福島内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月29日

(平成21年9月29日(火) 11:11~11:33  於:第4合同庁舎6階605号室)

1.発言要旨

 おはようございます。では、定例の記者会見を始めます。
 後ほど資料をお配りしますが、特定保健用食品の許可を受けているエコナ関連製品について、食品の安全に対する消費者の不安が大変広がっていると、このような状況を踏まえて、消費者の不安の解消に資する取り組みの推進、行政としての対応を検討する必要が生じています。
 そこで、泉大臣政務官をプロジェクトリーダーとする「食品SOS対応プロジェクト」を消費者庁に発足させることにして、本日このことについて消費者庁長官に指示をいたしました。
 本プロジェクトでは、特定保健用食品の許可を行った食品について、その後、新たな科学的知見が生じた場合における対応指針等を検討して、大体1週間をめどに当面の行政の対応方針を取りまとめるということにしています。
 どういうことかというと、エコナの件で、今、御存じのとおり、食品安全委員会において検討していまして、資料を全部出させて検討中です。この結論が11月中に出ると聞いています。
 ですから、今、まだ結論が出ていない状況ですが、エコナを使っていらっしゃった方も非常に多いわけですし、現在も使っていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。そのときに、消費者庁としてまだ結論が出ないので何もできませんというのは、これはせっかく消費者庁をつくって消費者の命を守ると、頑張るぞと言ってきたこととやはり合っていないというふうに担当大臣としては考えています。
 もちろん結論が出ていないわけですから、私たちが科学的知見を踏み超えて勝手に何かを言うことはもちろんできないのですが、このような状況のもとにおいて、一体私たちに何ができるのか。例えば、客観的な事情をもっと説明して啓発するということもあるかもしれませんし、場合によっては、広報についてこうすべきだということを言うこともあるかもしれませんし、全て踏まえて、短い期間、1週間ですが、これは泉健太政務官をプロジェクトリーダーとして、消費者庁の中でも知恵を使ってくれと、知恵を出してこういう場合に何ができるか考えてくれということを1週間以内に挙げてもらうよう私が指示をいたしました。1週間という期間は確かに短いんですが、食品の安全について一刻も早く対応する必要があるので、とにかく検討してもらおうと考えています。
 これを食品SOS対応プロジェクトとして、エコナSOS対応プロジェクトとしなかったのは、起きてはならないことですが、今後このようなことが起こった場合に、科学的な知見や食品安全委員会での結論がまだ出ていない段階で消費者行政として何ができるか検討しておきたい。今回の対応は一つの重要な、一つのケーススタディであり、今後もこういうことは十分起こり得ると考えているためです。つまり、疑わしきは被告人の利益にというのは刑事裁判ですが、こういう場合に一体どう対応するか。消費者行政としては、消費者のために、命を守るために一体何ができるか、そのことを非常に突貫作業ですが、1週間かけてとにかく知恵を出してくれということを頼みました。
 これは泉健太政務官をプロジェクトリーダーとして、こういう場合にはこうするということの方針を出して、きちんと対応していきたいというふうに考えています。よろしくお願いします。
 また、1週間をめどに皆さんに発表したいというふうに思っていますし、消費者庁として思いつきで物を言うというよりも、1週間きちんと練って、対応していきたいと考えています。
 次に、2点目は、独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針について、今日閣議決定をいたしました。これは、独立行政法人の役員人事に関して、公務員の天下りに対する国民の厳しい批判等をきちんと踏まえて、例えば、現在、公務員OB役員が就任しているポストについて後任者として新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には、公募により後任者の選考を行うということなどがあります。
 この基準に従って、私の所管するところでは、独立行政法人国民生活センター役員人事の国民生活センター理事の田口義明さんが、この基準からいって該当するというふうに考えています。それで、田口さんも含めて公明正大な公募により選考を行うというふうに考えています。
 このように閣議決定で役員人事に関しても基準が出ましたので、担当大臣としても、これに従って人事をきちんとやっていくと。ですから、公募をきちんとして決定をしていくよう国民生活センターに要請をするという形になります。
 3点目は、本日、消費者委員会の皆さんたちとこの後懇談をいたします。担当大臣として消費者委員会の活性化を含めて、よく議論をし、活性化するよう意見交換した上で、また方針を出していきたいと考えています。
 以上です。

2.質疑応答

(問)エコナの問題ですけれども、これは特保の取り消し等については、あくまでも食品安全委員会の後ということ、それは方針としては変わらないということですか。
(答)そのことも含めて検討してもらいます。
(問)エコナの問題は、消費者問題は、認定の当初から、もともと発がん促進物質と分子構造が端の端の炭素の結合が一つしかつながらないということで非常に危険だとずっと言ってきて、今回また新たな物質が見つかりましたよね。プロモーションが見つかってしまったので、取り消してくれということをずっと言い続けています。大臣の認識としては、厚生労働省の認可に問題があったとお考えでしょうか。
(答)実は、全部の書類を食品安全委員会から私はもらいまして、ちょっと検討しようというふうに思っております。私は、専門家ではありませんし、食品安全委員会は独立した機関ですから、もちろん政治的な圧力というのは一切かけることはできませんが、私自身もこの問題の初めからどういう議論があったのかということを含めて検討したいと考えています。基本的には、この食品SOS対応プロジェクトの中でもきちんと検証したいと考えています。
(問)関連で、消費者委員会に今まで厚生労働省が持っていた特保の許認可権限を持つ組織を、新たに下部組織として専門調査会としてつくり直すという検討が今行われているのですが、要するに、あそこに問題があったからこういうことが起きていると私は思っているのですが、その下部組織についてどういうものにしたいとか、具体的に検討が進んでいるとか、その点について教えてください。
(答)その点については検討してまいります。
(問)消費者庁の庁舎問題ですけれども、30日で契約を更新しないというのはこの間おっしゃいましたけれども、その後移転するのかどうかという検討状況はどうなっていますか。
(答)この点については、経済的負担の軽減という観点から基本的に移転はやむを得ないというふうに申し上げ、かつ、賃料の減額等についても大至急模索をするとしておりますので、今両方の方向で検討中です。できるだけ早く結論を出します。
(問)今、内閣府時代に内部の方だけで決めていた選考のやり方にちょっと問題があったのではないかと思っているんですけれども、例えば、外部の方、消費者庁以外の方も選考メンバーに入れるとか、どのような形で選んでいくのかというお考えはありますか。
(答)私の個人的な思いとすれば、山王パークタワーの問題に関しては、やはり2つ、官邸への距離が重視されて賃料が余り重視されなかったことと、それから消費者庁法が成立する前にもう選定しているという点が特に問題だと考えています。ですから、もし新たに移転をすることになれば、十分透明性、公平性を高めて検討したいと考えています。
(問)特に、例えば民間の方とか役人以外の方をメンバーに入れて新たに庁舎を選ぶとか、何か委員会を立ち上げるとか、そういった選考方法までは考えられていないんですか。
(答)そうですね。今は減額請求等も含めて交渉中ですので、改めてまた移転しかないということになれば、そこではきちんと立ち上げてやっていきたいと考えています。
(問)それと、もう1点だけ、長官人事ですけれども、鳩山総理とお話になったんでしょうか。
(答)これはまたきちんと協議をしたいと考えています。
(問)話し合ったんですか。
(答)きちんと協議をしているわけではありませんので、今後やりたいと考えています。
(問)その絡みで、昨日の段階では、まだ総理が帰って間もなく、これからのお話を聞く機会がなかったとお答えなさっているかと思うんですが、またその後、そのテーマで話し合う機会があったという印象を受けるんですけれども。
(答)いえ、ありません。
(問)消費者庁のことなんですが、庁舎移転の問題も人事の問題も自公政権が起こしたものに対する軌道修正という意味合いが大きいかと思うんですけれども、それとは別に、大臣の独自色を新たに盛り込む形で、今後どんな消費者庁をつくっていきたいとか、こういう政策を展開したいという具体的なものがあれば教えていただけますか。
(答)確かに、庁舎の問題やいろいろなことは前の自公政権のときの問題のはっきり軌道修正だというふうに考えています。だからこそ、もっと消費者のための、国民のための消費者庁をつくりたいと考えています。
 消費者委員会の活性化ということもありますが、今課題が幾つかあると思うんですね。消費者行政をどう活性化するか、情報の一元化、情報の解析をどうしていくのか、それから、被害者の救済、特に違法収益などをどう扱うか、また、こんにゃくゼリーなどが問題になりましたが、いわゆるすき間事案に関して、法律上はきちんと消費者庁が指示できるというふうになっておりますので、こういうところで消費者庁のよさというものを発揮できるというふうに考えています。
 これについては、調査委員会を立ち上げるか、立ち上げる場合どんな形にするのか、また、それは消費者庁に置くのか、それとも消費者委員会に置くのかは別としても、きちんと工程表の中で委員会を立ち上げて協議をし、例えば地方消費者行政の活性化について、きちんと提言を今の現状でまとめてやっていきたいというふうに考えています。
(問)関連で、間もなく消費者庁が立ち上がって1カ月になるんですけれども、大臣になられてもあるんですけれども、これまでごらんになられて感想と、もうちょっとこうすべきだったとかというのがあれば。
(答)率直な感想で言えば、9月1日に発足をするよう余りに前倒しをしたために、やはり準備不足のまま突入せざるを得なかったという面があるのではないでしょうか。これは、逆に、職員の皆さんには気の毒だというふうにも思っています。だからこそ、さっき軌道修正という言葉がありましたが、これは過去の軌道修正はもちろん必要なんですが、私の役割はもう未来に向かって元気な消費者庁、消費者委員会をつくることなので、先ほど言いました調査会などを立ち上げて、具体的に提言をし、きちんと動かしていくということをやっていきたいと思っています。
 その中で、情報の一元化や情報の解析などが特に消費者庁がつくるときに課題になったことですから、経産省にNITEがあったりいろいろありますが、そういうことも含めて、ある種、例えば期間を区切ってきちんと提言を出して、やはりこういう形で動かしていくという認識と、立ち上がって動かしていくことをとにかく精いっぱいやっていこうとしているところです。
(問)ちょうどエコナの発表も組閣のあった日に発表であって、なかなか大臣としても動きづらかったという部分もあったと思うんですけれども、その点について、今回初めてSOSプロジェクトを立ち上げられて、これだけ期間がかかっているんですけれども、もうちょっと早く動くべきだったとかそういうことがあれば。
(答)これはエコナの件だけでなくて、こういう問題が起きたときの消費者庁としての対応や広報のあり方や指導のあり方について、やはり従来の役所の考え方とは違って、一歩進んで消費者のために動こうという発信になればと考えています。
 これは、私自身が思いついて、その時点で急に言うよりも、やはりコンセンサスをつくって、こういうことについてはこういうふうにしていこうということをきちんと発表したいと考えています。食品安全委員会のことについても、きちんと活性化も含め検討していきたいと考えています。
(問)今日、閣議の中で予算の基本方針が決まりましたけれども、子ども手当に関する部分で何か大臣が発言されたりとかそういうことはあったんでしょうか。
(答)今日は平成22年度予算の概算要求を10月15日までにということなので、特にはありません。今週中、厚生労働大臣とは、子どもの問題や雇用の問題の話をしに行く予定ですし、法務大臣とは、男女平等、男女共同政策参画について話をしに行く予定です。その後また体制をつくってやっていきたいと考えています。
(問)エコナに関連して、不安が広がっているという言葉を大分使われましたけれども、大臣の認識として、これは不安を払拭するという話だというふうな認識なのか、それとも危険なものかもしれないということを前提にして対応をとられるのか、これどっちかによって相当違うと思うんですけれども、大臣の認識はどちらですか。
(答)不安と危険というのはそんなに違うものではないと思っていて、確かにいろいろな外国の文献とかあるんですが、私自身がこの段階で、このエコナについての価値判断を食品安全委員会がまだ結論を出していない段階では言えないんですね。ただ、私が思っているのは、食べ物は本当に毎日食べるもので、健康や命に直結をしているので、これはやはり本当に力を入れてきちんと対応し、皆さんへの広報も含めてしっかりこの間の経緯も含めてやるべきだし、最終的にはこの認可も含めて検証すべきだと考えています。
(問)特保の制度はもう御説明を受けていると思いますけれども、今の状況の中でも取り消しはでき得るというふうにお考えでしょうか。
(答)それは大至急検討いたします。
(問)ちょっと話題が変わりますけれども、夫婦別姓の法案を改正するという話になっております。大臣としてはそれを実践されてきたわけですけれども、それについてまずどのように思うかということと、内閣の一員として今後どのように進めていくべきだとお考えでしょうか。
(答)民法改正は、これは社民党のマニフェストでもあり、民主党のマニフェストでもあり、私自身も実践してきましたし、民法改正の当時野党としての議員立法を超党派で国会に提出してきました。ですから、臨時国会は期間が短いかもしれませんが、通常国会での提出を目指したいと考えています。成立も含めて目指したいと考えています。
(問)夫婦別姓自体についてはどのように、それを推進していくべきだと。
(答)私は、選択的夫婦別姓は、夫婦同姓の方でももちろん結構だし、別姓という選択肢も認めてほしいということなので、これは選択肢の拡大ということだというふうに思っております。これで家族のきずなが弱まるということではありませんし、ぜひ民法改正の提出と成立は男女共同参画担当大臣としても頑張っていきたいと考えています。
(問)消費者庁の建物、山王パークタワーなんですが、値下げの交渉をオーナーとしているということを聞いているんですが、あれは結局決裂して、明日は更新せず移転は決定ということですか。
(答)30日に契約更新をしないということで、結局来年の3月31日までは賃料を払っているわけです。ですから、職員の皆さんにも、いずれきちんと説明をしたいと思いますが、最低限3月31日までは山王パークタワーで働いていただくわけです。オーナーの方もずっと交渉というわけにはいかないでしょうから、別に決裂して何とかではなくて、9月30日以降も交渉の余地はあると思っています。
 つまり、9月30日に今から引越するというわけではないんです。契約を全部見ましたが、少なくとも賃料は3月31日までの契約になっていて、9月30日に契約更新をしないということは、来年3月31日以降についての契約更新はしてはならないということなんです。
(問)交渉をして下がったらまた契約をして4月からそのままいるという可能性はそのまま残しているということですか。
(答)そうです。あらゆる選択肢は残しております。
 よろしくお願いします。
 先ほど質問のあった子ども手当の件は、昨日の基本政策閣僚委員会でも子どもを大事にする内閣ということでぜひやってくれということを言いましたし、今日の閣僚懇談会の中でも、子どもを大事にするということが鳩山内閣の特色でしょうということは申し上げました。
 以上です。よろしくお願いします。

(以上)