鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年3月31日

(平成21年3月31日(火) 9:31~9:52  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。労働力調査結果、それから家計調査結果を閣議に報告しました。失業率は4.4%、1 月が4.1%でしたから0.3ポイントの上昇です。かつて5.5%という失業率を我が国は記録いたしておりますけれども、休業者というのですかね、雇用調整助成金を受け取っている場合もあるでしょうが、休業者はもちろん失業者ではない。短時間労働者も完全失業者ではないということで、その休業者やワークシェアの関係もあるかもしれません。短時間労働者が増えていますから、油断ならない、予断を許さない、そういう状況にあります。
 家計調査結果は、1年前に比べて3.5%減少という非常に厳しい状態です。
 公共事業の前倒しをできる限りやりましょうという与謝野財務・金融・経済財政政策大臣から発言がありましたので私も応じまして、総理からも地方をきちんと前倒しをやってくださいということで発言をしました。
 ただし、昔相当な前倒し、8割などということもあったかもしれませんが、やはり入札は昔よりもはるかに慎重にやらなければなりませんので、その分は入札を丁寧にやる必要がありますので、ものすごい前倒しになるかといえば、精一杯やる、どこまでできるかやってみるということになるでしょう。
 それから、年金記録問題に関する関係閣僚会議での私の報告は、去年の3月末日までに申し立てられた案件、受け付けた案件、4万9,214件。これを1年間で処理しようという方針は、今日の夕方までで99.95%の達成率になると思います。残りは24件でございますが、これは、申し立てられた方の事情で、ちょっとうちでも資料を調べるから待っていてくださいというような案件ですから、達成は全部と言ってもいいだろうと。
 それから、その後に申し立てられている案件が相当たまっておりますが、今年の方針は、高齢者中心、つまり年金を受給しておられる方、あるいは無年金でもらえないという方を中心に作業をいたしまして、そういう受給者あるいは無年金者からの申立ては、今年の暮れまでに全部処理をしようという目標を発表しました。
 いわゆる地域力創造プラン(鳩山プラン)の中で、地域おこし協力隊という考え方がありますが、これは本日、全国の地方自治体あてに通知をいたします。大体今年は、特別交付税措置で300人くらいを送りたいと。3年後には毎年3,000人規模でNPOと連絡をとりながら、都会から地方へ、例えば水源の保全、農林漁業、あるいは、非常に過疎が進んでいる集落等の面倒みとか、そういう地域協力活動を担ってもらうと。1年以上で3年くらい滞在してもらって、地域協力の活動を都会の人にやってもらう、都市住民にやってもらう。それに特別交付税で自治体にバインドするということで、今年は300人、地域に行っていただこうと計画をしております。
 それから、今日、実は年度末でございますので、日本郵政株式会社、郵便事業株式会社からは、事業計画が出されておりまして、その認可をしてほしいということでございます。
 日本郵政から出された事業計画には、「かんぽの宿」等納得できない部分がございますので、条件を付けて認可をいたします。その条件は、「かんぽの宿」、「メルパルク」等の事業に関して、「かんぽの宿」の場合は黒字化を目指して頑張れということですが、つまり、条件をどう書くかというとですね、「かんぽの宿」は、黒字化を目指す経営計画を出せと、「メルパルク」は一層の収支の改善を図るための経営計画を作成して、これらの計画を踏まえて、6月末までに変更認可申請を行うと、これを条件にします。つまり、現在日本郵政で事業計画として出されているものは、「かんぽの宿」の黒字化とか、あるいは「メルパルク」の増収ということに関して、覇気が感じられないので、正直言って、赤字がちょっと減ればいいというような感じの計画なので、これは認められません。したがって、黒字化を目指して計画を作り直して6月までに事業計画の変更認可を求めておいでと、こういうことでございます。
 それから、郵便事業会社の事業計画を認可いたしますが、これは修正認可。つまり、こういうふうに文章を変えなさいと、それで認可しますと。修正認可をいたしまして、更に条件を付けます。修正認可の文章は、つまり、4月に出資して、JPエクスプレスという会社の、既に「ペリカン便」が出資しておりますが、それに「ゆうパック」も出資をすると。10月に完全統合するというような形で事業計画が出ておりましたが、その部分は削りました。なぜ削らせたかといいますと、要するに、日通の「ペリカン便」と「ゆうパック」とを一緒にすると、両方消えるわけでございます。そういう計画を立てておりましたが、4月に出資をしますが、とにかく、やってみて良ければその後のことを認めようということで、10月にJPエクスプレスで「ゆうパック」、「ペリカン便」全部合わせたものをやるというのは認めませんでした。理由は、これは条件を付けましたが、要するにJPエクスプレスという新会社が、いいとこ取りをするのではないかと。いいとこ取りをするということは、人口密度の高いところだけ営業して、国土面積でいうと93%くらいあるのですね、より人口密度の薄いところは結局JPエクスプレス社はやらないで、郵便事業会社に任せるという形になりそうなのですね。つまり新会社はいいとこ取りをして、過疎地、要するに配るのに手間暇、時間もお金もかかるところは郵便事業会社に委託をするというのは認めたくないと。要するに、委託をするのであれば、それなりの高い委託料を払えということでございます。
 それから、ユニバーサルサービスができるかと。つまり、JPエクスプレス社、今は「ゆうパック」はユニバーサルサービスですから、JPエクスプレスという会社になったらユニバーサルサービスでなくなるということはあってはならないと、こう思っています。
  それから、私は細かいことは分かりませんが、「ゆうパック」より「ペリカン便」の方が若干値段が高いというふうに聞いておりまして、高い方に合わせるわけにはいかないと。つまり、「ゆうパック」の値上げにならないようにしろという条件を付けました。ということは、「ペリカン便」の方で値段を下げろということでしょうね。「ゆうパック」が値上げにならない。新会社「JPエクスプレス便」が、「ゆうパック」より値段が高いということは認めないと、こういうことの条件を付けました。
 それから、宅配便事業者は一杯ありますから、競争条件が適正に確保されるように、区分経理を厳格化するように、また、その結果を公表するように求めたわけでございます。つまり、郵便事業会社が出資してJPエクスプレスができるわけだけれども、そこのところを、お金が混じって、他の郵便事業のお金で応援をしてしまったら、他の宅配便事業者と競争条件が対等にならなくなりますから、区分経理をしっかりということ。これを条件を付けて、「ゆうパック」と「ペリカン便」の件について認可をいたします。4月に出資するということのみ認可をして、あとは10月に完全統合などというのは、いいとこ取りをしないという条件を付けてあります。以上です。

2.質疑応答

(問)2009年度の予算が成立しました。先ほど、与謝野大臣から公共事業の前倒しなど取り組んでほしいという要請があったというふうにおっしゃいましたが、今後策定することになる追加経済対策として総務省として考えられるメニューを教えてください。
(答)これは総務省だけで考えられる問題ではありませんから、追加の経済対策というのは、与党と政府の間で詰めていくものと思います。当然、公共事業の話が出てくると思います。景気回復のために公共事業を新たにやるのであるならば、それに対して補助金が出る事業で、補助裏に充てられるような交付金というものを考えていくべきだろうというのが、私、総務省の考え方であって、つまり、公共事業を行う場合に地方の負担にならないように、地方の負担ができるだけ少ないように、交付金等作るというのが、あるいは、いわゆる起債をした場合の交付税措置の率を高めるとか、そういうことで地方の負担が大きくならないように考えるのが総務省の仕事ではないかと思っています。
 それともう一つ、地デジ関係、あるいは光ファイバ関係、ブロードバンド関係、こうしたところで、これは非常に必要なインフラであって、まだまだ整備しなければなりませんので、そういう分野で追加の経済対策を行っていただくと、私は一石二鳥ではないかなと、こう思いますね。
(問)地方議員の年金で一つ質問させてください。地方議員の年金の検討会が、昨日、非公開で初会合が開かれたのですけれども、非公開の理由を総務省は、「傍聴者がいると活発な議論ができない。」ということにしているのですけれども、新たな税金を投入する場所でもあるので、不透明な議論の進め方は問題だとの批判もあがっているのです。次回の会合から公開にしても問題はないと思うのですが、大臣のお考えを聞かせてください。
(答)地方議会の議員の年金の問題は、本当に気の毒な状況にあって、市町村合併の結果、議員の数が激減したので、1人で2人とか3人を支えると。1人の掛金で3人を支えるということができるはずがないわけですね。そういう中でどういう有り様があるかということが、議論をされたわけでございまして、議事概要と配付資料を、あるいは半月後には発言者名を含めた議事録を総務省のホーページにおいて公表することが決定されておりますから、発言者名と発言の記録、これをホームページで2週間後には公開いたしますので、透明性はそれで確保されているものと考えております。議員の掛金率とか、あるいは地方公共団体の負担の割合とか、あるいは、既に裁定されていて、給付をもらっている人の給付も下げなくちゃならないとか、非常に厳しい意見が相次ぐわけでございまして、そうした中で、完全公開だと発言しにくいというケースがあるのではないのかなと。周りに人がいるとですね。だけれども、そういうことで公開しなかったと思いますが、中身は公開するわけですから。例えば、経済財政諮問会議だって、毎週のように開かれておりますが、それは議事録を公開しますから、全部しゃべったことは皆様方に伝わっているから、そこで皆さん方の前で経済財政諮問会議の議論をしろと言われると、やはり多少発言しにくいこともある。実際、記録がでるからいいのですけれども。同じようなことで、そうなっているのではないかと思いますがね。ただ、今後の議論の有り様で判断すればいいのではないですか。今回は初会合ですから、できるだけ伸びやかに発言してもらおうという意味で非公開にしたので。どっちみち中身は公開されるのですから。
(問)回ごとに、また公開、非公開を判断すればいいと言うことですか。
(答)いやいや、今後の在り方の中で、会議が、検討会自身が判断することでしょう。こちらから命令することではないと思っています。
(問)支持率等各種上向いてきているのですけれども、解散の時期について、いつがいいと大臣は率直に思っていらっしゃいますでしょうか。
(答)総理大臣の専権事項でございますので、解散について私が述べる権限、権利は何もないと思います。総理大臣の御判断。大体、総理大臣の専権事項であり、御判断にすべて掛かっていることについて、周りがいろいろ言うというのは実におかしなことだと思いますね。
(問)ほかありますでしょうか。ありがとうございました。
(答)はい、よろしいですか、ありがとうございました。

(以上)