鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年12月16日

(平成20年12月16日(火) 9:38~9:54  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。本日の閣議で私から発言いたしましたのは、各府省の随意契約の適正化の一層の推進ということで、政府を挙げた取組ですから、いろいろ行政評価・監視をしてまいりましたので、つまり「契約の適正な執行に関する行政評価・監視」の結果が行政評価局の方でまとまったので、本日、全府省に勧告をするということを発言しました。勧告しますから各府省で、きちんと対応してくださいと。つまり、いい加減な随意契約は駄目だし、何と言うのでしょうか、入札の参加条件を厳しくすると、過去実績とか、何だとかと一杯つけると、結局は公正な競争入札が実質随意契約になってしまうというようなケースもありますので、そういうのはおやめいただくように勧告をいたします。
 それから、今日は、「平成20年版消防白書」について、閣議で報告をいたしました。
 それからですね、ねんきん特別便を含む配達遅延事故。つまり、置きっぱなし、棚ざらしで、コンテナごとだったでしょうか。とんでもないことがあったわけでございまして、これは国民・利用者の皆様に大変御迷惑、御心配をおかけいたしました。とりわけその中には、ねんきん特別便等が相当入っておりまして、本当に申し訳なかったと思っております。
 郵便事業株式会社から報告を受け、これを精査したわけです。結局ですね、郵便というのは歴史と伝統の中で絶対の信頼があったわけでしょう。それを傷つける行為ですよね。だから、郵便物の授受における確認業務が全く不徹底だし、その業務管理体制に問題があったわけです。運送業者に委託すると。それがまた再委託というようなことで、要するに結果として、確認を怠るという無責任さが目立つ事故だったと思います。ですから、歴史と伝統というふうに私は申し上げ、日本には郵政文化があると。これを著しく傷つける行為であり、断じて許すことはできませんので、昨日、北村会長と團社長にもお会いをして、お話は承りました。昨日、私の名前で郵便事業株式会社の北村会長に対して、早急に適正な態勢を確立するよう命令をいたしました。命令というのを出すことができるわけです。監督上の命令を郵便事業株式会社に対していたしました。二度とこういうことがないようにお願いをしたいと思います。
 やはり、信頼というのは1回失いますと、大変信頼の回復というのは簡単なことではない。ですから、とりわけこれから年賀郵便の季節に入りますから、この年賀郵便の見事な配達で、この信頼を回復して欲しいというふうに申しました。郵便事業株式会社からは、「今回の事故を真しに受け止め、社を挙げて、再発防止を含め、万全の対策を講じる」という話がありました。とにかく、郵便はきちんとやってもらいたいと、ただそれを願うばかりでございます。以上です。

2.質疑応答

(問)今、御説明がありました郵便事業株式会社のねんきん特別便の件なんですけれども、年賀状が元旦に届かないかもしれないという不安が広がることもありますし、民営化して業務の質が悪化したんじゃないかという印象も強めかねない部分があると思うんですが、その点について大臣、どのようにお感じになってますか。
(答)要はそういうふうに思われたら一番困る。だから「民営化したから、こんな事故が起きたんだろう。」と、「昔はこんなことはなかったろう。」と言われると困るので、私は民営化自体、これを国営に戻すつもりは全くありませんけど、それは郵政民営化の陰の部分は徹底して取り除くという意味では、どこの会社と一緒にするとか、提携させるとかというようなことも含めて、大胆な見直しを行うというふうに申し上げているわけです。今のあなたの言葉を借りて言えば、今回の原因がですね、民営化して会社を5つに分割したことに何らかの関係があるならば、その部分は徹底して見直さなくてはならないということになると思いますが、今はそういうふうに確認したわけではありません。
(問)昨日、民主党の鳩山幹事長がパーティーの席上、弟から政界再編を持ちかけられたというふうに御挨拶をされたんですが。
(答)あと何と言ったのですか。
(問)ええと、ちょっとそこの部分しかないのですが。
(答)まず兄の特徴はですね、個人的な会話を何でもすぐ外でマイクを通してしゃべるというのは、10年ぐらい前から兄の癖でございまして、非常に困る。もし私が同じことをやったら、どういうことが起きるかということを考えないのかなと。それは恐ろしい兄弟の会話があるわけですからね。よくね、ものすごい会話が。私がマイクを通して言ったらどうなるのですか。兄の小沢一郎代表に対する評価などというのは、私が兄から聞いたことをしゃべっていいんですか。だから、そういうことはやはり兄弟間でも、しょせん、私はマイクを通して言っていいことと、悪いこととあると思いますが、ただ、DNAのかなり共通した部分がありますので、私は兄を信じたいと思っている。
 こういうことです。今でも、週一遍くらいは、どちらからか、用事がありますから。実は母が入院したり、いろいろあって、最近わりかし電話はやり取りしていたので、もらった電話か、掛けた電話かは分かりません。記憶にありませんが、私が言ったのは、今のこの足の引っ張り合い、引っ張り合いという言い方は変ですけれども、要するに、今の自民党、民主党の関係というのは、私は率直に言ってですね、二大政党というのは切磋琢磨する。足の引っ張り合いをやっている余裕があるのですか。今のこの国に。私はそういった意味では、永遠の政界再編論者です。私は常に政界は、国の形とか、理念とか、哲学で、志を同じくする人間が集まるのが正しい姿だと思っているし、そういった意味で言えば、兄と私は「友愛」という基本的な理念ではぴたっと一致しているわけです。兄と私のような人間が、政治信条の基本の大部分を共有する人間が一緒になるのが正しい姿だと、私は思います。もちろん外交とかいろいろ違うかもしれませんけれども。
 今の自民党対民主党って、野球でいう、プロ野球の同じ読売ジャイアンツの中の紅白戦みたいではないですか。理念で分かれてるわけでなくて、選挙互助会同士が分かれてて、どっちが政権を取るかと。小学校でいう、紅白戦と言うの。赤い帽子と白い帽子でやるでしょう。我々の時代はそうだったけど、今でもそうですかね。それで、片方がやることは絶対反対。それをお互い続けていったら、この国は滅びるんですよ。
 だから私は、永遠の政界再編論者だと。同じ考え方、基本的な国の形や、国民生活や社会に対する基本的な考え方を同じくする人間が集まればいいと。そういう思いで何年前でしょうか、最初、民主党をつくったときに私は参加をした。しかしもう全く変質したでしょう。そういった意味で、永遠の政界再編論者として、要するに国民が「政治が進まない。」と。法案の棚ざらしだとか、党首討論だって、全然国民が聞きたいような高度な内容が全くない党首討論とか、そういうのはもうやめようという意味で「政界再編なんてものをまたやればいいじゃないか。」と、「やりましょうよ。」と言ったのは事実です。
(問)それは選挙前を想定してですか。
(答)もちろんです。選挙後の政界再編なんていうのは、全然意味がないではないですか。私は永遠の再編論者というか、常にそう考えてますよ。理念を同じくする人間が一緒にいるべきですよ。例えば民主党がですね、イラク特措法とか反対したでしょう。ところが、私の秘書であったある民主党の代議士は、日の丸を振って、出発の飛行機を見送って万歳しとるわけですよね。「頑張ってね。」って、旗を振って見送りに行く人間が、国会では反対しなくてはいけないなんて、そんなのはおかしいではないですか。それは単なる選挙互助会ですよ、それだったら。選挙互助会同士が戦って、足を引っ張り合ったら、この国は滅びる。だから、理念を同じくするものが一緒にやればいいと。兄と私は少なくとも兄と小沢さんよりは理念は近いと思いますがね。はい、以上でございます。
(問)何か、具体的な構想が念頭にあるということでは。
(答)私。そうじゃない、だから、私は、自分としてはいずれ環境新党をつくりたいと、もう5、6年前から言い続けてますけど、それはまだですけど。私はだから、常に考えてると。理念や、政策というと私は抵抗があるのですよ。政策よりももっと大きい、政策の骨組みになるようなものを私は理念と言ってるので、理想と言ってもいいけど。それを同じくする人が一緒になるべきだと。だから、ある意味で共産党なんか立派な政党なんですよ。かつての社会党も私は立派だったと思う。1つの理念でまとまっていたもんね。社会党とか。今、紅白戦やってちゃだめだと言ってるのですよ。
(問)大臣、交付税の1兆円の増額が決まりましたが、当初は7千億円とか、そういう数字も出てたようですけど、最終的に1兆円で決着したことについての受け止めとですね、これは雇用対策ということで、名目が付いてますけれども、どういう形で配るのが適切か。
(答)いろいろありますけど、総理が最後でぶれなかった証拠が示されたと私は思ってます。つまり私、総理にですね、1兆円を移すと言ったときに、総理は「1兆円はやっぱり地方交付税がいい。」とおっしゃった。その時に「地方道路整備臨時交付金、つまりガソリン税の4分の1のものとは約7千億円という部分とは関係ないですよね。関係ないというか、違いますよね。」と言ったら、「違う。」と。だから、それは一般財源化するわけだから、地方道路整備臨時交付金も変化するし、地方道路整備臨時交付金というのはなくなるわけだから。では道路を全く造らなくていいかというわけにはいかないから、そういう財源、国土交通省の言いなりというのではなくて、地方自治体にとって使い勝手のいい道路とか、あるいはもっと生活に密着したものもありますね。生活に密着した道路とか、あるいはブロードバンドとか、いろいろあると思うのですね。そういう形のもので、この間、1兆円を組み立てたでしょう。
 だから、それもそうだけど、それと別に地方が全く自由に使えるお金1兆円を総理は準備されたわけだから、1兆円が2兆円になったという見方もできなくはないが、元々、地方道路整備臨時交付金という道路財源があったり、それに足していった道路関連の財源があったし。補助国道のお金については、約6千億円弱ありますけど、これはどうなるかは今後の予算編制の段階で決まるのでしょうけど。そういった意味では地方にとっては大変いいことだと。しかもこれは、地方財源の穴がガーンと空くけど、その穴埋めに使う財源ではなくて、地方の歳出を積み上げて、そこに歩調を合わせて歳出を1兆円積む。そして財源としての地方交付税も1兆円積むと。したがって、これは雇用対策としての要素を非常に強く持つと、私は思うのですね。特にこれは地方交付税ですから、裏負担にも使えますよね。こういうことは国民の皆様方にすぐ理解していただけることかどうか分からないけど、交付金だと補助率が決まってるものだから裏負担が使えないわけじゃないですか。交付税でしたら、どんな形でも使えるから、総理が増額を決意された1兆円を使って「雇用、雇用、また雇用」と。雇用創出の1兆円の地方交付税だと認識いたしております。
(問)どうもありがとうございました。
(答)ありがとうございました。

(以上)