原口内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年10月13日

(平成21年10月13日(火) 11:00~11:11  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。閣議後の会見をさせていただきます。
 今日の閣議後の閣僚懇談会で、私の方から幾つか発言させていただきました。
 まず1点は、様々な予算の立て方であります。今回、新型インフルエンザ対策予算、これは緊急ですから、特別交付税も含めて考えたわけですけれども、各大臣におかれてはですね、国が総事業費をこれだけやるから地域に負担をしなさいという予算の立て方ではなくて、国がここまでやるけれども、あとは地域で考えてくださいと。そういう地域主権の基本的な考え方に沿った予算の組み方をしてほしいということを申し上げました。
 またキャッシュフローマネージメントについて。私たちは様々な今、行政評価をしておりますが、特に年金については、1年間に9兆6千億円も運用損が出ると、これは一体どういうことなのかと。いくら税金があってもこれだけ大きな運用損があれば、それはいくら税金があっても足りない。そもそもの運用の仕方について見直すべきではないかと。予算というのはただ無駄を削るというだけではなくて、新たな富を生む、新たな価値を生み出していくと、こういう観点から必要ではないかという話をいたしました。
 また、閣僚の中から、今の経済の見通しについても様々な議論が出ました。地域経済についてもまだ目が離せない厳しい状況が続いています。そこで鳩山内閣としては、単に自民党政権でやってきたことをスクラップするというだけではなくて、かねてから私が申しあげているような緑の分権改革、地域に自由を、地域に自らの持久力を、自ら生産する食料やエネルギーに責任を持つ、そういう仕組みを作ることによって新たなものをビルドしていく、強いメッセージを出していきたいということを申し上げました。
 また、義務付け・枠付けについては、総理の御下命もありましたけれども、1円もお金をかけずにできることもたくさんあるわけでございまして、あとは旧来の、古い政治の中のくびきをどう解き放つかということが私たちに課せられている大きな課題でありますので、各大臣に直接御判断、御決断をお願いしたいということを申し上げたところでございます。これは財務大臣からも、「経済無くして財政無し」というお言葉がございまして、特に政治に対する信頼、高橋是清さんの言葉を借りて、政治に対する信頼があれば経済は、そのこと自体がお金の安心、あるいは生活の安心ということでプラスになるのではというお話もございました。
 結びになりますが、私の方から、今日、拉致問題対策本部が設置されました、閣議決定がなされたわけですけれども、拉致の問題、これは拉致被害者だけではなくてですね、中井大臣の方に、特定失踪者の問題についても、しっかりとこの新しい政権としてとらえてくださるようにというお願いを閣僚としてさせていただいたところであります。以上です。

2.質疑応答

(問)1点伺います。来年度予算の概算要求をやり直すということで、締切日が近づいてきていますけれども、総務省予算については、自公政権下で出されたものを具体的にどのように見直して幾らくらい削減したり組み替えたりする御予定かということをお願いします。
(答)方針は、もうたった一つです。マニフェストに掲げたものに沿って優先順位を付け直す。そして、その中でも特に内需主導、地域を再生する、あるいは様々な未来にひらくための予算を優先的に配分を、作成していくということで考えているわけであります。15日にその第1次の締切りができるわけですけれども、今日も財務大臣からお話がございましたけれども、やはり需給ギャップそのものを、膨大な需給ギャップが生まれていますから、それを財政出動のみで埋めるという考え方は、私は無理だと思います。膨大な財政赤字を更に作るだけですから。しかし、その中でも優先的な予算というものは、さっきのスクラップアンドビルドのビルドの予算ですね、しっかりと付けていきたいと考えておりまして、私も今、省内に指示をして、ゼロベースからの見直しということをお願いしているところでございます。
(問)すみません。それに関連してなのですけれども、概算要求で地方交付税の額も毎年夏に要求していると思うのですけれども、これは出し直すというお考えはあるのでしょうか。
(答)あります。ありますというか、今のような状況では地域経済、あるいは地域の公共サービス格差といったものを埋めることができないのではないかと考えておりまして、具体的な指示をしているところでございます。地方の税収の落ち込みも本当に厳しいところがありますので。そのことも勘案した概算要求ということを省内に指示をしているところであります。
(問)その関連なのですけれども、先日佐賀で記者会見された際に、大臣は交付税の法定率について来年度分から検討するように指示を出されたということなのですが、概算要求をし直す場合に、法定率の引上げの案も含めてということになるのでしょうか。
(答)ええ、幾つかの案を指示いたしました。法定率の引上げ、これは一定以上地方税が減れば、そこで自動的に発動するという法律もあります。地方財政を下支えするためにですね。それも含めて、いくつかのオプションを提示するようにということを指示して、1回目が先週出てきたところでございます。
(問)この間、佐賀でもお尋ねして、同じことで恐縮ですけれども、やはり交付税の入口ベースで国税5税の法定率を上げるということは画期的なことだと思うのですけれども、その出口ベースでですね、今回、自公政権が出していた15.88兆円を上回らないと、特に中山間地域や離島を抱えているような自治体は、今の政権に対する期待を失ってしまうと思うのですけれども、そこは出口はどのくらい出したいとお考えですか。
(答)鋭い質問で、法定率を上げるだけでも革命に等しい。何十年動いていないですかね。それと合わせ技で増額をしていくということは、かなりハードルの高いことではありますが、挑戦していきたいと思っていますし、現実に形にしたいと思っています。どれぐらいかということを今の段階で言う、いまオプションを5つくらい示して、どれが一番今おっしゃったような、もう何回も言いますが、藤井大臣が有り難いことにおっしゃってくださっている、小さければ小さいほど、財政力が弱ければ弱いほど厳しくなっているのだという、そこにですね、配慮するためにはどのオプションがいいかということを今、検討しているところです。
(問)三位一体であれだけ切られているわけですから、せめて16兆円を超えていかないと地方自治体側としては厳しいかなという気がするのですけれども、目標値としては16兆円を超えたいという思いはおありですか。
(答)その数を最初にいうと、この間の全国知事会議でもそうでしたね。額だけよこせという首長さんはもういらっしゃらないのですよね。額は少し減るかも分からない。だけれども、おっしゃるように厳しいからもっと生きたお金にしてくださいという前向きの提案を知事会でも何人かの知事さんがなさっていましたけれども、額をどうこうという段階はまだ早いだろうと思っています。しかし、気持ちは、おっしゃるところをそのような何兆円というところではなくてですよ、しっかりとここで一息ついてほしいという思いを持っています。
(問)通信・放送委員会のことで確認させていただきたいのですけれども、これから有識者会議をするということですが、現時点で大臣のお考えは、放送免許などの権限は、総務省に置いたままで、その外側につくると、そういうイメージでよろしいのでしょうか。
(答)それはもう、議論をしていただく結果によって当然制度設計も変わってくると思いますが、様々な許認可の権限を持っているところと、それとチェックをするところ、言論の自由を保障するとりでと、これは一体であるべきでないというのが私の考え方であります。片方で権限をそうやって持ちながら、片方で放送内容や様々問題について、圧力が有ったか、無かったかというのをチェックするというのは、これは権力の分散、あるいはチェックという観点からしても私は問題をはらんでいるのではないかという考え方を持っています。いずれにせよ、こういったこともすべて1年くらい言論人のかたがた、あるいは憲法学者のかたがた、あるいは国民の様々な消費者の代表、あるいは報道機関のかたがた、当事者のかたがたですね、入っていただいてもんでいただきたいと思っています。現時点で私の考え方はそれは分けるべきだろうと。だからFCCという発想を私たちは持ち出してきて、そして、アメリカのFCCをそのまま日本に入れる気は全くないです。あそこはもっと厳しい権限も持っていますから。私たちが考える言論のとりでとしてのもの、あるいは、新しい時代、新しい世界環境に放送・通信をどうフィットさせていくかと、そういう先を、ユートピアをつくれるような機関であればなというふうに考えています。
(問)終わります。どうもありがとうございました。
(答) ありがとうございました。

(以上)