林 芳正 内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年8月25日

(平成21年8月25日(火) 9:22~9:40  於:記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 それでは、今日、閣議で企業再生支援機構法の施行期日を定める政令などを決定していただきました。この企業再生支援機構法の施行期日を9月28日に定めるほか、この法の施行に伴いまして、技術的な規程、必要となる技術的な規程等を整備するものであります。機構の業務開始に向けて準備を鋭意進めていきたいと、こういうふうに思っております。
 私のほうからは以上です。

2.質疑応答

(問)まず1点目なんですけれども、若年層の雇用対策のプロジェクトチーム、明日4回目の議論がされますけれども、前回骨子をまとめられたわけですが、これをどう具体化していくのか、雇用の現状認識と併せて大臣のお考えをお聞かせください。
(答)8月13日に第3回の会合を行いまして、若年層に対する重点雇用対策の骨子というものを取りまとめさせていただきましたが、今お話があったように、明日26日、第4回で取りまとめたいというふうに思います。
 中身については概算要求に反映させていきたいと思いますが、骨子にありますように、雇用がある意味で経済の遅行指標という部分もございますし、またマインドの反映というところもありますので、非常に厳しい現状にあるということで、まずは、骨子にもございますように、第2のロストジェネレーションというのをつくらないということをやりたいと、こういうふうに思います。
 Sチームと呼んでいますが、新卒者の緊急支援チームでこれをつくってもらってしっかりやりたいということと、それからもう一つは、ちょっとカタカナが多いのですが、ワンストップとマンツーマンとシームレスということで、いろいろなところで既に諸施策をやっていただいておりますので、マンツーマンでその人とずっと、ある意味ではかかりつけのお医者さんのようにずっとコンサルをしてもらって、いいところを引き出していただいたり、適性を見出していきながら、この若年の雇用の問題に取り組んでもらう仕組みを強化をしていきたいと、こういうふうに思っております。そのことで、既にそういう若年の雇用の問題に当面している方をそちらのほうできちんと対応していくと。
 それから、冒頭申し上げましたように、新たなロストジェネレーションをつくらないと、こういう二本柱でしっかりとやっていけたらと思っております。
(問)もう一点は政府にかかわることなのですけれども、衆議院解散総選挙まで1週間を切りました。報道各社、世論調査が出ておりまして、民主党がかなり圧勝というふうに伝えられております。大臣の印象をお聞かせください。
(答)私も全国、同志の応援にずっと回らせていただいておりますが、報道にありますように厳しい逆風がやはり吹いていると。しかし、その中でこつこつと巻き返しを図っているということではないのかなというふうに思っております。
 選挙は、緩んだり、あきらめたりしたほうが負けですから、最後の1日、最後の1分まで地道に政策を訴えて、幸いマニフェスト選挙というのが定着をする方向にありますので、よくよくこのマニフェストの内容を御説明するとともに、比較検討していただいて、そういう中で最後まで追い上げていって、何とか勝利につなげていかなければいけないと、そういうふうに思っております。
(問)先日、GDPの会見でもおっしゃられていたように、エコポイント制度がかなり効果を上げているというふうにおっしゃっていたんですが、そのエコポイント制度の件で、いわゆるポイントの商品のカタログに商品コードが3分の1ぐらい記載されていなくてですね……
(答)商品コード。
(問)商品コード。商品を交換する際に、その商品を交換しようとする消費者の方が商品コードがないために商品を受け取れないというトラブルが相次いでいまして、経産省と環境省のほうは、来月にもちょっといわゆるカタログを全面改訂するという不備が見つかっているんですが、もし御所見ありましたら。経済対策の目玉の一つでもありますけれども、そういった不手際があるということはかなりのダメージかなと思うんですが、何か御所見ありましたらいただけますでしょうか。
(答)それはちょっと私今初めて聞きましたけれども、不備のないようにしっかり経産、環境省なり、両省になると思いますけれども、対応していただきたいというふうに思います。既にポイント制度は5月15日でしたか、スタートしておりますんで、それでいろいろな効果が出てきておるところでもございますので、その大事な引き換えのところをそういう御迷惑をかけることのないように、これは速やかに対処していくべきと、こういうふうに思っています。
(問)衆院選に関してですけれども、今日の閣議あるいは閣僚懇でそれに関連した発言があれば御紹介いただければと。
(答)そうですね、官房長官から御披露があると思いますが、総理からも、先月よりも今月、先週よりも今週ということで、地道に追い上げて最後まで頑張ろうといったような御趣旨の御発言がありました。私も全く同感で、ネバーギブアップというところだと思いますけれども、最後まで地道に戦っていくと、これに尽きると思います。
(問)先ほど、選挙の印象で、厳しい逆風が吹いているというお話があったんですが、この理由については、いろいろ全国回られてどういうふうに、どんな理由でそうなったのか、もしあれば。
(答)そうですね、やはり一つは、都議選前後で、党内の一致結束の乱れというのがやはりありまして、そのことが長い間我が党を御支持していただいている皆さんの間にもちょっとクエスチョンマークがついてしまったかなということがスタート時点であったのではないかというふうに思います。
 それからもう一つは、ずっとやってまいりました構造改革の印象として、この構造改革の結果、ひずみが出たんではないかというような印象を持たれておりまして、麻生内閣になってから、特に地域の活力のための地方に対するいろいろな諸施策を打ってきたところでございますが、その辺がまだそういう印象が払拭されて切っていないと、こういうことではないのかなというふうに思いますのと、あとはやはり総理が1年ぐらいで交代してしまったということも、先ほどの一致団結できなかったということと相まって、政権担当能力というのが大丈夫だろうかという、ちょっと御心配をかけたと。これは、解散の日に総理総裁からごあいさつがあって、そこを底として、さっきも申し上げたように、一日一日追い上げていると、こういうことだと思いますが、出だしでやはりそういう状況があったというのもこの苦戦の原因の一端ではないかというふうに思っております。
(問)経済情勢なんですが、先週GDPのときも会見いただいたんですけれども、その後、株がかなり上がったり下がったり、こんな動きをしているのと、あとアメリカでも景気の底入れみたいな話が出ていますが、今のところ、現状、日本と世界の現状についてどういうふうに考えているのか、ちょっと市場が先行して期待している面もあると思いますけれども、大臣の御認識を。
(答)そうですね、これは先週申し上げたとおりでありまして、まだ1週間ぐらいしかたっていませんから、大きな変更はございません。ヨーロッパとか、それからアジアはもちろんですが、少し今まで思っていたよりも、特にヨーロッパは早い回復の兆しが出ているということがあるのかなというふうには思います。そういうところがいろいろな市場に与える影響というのがあるのかなというふうに思いますが、基本的には認識としては先週お話ししたとおりであります。
(問)企業再生支援機構の関連で、ちょっと聞き取れなかったもので確認させていただきたいんですけれども、設置法が施行される9月28日をもって会社設立ということになるんでしょうか。
(答)28日に業務開始ができるように準備を進めたいというふうに思っております。衆参の附帯決議でも公布後3カ月ということで施行と書いてありますので、たまたま公布日が26日で28日が月曜日ということで28日なわけですが、そこから業務を開始するべくやると、そういうことでございます。
(問)先ほど、各党のマニフェストを比較検討してほしいというお話でしたけれども、大臣御自身もこれまで御自身の党のマニフェストについて、有権者の間に浸透させるために全力を上げてこられたと思うんですけれども、そのあたりの御感触というのはいかがでしょうか。
(答)そうですね、かなりマニフェストを見ていだたいているなというふうに思います。ただ、我が党もそうですが、詳細のところも含めると30ページ強ありますんで、御自身が関心があったり、御自身の職業、お仕事なんかに関連するところはある程度すっとのみ込めていただいているところもあるんですが、全部を読み込んで詳細に比較をするというところまでやはりなかなかいかないところもあるんで、私は遊説のときに、我が党のマニフェストに書いた成長戦略とか、農業、それから年金といったところの基本的なことをやはり御説明をして、それと民主党との対比ということで、少し時間があるときは政策の細かいところをかみ砕いて説明するということもやっております。
 例えば、所得保障ということが民主党のマニフェストでは農業で入っておりますが、結局、生産費がかかってしまってあまりいい農作物ができなくて、価格が下がるとたくさん所得保障されるという意味では、インセンティブは逆にかかるんだと。そういうインセンティブを効かすための政策を我々はやっているんだというポイントですね。FTAに加えて、そういう政策の性質というもの。
 それから、もう一つは、年金で一番違いがあるのは、自営業者、その方々の年金はどうなるのか。これもあまり詳しく伝わっていないところがあると思うんですが、我々は二元化ですから、自営業者の方とお勤めになられている方との区別というのは基本的には守っていくということですが、民主党の案は一元化ですので、特に自営業で国民年金に入っていらっしゃる方が一律15%ということになりますと、平均年収400万として60万円ですから、今1万5,000円弱の国民年金の毎月の掛け金が、単純計算すると5万円になるということですね。そういうようなお話もしながら、聞いていらっしゃる方が自分の立場になったらどういうふうにそのマニフェストを読んで、結果としてこうなるというところまで御説明をしていると、そういう状況ですね。
(問)子育て支援に関しては、自民と民主は、それぞれの政策の受け止められ方というのはどのような印象をお持ちですか。
(答)そうですね、安心・活力・責任のうち安心の部分は、大きな方向性というのはそんな違いがないと思うんですが、そのやる手段ですね。そこがやはり一律、所得制限もなく、どういうライフステージでもばらまくというところと、家庭の状況に応じて、ライフステージに応じて、それから所得の状況に応じてきめ細かく対応すると、この一番の大きな違いがあるんではないかなということを申し上げた上で、子ども手当ては5兆数千億かかるという試算を民主党さんもされておられますんで、財源が見つからない場合は、結局将来につけが回って、手当てをもらった対象の子供さんに御負担をいただくというようになってしまうのではないかといったことや、それから、所得制限がないんで、非常に高所得の家計にもそういうものが支給されると。我々は、そういう余裕がもしあるとすれば、もう少し必要なところにきめ細かくやらなきゃいかんと、こんなようなことを申し上げておりまして、話をした印象では、皆さん頷いて、そうですよねということをおっしゃってくれる方は随分いらっしゃいますので、かなりそういうことは浸透してきているんじゃないかなというふうに思います。
(問)今週金曜日に失業率の統計を発表されますけれども、エコノミストの間では5.5%、過去最高に並ぶんじゃないかという予想が出ていますけれども、それが選挙の2日前に出るということについて、その選挙に与える影響と、あと大臣の感想をお伺いしてもよろしいでしょうか。
(答)これは毎月の統計ですから、選挙の日程にかかわらず統計としてきちんと出すという性格のものだと思います。前回、経済財政諮問会議で提起いただいて、特に若年雇用についてはPTを立ち上げてやっておりますので、我々としては、出てくる数字を率直に受け止めて、非常に厳しい状況にあるという認識をずっと持っておりますので、この若年雇用の対策や全体的な雇用対策というのをしっかりとやっていくということに尽きるんではないかなと思っております。
 選挙に与える影響というのは、その数字自体というよりも、それがどういうふうに、数字そのものよりも、どうやって伝わるかというところが実は大きいのではないかというふうに思っておりますが、我々としては、申し上げたように、万全に対策を、あらゆる手段を講じてやっていくということに尽きるんではないかなと思います。

(以上)