佐藤内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年8月4日

(平成21年8月4日(火) 10:10~10:30  於:会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。本日は、私から郵政事業に関しての御報告がございます。かねてより郵政事業にとって最も大事なことは、国民利用者の皆様に利便性をどう感じていただけるかだということを、私は申し上げてまいりました。その利用者本位の民営化を進めていくことだというふうに考えておりまして、これの基本的な考え方について、西川社長とお会いする機会ごとに、地域住民の御指摘を始め、国会での御議論を踏まえまして現場の声を吸い上げ、速やかにしっかりと対応していただくように申し上げてまいりました。
 昨日、日本郵政から幾つかの対応策についての報告がございましたので、早速御紹介をしたいというふうに思います。私が現場でずっと感じてきたことも含めての話でございますけれども、現場の活力を高める施策について来年度、22年度までを目途に5つの施策を展開されるとのことであります。
 1つには、局舎の対応でございます。新築、移転、改築の際の局舎の調達方法や新築等の局舎の賃借料については、8月中を目途に方針を確定いたしまして、合意形成を図るとのことであります。この件については1番、ずっと議論していただいておりまして、現場の局長さんの士気が高まるという意味で非常に大事なことだというふうに私は期待をしたいと思います。
 2番目といたしまして、全郵便局長との直接対話の実施ということで、現場の局長の声を経営に反映をするために郵便局会社の本社・支社の担当部長以上による全郵便局長との直接対話を本年9月以降、実施するとのことであります。大変お客さんに近い現場の声が反映をされまして、より利用者本位のサービス提供が実現するよう期待をするとともに、持株会社の幹部の参加も必要ではないかなというふうに思っております。
 それと皆さん、現場に行くと分かるのですけれども、監視カメラがあります。7つから8つ、1つの局に付いていますが、局内のカメラの一部撤去、そしてこれは屋外に強盗・侵入対策用として配置し直すということで、少し変えたいというお話がございます。
 4番目、指示文書の半減ということで、平成20年度には、年間千通も局長さんに対する指示文書がいっております。これに対する局長さんの現場の声は、これを見るだけでも大変な量になって、どうしても仕事を割いてということにはならないものですから、土曜日、日曜日にこういうものを見るという、結構いろいろな方の御意見がございまして、こういう面を統合・削減し、社内ポータルサイトの活用などによりまして、平成22年度中に半減させるとのことであります。また膨大なマニュアルを見直して、小規模局向けの簡素化したマニュアルを作成するとのことで、この根本はやはり局長さんたちが外に出て行って、営業活動に時間が割けるようにということを、私、申し上げてきた答えだというふうに期待をしております。
 そして5番目といたしまして、地域貢献施策の充実・強化ということであります。これも現場に行くとですね、局長さんがお祭りなど、いろいろなイベントに参加するときに、各地の地域貢献施策を実施できるように新たな経費を措置するとのことであります。申し上げましたように、現場で使える、局長さんが使いやすいお金の運用に、私ども期待をしたいというふうに思います。やはり特に特定局長さんたちは現場に密着をして、仕事をしているということになれば、そういうところに呼ばれるわけでありまして、会社としてそういうものにこたえたいということなのではないかなというふうに思います。
 以上の5つでございますけれども、詳細については、郵政行政部にお問い合わせをいただきたいというふうに思います。いずれにいたしましても積極的な改善策に取り組んでいただいて、現場の局長さんが誇りをもって働けるようになるとともに、地域の皆さんのお役に立つ郵便局になることを目指していただきたいというふうに思いますが、1つ1つは細かい話ですけれども、非常に大事なことではないかなと思います。少し落ち着いていろいろな声を聞くスタンスが会社側に生まれてきたのではないかなというふうに思いますし、私は高く評価をしたいというふうに思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)衆議院選挙の各党のマニフェストが大分、出そろいましたが、今回の選挙は、政権交代の是非が争点とされていまして、これまで以上にマニフェストが注目されていると思います。大臣が各党のマニフェストを見て、どのようにお考えかお願いします。
(答)もちろん与党のものが最もいいと思っております。自民党のマニフェストでは責任政党としての中福祉中負担をベースに現実的な政策を私は打ち出しているというふうに思います。それに対して、民主党、子どもの手当て、大体5兆3千億円掛かるということになりますが、そういう財源の不明確さ等々、どうしても目立っているのではないかというふうに思います。
また地方の関係で言えば、与党においては、地方税、地方交付税の充実確保、そして地方分権について、新地方分権一括法案の提出等について明確に言及をさせていただいております。
それと3番目として、ICTの関係においては、与党においては、もちろん地上デジタル放送の推進、情報通信基盤の整備、行政・医療・産業等におけるICT の利活用等による経済成長の実現など、民主党のマニフェストには見られない経済成長戦略を盛り込んでいるところでありまして、いずれにしてもできるだけ多くの国民の皆さんに御理解をいただくような方向付けができておりますし、私もこれを基盤として努力をしてまいりたいというふうに思っております。
(問)すみません。そのマニフェストの中で自民党のマニフェストは郵政について、4分社化を踏まえて3事業に具体的なサービスを確保するために施策を検討するとあるのですが、原案段階では、経営形態について検討するという言葉があったのですけれども、これがなぜ落ちたのか、御存知でしたら教えてください。
(答)これは、私は参加していないので分かりませんけれども、基本的には同じ考えだというふうに思っていただければいいのではないかなというふうに思います。やはり分社化をして、いろいろな意味で分かりづらい点があれば、当然改正をすべきだという考え方の下の文章だというふうに御理解いただければいいのかなと思います。
(問)大臣御自身は、組織を見直す時期が来ているのかなと思うと、過去に発言されていると思うのですが、そういう意味では経営形態という言葉があってもなくても、考え方としては変わらず、大臣の考え方に近いというふうになるのですか。
(答)私はですね、新会社ということで民営化になって、一応4分社化ということを打ち出したわけですから、前にも申し上げておりますけれども、後戻りするようなことがあってはいけないというふうに思っているのです。ただ、後戻りするようなことではなくてですね、前向きに考えて、やはり国民の利便性に、それが必要だとすれば、それを踏まえてどういうふうな改編があるかということも含めて考えるべきだということを申し上げているので、決して今の形態を元に戻すなどということではないといふうに理解をしていただければ有り難いと思います。
(問)大臣、すみません。BPOの勧告が先週出されましたけれども、これは業界の自主的な取組ではありますが、大臣、様々な所で発言されていますが、受け止めについてお願いします。
(答)はい、私の発言が若干誤解をされているようなところもあるのではないかなというふうに思いますけれども、今回の勧告も含めBPOが現在の責任の範囲において、大変よくやっていただいているというふうに、私は高く評価をさせていただいているのです。
 他方、BPOというのは、今、おっしゃられたようにNHK、民放が自主的に設置したということでありますので、どうしても、こういう表現はいけないのかもしれませんけれども、お手盛り的な運用になるのではないかということが批判的にとらえられているのですけれども、決してそういう意味で言っているのではないのですけれども。そういう御意見もあるということであります。
 番組の内容に対しても、社会の成熟という中で世の中の受け止め方も変化するものというふうに思いますし、いろいろな人がいろいろな意見を言っている。そして私も一人の視聴者としては言いたいこともあるということだと思います。総務大臣としての立場から放送事業者の皆さんにおいて、放送の趣旨に沿った、適切な番組つくりをいかに行っていただくかというのが基本的に重要だというふうに思っております。今後、関係者の皆さんと話し合っていきたいと思っているのです。現在のBPOのように法律上の根拠を持っていない、そういう機関ではなく、例えば放送法に根拠を持った新たな機関、これはBPOに代わるということではなくて、BPOに御協力いただいてということも含めてですね、設立という選択肢があってもいいのではないかなというふうに私は思っておりまして、やはり一体的に責任を持って、執行する体制を検討することも一案かなというふうに考えております。
 何回も申し上げておりますけれども、私は昨年イギリスとフランスを見て勉強させていただきました。イギリスにはOFCOMという機関があって、フランスにはCSAという機関があって、いろいろそれなりの行動をとっているという姿を見ると、日本もやはり総務省が規制をこうだというのは、やはり非常に圧力的な話になりますから、そういうことではなくて、そこから少し離れたところでですね、ある程度の権限を持った機関が、やはり常にその番組を精査し、監視をするというシステムがあっても、そろそろいいのかなというふうに私は思って、いろいろな発言をさせていただいているところでございますので、誤解のないようにお願いをしたいというふうに思います。
(問)大臣、マニフェストの話に戻るのですが、自民党のマニフェストの中に道州制の実現というものが入っていますが、知事会の中には道州制に慎重な意見も結構多いのですけれども、道州制、これ、本当に実現できるのでしょうか。
(答)この件については、今、おっしゃられるように、何人かの知事さんに慎重を期してというお話もあったようであります。ただマニフェストとして、政権公約として与党が作った案でもございますので、私ども、これに沿ってですね、いろいろなことを検討してみたいというふうに思っております。当然、公約で出した部分、大事なことでありますので、真剣に慎重に対応していきたいというふうに思っております。基本的にはやはりいろいろな、何というのでしょうか、負担を軽減するという意味では、非常に分かりやすい話なのではないかなというふうに思いますが、これはこれから、真剣に慎重に対応していきたいと思います。
(問)大臣、すみません、マニフェストの件で、分権のことをいろいろ書いてありますけれども、政権党なのですから、これまでどういう実績を上げたのかということをまずは総括しなければいけないと思うのですけれども。この2年間ですね、地方分権改革推進委員会が勧告を出したり、意見を出したりしていますが、政府方針になると、恐縮ですけれども、後退に次ぐ後退を重ねていまして、官邸も族議員を抑えられませんし、という状況をどう総括して臨みたいと思っているのでしょうか。
(答)私が地方分権というのは、当然こういう時代になって当たり前のことだろうというふうに考えておりますし、知事会がおっしゃっていること等々、若干検討しなければいけないというところがありますけれども、私は推進をさせていただきたいという論者なのです。これまでやってきたこと等々、後ろ向きみたいな感じも無きにしもあらずではありますけれども、今回の分権というのは、がけっぷちまできた分権論だというふうに私は理解をしておりますので、これをやはりすべて飲めるということにはならないにしても、地方からいただいている御指摘をなるべく分かりやすいように地方にお返ししたいという気持ちで頑張っていきたいというふうに思っておりますし、これまでのこと等々、総括してないではないかという話がありますけれども、そういうこと等々も含めてですね、前向きに進めていくというのがこれからの地方分権のあり方だというふうに私は思っておりますので、進めてまいりたいというふうに思っております。
(問)選挙が終わりますと、実際にいろいろなことをやらないといけないと思いますし、分権一括法を通す、出すことが問題ではなくて、その中身が問われると思いますが、それで国民に約束するわけですから、実際新しい政権になったときに、族議員ですね、中央集権ごりごりみたいな人が自民党にはたくさんいますから、そういう人たちをどうやって説得していくおつもりなのでしょうか。
(答)おっしゃられるように、私は族議員の方にあまり畳み込まれるようなことは今までないので、あまりそういう感じは、私自身は持っておりません。そのようなあつれきがあるというふうに私自身は思っておりませんので、そう難しくなく当たり前のことを当たり前に分権するという感覚で、私は分権を進めたいというふうに思っております。
(問)大臣、2日に21世紀臨調が政権党の政策に対する評価をし、各団体とも軒並み厳しい評価というものを出していますけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
(答)それは、いろいろな団体がどういう評価をするかというのは、それぞれの団体の考え方であると思いますが、我々は責任がございますので、どう評価されても責任感を持ってこれまで政権運営をしてきた。その評価が低いか高いかということはその団体の考え方だろうというふうに思いますが、やはり低ければ低いという理由をしっかり検証させていただいて、それを今後のことに生かさせていただくということが基本的なスタンスではないかなというふうに思います。
(問)3年前に出してきたときよりも平均点が低いということに関してなのですけれども、どういったところが評価されなかったとお考えですか。
(答)詳しく検証していませんので、何とも申し上げられませんが、その部分をよく検証させていただいた上で、もし反省することがありましたら、反省を踏まえて改善をしていくということが基本的なスタンスではないかなというふうに思います。
(問)よろしいでしょうか。ありがとうございます。

(以上)