林 芳正 内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月16日

(平成21年9月16日(水) 9:28~9:37  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の臨時閣議で、麻生内閣が総辞職をいたしました。
 日本経済が大変厳しい状況にある中で、若年雇用対策、それから国家と市場の関係の議論等をやらせていただきました。短い期間でありましたけれども、それなりの成果を出すことができたのではないかというふうには考えております。
 今、経済が政策効果で持ち直しの動きが見られるという状態だと思いますけれども、これは繰り返し申し上げてきたことですが、予断が許せない状況であるというふうに思っております。
 私は今日で辞めることになりますが、この経済財政部局の皆様には、経済・雇用動向を十分に注意を払っていただいて、底割れを防ぐというのはもちろんですが、将来を見据えながら、日本の経済の中長期的な成長戦略というのを推進していただきますことを期待をしているところでございます。記者の皆様方にも短い間ですけれども、大変お世話になりました。ありがとうございました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)今日の午後以降なんですけれども、経済財政運営は誰にどういった形で引き継ぐのかというのは決まっておりますか。
(答)今の段階では決まっておりません。
(問)先ほど成果のことについてお話があったんですけれども、特に一番の成果と、また逆にやり残したこと、もっとこれをやればよかったとかというところがあったら教えてください。
(答)私が来る前に「骨太の方針」というのが、これは党で大分議論に参加させていただきましたけれども、決まっておりましたので、基本的には「骨太の方針」に従って経済の運営をしていくと。その前提には、補正予算を組ませていただきましたけれども、経済対策というのがあったわけで、これをやっていくというのが一番大きな仕事であるというふうに思っておりましたが、その中で一つ、先ほど申し上げた若年雇用、これが予算の要求まではいきましたけれども、これが実際に今年度できることや来年以降、予算を要求してやることが最終的に実現するところまでいけなかったのが、残念といえば残念だというふうに思います。
 それから、国家と市場の関係は、どなたがこういうマクロ経済財政の仕事を引き継ぐにしても、大変大事な論点を整理したと、こういうふうに思っております。特に、すぐではありませんけれども、出口戦略というのをどこかで考えるときに、非常に大事なポイントを議論、整理をさせていただきましたので御活用いただきたいと、こういうふうに思いますし、私自身もそういう政策、自分の政策としても今後持ち続けていきたいなと、こういうふうに思っております。
(問)今日、総理からは閣僚の皆さんに言葉というのはあったんでしょうか。
(答)そうですね、総理からも「大変お世話になりました」という趣旨のごあいさつがあって、談話で多分出されるのではないかと思いますが、リーマン・ショックがあって、何度も予算をつくって、非常に大きな経済状況が変わる中での仕事をさせていただいたというような御趣旨のごあいさつがありまして、出される談話の内容をおっしゃったということだと思います。
(問)あと、先ほどの質問と重なりますが、冒頭、経済が微妙な情勢というお話があったわけなんですけれども……
(答)厳しい状況。
(問)厳しい状況。新内閣でどういう布陣になるか、経済財政はだれが引き継ぐかわかりませんが、最も引き継ぎたい点はどういう点なのかを伺いたいんですけれども。
(答)そうですね、短期的には、やはり厳しい状況で、特にリスク要因というのも今まで申し上げてきましたので、この補正予算等の経済対策というのをやっぱり、しっかりと実行していただきたいということが一つと。
 それから、繰り返しになってしまいますが、特に若年の方を中心として、雇用は、これはすぐに取り組まなければいけない問題も含めて大きな問題だと思いますので、この問題はしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 中長期になると、先ほど言った市場と国家、これはただ難しいのは、出ていくときの出口は、その後の姿をどういう社会にするかということも見据えながらの議論でありまして、これは政党が異なると、若干その出口の後の社会のイメージがそれぞれお考えがあるかもしれませんので、一概には全く同じというわけにいかないかもしれませんけれども、どういう出口後の社会を想定するかにかかわらず、大事な論点というのもありまして、それも議論、整理させていただいておりますので、そういうところを少し中長期的には引き継いでいただけたらというふうに思っております。
(問)今日で政権を明け渡すわけですけれども、そのことへの率直な御感想というのは何かおありですか。
(答)そうですね、私も議員になってちょうど15年目になりますが、ちょうど私が入ってくる前に一度、野党というのがあって、そのことは間接的には聞いておるのですが、自分がその場に議員としてはいなかったので、今度初めての経験です。ですから、まだ正直、実感がわかないというのが正直なところだと思いますが、今日を境に少しずつ、頭で考えていた政権交代というものと、自分が日々活動していく中での実感というのはだんだん合わさってくるのではないかなと思います。
 大事なことは、あまり一喜一憂せずに、私は選挙の終わった日に申し上げたんですが、「得意淡然、失意泰然」という言葉がありまして、得意淡然の淡は「淡い」という字なんですが、これは実は4年前に大勝したときも実は申し上げたことで、得意のときは淡然として、失意のときは泰然とするということで、今回は「失意泰然」のほうになると思いますけれども、あまり慌てず、堂々と言うべきことを言っていくということを、きちっとやっていかなければいけないと思っております。

(以上)