鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月3日

(平成21年4月3日(金) 8:45~9:08  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は総理も財務大臣もおられませんので、特に閣議で私から報告発言はありませんでした。
 今日は3時に西川日本郵政社長をお招きして、法第14条に基づく監督上の命令をいたします。「かんぽの宿」の問題については、この間、日本郵政の平成21 年度事業計画について、要するに「かんぽの宿」、「メルパルク」については、やる気のない多少赤字を改善するとか、「かんぽの宿」ですね、そんなことでございましたから、それは困る。それでは認められないので、6月に修正したものを持ってきてくださいというふうに、つまり認可の変更の申請をしてこいという認可条件を付けたわけですから、6月に持って来てくれるでしょう。
 その後四半期ごとに、報告徴求をして、「かんぽの宿」及び「メルパルク」についての状況を聞くと、こういうことです。今日は、法律に基づく、同様の内容が含まれておりますけれども、あまりに今までも不透明であった、あるいはいい加減なところについて、今後、そういうことがないように厳しく注意する内容の命令をいたします。
 問題はその次でしょうから。その次というのは、ではどうするかということは、先方の第三者委員会もありますけれども、協議をして、私としては「かんぽの宿」は黒字化してはいけないような形で、簡易保険法上儲けてはいけないという施設であったわけですが、これをきちんと儲かるように運営をしなさいということにしますから、その状況を見て、今後の、法律上は譲渡、廃止ということもあるかもしれませんが、譲渡するとなっておりますから、それに向けて動き出すことになるでしょう。以上です。

2.質疑応答

(問)今週末に北朝鮮からのミサイルの発射が予想されておりますが、今のところ、各自治体への通報体制については、Em-Netを利用して、瞬時に速報するということになっておりますが、前回のミサイル発射の時にも自治体の通報の遅れが指摘されましたけれども、今回も本当にこれで万全の体制で瞬時に情報が伝わるのかという懸念の声も上がっています。実際、自治体への通報体制というものの現状がどのようになっていて、というところの整備状況についてお願いいたします。
(答)東北地方の上空を通過するという予測、というかそういう向こうの発表があるわけですけれども、それはどこをどう飛ぶかということは分かりませんから、これは、基本的には全自治体に連絡があっという間に行かなければならないとこう思っておりまして、国、都道府県、市町村の連絡体制は確保しました。地方自治体側の危機管理体制に万全を期すために、3月31日に都道府県及び市町村に対して通知しました。その中身は、飛翔体発射の事実に関する情報の伝達体制のこと、都道府県及び市町村における危機管理体制を確認して欲しいということ、住民に対する情報提供に当たっての留意点、それから消防機関における待機体制。これらについて通知をしたところでございまして、いよいよ明日なのですね。明日から8日までの間となっておりますので、本日午前10時を目途に、消防防災FAX等により消防庁から都道府県、さらに市町村への情報伝達訓練を実施しまして、最終確認をいたします。とりあえず、今日10時から消防防災 FAX等による都道府県及び市町村への情報伝達の訓練をいたしまして、いつでも、情報が伝達できるように万全の体制を整えるということでございます。
 それから、消防庁としてはですね、通過が予測される、あるいは万が一、落下が予想される東北地方の地方自治体に対して、説明会を実施しただけではなくて、昨日の秋田県からの要請によって、消防庁ヘリを運用いたします。昨日の夕方4時25分に秋田空港に消防庁のヘリが参りまして、3人の要員が乗っております。本日は、岩手、秋田両県に消防庁職員を派遣いたします。その両県が通過、あるいは落下の可能性の一番高いところでございますので、消防庁としても、万全の体制をとるということですね。
(問)大臣、「かんぽの宿」なんですけれど、段ボール17箱を精査して、その結果何がどう問題だったから監督上の命令を出されるのか、改めて教えていただけますか。
(答)段ボール17箱の精査、これは、中間報告か、最終報告かと言われると、ちょっと答えにくいので、資料に基づいて、当然様々な口頭でのやり取りを総務省と日本郵政の間でしてきていると思います。 そういうこともありますから、当然、これでもうすべておしまいということではなくて、今後もそれは資料を調べることもあるだろうと、あるいは口頭で尋ねることもあるだろうと思っておりますが、中間報告かというと、中間報告よりは先に進んだ、最終報告に近いものというふうに考えております。
 その問題点については、16くらい大きな問題点がありますので、それは本日夕刻私から皆様方に直接申し訳ありませんが解説をさせていただきます。
(問)そこを、16を総括すると。
(答)まあ、いろいろありますけれども。
(問)問題点の紹介を。
(答)まあ、それを皆様がどう判断するかでしょう。資料はお渡ししますから、その問題点として我々が抽出した事柄がきれいにまとまっておりますので、それを皆様にお渡しをしますから。また、それを使って皆様方が独自にお調べになるのも大いに結構だと思いますけれども。我々としてはこんなふうに調べた結果が出ておりますということを報告します。
 例えばですが、最終審査表というのがあるのですね。これはもう国会というか、世の中に公開しましたよ。ところが、その最終審査表というのが、最終審査をするときに、そこで使う表のはずなのに、最終決定したのが12月3日で、その6日後かなにかの、12月9日に最終審査表を作るという、後付け審査表だと。しかも、丸とかバツとか付いておって、その配点が、どこに何点という配点がだいたい無い。間違った数字も書かれている。もう決めてしまったから、後から最終審査表を、しかも作ったのは日本郵政ではなくて、メリルリンチに作っておいてくれと頼んだと。オリックス不動産に譲渡することを決めたというか、優先交渉権を与える、つまりオリックス不動産と契約するということを決めてから最終審査表を何か作っておいてくれよと、こうやったのでしょうね。そういうわけの分からない、だらしのない体質について、これ、厳しく見ていかなくてはならないし、例えば資金計画がどうなっているかというのに、オリックス不動産の方は丸なのだと思いますよね。もう1社の方は、バツだったかな。バツだか、三角だか忘れましたが、それも全くおかしいので、つまり残高証明をオリックス不動産は出しておりません。もう1つの会社は、同じ企業グループ内から資金を調達するということで、残高証明を出しているのです。ただ、そこから、何というか、お金が確実にその会社に来るという証明書みたいな物は出していない。なのに、オリックス不動産がなぜ丸なのかということを聞いたら親会社が立派だから丸なんだって。そんな出来レースがあるかってね。親会社が立派だから丸なんだって。そういういい加減な審査をしているということを16の問題点として発表いたします。
(問)大臣、確認なのですけれども、14条に基づいて出される監督上の命令は業務改善命令という認識でいいのかということと、今おっしゃった、つまり契約の手続や経緯が不公正だった、不透明だったという点が命令の理由ということでよろしいのでしょうか。
(答)業務改善命令ではなくて監督した結果、こういうことを直せという命令ですね。監督上の命令。それからもう一つ何でしたっけ。
(問)理由がですね、先ほど。
(答)理由はいろいろあります。ほかにもいろいろあります、それは。今私も正確には覚えていませんけれども、例えば自治体に全く当たっていない点とかね。大体、民営化されても国が100%株式を持っているわけですから、これは特殊会社。特殊会社は当然資産の処分については、国に準ずるような位置にあるわけですから、当然地方自治体に声を掛ける、あるいは、地元の観光業界に声を掛ける。そういうことを全くしていないのはなぜかとか。ガバナンスがめちゃくちゃだと。つまり取締役会が機能していないのではないかと。執行役が勝手にやっていると。どこまで細かく書いたか覚えていませんけれども、例えば、メリルリンチを選んだ時の最終決裁者というのかな、それと、オリックス不動産に優先交渉権を与える時の最終決裁者が異なっていると。オリックスに優先交渉権を与える時の決裁者か何かを国会で補佐役と言ったのではないですか、サポート役とかという答弁をしているのです。決裁者がサポート役なわけないではないですか。
 一番ひどいのは採点、最後に2社残った最終審査のときの採点をする人。日本郵政の宿泊事業部長を、お宅の宿泊事業部長をうちの副社長にお迎えいたしますと、これは西川社長も怒ったでしょう、こんなのおかしいと。だからそれはガバナンスの問題ですよ。細かいことは精査した人に聞いてほしいのですが、つまり、社長をはじめとするところに口頭で何か結果がちょっと伝えてあるとかですね。例えば世田谷レクセンターを外すなどというのは重要事項だけれども、そういうのは決裁されていないというか、少なくても取締役会には諮られていないでしょう。ほとんどが、執行役とか、何かそういうような人たちが独断でどんどん出来レースを作っていったという構図があるのではないでしょうか。
(問)今春闘の結果が思わしくなくて、民間はボーナスの大幅減が多いのですけれども、昨日、与党のPTで人勧を待たずに夏のボーナスを下げられるような、本来であれば政府にそういう法案を求めていきたいというのですが、自分たちで議員立法すると。政府としては、今のところどういう対処方針なのでしょうか。
(答)与党がですね、昨年にも多少動きがあったと思いますが、議員立法で夏のボーナスに反映させるということで検討していることは聞いておりますが、私どもは、総務省の立場は、労働基本権の制約をしていますから、その代償措置である人事院勧告制度を尊重するという姿勢になっておりまして、人事院が、今民間のその状況について調査をするというように私は聞いておりまして、人事院が調査をされたことで適切に判断をされるのではないかなと。だから、調査するというふうに聞いたというとちょっと言い過ぎなのかな。人事院が調査することを検討しているという話を聞いただけです、私は。それは人事院が判断されることであって、あれこれ私がくちばしを挟むことではないと思いますが。民間の状況を国家公務員の給与にできるだけ速やかに反映させるということは、この辺に立っている人たちは嫌がるかもしれないけれども、絶対にやらなければならない。それはそうですよ。
(問)大臣、分権の関係なのですが、昨日、地方分権改革推進委員会で、国交省のヒアリングの中で、直轄負担金は、地方と国の応分の負担ということで、直轄負担金をなくすことには反対の立場を国土交通省が示したのですが、今後、大臣として、金子大臣を含め、国土交通省側と、何らかの折衝をするお考えはありますか。
(答)何か予定はしているのですよ、国土交通大臣と話する予定は。で、問題は、ちょっと質問を取り違えるかもしれませんが、重要なことは、今の3分の 2と3分の1というか、2対1という考え方が不評であるということは間違いない。だけれども、問題は、直轄事業を減らすことの方が大事ですよ。直轄事業を減らして、都道府県管理に、少しでも多く移すことの方が私は大事だと思いますけれど。ただ、あれは、新直轄というのはあれか、新幹線だったっけ、道路か。新幹線でこういう問題があるわけですよ、要するに。新幹線のも負担させているでしょう。新幹線での問題というのは、あまり具体的に言ってはいけないかもしれないけど、私の地元の関係で言うと、福岡から新幹線が久留米に来るのですね。で、熊本の方へ抜けていく、それはありがたいのですけど。佐賀県に関して言うと、佐賀県の枢要部を通っているわけではないではないですか。うちの北にある鳥栖市ですよね。鳥栖市というのは、言い方を間違えるといけないけれど、もちろん佐賀県鳥栖市なのですよ、それは。サガン鳥栖もあるのだけれど。鳥栖市というのは、佐賀市ではなくて端っこではないですか。どちらかというと、文化圏的には福岡と久留米の間に挟まれているわけですよ。私も高速道路の最寄りの降り口は鳥栖市、私の家は鳥栖から近いのです。だけど佐賀県をこう通っているじゃない。通っていると地方ががーんと負担があるわけじゃない。一番人口の多い佐賀駅を通って、佐賀駅があるのだったら、それは地方負担があってもいいけど、どっちかというと、福岡県が負担してくれないのという心理的な思いは持つと思うのですよ、佐賀県を通っている分。そんな話はよく聞くことがありますね。
(問)先ほど「予定している。」とおっしゃったのは、大臣折衝なのか、どういう形のものですか。
(答)「話し合いましょう。」というふうに、私からも言い、彼からもそう聞いているのですけど。で、そのときは多分全国知事会も一緒なのではないかな。「全国知事会と国土交通大臣と私とで話し合いましょう。」というふうに言ってあるのですけれどね。
(問)大臣、分権の関係で関連なのですけれど、今回の工程表のことを見ても、自民党は反対派が多いのですが、自民党として、この次の選挙ありますけれども、分権型社会を目指していくのか、それとも今のまま地方集権でやっていくのかというのは、大臣から見てどういうふうに感じますか。
(答)一つ引っかかるのは道州制なのですよ。私は道州制がいいと思っているから。だから、道州制に向かって行くのだけど、これは、今の地方分権改革推進委員会のやっていることと道州制と同じ方向に向かっていますけれど、「これ二度手間ではないか。」という反論されたときに、「そうではない。」と言うのですけど、多少そこのところは、私もあまり自信を持って言えない部分があるが、ただやはり、地方分権改革ですね、これができないようでは道州制はできないのだろうとこう思うと、やはり分権型社会がこれからのあり方だから、分権型社会に向かってですね、立派な計画を年内に作って、一括法はその後になるのですけれど、年内に、年内って、私が総務大臣を続けている可能性はあまりないけど、きちんと道筋をつけていかなくてはいけないですね。
(問)ほか、よろしいですか。
(答)どうもありがとうございました。

(以上)