福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年10月6日

(平成21年10月6日(火) 11:18~11:43  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。では、記者会見を始めます。
 まず、補正予算について、今日の夕方、4時半ぐらいですか、行政刷新担当大臣の仙谷大臣がすべての省庁を合わせた記者会見を行う予定です。それが第一次集約で、その後また、いろいろな交渉や、もっとここはどうかという話があると思います。
 私の担当している補正予算で、その第一次集約分に出したものについて簡単に御報告をいたします。
 4つあった中で、地方消費者行政に対する基金の部分で、自治体やいろいろなところから上がってきていない部分に関しては、これは緊急不可欠とは言えないと考え、この部分については凍結をいたしました。ですから、地方消費者行政についてすべて凍結ではもちろんなく、これは大変必要で、地方消費者行政を応援するという立場から、この基金には意味があると思っています。
 しかし、例えば議会やいろいろなところで判断して、今までにも要求したり上げてきたりという中で、現時点において、何も私たちのほうにこうしますというのが上がってきていない部分については、緊急不可欠とまでは言えないと考え、その部分については凍結をいたします。
 ただ、地方消費者行政を応援していくというのは極めて大事なことです。これは、本予算の中でしっかり地方消費者行政を応援していくということをやっていきたいと思っていますし、御存じのとおり、消費者庁と消費者委員会のほうに、地方消費者行政の活性化について、それぞれ検討し、案を出してくれということを言っておりますので、地方消費者行政を本当に応援して強化していくという立場は全く変わりません。
 基金が、やはり3年という限定があるために、使い勝手が悪いという話は、いろいろ現場から上がってきております。ですから、そのことも踏まえ、本予算の中では、地方消費者行政を応援する立場からどういう予算が、あるいはどういう施策が必要かということをきっちりやっていきたいと考えております。
 次に、今、大臣、副大臣、政務官で、毎日、概算要求の本予算についての洗い直しをやっております。本当にすべての項目について洗い直しをやっております。これは1,000円単位なのですが、1円から見直していると本当は言いたいところですが、でも500円以下とか990円以下の数字がありませんので、とにかく、すべての項目について全部見て、ここはどうなんですと説明を受け、かつ、これはどういうことなんですかという質問をしております。ですから、今、前政権が出した概算要求について、すべての項目について、精力的にヒアリングをやっている最中です。この中で、予算を十分精査した上で結論を出して、報告を上げたいと考えています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)地方消費者行政の基金の見直しの部分というのは金額にするとどれぐらいですか。
(答)これはきちんと御報告しますが、行政刷新担当大臣が夕方まとめて言うということなので、金額は後ほど申し上げます。
(問)合計で言うと110億。
(答)そうです。
(問)その部分の。
(答)一部です。
(問)110億の中に、実は取材をかけてみると、ホームページには上がっていないけれども計画ができているところとかがあったんですね。その中で、やっぱり市町村部分に関しては9月議会が終わらないとみたいなところもあって、本当にすべてのものが吸い上がって、必要なものが吸い上がっているのでしょうかというところが非常に心配なのですが、その辺はどのように、きちんと把握して必要ないと判断されたんでしょうか。
(答)これに関しては、先ほどは議会でと大まかに申し上げましたが、全部これは精査をして、きちんと見直しました。ですから、議会で上がってきていなかったり、条例がまだだったとしても、これは必要かどうかという観点で、全部個別に精査をしましたので、実は議会は通っていないけれども、こういう理由で今準備中だということも全部確認をしましたので、それは大丈夫だと考えています。
(問)関連で、3年で使いにくいということと人件費に直接出ないということと、あと、独自予算で同額までしか使えないということが非常にネックになっていて、ただ、交付税の算定率が上がっているのにそれも使えていないので、その同額の枠を削ること自体はどうなのかなという問題点もあったと思うんですが、その辺について、具体的に本予算ではどのようにアプローチしていくかというお考えはありますか。
(答)これはまた今の基金が良い面もある反面、こういう事情で使い勝手が悪いという面もあるというのは理解をしておりますので、本予算の中でそれを十分活かしていきたいと考えています。
 また、先ほども繰り返し言いましたが、消費者庁と消費者委員会のほうに地方消費者行政の強化についての案を出してもらうということにしていますので、大急ぎそれも検討しながら、予算とその施策とをタイアップして強化していきたいと考えています。
(問)対象となる凍結される都道府県の件数を教えていただきたいのと、あと、そういうところは、どちらかというと、もともと消費者行政に対しては消極的なところではないかと思うんですけれども、そういうところを切り捨ててしまって、これまで既に予算を出しているところに予算を配分するというのは地域間の格差がますます広がってしまうかなと思うんですけれども、それについてお考えをお聞かせください。
(答)件数については、まだ第一次集約の段階ですから、また後日検討し、発表できるという形であれば発表いたします。また、地方消費者行政を強化し、応援するという立場は変わりません。ただ、今の段階で全く上がってきていないところにまで補正予算を使うというよりも、有効に予算を使おうという姿勢ですので、むしろ地方消費者行政の強化という観点から、地方消費者行政の中でアンバランスがあるのは十分承知しておりますので、それをどうしていくかというところでしっかり力を発揮してまいります。
(問)本予算では格差を解消するような方向での政策を進めたいということですか。
(答)格差だけではなくて、地方消費者行政をどう強化するかという観点からやっていきたいと思っております。
(問)補正予算の基金が3年を限度としている点ですごく使いづらいという意見がありますが、本予算の単年度主義が基本となっていて、長期的な施策というのがなかなか難しいのかなと思うんですが、今、複数年度にわたる予算の編成とか、そういう議論もありますが、その点についてはどのようにお考えですか。
(答)おっしゃるとおり、補正予算が3年で使いづらいということはあります。また、予算は毎年度、各年度主義であることはもちろんそのとおりです。ただ、やはり補正というのは一時的ということで、一方、本予算では1年だしてもそれが有効であれば続いていくという可能性ももちろんあるわけです。複数年度の会計については、まだ十分この政権で議論し尽くしているわけではありませんので、また検討していきたいと考えていますが、今の段階では、補正予算はそういうことで洗い直しを行う、そして、本予算は地方消費者行政の強化という観点の政策と合わせた予算にしたいと考えています。
(問)今の強化策というのは、やっぱり地方の自治事務という位置づけから抜け出せていないと思うんですけれども、それを超えるようなことを本予算で考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)私は、大臣として、消費者委員会と消費者庁にそれぞれ地方消費者行政の強化ということで、検討してくれという指示を出しました。まだ自治事務を超えるかどうかというところまでの指示はしておりませんし、それはまた検討していきたいと考えています。
(問)関連で、国会で一番問題になったのは、前政権では自治事務の人件費を出せないというところがどうしてもひっくり返らなかった。ただ、韓国とかアメリカとかでは、国の事務をやっている者に平気で人件費が出ています。そして、民主党のマニフェストには3つの項目が掲げられていて、余りほかのものはそんなに予算がかからないと思う。地方の充実について400億円が入っています。ということは、この部分を増額していただけるのか、将来的に本予算では増額を考えているのか、やっぱり人件費を直接支援することに一歩踏み込めるのか、その辺の考えをお聞かせください。
(答)そこはまだこれからの検討課題です。
(問)先ほど、今日、仙谷行政刷新担当大臣のほうから発表されるのはあくまで一次集約の数字であるということで御説明いただきましたけれども、それを受けて、所管の部分について、また一段の切り込みを求められる可能性というか、そういうのがあるかどうかということについてはどうごらんになっていますか。
(答)それはこちらというより、向こうのことなので、それはちょっとこちらから申し上げられません。こちらとしては出しましたので。
(問)かなりもう最大限出されたというか、ぎりぎりに努力をされて出した数字ですか。
(答)こちらは出したので、それに対する回答は向こうからあると思っております。
(問)先ほど行政刷新担当大臣から夕方に会見があるというふうにおっしゃっていましたけれども、今日閣僚懇の中で説明があったんでしょうか。
(答)閣議と閣僚懇を続けてやっているので、今確定的にどちらと申し上げられないんですが、今日夕方発表しますということでした。
(問)4つの柱のうち、地方消費者行政の強化のうちの一部が緊急の課題でないということですが、自殺とかDVとかほかのものと比べてそれが緊急の課題でないといいますか、そうやって判断された理由というのはどう考えればよろしいですか。
(答)緊急の課題ではないというわけではないんですが、御存じDVの予算は1,300万円で、これは電話の転送、つまり女性が電話をしたいと思ったときに転送がうまくいくように1,300万円という、予算規模から言うととても小さい、1,300万円自体は大金ですが、少ない予算なんですね。ですから、これはやっぱりDV防止法の重要性等の観点からも必要だと考えたということなんです。
(問)話は変わりますけれども、今現在、多分、与党幹事長会談をやっていますけれども、これまで社民党が主に要望を重野幹事長がされてきて、いよいよ政権が発足して、それについて受けとめをお願いします。
(答)やはり与党の中で意思の疎通を十分していくことは必要です。もちろん民主党の一元化の考え方には一定の理解を示すものですが、社民党や国民新党、とりわけ社民党の意見をどうやって連立政権の中できちんと協議をし、反映をさせていくかというのはずっとこれは課題ですので、やはり意思疎通をよくし、協議をするという意味でも、与党幹事長会談が開かれるということは本当に歓迎をします。また、さまざまな重要なテーマで、もちろん基本政策閣僚委員会もありますが、ここはどちらかといえば党首会談のようなトップの中の交渉であり、位置づけとしたら党首会談的なものですから、政策や幹事長レベルでのそういう会議が私は必要だと思っておりますし、社民党が要求して開かれるということでよかったと考えております。
(問)党首として、昨日、防衛省の長島政務官の講演で、給油活動は、国会の事前承認をつけた新たな法律を成立させた上で計画すべきと述べたんですけれども、条件つきで計画すべきという考えを示したのは閣内では初めてになるんですが、党首としてはどのようにこの発言をとらえていらっしゃいますか。
(答)これは、消費者担当ではなく社民党党首として申し上げますが、鳩山総理が代表でいらしたときに、選挙戦の最中、いろいろな節目に、給油法は延長しないということをずっとおっしゃっていました。これは、野党時代も含めて、ずっと私たちは、この給油法はおかしいと主張してきたわけです。それから、アフガニスタン支援をどうするかという問題で、有志で社民党の阿部知子さんや民主党の議員たちは今アフガニスタンに行っておりますし、また、外務省もアフガニスタン支援はどうあるべきかという議論を始めていると報道で聞いております。
 ですから、社民党の立場からすれば給油法の延長には反対ですし、条件つきであれ、延長がされないように連立政権の中でもきちんと協議をして、そういうことがないように頑張りたいと思っています。
(問)一部報道で、静岡県内のスーパーで消費期限の改ざんがあったという報道があったんですけれども、それについては何か思われることはございますでしょうか。消費期限の改ざんの報道があったんですけれども。
(答)それは静岡のスーパーですか。そのことは明らかになっているんですか。
(問)まだです。
(答)消費者担当大臣、食品安全担当大臣としては、できるだけ食品のそういう偽装やいろいろな点については起きないようにということと、起きた後の情報公開も含め、きちんとやっていきたい、対策も講じたいと思っておりますが、その件については、個別の事件についてのコメントは差し控えさせてください。
 ただ、消費者庁ができて消費者行政が変わったなということは、あらゆる面でやっていきたいと思っております。
(問)食品の表示違反に関してですが、去年、農水省が表示違反、JAS法などで行政指導や厳重注意をしたケースが879件あったんですが、そのうちの9割は軽微である一過性であるということで公表していなかったんですけれども、それについて農水省は公表はしないと言ったんですが、消費者担当大臣としてはどのようなお考えですか。
(答)9割が公表されていないということで、これは消費者の立場からすればやはり情報を知りたいという気持ちはあると思います。ですから、今後、農水省とも協議をしながら、こういう問題についてきちんと対応できるようにしっかり検討していきたいと考えています。
(問)検討した結果も後で教えてください。
(答)はい。しっかり検討して、そして必ずこういうふうにしますということを御報告したいと思っております。
(問)長官人事の件ですけれども、まだ結論というのは。
(答)はい。
(問)ここまでちょっとだらだらしていると間延びした感があって、もちろん最終的な決裁が大臣にないのかもしれませんが、ただし、こういたずらに時間が延びると政治主導という観点からの大臣の指導力が問われるのではないかなと思うんですけれども、その辺についてのお考えをお願いします。
(答)だらだら延ばしているわけではなく、これは任命権者が総理大臣ですし、人事の問題というのはとても重要なことですので、十分検討している最中です。
(問)一方、農水省なんかも騒がれましたけれども、大臣就任当日にその問題があって省内の政策的な課題に位置づけるかと思うんですけれども、それらのモチベーションを考えても、早くけじめをつけられたほうがいいんじゃないかと個人的には思うんですが。
(答)そうですね。でもこれは総理大臣の考え等あると理解をしておりますので、まだ検討中です。これはやはりとても大事な、しかも微妙なことですので、きちんと検討した上でやっていきたいと考えています。
(問)どれぐらい検討されるおつもりですか。
(答)人事の問題が極めて重要なことは理解をしていただけると考えております。
(問)フォローアップで、大臣は弁護士でいらっしゃいますから、公務員を更迭する手続き的な難しさというのはよく御存知だと思うんですけれども、そういうのが前提にありながらこんなに延びていくということは、それをクリアして何かどうにかできるという選択肢を探していらっしゃるのかなと思ってしまうんですけれども。
(答)今おっしゃった点も理解をしておりますし、これについては十分検討している最中です。
(問)長官人事と並んでもう一つの大きな柱の庁舎問題ですけれども、その後の選定状況、最新の状況を教えてください。
(答)これは、またしかるべきとき、それほど遠くないときに、きちんと記者会見で皆さん方に御報告ができればと考えています。今、経済的負担の軽減のための減額請求をやっておりまして、まだ交渉の途中です。でも、遠くない段階で私が決断をして、減額請求でいくのか、それとも引っ越しをするのか、記者会見で皆さん方にきっちり御報告をいたします。
 まだ交渉の途中なので、皆さんに御報告できないんですが、遠くない将来にきちんと判断をし、こうしますということを皆さん方に御報告できるようにしたいと考えています。
(問)遠くない将来というのは今週中ですか。
(答)相手があるので、こちらも正直頑張りたいと思っていて、納得できるように頑張りたいと考えております。まだ交渉の途中で、どちらということは申し上げることができないんですね。でも、遠くない将来に、皆さん方にきっちりこうなりましたのでこうしますということを御報告ができるように、今、鋭意努力中です。
(問)別に、遠くない将来にそういうことができそうな感じですか。
(答)法廷の反対尋問みたいですね。今はまだ結論は出していないんですが、皆さん方に、遠くない将来に御報告ができるように少しずつ交渉をしていると思っております。
 あらゆる点について、これは必要な時間のかかり方だと考えておりまして、長官人事の件も、それからこの点も、きちんと本当に納得できるようにやりたいと思っておりますので、本当に遠くない将来、きちんとこうしますということを、まだ今どちらと結論は出せないんですが、御報告できるように鋭意努力中です。よろしくお願いします。
(問)食品SOS対応プロジェクトがそろそろ1週間ですが、どのようになっていますでしょうか。
(答)食品SOS対応プロジェクトについては、今ずっといろいろなヒアリングやいろいろな協議をやっている最中です。これは今週中には、業者やいろいろなところともヒアリングや話し合いをする必要もありますし、消費者委員会の中でもこれは議論をする必要がありますので、今週中にこうしますということを皆さん方に発表する予定です。記者会見できちんと発表いたします。
 食品SOS対応プロジェクトはずっとやっておりまして、今日は、花王株式会社及び食品安全委員会からのヒアリングを夕方行います。今週中以内には、このことについてきちんと記者会見をやる予定です。よろしくお願いします。

(以上)