鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年1月27日

(平成21年1月27日(火) 10:44~11:14  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は閣議で、「平成21年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」について、私から発言をいたしました。
 既定の加算とは別枠で、地方交付税を総理の御判断で、1兆円増額したということ。これで、「地域雇用創出推進費」、これはちょうど半分の5,000億円ですが、これを設けること。引き続き生じる財源不足については特例地方債の発行、一般会計からの加算等により補てんするということ。その結果、平成21年度の地方交付税の総額は、15兆8,202億円で、4,141億円も増えたということ。ただ、地方団体の歳入歳出総額の見込額は、8,457億円の減となっておりますが、一般歳出は増えているのだと思います。この歳入歳出総額が減っておりますのは、東京とか、今度は交付団体になるかもしれませんが、愛知県とかの不交付団体のところで、税収ががくんと落ちておりますから、歳入歳出ともに減りますので、それをかぶりますので、全体としては減りますが、地方交付税が増えて、交付団体等の一般歳出ははるかに増えると、こういうことでございます。

2.質疑応答

(問)2点お願いします。まず、定額給付金の件で、補正の採決が持ち越しになったのですけれども、定額給付金の件で、市区町村の議会の関係で、年度内給付も難しいのではないかという意見も強くなってきたのですが、改めて、各自治体がばらばらになってしまうのではないかという懸念についてどう思われるのかということが1点と、一部の報道で、内閣人事局の件なのですけれども、名称が「内閣人事・行政管理局」になりまして、大臣が以前、甘利大臣と折衝されてた2局体制ではなくて、局の下に部を2つぶら下げる形で、ファイアウォールを設けてという形になっていると思うのですが、それについて容認されるのかどうか。
(答)定額給付金は、これは制度の骨格は国が定めておりますけれども、地方自治体、区・市町村にやっていただく自治事務でございますから、それぞれの地方議会で補正予算を組む、採決をするということも必要になってまいるでありましょうから、当然、区・市町村は1,800あるわけですので、ばらつくことは、私は、おかしなことではない。これはある程度やむを得ないと。ただ、できるだけ早期にやっていただきたいと、強く要請をしていきたいと思っております。最近は、いわゆるプレミアム付きの商品券を発売をすると。例えばですけれど、10億円くらい定額給付金がいくところで、その半分なのか4割なのかは分かりませんが、5億円分のプレミアム付きの商品券を売るとか、そういうような研究をしているところが随分増えてきておりますし、最初、佐世保市が名乗りを上げておりましたけれども、今では、どこでしたかね、1割ではなくて、2割というところがありましたね。越前市かな。とにかく私も見ているのですよ、皆さんの報道でも。確か、2割を検討しているところがあるのですよ。すみません、越前市は1割だそうです。そういうプレミアム商品券を発売するということになれば、当然、その印刷とかということで、準備があるでしょうから、多少遅れるとか、いろいろあると思います。
 ただ、私は民主党に言いたいことが2つあります。1つは、定額給付金に徹底して反対をしながら、ホームレスとか、DVの被害者とか、そういうところにきちんと配りなさいと言うことをおっしゃるのは矛盾してますね。これは昨日、南野知惠子さんが、自民党の立場でそういう気の毒な方々、テント村の方々も含めるかもしれませんが、派遣切りにあっている方とか、ネットカフェ難民とか、DVとか、そういう方々に暖かくみてください、みるべきですという南野知惠子さんの主張はよく分かりますが、定額給付金のことをぼろくそに言いながら、こういう人たちにあげろ、ああいう人たちに配るべきだというのは、矛盾が1つ。
 もう1つはですね、ただただ政局ね。次の選挙で自分たちが有利になりたいという思いだけで、政府のやっていることにすべて邪魔をすると。だから、政局のためにすべて判断基準は国民の福祉でも幸福でもない、自分の党の利益だけ。超自分党なんだね、民主党という政党は。それで、我々が昨日11時過ぎまで、飯も食わず酒も飲まずで待っていてですね、結局やらないと。家に帰って12時過ぎから酒を飲んで眠いですよ。いずれ少し精緻な議論を金曜日くらいには皆さんにしようかと思っていますけれど。つまり、補助金交付要綱等をいつの時点でどうやってという話を、少し精緻な話を金曜日くらいにできると思うのですけれども、やはり、昨日、補正予算が成立しなかったと。この1日だって大きいわけですよ。我々が事務手続を準備して、地方団体に連絡するのが少なくとも1日は遅れるわけですよ。2日邪魔されたら、2日遅れるわけですよ。邪魔して、遅らせておいて、年度内給付は難しいだろうというのであれば、自分たちでそういう状況を作り出しておいて、年度内給付が難しいだろうと、もし言うとしたら、これは国民のことを考えない、私は、邪悪な行為としか思えませんね。この2つは申し上げたい。
 「内閣人事・行政管理局」については、実は今日も、閣僚懇談会で発言しました。それは、甘利大臣が苦労していると。公務員制度の、これはもう数十年ぶり、60年ぶりか何か分からないけれども、公務員制度の抜本改革をやるのだから、これは内閣を挙げて甘利大臣に協力をしようと。私も関係者でもあるし、協力をしているつもりであるということを、今日、閣僚懇談会の席で全閣僚に協力を呼びかけるという発言をしました。
 私は、省庁の権限争いのような、物事、そういう考え方はとらない人間です。国民本位にものを考えなければならない。それが政治家の務めだと。それは予算の成立を引き延ばす自分党である民主党とは違う。私は、国家国民のためを考えておりまして、そのためには行政機構がどうあるべきかということを考えて、行政管理というのは大変重要な仕事だけれども、内閣が戦略的に行動しようというならば、内閣官房と言うべきでしょうか、内閣人事局という人事をやるところとファイアウォールを設けて、この行政管理をやるところが、ひとつの内閣官房の中に入るということについては、私は賛成をしたわけでございます。
 ですから、できれば2局が望ましいのですけれども、例えば、もし部になった場合でも、その部長が次官級であれば、これは相当意味が違ってきます。ただしですね、今日私が、閣僚懇談会でなぜそんな発言をしたかと言えば、それは人事院でございます。級別定数等いろいろな議論はあると思うが、もう内閣に人事や組織、内閣官房と言ってもいいかな。行管って、ものすごく重要な仕事をするのですよ。組織と人員、定数、定員の管理等をやるわけだから。これを内閣人事局、つまり幹部の具体的な人事とファイアウォールを設けて両輪でやると。で、やるのであるならば、当然、人事院の公務員の労働基本権の制約の代償といわれる部分以外は、基本的に全部内閣官房に移してもらわなければ、この公務員制度改革は中途半端になってしまうから、とにかく人事院にきちんとやってもらいたいという私の希望を「内閣総力挙げてやりましょう。」という閣僚懇談会での発言にしたわけでございます。
 先ほどの20%プレミアム商品券というか、地域振興券というか分かりませんが、10,000円で12,000円買えると、これを検討しているのは、時事通信の報道によると塩尻市ということであります。時事通信の方はどちらですか。あなたの取材によると20%は、塩尻市が持つのですか、それとも商工団体と分かれるのかな。
(問)そこまでは調整中、検討中というところが多かったですね。
(答)中央区では、4千万円を自分で引き受けるのですから。私の昔の選挙区ですけれども、たいした決断ですね。4億円で売って、4億4千万円の買物をして、4千万円を中央区が自分で持つのでしょう。
(問)大臣、給付金ですが、まだ補正予算が正式には通ってないのですが、補正が通ればですね、補助金の交付要綱を速やかに通知するということになっていたと思うのですが、それは金曜日に精緻な説明ができるということなのですが、それは今週中に通知できるのか、それよりもっと時間が掛るのかということなのですが。
(答)今週中にできるようにしたいと思っております。これは、金曜日に御説明できれば一番ありがたいのですが、2つに分かれますね。事務経費の方は、大体、10月30日でしたでしょうか、さかのぼって準備してきたものも使っていいですよということにしていますね。事務経費の方は、予算が成立をした段階で、直ぐ、補助金交付要綱を伝えたいと。定額給付金本体の10分の10の補助金交付要綱は、予算が成立した後に、多少手続をした後で、通知をしたいと思っていますので。財務省との連絡もありますので。だから、それを金曜日くらいまでには全部、本体の補助金交付要綱を通知できるように頑張りたいという思いですね。

それからですね、1月27日付け週刊ダイヤモンドのホームページの記事で、竹中平蔵様がですね、「かんぽの宿を巡る鳩山総務相の事実誤認」といって、いろいろおっしゃっておられるわけでございます。
 これは全部、私は反論できるのですけれども、前回とほとんど同じなのですけれども、私は「かんぽの宿」の問題はですね、基本的に言えば、正しい方向に持っていければいいのであって、竹中平蔵さんとやり合うことは何のメリットもないわけですが、ただ、あまり好き勝手なことを言われますと私のこけんにもかかわりますので。例えばですね、相変わらず宮内さんは郵政民営化には全くかかわってないと。全くの事実誤認だと。これは総合規制改革会議で深くかかわって郵政民営化の議論しておったということをよもや御存知ないとは思わないのですが。よしんば、その宮内会長が議論にかかわっていたとしても、それでもその資産を買ってもいけないのでしょうかと、こう書いてあるのですね。そうすると、例えば経済財政諮問会議の議員であるトヨタの元会長の奥田さんはその議論に参加しているから、郵政の株を売り出したときに、トヨタ自動車はそれを買えないのかと。財政審議会で新たな国債を出すことを決めたときに、議論にかかわった人は、その国債を一切買ったらいけないのかと。市場で決まるんでしょ、国債の価格とか、郵政の株というのは。そうじゃなくて、不透明な入札だか、よく分からない怪しいようなもので、こういうことを決めて、「出来レース」と思われるような形になって、国民の全く理解できないような売却をしようとしているから、私は怒り狂っているのでね、そんなものと、トヨタが郵政の株買ってはいかんとか、財政審の委員の関係の会社は国債を一切買ってはいけないとかが書いてあるのですよ。
 それからですね、正当な入札手続によって、それをオリックスに売却するということが決まった段階で、横やりを入れるというのはけしからんと。私はね、正当な入札手続を疑っているからではないでしょうか。「出来レース」に見えるということは、正当な入札手続であったかが、疑わしいという直感につながるから、私はこれを全く公明正大だという証明がなされて、国民が納得すれば考えるけれど。私よく分からないのですが、麻生総理と違って、企業を経営した経験がなくて、せいぜい10人から15人の事務所しか経営したことがないので、あまり経営感覚というのは、私はない。だから、経営に関する知識は、私は乏しいから、それは事前にお断りを申し上げておくけども、この会社分割ね、私が認可しなければならない。大体、会社分割して、その株を売るという話になると、日本郵政から会社分割してそれを身売りしちゃうのでしょ。大体、日本郵政の下にある4つの事業会社の株式についてもいろいろな議論があるわけですからね。5つ目のやつは、ぱっと売っちゃうのかというまず疑問がありますね。それと分社化してですよ。その株をオリックス不動産に売るわけですよね、買ってもらうわけでしょ。そうすると、経営全体の譲渡になるではないですか。会社を丸ごと買ってもらうわけだから。その手続によって、巨万の富が動いたらどうします。例えば「かんぽの宿」は、いろいろな評価が、簿価とか、なんか私もよく理解できないものがあるが、109億円だというのでしょ。それも、大体1年間の赤字が40億円ぐらいだからというのが、それを差っ引いてあったりするのだわね、きっと。少なくとも「かんぽの宿」を作るのには、2千億円か、3千億円は、絶対掛っているわけですよ。それは上田知事からお話があったように、280億円から300億円でしょ、「ラフレさいたま」だって。だから、少なくとも、土地と建物を作るのに2千億円か、3千億円かというものが、儲かっていない不良債権だから100億円で売るって、それがおかしいと私は言っているのではないですか。そこを皆さんにも理解してもらいたいのです。
 だから、私は瞬間にこれは国民が「出来レース」と思うのではないかと。金額が極端に安いと。ではこれが本当に正しい入札なのかと。入札というか、提案を受け付けて、「あなたの提案はいいね。」と言って、「ほかは駄目だからあなたの提案にしよう。」と。ほかは、どういうところが、どういう提案をしたかも闇の中なんて、そんな馬鹿な話がありますか。入札だって、条件を一杯付けるのは良くないということになっているのでしょ、大体今。いわゆる政府がやる入札に関しては。例えば過去実績がなくてはいけないとか、そういうこと一杯付けると、1社応札しかできないというのが、一杯あるわけで、これがいんちきの温床になるというのでしょ、1社応札というやつが。1社しか応札できないような状況を巧みに作り出すと。そういうようなことが、この中に入っていませんかと私は疑っているから、いろいろ23項目の質問状を出して、答は来ました。来ましたけども、これからまたやり取りをしますので、今ここでお示しすることはできませんが、読んでも全く何の説得力もない答ばかりが書いてありました。これを公開するわけにはいかないのです。やはり、こちらだって、手のうちがあってやり取りするわけだから。結果は国民にいい知らせをもたらすことが私の使命だと思っていますから。
(問)その回答の中に、例えば109億円、93億円の根拠とか、27社の内訳とか、そういう満足のいく答は書いてあったのですか。
(答)いや、全然満足できるものでは全くありません。何も、私と日本郵政がけんかしたり、やり取りすることが目的ではなくて。うちの優秀な専門家たちとも、もう日本郵政とはいろいろな話し合いをさせていますから。間違ったことを正すのが政治家の仕事だと。これぞ「友愛」であると、こう思っているわけで。それはね、2千億円も、3千億円もするものがね、100億円というのはおかしいですよ。それが経営権というのか、企業譲渡だからといって、例えば都心の一等地に大きなホテルが1軒建っていたと。このホテルが赤字だから、もうこの会社を丸ごと買ってくれと言って、2年くらい、みんな従業員使ってやってくれと。で、ただ同然で、会社を譲渡したと。2年経ったと。で、ホテル業をやめちゃったと。それで土地だけでも、ものすごい値段で売れたなんていう、そんなことがあったら、これはなんというのですかね、抜け穴というのか、法の網を潜る脱法行為というのか、そういうことになりはしませんか、例えば。2年間しか保証がないのだから、事業継続の。2年間続けて、例えば40億円ずつ赤字が出たら80億円かぶる。しかし、2年間で全部打ち切って雇用問題など、大きなグループであれば適当に吸収できて、土地だけ売ったって400億円になりました。建物まで合わせて売ったら1,500億円になりました、2,000億円になりましたということだってあり得るのではないですか、違いますか。
 それを私は恐れているの。そういう形で国民共有の財産が濡れ手で粟で、取られていったら、これは国民に対する大背信行為になるから、そうならないように私は頑張ります。
(問)大臣、その109億円の前提になる建物の簿価についてなんですけれども、郵政公社から日本郵政に移るときに資産評価の委員会を作って、その中に総務省の役人も入って簿価を決めているわけなんですが、その価格自体がおかしいと。
(答)と、私は思いますがね。あれ、役人が間に一人ずつ入っていくんだよね。あれ、全部で10人くらい、やっているよね。僕、それもよく分からない、よく調べますよ。私が今まで言ったことで、私に間違いがあることもあるかもしれないけど、だけど、それが価格なの、それが価値なの。なんで280億円か、300億円か掛けて作った「ラフレさいたま」が、あれいくらになっているのだろう。その簿価見れば分かるのだろうけど。そこのところが、からくりが全く分からない。
(問)大臣としては、それをいつまで調べてとかそういうことは。
(答)それは今後やり取りして、みんなも調べるでしょうし、私も回答をよく精査して。
(問)再質問という形にはならないのですか。
(答)そんな、あまり形式的なことをやってもしょうがないけど、場合によってはそうかもしれませんね。
(問)具体的に回答のどこら辺が納得いかなかったのですか。
(答)だって、何も答になっていないのですよ。例えば、なぜ、メリルリンチを使ったのかと、そこが一番良かったからという、そういうような感じですからね、答はね。しいて言えば、そういう文書ではないけど、なぜ、メリルリンチにアドバイザリー契約を結ぶ必要があったのかと。いや、いろいろ専門的に難しいことがあったから、そういうところに相談したかったと。で、12社くらいあったけど、メリルリンチが一番いいと思ったからだと、というような答だから、極論すればね。だから、それでは話にならないでしょう。
(問)大臣、確認なのですけれど、さっきの人管のやつで、「2局が望ましいが、部でも、部長は次官級であれば」って、部長が次官級ですか。
(答)部長が次官級ということはあり得るわけですね。その場合は、局長が官房副長官なのでしょう。そうすると、官房副長官というのは、次官より上ですから。そうすると部長は、2部になっても、それは次官級、次官級になるのですよ。
(問)行政管理局が行政管理部になっても、次官級と。
(答)なっても次官級というような扱いが考えられるのではないかと、今、検討をしていただいております。

(以上)