原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成22年4月23日

(平成22年4月23日(金) 8:46~9:09  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。私の方からは、2点でございます。閣僚懇談会において、昨日開催された「国と地方の協議」の概要について報告をしました。国と地方の協議の場については、現在、国会において、法案法制化ということでお願いをしておりますが、時機を逃さず、必要な協議をしていくこととして、開催をしたものでございます。地方六団体の各会長と、それから、冒頭、総理にごあいさつを頂きましたけれども、総理は、すべて地方六団体の方々の御意見に丁寧にお答えをするという、そういう会合でございました。総理ほか、関係閣僚、仙谷大臣、枝野大臣、官房長官、私。菅大臣が国外でございますので、副大臣が出ておりました。地方側からは、地域主権改革への積極的な取組に対する大きな評価を頂きました。国側からも、国と地方で共同して、この地域主権改革を進めていきたいということを申し上げました。
 特にその中で、地域活性化ということで、私の方から三つ申し上げました。一つは、光の道。ICT維新ビジョンにより、どこからでも、これは2015年までということを申し上げていますけれども、すべての人に、インフラとしての、光というのは象徴的な意味で申し上げていることは、何回も繰り返していますけれども、もちろん光ファイバだけを申し上げているわけではなくて、無線やそういったものも含めてですけれども、大容量・高速のインターネット、その恩恵を基に、今まではともすれば、ICTと言えばコストというふうに企業は考えておられたようですけれども、そういう、昔ながらの考え方のところもあったかも分かりませんけれども、これからは違う。ICTは成長の原点だ、源泉だということで、申し上げたところでございます。また、緑の分権改革。これは、第二次補正でつくらせていただきましたけれども、本予算の分も5月7日が締切りでございますので、積極的にエントリーをしていただいて、そして、地域の創富力、これを高めさせていただきたいということを、二番目に申し上げました。三番目が、世界に開く。枝野大臣とともに規制改革特区、あるいは様々な地域への重点的な投資、こういったものを踏まえて、世界との競争、そういったものに勝ち残れる、国を開く、地域を開くというお話をさせていただきました。このほか、中期財政フレーム。これはもう前回、私が会見で申し上げたとおりのことでございます。麻生知事会長と共同記者会見をさせていただきましたが、その内容。あるいは、子ども手当。これは、現金給付とサービス給付のバランスを考えてほしいと。例えば、ある市においては、後期高齢者医療制度、医療保険、それから、介護保険、これの負担金全部と子ども手当とが同じぐらいの額になる。あるいは、市民税と同じぐらいの額になるというようなこともあるので、そのバランスについて考えてほしいというお話がありました。また、地方議会の方からは、新たな議会制度について、協議を、積極的に形を示していきたい、共に形を示していきたいということで、私の方から、分科会のようなものをつくって、もっと頻繁に検討できるようにしたいというお話をしたところでございます。「地域主権改革」の推進のため、昨日いただいた御意見を踏まえつつ、今後の、本年夏をめどに策定を予定している「地域主権戦略大綱(仮称)」について、検討を加速していきたいと考えておりまして、各大臣に対して、政治主導による最大限の御協力をお願いしたところでございます。これが大きな1点目です。
 2点目は、今日、朝、四大臣会合を行いまして、新規採用についての基本的な考え方、退職管理基本方針の進め方について議論を行いました。地方支分部局を含めた地方の出先機関については、原則廃止ということをマニフェストでうたっていますが、5月の中旬をめどに、私たちは権限仕分けということをやっていきます。この厳しい財政状況の中で、一般の企業であれば新規採用はゼロ、凍結というようなこともあるわけでございますが、そのようなことについてどのように考えるのか。あるいは、希望退職制度。公務員がやる気を持って、しかも、厳しい状況の中で、活力ある組織にするためにはどのようにすればいいかということで、基本的な考え方をまとめました。以後、この考え方を各省と調整した上で、閣議決定まで持っていきたいというふうに考えているところでございます。概要については、まだ閣議決定の前なので、申し訳ありませんが、これ以上のことは、ここでとどめておきますが、私の方からは以上です。

2.質疑応答

(問)共同通信の藤田です。おはようございます。私からは、2点お伺いしたいと思います。一つは、政治とカネの問題についてです。総理の元秘書に、昨日、有罪判決が下されました。10億円単位の巨額な資金の流れについて、総理がこれからどう説明責任を果たしていくべきかと。これは原口さん、一政治家として御所見をお伺いしたいと思います。
(答)申し訳ありませんが、一政治家としての会見をやっているのではなくて、総務大臣としてですから、ましてや、司法の御判断でございます。個別の事案について、これまで総務省としては、具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。一般論として言えば、政治を透明化して、そして、疑念が持たれることのないようにする。その不断の努力、これが大事であるというふうに考えています。
(問)もう1点です。公務員制度改革に関してですが、民主党は今、マニフェストづくりの作業を進めておりますけれども、労働基本権を回復した際に、労使交渉の窓口となる公務員庁、仮称だと思うのですが、これを今、検討されているというふうに伝わっているのですけれども、これについて、どういうふうにお考えですか。
(答)労働基本権の見直しに際しては、内閣人事局その他の行政機関の所掌事務の在り方を見直して、権限と責任を有する体制を整備することが、今回の私たちの、国公法改正法案附則第9条第2項に盛り込まれています。そこでお尋ねですけれども、党で検討されている内容については、詳細に承知しておりません。ですから、コメントのしようがないということでございますが、今申し上げたように、国公法にも盛り込んでいるところでございまして、これは、党のうんぬんとは別に、労働基本権を含めた公務員制度の全般的、抜本的な改革を進めていく。その中で、人事院等の行政機関の事務の在り方、これは代償措置としての人事院勧告というものがあるわけですから、検討し、結果を出すべき課題であるというふうに考えています。
(問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。ちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほど地方六団体の話が出たのですが、枝野大臣が、地方六団体は典型的な天下り団体であるという指摘をされているのですけれども、それについての御所見をお伺いしたいということと、もう一つは、昨日、日本創新党が旗揚げされまして、総務省顧問の方々が、結構、参加するということで辞任しているのですけれども、それについて、総務省顧問も一時期、政治家の天下りではないかというやゆもあったのですが、そういうことでメンバーが大分減っているということもあって、そういう批判を受けて、もう一度刷新をするというか、もう一度リセットして見直すという考えもあるのかということも、一緒にお伺いできればと思います。
(答)1点目の、地方六団体が天下りでないかというのは、行政刷新会議で、枝野大臣というよりか、その中のメンバーから出たということを承知をしています。私も昨日、直接会議の場でそのような指摘が、行政刷新会議から地方六団体の、これは事務局長ですね。正しく言うと、6団体ですから6名ですね。6名のうち4名が総務省、2名がほかというふうに承知をしていますけれども、これはどのように判断をするか、こういう御意見が刷新会議で出ておりますという話をいたしました。ただ、専門性や、あるいは地方六団体というもの、多岐にわたるものをまとめるということで、単なる天下りというふうに見ていいのかどうか。それは、あっせんをしたわけでも何でもありませんし、私たちが新政権になってから、事務局長を変えているわけでもございません。私たちの団体ではないわけですね。正に独自の団体でありますから、ただ、政府の刷新会議の中で、このような意見が出ております。私としても注視をすべき課題だと考えておりますということを申し上げました。
 それから2点目は、総務省顧問ですけれども、地域主権を掲げるために現職の首長、あるいは首長経験者という形で、橋下知事や上田知事、あるいは今回新党を立ち上げられた山田杉並区長、それから、中田前市長、そういう方々にお願いをしてきたところでございます。これは、私は総務省顧問のつくり方としては、イギリスのように、要するに、しっかりとした大臣が政策を遂行する、そういう一つの塊をもって、そして、行政に当たるということは大事だと思っています。今までの顧問を見てみると、ほとんど役所のOBなのです。それこそ顧問と言いながら、政と官が緊張関係、あるいは協力関係、非常にあいまいなままに行われてきている。ですから、私たちがこれを新政権になって新たにしたということは、正しい方向だと思っています。その上で、そこにおられる方々は非常に活発で、もう8か月もたちましたから、また、そういうこと、そういうことと言うのは、要するに、活発な行動や活発な世論に対する問い掛け、あるいは変革への行動、こういったものを期待して総務省顧問になっていただいております。特に地域主権に関する顧問は、今までの工程表、あるいは基本的な考え方、こういったところに大変な、大きなお力添えを頂いたところでございます。新党についてはコメントする立場にありませんけれども、いずれにせよ、新党を立ち上げるというのは結構大変なことなので、一般論としてですが、頑張っていただきたいと思います。日本の国を良くするための競争をします。
(問)これも新党の話になってしまいますが、今日、舛添新党が立ち上がりますが、この新党をつくると言いながら、現在の改革クラブに舛添さんたちが参加をして、現在の渡辺秀央さんたちと立ち上げる。で、名称を新党改革に変えると。で、その新党づくりに反対をしている中村喜四郎さんは、昨日、離党届を出して、大江さんも、今日、離党届を出すと。何でそんな形をとるかというと、政党交付金がねらいだと言われていますけれども、こういう、新党と言いながら、現在ある党を乗っ取る形で立ち上げるわけですけれども、こういうやり方は許されるのかどうか、ちょっと私は疑問に感じるのですが、どうでしょうか。
(答)法的には、こういうことを否定する条項はございませんね。恐らく今の御質問は、政治的に、あるいは有権者から見てどのように考えるかという御質問だと思います。一般論ですけど、先ほど申し上げたように、新党というのは、政策、あるいは新党のみならず民主党もそうですけれども、理念というものを一致させて、そのための人材育成、あるいは実現に向けての行動といったことが基本になるというふうに思います。それが許されるか、許されないかは、正に選挙で、国民の皆さんがお問いになる問題であるというふうに考えています。
(問)今日初めて参加させていただく、フリーランスの上出と申します。沖縄密約の情報開示の判決、国は負けました。これに対して、控訴を昨日しております。残念ながら、私が読んでいる新聞はベタでしか書いていませんが、総務大臣も関係があると思いますので質問させてください。この問題はそもそも、民主党になったから、新政権になって風穴を開けたので、こういうようなものにつながったという一面もあると思います。本来、知る権利に対して、画期的で、歴史的な判決で、私も読んでいて、マスメディア、国民にとって大変な財産になる。これを民主党としても是非活用して、本当はいかなければならない。野党なら多分、野党の時代はそうしたと思います。それで、二つお聞きします。残念ながら、控訴をしてしまったということに対しては非常に残念なのですが、国民と違った方向を向いているのではないか。正に新政権が役割を果たすのは、こういうときにきちんとメッセージをすることだと思うのですが、残念ながら前向きなメッセージが聞こえてきません。岡田大臣にも質問しましたけれども、どうも外務官僚に取り込まれた、いわゆる、官主導を打破するという民主党の方向からいったら、あまりにも訴訟意識にこだわった、大所高所から見ていない、そういう対応だと思います。まず、それについて大臣はどう思われるかということと、閣議でこの問題はどういうふうにやり取りがあったのか、鳩山首相はどうこれについて考えているのか聞かせてください。
(答)1点目の司法対応、しかも、他省の司法対応について、私から答える立場にないというのが、総務大臣としての答えです。その上で、一般論として言えば、今、前段でおっしゃった、つまり、今まで言わしむべし、知らしむべからずというような形で、国民の知る権利が制約をされていた、あるいは阻害をされていた。こういったことについては、総務省としては、様々なオープン化、あるいは情報開示、それから、説明責任の徹底ということで、各省に要請をしている。これが一般論でございます。それから、閣議の内容は、これは言ってはならないことになっておりまして、それは勘弁を頂きたいと思います。その上で、これも一般論として申し上げると、薬害肝炎の問題も、命のリスト。これも、無いと言っていたわけです。私たちは長い間、有るはずだということで、C型、B型肝炎のみならず、薬害についての問題を、開示によって前進をさせてきました。その開示による前進ということは、いささかも揺るぎがあってはならない、このように考えています。
(問)NHKの山下です。よろしくお願いします。先日、ICTタスクフォースのヒアリングがありまして、光の道構想に向けての各事業者の意見の聴取が行われました。その中で大臣が、いくつかの事業者のヒアリングのときに、お聞きになっていたと思うのですけれども、お聞きになっての感想を率直に、今どうお思いですか。
(答)ICTタスクフォース、残念なことに、私はそのうちの二つしか出られませんでした。ただ、議事録を読む範囲において、各事業者の方々が非常に率直に、しかも、自らの企業の利害得失ということよりも、世界との様々な競争や、取りも直さず、競争のために世界とやるわけではなくて、国民が、豊かな、しかもアクセスの自由、あるいは未来への成長の土台、こういったものをつくるための御議論を積極的に行っていただいたというふうに感謝をしているところでございます。
(問)5月にタスクフォースの作業チームが一定の方向性を出して、それを基に、政務としても一定の方向性を出すということになると思いますけれども、その大きな材料にはなりましたでしょうか。
(答)そうですね。事業者ですから、大きな材料ですね。ただ、そこで私たちが中心としなければいけないのは、やはり、ユーザー、国民の立場だというふうに思いますし、もっと言うと、そういうものを使って様々なデジタルコンテンツ、皆さんもそうですけれども、情報を発信しておられる方々、情報を創造しておられる方々、そういう方々の御意見も積極的に伺っていきたいと考えています。あくまでそれは、回線であるとか、そういったアクセス網をお作りいただいている方々の御意見でございますので。しかし、非常にいい御議論を頂いているというふうに思っています。
(問)すみません、最後に。すべての事業者が一致した意見ではなかったと思います。いくつか対立するような意見もあったかと思うのですけれども、そういう意味では、大臣としては、すべての事業者のヒアリングを生でお聞きになった方が良かったという思いはないですか。
(答)おっしゃるとおりですよ。しかし、国会もございますから、私が孫悟空みたいに、髪の毛を三本抜いて三匹に分けられれば、それはできるのですけれども、時間の制約の中で、あとは議事録で読まざるを得なかった。それは、理想は全部に出たいし、生の、やはり、声のトーンで、字面だけで読んでいると分からないものもありますね。ですから、できるだけ画像を見るようにしているのです。
(問)共同通信の佐野です。退職管理基本方針の話なのですけれども、今、最終的な府省との調整中とのことですけれども、残された調整課題と、閣議決定の大体のめどと言いますか、どのくらいの時期になりそうかということを。
(答)これはできるだけ早くやりたいと思っています。四大臣の間で残された調整課題はありません。逆に、ドラスティックとも言えるものを出したいというふうに考えております。その中で、やはり、個別の省ごとの、それぞれの司々の仕事の事情というものもあると思いますので、丁寧に人事・恩給局、行政管理局には事情を聞きながら、とは言っても、21年度採用実績は9,112人なのです。そういう数になるということは、考えられないというふうに思います。
(問)時事通信の金友です。関連してなのですけれども、閣議決定される際は、退職管理の基本方針と来年度の新規採用人数を併せて発表されるという理解でよいのでしょうか。
(答)そうですね。退職管理基本方針並びに新規採用についての、幾つかの段階を追うというふうに考えられますけれども、まずは採用についての基本方針の案、それから、退職管理基本方針の案ということで、それぞれ議論をし、あるいは閣僚懇談会とかも行って、意見を聞かなければいけないと、採用の基本方針ですけれどね、その上での閣議決定というふうに考えております。
(問)よろしいでしょうか。
(答)それでは、ありがとうございました。

(以上)