国民の直接の窓口として本当に頑張っていると思っています。ですから、これは体制整備も含めてきちんとやっていくべきだと思っています。
 それと、2点目は、商品テストもやっているんですが、これに関して消費者庁がこういう商品テストをやったらどうかとか、あるいは、今までの業績をきちんと精査して、もっと私自身は国民生活センターと消費者庁の間の連携を強化して、消費者庁自身が例えばこういうこともやったらどうかとか、連携を強化し、国民生活センターの強化と同時に、消費者庁との連携をもっと強力にやっていきたいと意欲的に思っています。
(問)独法の見直しは。
(答)これはどちらがいいかは、また工程表やいろいろな中で協議をしていきたいと考えています。

(以上)