原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年6月4日

(平成22年6月4日(金) 9:43~10:17  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議後の会見を行わせていただきます。
 先ほど、鳩山内閣総辞職ということで、職務執行上の大臣としては残ります。引き続き、危機管理、次の内閣が誕生するまで、しっかりと職務を遂行してまいります。まず、そのことを申し上げます。
 それから、代表選挙についてでありますが、昨日も様々な動きがございました。新しい民主党、特に民主党らしさ、あの夏で、政権交代の夏で託していただいた、その国民の皆さんの御期待を、しっかりと実現することができる、強い布陣をつくって、そして、強い総理のリーダーシップの下で、変革を成し遂げていきたいというふうに思います。今日、閣議の中で、総理から、一番目に地域主権改革、二番目に新しい公共、三番目に東アジアの安定、そして、地球温暖化対策。国民の生活が第一ということで、この内閣で成し遂げてきたこと、それから、これからもやっていってほしいこと、そのお話がございました。私も地域主権改革担当大臣として、まだ道半ばではございますが、しっかりと見届けていけるように、これからも、どのような立場になろうが、頑張ってまいりたいというふうに思います。また、8か月でこのような形になりましたことを、まず、国民の皆さんにお詫びを申し上げ、しかし、是非自信を持っていただきたい。私たちは変革の中途にあると。そして、ここで後戻りをさせることはできないということを申し上げておきたいと思います。次の総理でございますけれども、代表ですけれども、私は、この様々な改革をしっかりと成し遂げることができる、そういう人を選んでいきたいというふうに考えています。特に、郵政改革、地域主権改革、そして、私たちが今取り組んでいるICTの維新。こういったものをしっかりと、これまで以上に進めることができる。そして、税調の会長代行としても、税の新しいフレームを6月に出すようにしておりました。そこにも多くの同志の方々に携わっていただきましたけれども、このような財政赤字を次の世代に引き継ぐわけにはいきません。しっかりとした財政再建、そして、外交のルールでも勝てる、そういう強いリーダーシップを求めるものでございます。
 さて、この政権8か月の中間レポートということで、この内閣を去るに当たり、幾つか私の方からブリーフをしたいと思います。これはホームページに載せておりますので、簡単にお話をさせていただきますが、一つは、国民への情報発信。これを大きくオープン化し、そして変革をするということに携わってきました。記者会見のオープン化、ツイッター、ユーストリームの利用、新しいメディアの利用。消防庁にツイッターでの災害情報の提供を指示をいたしました。記者クラブの皆様には大変な中で、大変御協力をくださいました。あるいはこの間、8か国を回りましたけれども、大変短い中で御同行くださいました皆様に、そして、御協力くださいました皆様に、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。大変な日程の中で、厳しい予定を御一緒していただきました。新しいメディアの方の開放ということもございましたけれども、しかし、常時自分たちの仕事の中で、総務行政について発信をし続けてくださる方々がいらっしゃったればこそのことだというふうに考えております。政務三役会議のオープン化、これも行わせていただきました。
 総務省は横ぐしの機能を持っていますけれども、HAT-KAZシステムの見直し。一括交付金、これは地域主権戦略大綱の中にしっかりと盛り込むことになっています。天下りあっせんの禁止、独法の年収600万円以上の非人件費ポストの原則廃止、実態調査の実施。持参金型、人質型、創業型などの調査、これも6 月に出ることになっています。特別会計をゼロベースで見直し、必要不可欠なもの以外は廃止。年金運用の見直し、これはGPIFについては今、厚生労働省とやっている最中でございますが、結論を、次の内閣でも出してもらえるものと確信をしています。官製談合の廃止、行政評価。正に9割以上が、予定価格の 90%以上が、随意契約なんていうことになっていたのでは、私たちの税金は幾らあっても足りません。会計経理の適正化、これにも取組をさせていただきました。随意契約の抜本見直し、契約の競争性確保に関する緊急実態調査。実際に随意契約がなくなったと言いながらも、前政権時代は一者応札、こういう形になっています。これも洗い出すことができました。  
 三番目ですが、無駄遣いの徹底した排除、事業仕分けの実施、平成21年度第一次補正予算の執行見直し、2.9兆円の財源を確保いたしました。総務省における見直しは、48事業、1,200億円に上りました。また、予算の使い切りの見直し、予算執行監視チームを設置しました。正に国民の皆さんにお約束をした税金の無駄遣いを、ありとあらゆる点から徹底的に見直すのだということをやってまいりました。その結果、総務省における予算の使い切り見直し額は、約 1,000億円に上りました。
 総人件費改革、これも、出先機関を原則廃止すると言いながら、去年と同じ人数採用する。これはあり得ません。安全保障や、あるいは治安の部分、そういったところを除いて、5割の新規採用の減という、抑制を決めさせていただきました。平成22年度政府予算において、国家公務員の総人件費1,400億円削減ということになりました。給与の減額、大変申し訳ないことですけれども、月例給で0.22%、ボーナス0.35月ですね、そして、各種手当ての見直しということをやらせていただきました。
 それから、行政評価機能の抜本的強化ビジョンというものをつくらせていただきました。情報公開の徹底、政策評価に関する「情報公開に関するガイドライン」、新設をいたしました。各省業務の評価・監視ということをやらせていただきました。特に「機動調査チーム」の設置。そして、政務三役・有識者のオープンな議論を経て、調査チームを設定しました。行政相談の充実、全国の行政相談員の皆様、官か民ではないのです。民と官が、そして、公をどう維持するかということで御協力を下さった皆様にも、心から感謝を申し上げたいと思います。
 次は税制です。平成22年の税制改正。公平・透明・納得の3原則の下、扶養控除の見直し、「所得控除から手当」への考え方を推進しました。今日の総理のお言葉にもございましたけれども、新しい公共、市民公益税制の拡充といったことを行います。また、租税特別措置法の見直し。これは3兆円近い租特、隠れた補助金と言われましたけれども、これの抜本見直し。90項目中57項目を、これは地方の政策措置ですけれども、廃止・縮減ということを行いました。
 子ども、子育て・教育。そういったものをチルドレンファースト。子供たちに、子ども手当の支給がいよいよ始まりましたけれども、四大臣合意で実現したとおり、23年度以降は四大臣合意に沿った見直しが行われてくると思います。よくばらまきだというお話がございますが、子供をつくりたくても、あるいは子供を育てたくても育てられない。そういう方々が多くなれば、国家は滅んでしまいます。少子化、あるいは社会全体で子供たちを育むということで、子ども手当、公立高校の授業料無償化、高等学校就学支援金の創設ということをやらせていただきました。
 国民の「いのち」を守る施策、医療保険制度における保険料上昇の抑制、水俣病解決に向けた取組、消防と医療の連携強化、赤白連携ということに取り組ませていただきました。特に力を入れたのは、この消防の強化でありました。消防職員の団結権、様々な、多くの働く人たちの権限についての見直しも行ってまいりました。
 年金記録問題、今、あっせんが約半数以上に上ってきました。国民の立場に立って年金記録の訂正に関する公正な判断を示すことにより、国民の正当な権利を実現してまいります。処理の迅速化ということで、私たちは年金記録回復委員会における対策方策等を踏まえ、年金記録確認を加速化してまいりました。
 地域主権改革の推進、地方交付税の1.1兆円増、地域主権改革関連法案、これはまだ法案が残っています。あるいは直轄事業負担金制度の廃止、地方政府基本法の制定、出先機関の抜本的な改革、義務付け・枠付けの撤廃、そして、権限移譲。こういったことに取り組ませていただきました。
 緑の分権改革、そして、定住自立圏構想、新たな過疎対策といったことにも取り組ませていただきました。
 郵政事業の抜本見直し、これはあと参議院で審議をするだけになっています。次の内閣にも、是非これを成し遂げていただきたい。私たちは自由の領域を広げるための改革、国民の郵政事業における権利を保障するための改革を行っています。よくWTOうんぬんという話がありますが、今の法律はどうなっているかと。 10年後に無制限の会社を、株を全額売り払って、そして、それをもう1回買い戻すことができるという条項になっているわけです。どちらが市場に対して親和的なのか、公正なのか。これは、もう論を待たないと思います。「郵政株処分凍結法」を成立させ、郵政関連の法案をこの国会に提出をし、衆議院を通過させていただいているところです。
 ICT維新ビジョン2.0の推進。ICT推進ビジョン2.0というものを出させていただいて、様々なICTを基盤とした競争の基礎、あるいは発展の基礎というものを、土台をつくらせていただきました。
 地上完全デジタル化、地上デジタル放送の日本方式の海外展開。様々なことをやらせていただきました。
 8か月ということでございましたけれども、道半ばです。ここで去ることは断腸の思いです。しかし、私たちは引き続き、ここで提案をした変革を、どんな立場になろうが、前進させていきたいというふうに思います。
 あと2点、小さなことではなく、宝くじのことでございますけれども、事業仕分けを踏まえ、宝くじの改革をしっかりと進めるため、先週、地方六団体に要請をいたしましたけれども、これを早急に具体化するために、次のように対応することにいたしました。地方財政審議会の中に、これ神野先生が会長ですが、都道府県の政令市、市、町村の代表の方々からなる宝くじ問題検討会を設けて、当せん金率の向上、地方公共団体の収益金増加、普及・宣伝事業の在り方など、宝くじの諸課題の検討を進め、平成23年度宝くじ発売計画策定まで、これ11月ごろなのですが、結論を頂きたいと考えています。関係法人の役員報酬については、都道府県知事の通常の給与月額の最低水準、最低が86万8千円、最高が142万円と、平成21年度はそうなっていますが、それを参考に早急に引き下げてくださるよう、また指摘された事務所については経費の効率化を図るため移転を検討するよう、関係法人に対し要請するように、事務方に指示をしたところでございます。
 また、これで結びにいたしますが、口蹄疫の対応。これは本当に宮崎の皆様に、是非多くの国民の皆さんが支えてくださって、私からも御礼を申し上げたいと思いますが、宮崎県口蹄疫被害義援金が「ふるさと寄附金」に該当する旨を本日付けで地方公共団体に通知いたします。これにより、原則として5,000円を超える全額が、個人住民税と所得税から控除されることになります。既に多くの善意の御支援を頂いております。私からも、心からお礼を申し上げたいと思います。「ふるさと寄附金」の活用により、被害を受けられた畜産農家、あるいは宮崎県の皆様が、支援が広がることを期待するものでございます。そして、地方税の減免等による適切な措置、対応ということで、本日付けで、口蹄疫により被害を受けた納税者の方々に対する地方税の減免等の措置について、適切に取り扱われるよう宮崎県を通じて県内市町村へ通知するものでございます。詳細は、後で資料をお配りいたしますので、御覧を頂きたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)ありがとうございました。それでは、幹事社の方から質問させていただきます。繰り返しになりますが、今、正にこのタイミングでの首相交代、内閣総辞職についてどのように感じておられるか、改めてお聞きしたいのですが。
(答)首相を支えることができず、そして、国民の皆様からいただいた、その政権交代を通した熱い変革への思い、それを中途でこのような形で断念すると、鳩山内閣としては断念するということに至ったことを、まず、お詫びを申し上げたいと思います。しかし、ここでとどまっている余裕はどこにもありません。前の自民党政治に戻すなんていうことは、絶対にあってはならない。したがって、チームを一新し、変革をするためには自らが変わらなければいけません。私たちの中に古い体質がなかったのか、それとも、あるいは、この変革に向かうチームとしての様々な総括をする上で、欠けたところがなかったのか。それをしっかりと反省をして前進をしていきたいと、こう考えています。
(問)今日はこれから民主党の代表選挙と首相指名選挙が予定されております。またこれも繰り返しになると思いますが、大臣御本人、どのように対応されますか。それと、この8か月を踏まえまして、次の代表にはどのような方がふさわしいのかということを改めて。
(答)先ほど申し上げたとおりです。変革を前進させていく。民主党らしさ、それを取り戻すことができる民主党の代表。それを期待をいたします。したがって、これまでの変革をやってきた同じチーム、そして、一人一人の国民に対する対話の能力、そして、未来をつくる世界との対話の力、こういったものを重視をしていきたいというふうに思います。
 昨日、菅さんといろいろなお話をいたしました。私たちが積み残してきたこと、そして、何を今なすべきかということを、お話をしたところでございます。
(問)それは、ストレートに菅さんを支持するということですか。
(答)支持します。
(問)北海道新聞の中橋です。8か月間どうもありがとうございました。
(答)本当にお世話になりました。大変な取材、ありがとうございました。
(問)代表選の関係ですけれども、党内には、原口大臣を次期代表にと推す声も、随分根強くあったと思います。その中で、今回出馬をされなかった理由について教えてください。
(答)はい。私は、自分のミッションというものは何であるかということをわきまえています。今回戦う場でもないし、時でもないということは、一貫して申し上げてきたところです。私がまずやらなければいけないのは、この地域主権改革、そして、郵政改革、行政や税制の改革。これを着実に形にすることだというふうに思います。もし私が代表選に出て、違うところへ行ってしまうということになれば、それは、私が今やろうとしていること、あるいはやらなければいけないことにそごが生まれます。私以外に、先ほど申し上げた、ナンバー2は菅さんです。菅さんにも、鳩山さんを守れなかった、そういう責任はあると思います。私同様にあります。しかし、だからこそ、この政権が目指したことを最後まで成就させる、その責任も重いと思います。民主党自身を新たにする、市民が主役の民主党ということで、菅さんとは、長い間、私が23歳のときでした。朝の4時まで政権交代を。あのときは、彼は3人ぐらいの小さな党の党首でした。党首でもなかったかな。そこから育んできたものを成就させていきたい。後戻りさせないためには、これが最大の、最高の決断だというふうに考えています。
 そうやって、夜中までいろいろ言ってくださった方々には、本当に有り難いことです。全国の皆様には、私たちもチーム一丸となって頑張るということを申し上げたいと思います。
(問)TBSテレビの伊藤と言います。
(答)ありがとうございました。
(問)お疲れ様でした。今、民主党の中核をなしている方々というのは、細川政権の前後に初当選された方が非常に多くて、今回の新しい代表選びでも、その方々が活躍しているわけですが、恐らく、今の政権発足して、細川政権の蹉跌を繰り返してはならんという思いで、相当頑張ってきたかと思うのですけれども、結局やはり同じように、8か月ぐらいで挫折したというか、首相交代に追い込まれてしまったというか、その過去の経験、失敗を分かっていながら、同じ過ちを繰り返してしまった原因は何なのかということと、まだ政権は持っているわけで、次に向けて何をしなければならないのかということを。
(答)私は細川政権のときに逆の立場にいましたから、その答えを言う立場にありません。ただ、細川政権とのアナロジーで考えたことも1回もありません。逆に言うと、全然違う政治状況です。二大政党制がある大きな流れになり、そして、政権交代といったことを掲げて選挙をして、この政権は成り立っているわけです。細川連立政権のときは、必ずしもそうではありませんでした。自民党の、あれは解体過程の中の一つというふうに見ていいのではないでしょうか。ただ、その中で、私たちが、政治主導と言いながら政治主導を達成できなかったところはいくつかあります。その一つが内閣法です。つまり、所掌の権限はどうかすると、これは言葉を選ばなければいけませんけれども、この総務大臣の権限の方が総理大臣より、間違って大きく見えるときがあります。それはなぜかというと、各省の所掌というものがあって、総理大臣といえども、そこに対して強力なリーダーシップが、内閣を中心に振るえる状況になっているかと言えば、必ずしもそこは十分ではありません。私たちはインナーキャビネット、それは昔、私、次の内閣のインナーキャビネットの大臣をしていましたけれども、その形が今回とれているかというと、とれていないのですね。つまり、総理を支えるバックアップ機能、この機能のぜい弱さ、それは反省点だというふうに思います。次にそういうことにならないためには、やはり政治主導のための法律、そして、私だけで3月までに1,500回、国会で答弁をさせていただきました。国会で丁寧な御答弁をするのと同時に、世界に大臣が出て行ける。あるいは、様々な国民との、国会を通した対話をもっともっとできるようにする。そういう方策が、私たち自身の戦略として考えなければならないと思っています。
(問)テレビ朝日の秋山です。どうもお世話になりました。
(答)お世話になりました。
(問)大臣は、今は戦う場でも戦うときでもないとおっしゃっていますので、今回は鳩山さんが途中で辞められたので、どっちみち任期は9月までしかないということで、そうおっしゃっているのかもしれない。そうしますと、次の9月の代表選になると、今度は任期が2年になります。その際でしたらどういう判断を下されるのかということが一つ。ただ、先ほど大臣がおっしゃいましたけれども、郵政改革からまだほかに、いろいろな地域主権改革等々、大臣が持っておられるミッションがあります。それとの整合、9月にもし出るとしたら、今のミッションを道半ばでほかの人に譲らなければいけなくなるのですが、出るとそごが起きるのですが、どういう選択を今後とられるのか。ちょっと答えにくい質問かもしれないですが、申し訳ありません。
(答)戦うときでもなく、戦う、そういう立場にもないと申し上げたのは、私は少なくとも、菅さんはサポーターや党員投票で、今まで信を受けてきているわけです。今回、急な辞任ということで、そういう方々には投票の、正に北朝鮮情勢もこういう状況だし、口蹄疫もあり、一刻の遅滞もできないので今のような形になっていますが、私がもし今回出ているとしたら、だれからも選ばれない、いや、もちろん国会議員から選ばれますよ。国会で選ばれる。それでいいのかというのがまず第一です。
 それから、第2点目は、9月について、私は全く考えていません。というのは、総理がそんなに何回も代わっていいとは思っていないからです。もちろんそのときにならないと分からないけれども、それは何か地域主権改革や、あるいは今申し上げた郵政改革が、私たちがここで、今日も申し上げましたけれども、前に進める人を支えて、どんな立場であろうが前進していくというのが私のミッションだと思っていますので、今から新しい内閣ができようとするのに、それを2か月、3か月だなんていう気は全くありません。長く、本当は5年、10年、一人の総理がやれるような体制をとらないと、私は自分のミッション、この4、5年の私のミッションは、そういう強い国の基盤をつくることだというふうに考えて、自分がそのプレイヤーになることではないと思っています。
(問)朝日新聞の伊東です。8か月ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。
(問)大臣、鳩山政権においては、政策決定の一元化ということがうたわれながら、予算編成の過程とか、いろいろなところでしばしば、党側、特に小沢一郎さんの影響力が強いと。で、二重権力だという批判がありました。今回、鳩山総理は政治と金の問題で小沢さんに身を引いていただきたいと。菅さんも小沢さんと距離を置くような発言をされていますが、大臣としては、今日、今日明日というか、今度発足する新政権で、小沢さんとの距離感、どういうふうにそれは、それから、党との政策決定一元化の問題、どうあるべきと思いますか。
(答)外から見ると、そういう議論があるのかも分かりません。また、その議論も大事だと思います。ただ、私たちから思うと不思議なのは、同志のだれとどんな距離をとるかということがメルクマールになること自体が、やはり古い政治のしがらみを、逆に言うと、まだ引きずった見方ではないか。あるいは、引きずって見られているのではないかということは、しっかり反省をしなければいけないというふうに思っています。そこで、私は二重権力だということは、完全に思っていません。逆に、様々な決断の場面で、党でまとめたものを政権政党が政府に持ってくるというのは、それは当たり前のことですね。アメリカでも、院内総務やいろいろなところで政策ベクトルを合成するということをやっているわけです。その合成する作業が、豪腕だ、あるいはひどい言い方になると、独裁だという人もいますが、そんなものだったら民主党を最初からつくっていません。私たちは、オープンで、水平で、そして、みんなに開かれた政党。ですから、私は、例えば首長が、どなたが来られてもすべてオープンにしますということをやってきましたし、それが民主党らしさだというふうに思います。統治の中で、古くから政権におられる方々がガバナンスを利かすために、決断や決定を早くしなければいけないということで民主党の中に持ち込まれたものは大事にしますけれども、もともとはフルオープン。そして、みんなに開かれている、市民が中心、国民が中心というのが民主党だと考えています。
(問)政治と金の問題については、大臣、なかなか答えづらいということだと思うのですが。
(答)この大臣はね。だから、本当にですね。
(問)鳩山さんがああいう形で、小沢幹事長にも身を引いていただきたいと言ったことに、何か、今後クリーンな政党にしていきたいと総理が明言されたことで、新政権について、どういうふうにあるべきだと。
(答)全く総理がおっしゃるとおりだと思います。皆さんに、ただ、まだ総務大臣ですから、その分を超えたことは言えませんけれども、総務大臣は、政治資金あるいは公職選挙法、これを所管するので個別の案件については、決して言ってはならないと思っています。その上で、一般論としてですけれども、すべての政治資金をオープンにしてクリーンにするという、不断の努力が見えなければいけないと思っています。私はこの1月から、すべての収支をインターネットに、オープンにしました。1円からということでオープンにしました。私たち政治をつかさどる、政治に国民の皆さんが付託をしていただいた、その人間は、どんな後ろ指も指されてはならないというふうに思います。信あっての政治なので、後ろ指を指された時点で、私は、多くの信を失うきっかけになってしまう。だから、不断の努力も、それも国民の皆さんにオープンにすることで、協働することで、オープンにしていれば、それはホームページも間違えることがあります。だけど、正すことができるのです。それを私は、民主党の同志、あるいは政治家の同志にはこれからも求めていきたいし、自分にはより一層厳しい課題を課していきたいと思っています。
(問)読売新聞の中村と申します。お疲れ様でした。
(答)お疲れ様でした。
(問)ちょっと今の質問とかぶるのですが、両院議員総会で、鳩山首相がおっしゃったとおり、政治と金という問題が非常にクローズアップされて、政策そのものに目が行きづらくなったという側面があるかと思うのですけれども、そういう政治状況をつくった鳩山さんと、それから、その場で名指しをされた小沢さん。その二人の政治責任について、総務大臣としてもしコメントがいただければいただきたい。よろしくお願いします。
(答)個別の案件については言えないと言った後ですね、今の質問をされると、王手飛車みたいになってしまいますよね。だからその上で、これはあくまで個別の方ではなくて、一般論として言うと、私は、やはり、古い政治、ちょうど23歳のときに、この総務省(自治省)に来ました。総務省で政治資金収支報告書というのを見ました。政治家ってどんなお金の使い方しているのだろうと思ったのです。そのとき驚きました。ゼロ、ゼロ、ゼロなのですよ。何も書いてないのです。これって、正に形がいではないか。そのとき私は、個別の方の名前は言いませんけれども、政治資金収支報告書を見て驚きました。そこから、やはり政治を正さなければ日本は良くならないということを、強く感じたわけです。資金がオープンになるということは、公正さの、やはり基盤だと思うのですね。私は、リーダーたるものが自ら悪い金を右から左にやろうなんて思う人はいないと思います。もしお金儲けをするというのだったら、別の選択肢が十分にありますから。変なお金儲けをするという政治家がいないという前提の下で、それでもなおかつ、自分の目に届かないことがあってはならないと思うのです。政治資金で。そのことを他山の石として自分に戒めていきたいと。だからホームページで全部明らかにする。そうすると、これ何なのだということを国民の皆さんが判断できますよね。あのときは知らなかったなんていうことは、自分も言わなくて済むわけです。それを自分に課したいと思います。
(問)日刊工業新聞の三島と申します。8か月間ありがとうございました。
(答)ありがとうございました。
(問)若干話がずれるのですけれども、光の道構想についてなのですが、夏までに光の道戦略大綱というものをつくられて、来年度の国会には法案を、関連法案を提出したいというお話だったのですけど、そのスケジュール感に、NTTの再編も含めて結論を出したいとおっしゃっていたのですが。
(答)そうです。
(問)そのスケジュール感に影響が、今回の件はあるのでしょうか。それとも、前進をさせていきたいということだったので、この方針は崩されずに。
(答)今の大臣としては、それは絶対に前進をしたいと。ただ、それは次の大臣が決めることですね。ただ、私は国会議員を辞めるわけでも何でもないですから、一国会議員としてしっかりと、これができなければ、アメリカは、皆さん、2020年に1億人に今の光の道という、ブロードバンドなのですね、光ファィバだけではないのですけれども、1億人の人にアクセスを保障すると言っているのです。資源のない日本が、その5年前に100%のアダプションをやるということぐらい、それぐらいできなければ、この国は再生できないのです。で、Aという会社が得になるとか、Bという会社が得になるとか、NTTが損になるとか、ソフトバンクが損になるとか、KDDIが損になるとか、そんな話をしているのでは全然ないのだと。国民の皆さんに、今でもブロードバンドの環境、達成されていないところは幾らでもあるのですね。その方々に新たな、ちょうど今、電話が皆さんに普及して便利なように、安くて便利な環境を享受していただこうということを考えているわけですから。次になる大臣も是非、その方の判断ですけれども、引き継いでほしいというふうに思います。
 よろしいでしょうか。本当に長い間ありがとうございました。またよろしくお願いします。

(以上)