鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月24日

(平成20年12月24日(水) 9:40~9:59  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 「緊急雇用経済対策実施本部」が、今日、閣議で決定されてできまして、その第1回の会議が院内で行われました。その席上、私から雇用について、総務省関連の施策について報告をいたしました。それは、「生活防衛のための緊急対策」を踏まえて、この1兆円の地方交付税が別枠で来た話とか、いろいろいたしましたが、特にその会議の終了に当たって、総理大臣から、「総務大臣におかれては、先ほど、報告があったけれども、とりわけ地方自治体に対して雇用対策に大いに励んでもらうことを伝えてもらいたい。」と、こういうような総理からの御指示がありましたから、一層力を入れて、地方公共団体に対して、いろんなお金は用意しましたからね。特別交付税を使っていいわけですし、地方に雇用対策を積極的にやるように要請をしていこうと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日、政府予算案が、閣議決定されまして、大臣折衝で重点項目に挙げておられたICTとか、消防と医療の関係が要求どおり認められるなど、総務省の予算も決まりましたけれど、大臣の御所見を改めて伺います。
(答)予算要求重点事項は、ICT関連とか、消防と医療との連携の問題等ございましたが、基本的に満額認められたわけでございまして、良かったと思っております。
 ただ、予算において1番重要だったのは、予算と連動している地方財政計画でございますが、地方財政対策としてですね、今、申し上げたように、総理の強いリーダーシップによって1兆円の地方交付税が別枠として積まれたことでございまして、総額が15兆8,200億円という前年度を4,100億円上回る地方交付税を確保できたということでございます。それくらいの量の地方交付税の増額が認められたのは9年ぶりとか10年ぶりとこう言われているわけでございます。とにかく国税5税の大幅な減収によりまして地方交付税の原資が減って、これでは地方交付税がめちゃめちゃになるのではないかという中で、4,100億円ではあってもプラスで地方財政計画を組めましたことは、大変ありがたいことであり、総理の御指示の1兆円がなかったら、全部マイナスになったところですから、ありとあらゆる数字がマイナスになったところが、プラスでいけたというところに「一抹のあんど感」という表現はおかしいかもしれないが、ちょっとあんど感を覚えるところでございます。
 しかし、経済の状況は厳しいし、雇用の状況も厳しいので、やはり第2次補正の6,000億円のお金も、これは雇用に使ってもらいたいし、そういった意味では15か月予算というのか、18か月予算というのか、10月から始まって来年度1年分という意味で言えば、1年半の予算ということになるでしょう。そういう意味では第2次補正が一日も早くできなくてはいけないなと、こう思っております。
 比較的、ICT分野等でもメリハリの付いた予算は確保できたと思っておりますが、地上デジタル放送への完全な移行まであと九百何十日でございますので、こちらの方はこれからも力を入れてやっていこうと思っております。
(問)大臣、定額給付金についてなのですが、民主党が切り離して法案を出すというような姿勢を見せておりまして、これに対する受け止めとですね、仮にこういうことがあった場合に「年度内に実施します。」という方針に対する影響はどういうふうにあるかというのをお願いします。
(答)また、邪魔しに来たなという感じがしますね。すべては民主党が政局、政局で国民本位ではありませんから。麻生内閣としては、厳しい百年に一度という経済・雇用情勢の中で、素早く国民のために対応を取ろうと思っておりましても、民主党はすべて参議院で多数を握っていることで、邪魔、邪魔、邪魔、また邪魔という、国民生活を痛めつけるようなことばかり。政局本位で自ら政権を奪取するためには、国民生活はどうなってもいいという、民主党の基本姿勢が非常によく表れている事柄ではないかと私は思いますが。
 年度内給付は、何とか間に合わせることができるように全力を尽くすと。スケジュール的にかなり厳しいことはよく分かっておりますが。定額減税に始まった定額給付金でございまして、そのお金を別の使い方をしたらどうなのだという議論はどんな時にも出てくるわけでしてね。例えば久留米市ですと、人口が30万人ですから、定額給付金として40億円くらいが来るのかな、多分。それを別の使い方をしたらどうだったかという議論はあるが、これはあくまでも家計への緊急支援と雇用回復、景気回復への反転攻勢にジャンプするきっかけの一つにしようということで、2兆円というお金が定額給付金になったわけで、そのことは正直に言えば私が総務大臣になるはるか前にその方針は決まっていたわけで、これを自治事務として取り仕切る私としては、とにかく、簡潔に簡潔にと。だから地方へ丸投げと言われると、それは地方が配りたくないということなら配らなくてもいいのですけれども、そういった意味では、妙な所得制限の話が出てきたことが、私は恨めしく思いますね。総理が最初に全世帯にいきますとおっしゃったのだから、それで貫けばいいのですよ。それが、ちょっとグチャッとなったために「地方に丸投げか」ということになりましたから。配りたくない自治体はないとは思うけれども、私は全国の全自治体に対して、所得制限など設けずに、所得制限を設けても地方自治体に何もいいことはありませんから。所得制限を設けても地方に1円も入るわけではありませんから。そういった意味で、全地方自治体、市町村に所得制限を設けないでシンプルに配っていただきたいと要請をしたいという気持ちです。
(問)大臣、22日に、NHK経営委員会の新委員長が決まりましたが、所管の官庁として望むこと、あと3人の欠員がまだあると思うのですが、そこら辺の目途についてお願いします。それがまず1点目と、2点目なのですが、一部報道であったのですが、NTT東西に対する行政指導の件でどういう方針なのかを教えてください。
(答)NHK経営委員会委員長は、民主党が認めてくれませんので経営委員にまだ3人空席がありますけれども、放送法の規定に基づいて、経営委員の互選によって選ばれるわけでございまして、私がどうこう言う話ではなくて、経営委員会として委員長にふさわしい方が選ばれたのだろうと思っております。
 小丸委員長は会社の経営者でもあられますし、3か年計画の着実な実施をはじめ、指導力を発揮して、国民から信頼されるNHK、日本放送協会、公共放送の信頼回復に努めていただくことを期待いたしております。執行部と経営委員会というものは、協力しながら緊張関係を保つことが大事で、それは絶対に癒着していけないものだと思いますから、この素晴らしい委員長の下で、執行部との緊張関係を保ちながら、ともに執行部も経営委員会も、公共放送の信頼回復に努めてもらいたいと、こう思っております。
 NTTの件はですね、競争セーフガード制度というものがあって、いろいろ意見を聴取したら、対応しなくてはならないということだろうと思っておりますが、それだけのNTTには大きな力が、独占的な力がありますから、より厳しい倫理感が求められますし、通常よりも厳しく監視されてしかるべしと。そこで、本年の7月から9月にかけて、2度にわたって、競争セーフガード制度の下で、国民から意見の募集を行いまして、検証結果を取りまとめたところですが、「フレッツ・テレビ」の営業において、放送サービスの提供主体が他社であることを広告に明記することの周知徹底等、NTT東に対して、所要の措置及び報告を求めること等を盛り込んだわけでございます。つまり、NTT東は放送事業者ではないが、私、テレビをあまり見ないので、この広告を見たことはないのですが、調べましたところ、そのコマーシャルを見ると、NTT東は光ファイバを持っている、引いているだけであるにもかかわらず、まるでNTT東が放送事業者として、流しているように見えるということでありますから、それはコマーシャルとしては誤解を招くわけで、「あっそうか、NTT東が放送を流してくれるんだ。光ファイバで契約すると。」と、こう思ってしまうのではないでしょうか。それは実にけしからんことでございますから、今回の検証結果については再度意見募集を行った上で、最終的な取りまとめを行って、来年2月を目途に、所要の措置を講じる。NTTを指導するということになるのかなとは思っております。確かにこれ、NTT東のコマーシャルなのですが、「アンテナいらずの地デジ対策」で、「フレッツ・テレビ」というサービスで光ファイバを持っているNTT東を通して何でも見られるというのがですね、NTT東が放送を流しているように見えるということなのでしょうか。この広告、結構やっているのですか。私は実は見たことがないのですが、それは誤解を招きますね。NTT東としたら「光ファイバを使ってくださいよ。」という気持ちなのでしょうね。でもそれは、中身を流す、コンテンツを流す人は別にいるわけで、NTT東ではありません。NTT東は放送事業者になれないと法律に書いてあるでしょう。

 それからですね、この前、「鳩山プラン」と言って「地域力創造プラン」のことを少しお話をしました。実は、基本は森林保全等のボランティアでも、あるいは過疎地を助けるというか、「定住自立圏構想」もあるわけですけれども、要するに都市と地方、とりわけ人口密度の低い地域との連携は「共生」という形だと良いということを申し上げたわけで、「地域おこし協力隊員」などという名前を使わせていただいたりしました。あるいは森林保全ボランティアと。限界集落等には「集落支援員」という名前を付けてこれを制度化して、財政的にも支援をしようということでやって、まだ粗削りなので、私としては中身をいろいろ精査して、もっと受けるような話にしたいと思っているのですが、実は一昨日の夜、あるテレビ局の正月用のバラエティ番組の収録へ行ったのですね。私が鑑定されるという番組でしたけれども、その時に和田アキ子さんが、いきなり私に「あの鳩山プランというのは素晴らしいから、あれはどんどん早くやってくださいよ。」と言われました。「鳩山プラン」をですね、新聞も小さくしか載っていないし、この会見をどこかのテレビ局ではやっていただいたけれども、あの和田アキ子さんという方は、希代の勉強家であることは、私も前に「アッコにおまかせ!」という番組に出た時に、頭が下がる思いでしたよ。あれは生番組で、私は始まる15分くらい前に行くだけでしたけれども、彼女は3時間くらい私の資料を全部読んで、それで生番組に臨むわけで、それは大変な勉強家で頭が下がるのですけれども、まだ十分詰め切っていない内容であるのもかかわらず、ここで発表したことを知っておられて、「あれはいい。」と、「地域おこしの鳩山プランって絶対いいからやってよ。」って言われましてね。なるほど、そういう方がそういうふうに期待をしていただけるのだったら、年を越すけれど、もっと味を良くして、いいプランに仕上げたいという気力が湧いてきましたね。個人的なことですが。そういうのは一種の世論でもあるのですよね。
(問)ほか、ございませんか。ありがとうございました。
(答)はい、では、どうも。

(以上)