大島副大臣記者会見要旨 平成22年2月18日

(平成22年2月18日(木) 15:26~16:07  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 先週、消費者ホットラインの実施状況について質問がございました。資料をまとめてありますので、後で皆さんにお渡しできるかと思います。大体、1日700件ぐらい相談が来ております。それから、まだホットラインにかけたときに直接つながらないケース、光回線やそれぞれの会社がまたがっているとつながらなかったところもあったかと思います。これについて、総務省を通じて相談させていただいて、3月末までにはある程度、改善するようにしていきたいと考えております。どのくらいが改善になるかは、今のところまだ詰めている段階ですので、具体的な数字は今後、また分かった時点で御報告させていただければと考えております。
 もう1件、アップル社のiTunes株式会社については皆さんに報道していただいてありがとうございました。昨日、iTunes社と面談を行い、その際、「こういう点について疑問だ」という質問を投げかけるとともに、それをホームページ上でアップしております。今後の対応として、クレジットカード業界に対して、見覚えのない音楽情報サイトの利用料金請求事案発生状況の全容を把握するために、社団法人日本クレジット協会に対して、調査への協力を依頼するよう事務方にも指示してありますので、1つには、私たちのところにiTunes社や音楽サイトの不正請求についての相談がありますので、注意喚起させていただくとともに、クレジット会社に対しても現状どうなっているのかについて調査への協力を依頼させていただくところでございます。
 あとは、皆さんの質問を受けながら答えていきたいと考えております。

2.質疑応答

(問)今のiTunes Storeの件なのですけれども、昨日、レクチャーがありまして、とにかく照会の依頼をしたということで、その照会事項について、いわば公開質問状という形でされるのはよいことだと思うのですけれども、せっかく既に経産省と総務省に対して、観点はちょっと違いますけれども、問い合わせをしている中で、何も引き出そうとしなかったというところが、つまり、情報、どんな被害が何件ぐらい起きているのかとか、そういったことを昨日の場で直接問い合わせをされなかったということに対して、ちょっと遅いというか、動きが鈍いのではないかというふうに思ったのですが、これは各社みんなそういうことで、何でせっかく呼んでいるのにいろいろ聞かなかったのかというふうに問いただしたわけですが、その点はいかがですか。原因究明とかも含めてです。ここに照会するすべてに対して、昨日の時点で向こうが答えられるとも思えませんし、無理だとは思うのですけれども、やはりせっかく任意とはいえ担当を呼んで、消費者が大変不安に思っているという中で、どれだけの被害があって、どういうふうに原因究明をしているのか、あるいは消費者に対して注意喚起をホームページ等で訴えていく気持ちはないのかとか、ここに書かれているようなことなのですけれども、これは相当細かく聞いていて、それはそれで各社も評価しているのですが、せっかく昨日の場で聞かなかったのかというところです。
(答)今回は、各質問事項について出させていただいていて、できるだけ早くiTunes社から回答をもらうという対応を考えております。

(羽藤審議官)昨日、面談した場でも、それぞれについての回答は求めてはおります。先方から「直ちにこの場では答えられない」という趣旨もございましたし、そういう意味では私どもとしても、ここに書いているものについてできる限り速やかに回答を引き出したいという気持ちで面談を行ったということでございます。直接、正式に消費者庁が、しかも消費者庁のこの建物に呼んで、関係事業者と話をし、重大な関心を持っているということを正式に伝えるということで、私どもとしても一つの意思を示したものであると思っております。
(問)照会する理由についてきちんと説明して、相手に「これこれこういう理由できちんと答えてくれ」と言うのは、まず大事なことだと思います。
 今、ちょっと気になったのは、昨日の担当のレクチャーでは、照会というか、全然質問はしていないということだったのです。つまり、この内容については紙でお渡ししたのであって、実際、聞いてはいないという説明だったのですけれども、それはちょっと説明が違っているのですけれども。
(羽藤審議官)どのような表現を担当から申し上げたかということについて、ここで私がテープを起こすだけのものを持ち合わせていないので大変申しわけございませんけれども、確認いたしましたことは、iTunes株式会社サイドに対して、背景について触れながら、具体的にどのような把握をしておるのかなどの質問項目に沿って先方に問いを発しております。
(問)いや、それをまさに我々は、各社が担当に問い合わせをしたのですけれども、「しなかった」というふうに繰り返し言っていたので、そこはちょっと羽藤さんへの報告と違っているのかなということと、もう一つ、「迅速に回答してくれ」というふうに求めていますが、期限を区切っていないのですよね。その「迅速」を、向こうはどうとらえるかということなのですけれども、そうなると、ああいう外資系でいつまでたっても誠意のある回答は出てこないということもあり得ますし、現に経産省、総務省に対する正式な回答についても、今日は確認しておりませんけれども、ちゃんと答えがまだ来ていないというふうにも聞いていますし、その辺、なぜこの期限、いつまでにというのを区切られなかったかというのもありますけれども。
(答)まず、今回初めてiTunes社に消費者庁へ来てもらったというのが1点で、そこについて期限を設けるよりもまずは迅速な対応をお願い、期待させていただくというふうにさせていただいております。今回のようなことも今までなかったことでして、私の指示でまずはiTunes社に来ていただいて、かつ、質問内容についても、日本の消費者を考え、どういう点に皆さんが疑問を持っているかについて考え、消費者庁としてiTunes社に聞くというふうにさせていただいています。今回、質問の内容について公開したのも私の判断ですが、まずはそれが必要だと思ったわけです。私たち消費者庁が関心を持っている事項を、細かいかもしれないけれども個々に公開したほうがよいという判断をいたしました。今回、初めてのケースなものですから、期限を入れるかどうかは、対応を見ながら考えていきたいと考えています。
 前回のマクラーレン社に対するレターも私の指示ですが、やはり日本の消費者のことを考えて、マクラーレン社本社へレターを出すことが、1つは先方の対応を促すことになるのかなと考えました。やはり私たちは、我が国の消費者の皆さんを守るという立場ですから、今回も相手方の対応は、メーカーと情報産業ですから違うかもしれませんが、その不安については知らせる必要があるという思いで公開させていただいていますので、期限を設けるのはiTunes社の反応を見ながら考えていきたいと思っております。
(問)それはわかりました。
 例えば、照会事項の中で5番目にあるのですけれども、これは消費者の不安あるいは不満が一番高まっている原因というのは、直接の被害者はもちろんですけれども、そうではない人にしても、電子メールでしか問い合わせができないことで……
(答)そうだよね、そのとおり。
(問)ええ、その回答も非常に遅かったり、通り一遍の回答しかなくて、双方向にならないわけです。
(答)おっしゃるとおり。
(問)ですから、きちっとそういう不安、不満を解消するための相談窓口をつくるべきだ、ぐらいは確約させるなり、もう少し強い対応が必要だったのではないかと思うのですけれども。
(答)私も同じ考え方を持っていて、最近の問い合わせは電話番号がなくて、ネット、つまり電子メールでの問い合わせが非常に増えていると思うのです。ネットでの問い合わせは、それはそれで対応としてはよいかもしれないのですけれども、今言ったとおり、電話で問い合わせてその場で答えていただくというのも、一つのサービスかなとは思うのです。その点について、法的に規制できるかどうかの観点はあるとしても、電話で迅速に対応をとっていただくことも、このiTunes社にかかわらず必要だという問題意識は持っておりまして、これは今後の一つの検討課題かなと考えております。
 私もそうですけれども、なかなかメールで打ってすぐには回答が来ないし、おそらくいくつかのパターンの中から選ばれた回答が来ると思うのです。電話だとその場で本人確認があって、この間も私はあるプロバイダへ電話して、ちゃんと電話でよい対応をしていただきました。そうすると、その場で大体のことが解決してしまう。ですから、そういう顧客サービスも今後、必要だなと思います。私たちが消費者ホットラインという形で日本全国どこでも消費者の相談を受けられるように、やはりサービスを提供する企業の皆様もそういう対応をしていただくということが、今後は求められてくるのかなと考えております。それは私たちとしての一つの検討課題で、どうなるかはまだ分かりませんが、問題意識としては全く同じように持っております。
(問)先ほどにちょっと戻るのですけれども、担当の方なり、消費者情報課長を通じてかわかりませんけれども、アップル社側にいろいろ照会はしたのだけれども、誠意ある対応というか、きちんと回答はなかったという羽藤審議官のご説明がありましたが、ちょっとそこは我々に対する説明と随分違うものですから、きちんと確認していただきたいと思います。
(答)わかりました。
(問)昨日の説明と食い違う部分もあるので、もう昨日のことはよいのですけれども、1点だけ、昨日の説明をもとに確認しておきたいのですけれども、昨日の説明では、最初は音楽情報サイトについてということで、iTunes社の名前は出さずに注意啓発の情報をホームページに載せた。昨日は、iTunesを呼びましたということで、質問内容を載せた。その上で、注意啓発情報として、iTunesの名前が出ていないままなのですけれども、「消費者庁としてiTunesの被害者、この被害というのは問題で、かつ、消費者に向けて注意を促すべき情報なのかどうなのか認識を確認したい」というふうに言ったところ、「問題があるのかどうなのかを確かめるためにも情報照会をしています」という回答だったのですが、消費者庁としては、今回、架空請求という意味ではかなりの数が出ているようなのですが、この被害についてどういう認識でおられるのかを確認しておきたいのですが。
(羽藤審議官)そもそも最初の注意喚起を行ったことは、iTunes株式会社のみに限定された問題ではないという認識がありますので、まずそういう意味で広く一般の消費者の方々に、こういった音楽情報サイト、そしてクレジットなどを通じた決済についてのトラブルあるいは苦情というものに関して、これまで寄せられた情報に鑑みまして、広く注意喚起を促したというのがまず1つでございます。
 その上で、特に昨日、これからの対応を促していくためにも必要な情報収集の一つとして、その中の大手であるiTunes株式会社に対する照会を行うこととしたということでありまして、この点につきましては、やはり皆様方の関心も高く、消費者の方々にその情報提供することが適切であると判断いたしましたので、昨日、iTunes株式会社に対する申入書について公表したということであります。
 今後でございますけれども、こういった照会につきましては、先ほども副大臣からご指示がございますように、関連事業者としてのクレジット産業界に対する情報収集ということも進めてまいりますし、また、必要に応じまして、この音楽情報サイト運営事業者の他の事業者に対しましても情報収集を行うということも、必要であると認識しております。
(問)ただ、少なくとも「iTunes社に被害が出ていますよ、問題ですよ」という認識がなければ、要するに、iTunesに責任があるかどうかなどというのは関係なく、問題としてきちんと「そういうものが出ていますよ」という認識がなければ、iTunesに被害者に向けての説明なりなんなりを要請する根拠にすらならないという気がするのですが。
(羽藤審議官)今の御質問の趣旨を、あるいは私は誤解しているかもしれませんけれども、問題は、消費者の方々が非常に不安に感じておられるという事象があるということでありまして、実際にその法的な責任というものがどこに帰属しているのかということについては、やや慎重な検証もまた必要であろうし、消費者庁がそのことについて、技術的な面も含めてチェックができるかどうかという点については、現時点ではそれだけの材料を持ち合わせておりませんので、したがって、関係事業者の措置を促す、あるいは必要に応じて関係省庁の対応も促すために、まず情報収集が必要であるという認識でございます。
(問)今回、副大臣が指示を出されるということで、質問の内容もちゃんと把握されていると思うのですけれども、「迅速に」というのは、副大臣の感覚の中でどれぐらいを指しているのでしょうか。
(答)なかなか定量的に1週間、2週間、3週間、1カ月と決められないところが、この「迅速に」という表現でして、1カ月だと多分「迅速に」ということにはならないかと思います。できるだけ早く、常識の範囲内で誠意ある回答をしてほしいと思います。これはiTunes社が悪いとかよいという問題ではなくて、日本の消費者として不安に思っていることについて、私たちが代表しているわけではないのだけれども、私たちもこういう不安があるということを想定して伺って、もう一方ではクレジット会社で同じように把握されているかどうかというところも対応しているので、この問題は本当に迅速に処理して、解決していきたいという気持ちがあるわけです。どのくらいと言われれば、できるだけ早くとかは信用がないので、1カ月は迅速ではないと思うという答えにさせていただきます。

(消費者庁長官)この後の具体的な対応ですけれども、我々が考えているのは、昨日あれを出しました。それで、御覧いただいてお気づきだと思いますけれども、あの中には技術的な点検の必要なものもあるし、恐らく米国の本社に問い合わせないとわからないものもあるし、等々、いろいろありますので、週が明けたら我々としては、次のステップは「これについてはどのぐらいで答えられるのか」という確認をするのかなと思っています。
(問)さっき、他社からもありましたけれども、要するに昨日のレクの間というのは、非常に我々報道陣というのはもどかしさでいっぱいだったのです。今回の件について、担当者の方がレクをしてくださったのですが、非常に印象は手ぬるい。
 なぜかというと、アップル社から昨日は1人で、iTunes社から2人来ましたと。「どのような肩書の方が来ましたか」という質問に対して、「公表してほしくないと言われたから公表しません」というようなやりとりがありました。我々からしてみると、彼らがどの程度真剣にこの問題をとらえているかという尺度として、例えばかなり日本法人の責任あるような方がいらしていると、これは向こうも真剣に考えていると思いますし、単なる平社員が来ているのでしたら、それは消費者庁が軽く見られているという判断もできます。ですから、個人名ではなくて、「どのような肩書の方、どのような役職の方が来たのですか」と尋ねたのですが、「それは相手が言うなと言うから言えません」という回答でした。これは、非常に手ぬるいというか、判断の是非が問われると思います。
 それから、昨日の取材ノートを振り返ってみても、やはり担当者の方は「注意喚起を申し入れていません」と。それから、「まだ入り口には入っていません」ということで、「事情を聞いていません」ということを言っていますので、我々からしてみると、事前にこんな照会事項というのはファクスなりで送っておいて、昨日は来ているのですから、照会事項に対する回答を少しぐらいはもらうべきではないのか、それが普通ではないかと思いましたので、ただ単に照会の紙を渡して終わりですかと、それでがっかりしたというのがあります。
 それと、これは私の意見ですが、なぜ今回、照会事項の紙を渡すときに「iTunes社」としたのか。つまり、利用者は、アップルの音楽情報配信サイト「iTunes」というふうに認識しているはずなのです。iTunes社のサービスとは思っていないのです。アップル社のサイトなのです、あそこは。なぜ「アップル」という名前を入れなかったのか、その判断を教えてください。
(川辺消費者情報課長)なぜiTunes社か、これはiTunes社がこのiTunesのサービスを提供しているからでございます。確かに、一般の方はアップル社のサービスと考えているでしょうが、公式な文書として出す以上、サービスを提供しているところをあて名とさせていただきました。
(問)そうしたら、iTunes社とアップル社の関係を教えてください。
(川辺消費者情報課長)iTunes社は、米国アップル社の100%子会社でございます。

(答)私はもともとマッキントッシュを使っておりまして、1987年から使っているから、もう23年ぐらい使っているのかな。マッキントッシュを製造しているアップル社は、パーソナルコンピュータの黎明期をつくった会社であって、私はこのブランドが非常に好きなので、今でも、使っているパーソナルコンピュータはマッキントッシュです。ですから、残念だなという思いがありますよね。やはりアップル社はパソコンの黎明期をつくった会社で、このiTunesにしても、音楽配信サイトとしては、スティーブ・ジョブズがつくった、本当に今、ワールドワイドで非常にアクセス件数の多いサービスでもあり、今はiPhoneという新しいマーケットにも進出されているような会社ですから、こういう消費者の問題についても的確に答えてほしいという思いはあります。これはアップルコンピュータ、あるいはiTunes社が悪いとかよいという問題ではなくて、やはり日本の私たちが疑問に思っている点については誠意を持って答えてほしいという思いが非常に強いわけです。ですから、今回は先方に来ていただいて、照会事項としては質問事項をお渡しして、先ほど長官がおっしゃったとおり、これについては、今後フォローしていくことになります。
 ただ、私が言いたいのは、アップルコンピュータというのは、私としては極めてよいブランドイメージを持っているものですから、そのブランドイメージを維持されるような対応をとっていただければありがたいと思っております。
(問)副大臣のお気持ちは、よくわかりました。
 さっき私も申し上げましたが、やはりアップル社並びにiTunes社がどのくらいこの問題を真剣に考えているかの尺度になるのが、どのような方が来たのかということだと思いますので、肩書だけでも、今、この場で明らかにしていただけませんでしょうか。
(羽藤審議官)これは、ポリシープランニングの担当幹部ということであります。ポリシープランニング、政策を企画するということです。
(問)アップルとiTunes社、2社のほうから来ていると思うのですけれども、アップル社はどういう方で、iTunes社はどういう方なのですか。
(羽藤審議官)アップル社において、政策の企画を担当している幹部、それからiTunes株式会社については、マーケティングを担当している幹部ということであります。
(問)両者とも、幹部という理解でよろしいわけですか。
(羽藤審議官)通常、職制上の「長」というふうに名がつくものは、恐らく「幹部」というふうに言えると思います。
(問)iTunes社、あるいはアップル社から来た回答については、直ちに公表するという考えでよろしいのでしょうか。
(答)(羽藤審議官)基本的に、中身を精査いたしまして、そして可能な限りの公表ということについてはかねてから、副大臣から御指示をいただいておりますので、そういう線で対応いたしたいというふうに考えております。
 ただ、その過程においては、当事者の意向ということも一方でありますので、その点についての法的な根拠なども、我々はよく先方に説明して、その必要性というものを訴えていくことも併せて必要であると思っております。
(問)照会事項の中に、注意喚起についてどのように考えているかという注意喚起に関する文言が全くないのですが、これはどのような判断でしょうか。
(羽藤審議官)具体的な対応策、そして、あるいは我々にとっての具体的な措置、我々がこれから行おうとする措置、それは次の段階であると思っておりますので、まずこの原因の究明、あるいは実態の把握等々についての回答を、迅速に誠実に求めたいということで、このような質問状を発したということであります。
(問)いや、要するに、利用者は必ずiTunesのトップページに行くわけです。そこに注意喚起の文言があれば、全然認識が違うと思うのです。また個別の企業の名前を出してはいけませんけれども、例えばヤフーのトップページを開いてください。そうすると、「フィッシングに気をつけましょう」とか、必ず注意喚起があるのです。楽天であれ、そうなのです。それは、被害が起きていれば、注意喚起するのは当たり前なのです。
 約100件も判明しているのに、その運営者が注意喚起を全くしていない中で、今できることは、利用者にいち早い注意喚起だと思うのです。消費者庁がやっていることはわかります。でも、事業者にもやらせるべきではないのですか。
(答)消費者庁でもトップページに、フィッシングなどの注意喚起は行っていますから、おっしゃるとおり、原因が特定できるかどうかはともかく、企業として、いったん「しっかりと入力してください」と書くか、あるいはその注意喚起をするということは必要だと思います。
(問)それで、なぜ昨日の照会事項に「注意喚起」という文言を入れていないのか。原因はともかくとして、現に被害はあるわけですから、そこがぬるいと思っているのです。
 ですから、再照会とか、できないものかと。格好悪いかもしれませんけれども。
(消費者庁長官)いろいろなやり方が、きっとあるのだろうと思うのです。それで、おっしゃるように注意喚起がとても大事だと、我々も思っています。
 それで、そもそも昨日の、副大臣から指示を受けた我々の行動の意味合いは、消費者庁という日本の政府の機関がこの問題に重大な関心を持っているということを正式に文書で伝えること、これは彼らに対してインパクトのある行為だと思ったことと、それを公表する。そして、幸い報道機関も報道してくださいました。これも、大変大きな注意喚起だと思っております。
 それで、先ほど副大臣が、「初めてのことだ」と言っていただきましたけれども、我々もこの問題は、初めてアメリカの企業を相手にやることでありますので、内部で法的にも随分慎重に、質問内容も含めて検討いたしました。そういう経験を積んでいる中での一つのステップとして、我々はこれが、先ほど申し上げたように非常に大きな国民への注意喚起にもなるし、それから相手方への喚起にもなるということでやった。ステップを踏んでいきたいと思います。
 そして、先ほど申し上げたように、期限を切っておりません。これは、いろいろなレベルがあるからなわけですけれども、まず週明けにでも、そういう行動をとりたい。そして、その相手の出方を待って、例えばその注意喚起も、おっしゃったようにiTunesに言っていくのか、アップルに言っていくのか、これももしかしたら回答によって違うかもしれない。それから、言い方も変わってくるのかもしれないのと、そういうステップを今回は踏んでいきたい。これも経験だと思っております。
(答)皆さんの記事を全部見せていただいて、非常に大きな注意喚起になっているかとは思うのですけれども、今の御指摘も、iTunes社だけに限らず、各社ともに必要だと思います。
(問)一言だけ。
 照会事項を、今回、消費者庁のホームページ、トップで公表したということ自体は大変評価していますので、今後もこういった取組を、ぜひやっていただきたい。
(問)関連で申しわけないのですけれども、昨日の質問の中でも感じられたのですが、アップル社の対応について問うているということは、アップル社の対応について、いかがなものかと思っていらっしゃるところがあるのではないかと思って、それは多分、他の記者もそうだと思うのですけれども、報道に対してもそうですし、一番は消費者とか被害者に対してどういう対応をとっているかということを、ある程度お聞きになっていて、その問題意識の中での質問だと思うのですけれども、それについての副大臣の見解というのを教えていただきたい。アップル社の対応に関する、先ほど「残念だ」とおっしゃった見解をもう少し詳しく教えていただきたいのと、これに関して海外での事例がどうかということを、ほかの国の関係機関に問い合わせることがあるのかどうか。具体的に言うと、もう海外でもこれが起きているはずなのですけれども。
(答)今は国内のことが手いっぱいなものですから、申し訳ないですが、海外に関しての問い合わせについては、今のところは想定していません。国内のクレジット会社にこれから照会させていただいて、それをしっかりと精査していきたいと考えております。
 今回、iTunes社に来ていただいたのは、できるだけ分かりやすく説明していただけるとありがたいなという思いがあって、こちらに来ていただいて、この照会事項は多分、皆さんが御関心を持っている内容だと思うので、この照会事項について答えていただくということが、iTunes社にとっても企業のイメージをより高めることにつながってくるかと私は考えております。
(問)「残念だ」とおっしゃったところというのは、対応がしっかりできていないというお話をお聞きになっているからではないかと思うのですけれども。
(答)最初に記事を書いていただいてから、1カ月以上経っているのでしたか。
(問)約1カ月です。3週間ぐらい前です。
(答)3週間ぐらい前でしたか。ですから、やはりある程度の対応が出てきてもよい時期かなと思いますし、できるだけ早く回答していただくことが必要だと思っております。
(問)どうして海外のことをお聞きしたかというと、海外でもやはりこういう問題が起きていて、ただ、僕も本人にまだ聞いたわけではないので、調べている最中ですけれども、アップル社はそういうものに対して何も対応していない、要するに、事実を把握もしていないという言い方をしていて、クレームに対して全く答えていないのです。このままきっと消費者庁が動かなかったら、黙殺しようと思っていたのではないかと思うのですけれども、そういう意味で対応はどうなのかというのを問うのは、重要なのではないかと思うのですけれども。
(答)まず昨日、消費者庁に来ていただいて、先ほど審議官がおっしゃったとおり、それなりのステータスの方に来ていただいたとは思うのです。ですから、長官がおっしゃったとおり、来週からの対応ぶりについてはできるだけよい対応をしていただければ非常にありがたいと思います。
(問)話が変わりますが、本日昼に政務三役会議がありましたけれども、消費者庁案件と内閣府案件で、それぞれどのような話が行われたのか教えていただけますか。
(答)今日の政務三役会で、議論としては決まったことはございません。今、国民生活センターの理事長の公募を行っておりますので、できるだけよい方に来ていただければという確認がありました。
 もう一つは、今、消費者基本計画をつくっているので、福島大臣から基本計画について、やはり具体的に書いてよりよいものにしていきたいということが話されております。
(問)今、ちょっと思い出したのですけれども、アップル社に取材したときに、iTunes社という形でiTunes社の運営を別会社にしているのは、日本だけだと聞いています。ですから、海外の人が日本語を読めたとして、仮に消費者庁のページを見ても、「iTunes社って何だろう?」となってしまいますので、やはり「アップル社」という言葉は是非とも必要だと思いますので、今後、よろしくお願いします。
(羽藤審議官)現行の日本で行われているサービス規約を読み、そこでは特商法に基づく表示としての販売会社は、「iTunes株式会社」となっており、メールアドレスは、おっしゃるように「itunes@apple.co.jp」となっているということなので、そのことがアップル社との関係ということだと思います。
 いずれにしましても、回答を踏まえながら、必要なことを、先ほど長官も申しましたとおり、進めていくことを考えております。

(以上)