林 芳正 内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年9月15日

(平成21年9月15日(火) 10:26~10:43  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 閣議では特に案件はございませんでしたが、経済財政諮問会議の民間議員につきまして御報告がございます。昨日、9月14日付で、民間議員から辞任届けが提出されまして、本日付で辞任されることになりました。民間議員の皆様のこれまでの御尽力に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)この民間議員の方にはもうお会いになられましたか、やめるときとか、あるいはこれから。
(答)この件に関して。今日、たしか何人かごあいさつに来られるというふうに承知しておりますが。
(問)どういった感じのお言葉を、感謝の言葉を伝えるつもりですか。
(答)私は短い在任ではありましたけれども、諮問会議も開かせていただきましたし、特に市場と国家につきまして大変御指導も賜りましたので、そういうことや、それからずっと私がここに来る前からいろいろ御尽力をいただいておりましたので、そういうことに対して感謝を申し上げることができたらなというふうに思っております。
(問)次の経済財政担当大臣がどうなるかまだわからないんですけれども、まだちょっと決まらない、多分兼務になるのではないかという感じなんですけれども、そういう状況について所見はありますでしょうか。また、引き継ぎ事項、こういったものをまず引き継ぎたいというのがあったら教えてください。
(答)経済財政諮問会議が廃止をされて、国家戦略局でしたか、がつくられるというようなことが報道で出ておりますけれども、ちょっと前も申し上げたかもしれませんが、具体的にどういうものになるのかというのが、まだあまりはっきりしないものですから、この部分のところを、この部分というのはマクロ経済、財政についてのところですが、どのようにどなたに引き継げるのか否かというのは、ちょっとはっきりしないものですから、なかなかコメントは難しいのですが、この部分については非常に大事な政策の仕事だと思いますので、どこかのところで必ずやっていただきたいというのが1つであります。
 特に市場と国家の議論のときに、中長期的な出口戦略みたいなものを含めまして、まとめさせていただきましたので、そのことですとか、個々の仕事でいうと、若年の雇用のPTというのも、これは予算のプロセスの中でやっていいただいていると思いますが、そういうこと。それから、経済財政諮問会議という会議体を支えるという事務局的なファンクションもあったわけですが、それを支える個々のパーツみたいな、統計をきちっとつくるとか、それからその統計の分析をするとかいうパーツがございます。これは非常に大事な、どういう組み合わせを今度新しく国家戦略局になるものの中でするかどうか、いろいろあると思いますけれども、いずれにしても非常に大事なところでありますので、ここの部分のパーツ、パーツが非常に大事であるという認識を、できれば引き継ぎといいますか、共有できたらいいなというふうに思いますね。
(問)民間議員の辞任の理由ですけれども、改めてちょっとお聞かせください。
(答)民間議員の方はこれまでも総理のブレーンという性格があるということで、総理が辞任されるときには辞意を表明されてきたというふうに承知をしております。今回も明日、9月16日が新政権の発足ということでございますので、これが1つの区切りということで辞任の意向が表明されたというふうに考えております。
(問)一応形式上は願いによりとなっていますが、基本的には政権交代というか、政権交代じゃなくても内閣がかわるときは基本的には辞任するというのが通例というか、そういうことで今回も。
(答)申し上げたように、総理のブレーンということですので、これまでも例えば安倍総理になられたときとか、総理がかわられた時々で大体かわられているというのが今までの例であったと思いますので、その通例に倣ったということではないかと思います。
(問)リーマン・ショックから1年なんですけれども、世界、日本でもそのことによって起きた変化等をどうとらえて、いつも話されることで、別にないかもしれませんが、どう進んでいくかということを簡単にお願いします。
(答)ちょうど9月15日ですから1年たったわけで、最初のときと比べてこのリーマン・ショック、そこが1つの契機ですが、それ以前からいろいろなことが言われていて、いろいろな現象も起きていたわけですけれども、1年たっていったいどういう危機であったか、それからどういうことが原因となってこういうことになってきたのかというのが、だんだんわかってきているのではないかというふうに思っております。それについてのどういう処方せんをつくっていくのかといったことや、もう少し大上段にといいますか、今後経済思想がどうなっていくのかとか、いろいろな議論が出たと思うのですが、当初あったように、少し新古典派みたいなのが大きな政府といいますか、そういうふうに膨れていくというようなことでもどうもないようで、やはり我々も市場と国家でまとめましたけれども、あくまで市場と国家というのは両方あって、ただ市場がやはり健全な市場でなくてはならないということと、それからやっぱり政府が必要な場合には健全な市場のインフラを整備したり、それから市場の健全さを保つための規制をやったりと、やっぱりその組み合わせというのは変わらないのかなというのが1年たってみての大きなコンセンサスになりつつあるのではないかなというふうに思っておりまして、これはG20とかG8とかでもそういう議論が重ねられているというふうに承知をしておりますけれども、やっぱり今からそういう中で、具体的にどういう、金融は新しい規制が必要なのか、これは各国でやっているところでありますが、もう少し具体的な動きが出てくるということだと思いますし、それからマクロ経済はもう御案内のとおりで非常に大きなショックがありましたので、そこからどうやって、各国それぞれいろいろな協調の中で、マクロ的な財政出動も含めて今までやってきましたけれども、これをどれぐらい今から続けていくのかということが、先ほどちょっと申し上げた出口戦略みたいなものにつながっていくのではないかというふうに思っております。
(問)今の質問と関連するんですが、この1年間で金融市場へのショックとか、あと実体経済へのショック、いろいろあったと思いますが、現在の回復度合いといいますか、それぞれ金融面、実体経済面で、ある程度持ち直している面もかなりあると思いますけれども、大臣の所見としてはどうごらんになっていますか。金融と実体の面で。
(答)これは、やはりアジア、これは非常に影響もそれほど相対的には大きくなかったと。ヨーロッパが一番ある意味では遅れているといいますか、アメリカがその次で、日本がその次というようだったと思いますが、それぞれで受けたショックというのが、それぞれの国の産業構造とかいろいろなものによって違っていたと。例えば、日本とドイツはやはり、物をつくって輸出をするというのが大きい割合を占めていますので、非常にシャープに落ちて、その後、割とシャープに戻っているということですし、それからEUの中でも、例えばスペインみたいに、この危機の前から非常に調子が悪かったところは、まだ戻りがやや鈍いというのもありますから、そういうそれぞれの国の事情に応じて戻り方はいろいろあると思いますけれども、基本的には4-6のGDPを見てみますと、大体戻ってきているというのが全体的な趨勢であると思いますので、今後、これは我が国もそうですが、趨勢的に戻ってきているのですが、水準が非常にまだ低い水準にあるということですので、これをなるべく水準も戻していくという努力をそれぞれする。これが先ほど言ったいろいろな政策でやっていくということにかかわってくるわけですが、他方、財政政策というのはコストをかけてやっているわけですから、どこまで呼び水的なものも含めて財政でやっていくか、どこからだんだん民需にバトンタッチしていくかという出口政策、これは非常に大事になってくると思いますし、それと金融政策をあわせて、非常に協調しながらも、それぞれの国の状況に合わせて、きちっとしたうまい運営をしていく必要があるのではないかというふうに思います。
(問)年内はあれとして、年明けぐらいから経済の低迷を懸念する声もありますけれども、仮に自民党政権が続いていた場合、新しい経済対策は必要だと思われますか。
(答)何度かここでもお話が出ましたし、私も申し上げてきたのですが、「骨太」をまとめたときに果断な対応をするというふうに書いてございまして、麻生総理も少し言及されたところでもありますけれども、やっぱり様子を見ながら、必要があれば二次補正みたいなものの可能性というのは常に持っておくべきだというふうに私も思っております。
 それは、今おっしゃったように年末年始にかけて、いろいろ二番底になるのではないかという懸念が市場関係者から出ているところもあるのですが、これも繰り返しになるのかもしれませんけれども、補正等でやっているものの効果というのが、時期的にまだ、例えば公共事業なんかは補正の分は今からというところが大きいと思いますし、それから基金で積んだような事業は複数年度にわたって出てきますので、そういうところを見ながら、一方で、申し上げているように、設備投資ですとか、雇用ですとか、少し遅れて出てくるような指標とか、それから経営者のマインドみたいなところにかかわってくるようなものについては、まだ楽観を許さない状況でありますので、そういうものを見ながら、常に臨機応変に、機動的に運営をする必要があるというふうに思います。
(問)あと、民間議員で今朝大臣のところに来られたのはどなたですか。
(答)まだ今からですね、この後来られるというふうに聞いております。
(問)予定としてはどなたがいらっしゃるんですか。
(答)張議員がちょっと御都合がつかないので、残りの3人の方がお見えになる予定です。張議員はまた日を改めてというようなお話だったと思います。
(問)明日新政権が発足ということで、在任期間が2カ月余りということですが、これを振り返ってのコメントと、大臣の場合は前回防衛相をやられたときも2カ月ぐらいで終わっているということでありまして、その辺も含めて一言いただければと思います。
(答)防衛相が54日で、今回が明日までで75、6日なので、前回より長くてまあよかったなというふうに思っておりますが。冗談はさて置いて、いずれも非常に大事な仕事をさせていただいたなというふうに思っております。非常に外交・防衛の分野と、それから内政のまさにマクロ経済、財政の司令塔ということで、かなり違った仕事だったと思いますが、また非常に短期間でありましたけれども、皆さん方にも大変お世話になりまして、それなりにいろいろな仕事ができたのではないかなというふうに思っております。いろいろ企画立案したものが、実際実現されていって、どうなっていくのかというところまで当然見ていければ、本当はそのほうがいいのだと思いますけれども、こういう政治状況ですから、しっかりと一議員に戻った後もそういう関心を持って見てまいりたいというふうに思っております。

(以上)