大島副大臣記者会見要旨 平成22年2月25日

(平成22年2月25日(木) 16:09~16:34  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 それでは、記者会見を開催いたします。
 先ほど、羽藤審議官から聞かれたと思うのですけれども、本日、第1回の地方消費者行政推進本部を開催いたしました。お手元の資料の議事次第にあるとおり、本部では「地方消費者行政の充実・強化のためのプラン」の具体化に向け、政務三役は消費者庁長官自らが、地方六団体の会議等に積極的に出席し、地方公共団体の首長に消費者行政の充実・強化の取組を働きかけていくことを確認いたしました。
 また、本部の下には2つのワーキング・グループを設置して、重要な課題について集中的に検討を行うことにしています。具体的には、基金のワーキング・グループについては、これまで地方公共団体を始め、関係者、関係団体からいただいている基金のあり方についての要望全体についての検討を行うということ、もう1点が、制度ワーキング・グループについては、相談窓口の体制や相談員の処遇改善を図る際の制度的な課題の整理を行います。
 本部では、本部長の福島大臣より、基金をより使い勝手のよいものにするとともに、モデルケースを示したプラン、この消費者行政推進本部の設置の3セットで、「国も頑張る、地方にも頑張っていただきたい」という観点から、消費者庁としてもしっかり取り組むよう御指示をいただいております。
 基金が3年間で積み上げられておりますので、この3年間をまずはターゲットにいたしまして、これまでも福島大臣自らお会いした各首長の皆さんに、各地方消費者行政についての充実を積極的に働きかけていただいております。今回は、その地方消費者行政の推進本部を立ち上げて、その基金のあり方、各地方公共団体に基金の利用の仕方が任されているものですから、その点についてのフォローアップを行うこと、もう一つが、相談員の処遇の改善です。なかなか伺っていると、非常勤の職員の方は、この相談員の皆様のほかにも各職場にいらして、そことのバランスが図られなければいけないとか、個々の地方公共団体によっての御事情があるものですから、これからそれぞれのワーキング・チームで積極的に事情を伺いながら、次の政策に結びつけていきたいと考えております。
 一方、消費者庁ができて、これまでも例えばホットライン等で各都道府県や区市町村には、それぞれ消費者庁から働きかけたりもしているわけです。今回も、基金が積み上がったり、消費者庁ができることによって、各地方公共団体の中での消費者行政に対する優先度が前に比べれば上がってきているのかなとは思うのです。ですから、積極的に地方における消費者行政をその実施地方自治体の政策の優先課題の中でできるだけ注目していただきたいということを考えるという位置づけにしていきたいと考えております。以上が本日、地方消費者行政推進本部で決まったということでございまして、あとは皆さんから質問を受けて答えていきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)アメリカの議会のほうで、トヨタ問題、公聴会が始まりましたけれども、消費者庁では大臣が幹部を呼んで事情の説明を求めたりとか、あるいは今週から消費者委員会のほうで、これは委員会のほうでありますけれども、国交省のリコールの制度が一般の消費者にわかりづらいのではないかということで説明を求めたりとかという動きがありますが、副大臣の受けとめをお願いします。
(答)前原大臣もおっしゃっていたかと思うのですけれども、トヨタ自動車としては初動の対応が迅速ではなかったのかなとは思います。リコールのあり方についても、今、国交大臣がおっしゃるように、もっと分かりやすくというのは必要なことだと思います。やはり一般の消費者が、乗っている車の安全度について、できる限り広く分かりやすい情報を得ていくというのは必要なことだと考えております。
 これまでトヨタ自動車に対しては、消費者庁から要請してきておりまして、1点は、消費者の安全・安心の確保のために迅速な対応をお願いしたい、もう1点が、消費者の安全のために十分な説明を行っていただきたいという、この2点については、今後とも働きかけていきたいと考えております。
(問)答えられる範囲で構わないのですが、その分かりにくいとされる今のリコール制度なのですが、具体的にどこがどうというのがもしあれば。
(答)特に今回の事例だと、最初、フィーリングということで一時的に説明を受けたわけです。ブレーキの利きの感じ方だということで、トヨタ自動車から福島大臣が説明を受け、私もそれを聞いて、「そういうものなのかな」と理解をしたわけです。前のプリウスと今のプリウスが、ブレーキを踏んでから止まる距離が、フィーリングだから同じなのかなと理解しますよね。それが今回の場合には、前回ご説明したとおり70センチ長かったということですから、それはフィーリングの問題ではないなと思います。
 ですから、こういう問題に対して分かりやすく対応をとれるということが必要なのかなと思っております。最初からフィーリングではなくて、具体的な数値を挙げて説明していただければ、一番初動の対応が早くできたのかなという思いと、そのことによって消費者の安心感も確保できたのかなと考えております。
(問)消費者庁は、当然、いろいろな官庁の消費者行政について意見を言える立場、指導・監督するという立場だと思うのですけれども、今回、トヨタの説明がわかりづらかったということはあるのですが、結果的には国交省の対応がきちんとできていなかったのではないかという指摘も一部で出ているのですけれども、つまり、御存じのように国交省のほうは、そういう不具合があるような事象というのを去年の夏の段階で一応把握していて、トヨタとともにマークはしていたという説明が消費者委員会でなされたわけですが、場が消費者委員会で、この問題のいきさつとか、どこが問題だったのかということを検証するのではなくて、消費者庁として国交省の幹部なり担当から事情を聞くということはないですか。
(答)今のところは、今回、検証するとすれば、まずは消費者委員会に検証していただくことが必要かなとは考えております。消費者庁として検証するかどうかについてですが、このことも消費者委員会の検証に任すだけではなくて、消費者庁の中でも今回の国交省とのやりとりについて、私たちとしてさらにできることがなかったのかについては、もう一回検証する必要があるのかなと私は考えております。なぜかというと、今後、類似の事故は起こってはほしくないのですけれども、さまざまな消費者の製品安全に対応するためにも、個々の事例について消費者庁としてのノウハウ、対応のスキルアップというのが必要だと私は考えていますから、今回の一連の事例がまだ終わってはいないと思うのですけれども、まずは初動があって対応がありますから、これは消費者委員会で検討するとともに、消費者庁の中でも検討していきたいなと考えております。
(問)消費者委員会のほうなのですが、下部組織の立ち上げが12月に決まってから、まだなかなか、新開発食品のほうは開かれているのですが、ほかの公益通報者保護法とか、そういうものが全然開いていないのですけれども、その準備状況というのはどういうふうになっているのでしょうか。
(答)これは、消費者委員会の方ですね。ちょっと事務方から説明してください。

(山崎参事官)消費者委員会の事務局が来ていませんので、今のはちょっとお時間をいただいて呼びますので、そしてお答えさせていただくようにします。
(問)今日の政務三役会議での扱われたテーマと、それから内容について教えてください。
(答)扱われたテーマは、地方消費者行政推進本部の立ち上げについて、政務三役会の中で検討され、決議されたということで、他の点についてはございません。
(問)男女共同とか少子化とか自殺という内閣府の案件は、何も今日はないということですか。
(答)今日の議題の中では、少子化あるいは男女共同参画についてのテーマはございませんでした。
(問)アップル社のiTunes社の話なのですけれども、先週の副大臣会見の後、何か動きがあれば教えてください。
(羽藤審議官)今週に入りましてから今日に至るまでですけれども、iTunes社に対して、回答と回答時期を照会しました。先方からは、「現在、検討中である」という返答がありました。当方からは、「今週中に回答できるものはぜひ回答をお願いしたい」、そういうふうに申し入れております。
(問)そうすると、来週の副大臣会見のときには、回答が来た、来ないということがまず明らかになると同時に、それを踏まえてさらにどういう手を打つかということが、明らかにしていただけるということですか。
(答)前回、iTunes社に送っている項目について、私から見ても早急に答えられる項目と、多少検討を要する項目があるかなと思っていて、一般的に答えられる項目については、回答をよこしてほしいという気持ちは多分にあります。その件についても、今日の記者会見を踏まえ、消費者庁からiTunes社に対して、そういうコメントがあったということを連絡していただいて、来週までに回答がある、なしというのはもう一回見せていただいて、来週のこの時点で回答がないとすれば、次の手を考えなければいけないなと思います。
(問)それと、1つ要望なのですけれども、重大製品事故の収集・公表制度が消費者庁に移ってから間もなく半年になるのですけれども、その間、火曜、金曜と公表してきてはいるのですが、時々、リコールの発表のタイミングと事故の公表がずれることがあるのです。
 というのは、通常は火曜、金曜の公表のときに、特記事項の中に「事故があったからリコールします」ということが書いてあるのですけれども、ごくたまに木曜日に経産省がリコールを公表して、その引き金となった事故を金曜日に消費者庁が公表するということがありまして、事故とリコールは表裏一体の関係ではあると思うので、ぜひ、仮に木曜日に経産省がリコールを発表するときにも、できれば消費者庁と経産省の連名にしていただきたい、同時に発表するようにしてもらいたいと思うのですが、いかがですか。
(答)これは多分、大丈夫だと思うのだけれども、検討させてください。

(羽藤審議官)具体的に最近のケースなどをチェックいたしまして、どういうことができるかということを、今、副大臣から御指示がありましたので、内部で早速検討いたしたいと思います。
(問)今日、警察庁のほうで、食の安全にかかわる摘発数が、昨年1年間で統計をとり始めてから過去最多だったと。また、特商法違反の摘発も、統計をとり始めて以来、過去最多だったというような発表があったのですけれども、昨年9月に消費者庁が発足し、間もなく半年ですが、こういったデータを踏まえて、改めてこの評価と、消費者庁としてどのように、多分、警察が摘発に力を入れているという側面もあるかと思うのですが、その反面、多分、潜在的な被害が増えているということも考えられるのではないかと。
(答)1つが食の安全。
(問)食の安全です。産地偽装とか、そのようなもの。
(答)はい。もう1点が?
(問)それから、悪質リフォームとかの特商法違反の摘発、いずれも過去最多に上っていると。被害が増えているという実態もあるのではないかということが推測できると思うのですが、消費者庁としてはどのように受けとめて、どのように対応されていくかということをお聞かせ願いたいのですが。
(答)この間、特商法の関連で、全国の地方経済産業局の局長の皆さんに、先々週ですか、皆さんここに集まっていただいて、特商法に関しては、第1回の会合を持たせていただきました。そのときに、各経済産業局のそれぞれの取組についてヒアリングをしております。やはり経済産業局の中で立入検査はノウハウが必要で、そのノウハウは徐々に経験を踏まえて蓄えられてきていると局長の皆さんも言っておりまして、例えば警察のOBの方にお願いしたりすると、その立入調査が非常にうまくいくという事例も報告されました。これから消費者庁としては、特商法も扱っておりますから、経済産業局に対しても、この間が第1回目の会合でしたので、時々、会合を持たせていただいて、まずは特商法の違反事例については、やはり地域によっても特色がありますので、横の連絡を密にしながら、消費者庁としても十分に摘発、あるいは消費者保護に向けて取り組んでいきたいなと考えております。
 あと、食品についても、表示の問題等々ありますので、警察による摘発が多いということは、よく仕事をしていただいていると思いますので、私たちとしても、従来どおり取り組んでいければと思いますけれども、補足があったらお願いします。

(消費者庁長官)今、記者の方がおっしゃったように、事案が増えているのかどうかは、ちょっと我々も調べたいと思いますけれども、消費者庁ができて以降、警察庁長官が、数度にわたって県警本部長の会議等で、「消費者事案についての対応を強化するように」という指導をされたということは、私も警察庁長官から直接お伺いしております。摘発件数が増えているというのは、そういう成果の一つかなと受けとめております。
 それで、消費者庁の対応でございますが、1つは、特に特商法につきましては、今、副大臣から紹介があった経済産業局長会議、その場で経済産業局長からも、「各都道府県警の本部長に協力を要請したいので、消費者庁もそこのところをつないでほしい」というようなことがございましたから、警察庁に今、「そういうことでいくのでよろしく」というような申し入れをする準備をいたしております。そういう形でやっていきたいと思います。
 それから、これも今、副大臣からございましたように、経験が何より大事だと私も聞いておりまして、都道府県の担当職員を執行部隊で研修するというようなことを、今、検討して、我々としても調査の体制を強化するということに取り組んでいるところでございます。

(消費者委員会事務局 野崎参事官)消費者委員会事務局です。先ほど、下部組織の立ち上げ状況について御質問がありまして、まさに今、下部組織の一つを開催していたものですから、失礼しました。
 消費者委員会が9月に発足する前の準備の段階で、参与会というのをやっておりまして、そのときに、消費者委員会が発足した際、下部組織をどのような形態にし、そこでどのような内容を議論するか検討しましたが、結局、本委員会が立ち上がってから議論しようということになり、9月1日に消費者委員会が発足した時点では下部組織の設置を決めてございませんでした。その後、幾つか下部組織で議論するべき議題も出てまいりまして、かつ、それを部会という形でやるべきか、部会のような形ではなくて、専門調査会という形でやるべきか、ということも御議論いただきました上で、随時、設置を進めているところでございます。具体的に申し上げますと、部会といたしましては新開発食品調査部会、特保の審査をする部会と、もう一つ、食品表示部会という2つを設置することが決まっております。
 新開発食品調査部会につきましては、昨年12月25日に第1回の会合を開催いたしまして、その下で第一調査会、第二調査会を設置しまして、本日、第二調査会を今まさに開催しているところでございます。また、こちらも日程を公表しておりますけれども、3月1日に第一調査会を開催する予定でございます。
 それから、専門調査会につきましては、消費者安全専門調査会、個人情報保護専門調査会、公益通報者保護専門調査会、あと、地方消費者行政専門調査会の専門調査会の設置を決めておりまして、現在、人選を含めて準備を進めているところでございます。まだ日程は決まっておりませんが、3月には幾つかの下部組織の立ち上げもしたいと思っております。また御案内いたしますのでよろしくお願いします。

(以上)