大島副大臣記者会見要旨 平成21年10月15日

(平成21年10月15日(木) 13:37~13:59  於:消費者庁4階記者会見室)

1.発言要旨

 前回、消費者安全法の重大製品事故の定義について、治療が30日以上とあるが、短縮したほうがいいのではないかという御質問をいただいております。
 調べたところ、消費者安全法における重大事故等の範囲は、消費生活用製品安全法の重大製品事故の定義と同じで、身体の障害が残った場合のほか、治療に要する日数を30日以上であるとしております。
 これは、御指摘があったとおり、犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律とか、道路交通法との整合性から設定されております。
 現状なんですけれども、消費者安全法における重大事故等の範囲については、関連する制度との整合性等を踏まえつつ、消費者安全法の附則に基づき、消費者被害の発生または拡大の状況、その他経済社会情勢等を勘案し、3年以内、平成24年だったかと記憶しているんですが、3年以内に検討を加えるということになっております。
 ですから、消費者安全法の施行状況を踏まえて、適切に対応してほしいということなんですけれども、確かに、ここは今後の消費者庁の中での検討にゆだねられると思います。関係者も非常に多いと思いますので、この関係者等の意見を踏まえながら、この24年までにはどうするかということの回答は出したいとは思っております。
 ただ、これは自分の経験からすると、鉄工会社で製鉄所で安全管理をしていたときがあって、そのときは多分4日以上の休業というんですか、4日以上会社に来れないと重大災害だということでいつも認識しておりましたので、これについてはどういうものが重大事故であるかということについては積極的に議論を積み重ねていきたいと考えております。
 今のでよろしいですか。(「結構です。ありがとうございました。」)ということです。
 ほかにございますでしょうか。

2.質疑応答

(問)今日の三役会議の内容を。
(答)すみません。三役会議の内容については、今日はこの子ども・子育てビジョンの検討ワーキングチームについての1回目の会合についての報告が行われております。あと、今後の子ども・子育て支援策への意見募集ということで、明日10月16日から今後の子ども・子育て支援策への意見募集を始めます。これについての意見交換が行われました。
 あともう一点が、皆さん御関心かと思うんですけれども、札幌の、これは古書店ですから、古本屋さんで発生した本棚の事故について、どのように対策をとるべきかという議論がされました。
 現状では、13日午後3時に札幌市東区の書店において本棚3台が倒れて、本当にかわいそうなんですけれども、小学生の女の子が重体になったなり、そして、お姉さんですか、14歳の方が頭に軽いけがを負って、従業員の方も軽症を負ったという報告は受けておりまして、今、消費者庁として、これは北海道警になるのかな、事情をよく聞いているところでございます。
 これが消費者事故になるかどうかの判断があるかと思います。それについて、今、消費者庁としては、消費者の安全確保の観点から情報を集めて、適切な対応がなされるように、まずは情報収集を早急に今進めているところでございます。
 以上です。
(問)北海道札幌での事故なんですけれども、今先ほど情報収集を進めているというところでの主体として北海道警というようなお話があった思うんですが、おっしゃられたと思うんですけれども、行政庁からも聞くという、特定行政庁からも聞くということはないですかね。
(答)これはちょっと事務方から。

(消費者庁長官)実際的には警察庁を通じて聞いております。

(答)警察庁を通じてですね。すみません。
(問)先ほどおっしゃられたように、消費者事故になるのかどうかというのは、多分情報を見てからの判断になってくると思うんですけれども、本棚の設置みたいなものが安全基準みたいなものがあるのかないのかということもあったりすると思うんですが、いわば隙間事案みたいなところだとは思うんですが、そこのところをどのように判断されて、どう取り組みたいとお考えですか。
(答)この被害の拡大のおそれがあるかどうかというのが多分ポイントになってくるかなと考えております。ですから、今回の事案について、本棚を、私が聞いているのは、通常、本棚として使われること、何か段を重ねているやに聞いておりますので、そういう通常想定されている使われ方と違った使われ方をしているかどうか。本棚固有、個々本棚の問題として被害拡大のおそれがあるかどうかというのがポイントかなと思っていまして、これは今早急に、警察庁になるのかな、関係の役所を通じて早急に今事案についての報告を受け、対応をとっていきたいと考えております。
(問)関連なんですが、私の方でちょっと取材してみたら、関連する法律があるかどうか、消費者庁さんと国土交通省さんと経済産業省さんに聞いたんですけれども、どうもなさそうなんですよね。どこも自分のところではないような感じのことを言っていて、それで、これは被害の拡大があるかどうかというのがポイントだとおっしゃっていましたが、実際に設置基準等はないようなんですが、改めて何かそういう方向で御検討なさるかもしれないということなんでしょうか。
(答)今のことについては持ち帰らせてください。非常にいい御指摘だと思いますので、持ち帰らせていただいて、早急に検討させてください。ありがとうございます。
 事実を。

(消費者庁長官)今、副大臣の方で情報収集しているというふうに申し上げましたが、そのとおりであります。
 今、我々が関心を持って聞きたいと思っているのは、1点は被害の拡大防止の可能性があるのかどうか。つまり、副大臣がおっしゃったように、そこの置き方とかとめ方とかにたまたま問題があるのかどうか、被害の拡大の可能性があるかどうかを把握したいと思っております、早急に。
 それから、その次の問題としては、消費者事故に当たるのかどうかと。これは、この件がというよりも、もしこういうものが当たるのであれば、同種のものを報告をしてもらう必要がありますので、被害拡大の次のポイントとしてそこがあるだろうと。
 その次に、結局、使い方に戻るんですけれども、何か制度で規制しなきゃいけないものだったのか、あるいはたまたまのものなのかと。規制しないといけないとすると、規制する制度があるのか、なければ隙間事案なのか、こういったことを把握するために情報収集しているということでございます。

(答)ちょっと引き取らせてください。非常にいい御指摘だと思います。
(問)それに関連してなんですが、例えば全国の実態調査のようなものをどこだかの省庁なり自治体に求めるようなことは考えられますか。
(答)それはまだ、今のところはちょっと答えられないので、それもちょっと私の方で検討させてください。ありがとうございます。
(問)10月7日に公表された消費者安全法の重大事故についてお尋ねしたいんですけれども、10月7日に発表した中に、食中毒情報として6件、毒キノコによる食中毒が含まれております。それが14日の時点ですべてホームページから削除されています。
 これは例えば、お店とか飲食店の営業停止3日とかが明けて、そのお店を再開した後で、お店への影響を考えてホームページから削除するというのはまだ、その是非ももちろん議論の余地があるんですけれども、毒キノコで食中毒が6件ありましたと10月7日に公表して、14日の時点ですべて削除したことの理由について教えてください。
(答)これについては、すみません、まだ承知してないものですから、早急に調べますけれども、後で答えさせてください。ありがとうございます。
 事務方から答えていいかしら。ちょっと答えて。

(消費者庁長官)私も確認しないとわかりませんので。

(答)ちょっと確認しないとわからないね、これは。
(問)それをホームページから削除するということを職員だけの判断で簡単にできるようだと困ると思うんです。消費者への注意喚起も1週間で消すようでは注意喚起にもなりませんし、何のためにアップしているのかもわけわかりませんし、つまり、世の中的には、今ホームページを見た人は毒キノコの食中毒6件、もうすべて世の中からなくなっちゃっているんですよ。そういうことを簡単にやるようでは困るということを申し上げておきます。
(答)ありがとうございます。おっしゃられるとおりだと思っておりまして、毒キノコの食中毒は6件あるという記事を見ると、気をつけたほうがいいと自分は普通に思うわけです。ですから、それをアップしたか、取り下げたかについて、報告をしっかりして、どうしてアップして、どうして取り下げたかについて周知徹底するように消費者庁の中を改めたいと思いますので、御指摘いただいて感謝いたします。
(問)ちょうど長官もいらっしゃるので確認をしたいんですけれども、今日、長官の方に個別取材ということでアポイントメントを入れさせていただいたんですけれども、そうすると、大臣の了承がないとできないというふうに秘書の方がお答えになられたと。平野官房長官が当初、官僚による記者会見は原則禁止だというふうに言った後も、その後は緩和されて、個別取材については別に問題ないというふうに認識していたのですが、他省庁でもこのようなことはないので、そこを拡大解釈されると困るので、個別取材には応じていただきたいのですが。
(答)わかりました。事実をちょっと確認させてください。早急に今確認します。そしてまたお答えさせてください。ありがとうございます。
(問)予算の関係なんですが、補正予算の見直しに関連して、先日、福島大臣が青少年の雇用確保に関する調査費用については、まだちょっとこれから検討の余地がある、削除する可能性があるというふうにおっしゃっていたんですが、それについてどのような判断をされたのかというのをお願いします。
(答)今回の補正に関するもので、補正に関して前回、行政刷新の方から何点か打ち返しがあって、それについては約3,000万の予算だったと思うんだけど、行政刷新委員会の意見に従ったということは承知はしているんだけれども、その件だったらそういうふうにいたしました。
 以上です。
(問)それからもう1点、概算要求については今日が締め切りになっていると思いますが、福島大臣のところで所管されている部分が今どういった進捗状況にあって、報告は既に終わられたのかですとか、それからどういった点に努力をされたのかといったことについてお願いします。
(答)概算についてはもう出しております。ただ、この概算についての記者会見については明日、福島大臣、官房長官から記者会見があり、その後、私の方からも記者会見がありますので、そのときに答えさせてください。
(問)先日、近畿経産局の方で特商法違反の行政処分があったんですけれども、これが一応消費者発足後の1号事案というふうなアピールはあったんですが、現時点で、9月1日の発足から約45日たちますけれども、本庁の特商法事案の摘発ですとか、景表法の摘発が依然ありません、発表が。公取とか経産省の以前の移管前のときと比べてもペースが極端に落ちていると思うんですけれども、こうした現状をどう認識されているのか。もしくは背景に何か事情があるのか、お考えをお聞かせください。もし御回答いただけなければ、長官等からの現状説明を求めたいと思います。
(答)これはちょっと事実の認識だと思うので、その背景は承知をしておりませんので、その背景に特殊な事情があるとは思っていないんですけれども、長官のほうからつけ加える点があったらお願いします。

(消費者庁長官)副大臣が申し上げたとおりだと思います。個別の事案が今どういう状況かということは当然今お答えできるわけではありませんけれども、消費者庁になったから、何か背景があって摘発がある期間ないということはないと思っております。
(問)事案が摘発できていないという現状についてのお考えはいかがでしょうか。
(答)その事案について、職員の皆さんはこれまでどおり取り組んでいただいていると思います。今、摘発されていないという認識があるとすれば、これはちょっと消費者庁に確認して、現状がどうなっているのかもう一度自分として調べてみたいと考えております。
(問)先ほど、長官にアポイントを記者の方がとられたらというところで、調査するとおっしゃいましたけれども……
(答)すぐ回答する。
(問)そうじゃなくて、回答だけじゃなくて、改善を約束していただきたいんです。
(答)わかりました。できるだけオープンに皆さんの取材に応じたいと自分は思っていて、要はそういうふうにしていきたいなと考えております。
(問)それから、さっきの質問に関連してなんですけれども、消費者安全法の公表の世界のことなんですけれども、9月に始まって、何気なく食中毒の方については、営業停止処分の期間経過とか衛生状況の改善等を勘案して、ホームページの内容が変更または削除されることがありますと注意書きがあるんですけれども、こういった運用について、本当にこの運用でいいのかどうかという議論が例えば消費者委員会のほうからもお墨つきを得ているのかとか、本当にこれでいいのかという、ちょっとどういうふうにこういうふうなやり方が決まったのか、そこが知りたいと思っています。
 つまり、消費者にとって、あの店で食中毒を起こして3日間の営業停止があったというのは、一つの店選びの材料になるわけであって、地元の自治体は地元の企業が大事なんで、3日間とか7日間の営業停止明けにホームページを削除するのはわかるんですけれども、国には国の、消費者庁には消費者庁なりの考え方があっていいと思うわけです。別に自治体と共同歩調でホームページから削除する必要はないと思います。ですから、本当にこのやり方がいいのかどうか、改めて考えていただきたいと思っております。
(答)わかりました。それは検討させてください、私のほうで。
 以上でよろしいですか。
(問)補正の見直しで確認なんですが、先ほどの青少年の雇用調査の件で、あれは2,600万円だったと思うんですけれども、それは削るということでよろしいですか。
(答)削るということです。はい。
(問)トータルで、基金を削るんですよね。
(答)基金を削ります。
(問)総額どれぐらい、福島大臣所管の4事業の中でトータルでそうすると幾ら削ることになるんでしょうか。
(答)補正についてはまだ、後でまとめて御報告します。すべてが決定してからではなかなか言えないところもあったり、──言えないというわけじゃないんだけれども、ちょっと手持ちの資料がないものですから、後で回答させてください。
(問)先ほど概算要求の件について、もう要求としては提出をされて、その後、明日会見をなさるというようなお話でしたけれども、今ちょっといろいろ漏れ伝わってくるところ仄聞いたしますと、内閣の方針としては昨年よりも減らすようにという方針で出ていると思うんですが、中にはそれを上回っている省庁もあるやにちょっと聞いているんですけれども、どうでしょう、今の段階でなかなか出せる方向がというか、今のところ所管されている部分としてはふえているのか、減っているのかという、そこら辺の水準感というのはどのような形でしょうか。
(答)なかなか答えにくい質問だと思っております。ただ、福島大臣もおっしゃっているとおり、そして、今後の消費者行政のあり方を考えれば、それには私たちとしては思いを込めたいなと思っております。という予算の内容かなということなんです。それ以上多いとか少ないとかいう議論は、今この場ではなかなか、申しわけないんだけれども、できないです。
 どうもありがとうございます。

(以上)