鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年11月18日

(平成20年11月18日(火) 9:24~9:40  於:参議院議員食堂)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日の閣議で、熊谷市を特例市として指定する政令が決定されたところでございまして、熊谷市におかれては、県からの事務の引継など、来年4月からの特例市への移行に向けて準備を進めて、引き続き適切な行政運営に努めていただきたいと思います。
 それから、定額給付金事業の具体的な実施方法について、岡崎本部長の下に、「定額給付金実施本部」をつくっているわけですが、この事業の実施につきましては、地方公共団体の協力が不可欠であります。本日、瀧野事務次官名で各都道府県知事及び各政令指定都市市長あてに協力を要請する通知を発出いたします。その通知の中で触れますが、11月28日の金曜日に各都道府県及び政令指定都市の担当者にお出でいただいて、事業実施方式の素案についての事務説明会を行うことにいたしました。その後、素案について地方団体から意見をいただいて、制度の詳細を詰めていこうと思っています。

2.質疑応答

(問)先週の国家公務員制度改革推進本部の会議で、総務省人事・恩給局の人事行政部門を内閣人事局の方へ移管すべきとの報告がなされましたが、御所見をお伺いします。
(答)内閣人事局を具体的につくる法律案を来年の春に提出しなければならないことになっていますね。ただ、いつ内閣人事局をつくるかというところまでは決められていませんから、平成21年度中に内閣人事局をつくるのであれば、今から予算要求をしなければならないということなのでしょうけど、この内閣人事局の形については、顧問会議のワーキング・グループの中でどういう話が出たかということを聞いているだけでございまして、全体としてどういうふうな機能や組織になるのか、その詳細がいまだ十分明らかになっていませんので、今の時点で私がコメントするのは、まだ時期尚早かと思っております。ですが、この担当大臣は甘利明国務大臣ですので、甘利国務大臣とよく話をしていく中で、人事・恩給局、あるいは行政管理局、これがみんな絡んでまいりますので、どういう形にすることが一番望ましいかを検討していきたい。もちろん事務方同士も詰めていきますが、最終的には、私と甘利大臣で詰めていくことになるのかなと思います。
(問)大臣、先ほどおっしゃった定額給付金の実施方法の素案をですね、10日後の11月28日に都道府県や政令市に示すということなのですが、素案というのはいつまでに固めて、それには所得制限の方法などについて、どれくらいの感じで盛り込まれるのかというのをお聞きしたいのですが。
(答)28日までまだ間がありますから、中身は固まっているわけではないと思いますが、いつも申し上げておりますように、最初は定額減税であったわけですが、これを定額給付金として実施することにしたわけですから、総理が10月の末に記者会見をして、生活対策の経済支援策の発表をされたときに、これは全世帯にお配りするというふうに総理が明言をされたわけですから、それが国民に対する最大の公約であって、それを守っていくのが、我々閣僚の責務でもあろうと、こう考えております。ですが、これは自治事務として、100%の補助金というのかな、要するに各市町村にお金をお渡しして、市町村が国民にこれを配るという形になります。配付するという方になりますから、それは変わった自治体があってですね、「うちはいらん」という所があれば、論理的には、「うちの町は、うちの市はやらん」という所があれば、これは強制はできないということになります。したがって、高額所得者の方は御遠慮いただきたいというふうな自治体が出てきても、それを国が強制的に変えさせるということはできないと、こう思っております。私はそれが地方自治というものだと思いますし、自治事務で行う以上、そういう形になるわけです。ですが、総理の最初の国民に対する説明が「全世帯に配ります」と、おっしゃったのですから、できるだけそれに近づけていただきたいというのが、総務大臣としての考え方です。ですから、それに沿った形で、28日には出てくるとは思いますが、当たり前ならば、原則全世帯に配るという形、ただ、地方公共団体がそれに制限をしたいということであれば、それは拒むことはできないと、そんなふうな形で説明が28日にはあるのではないかと。その実際の配付方法というのでしょうか、配り方について、実は口座振り込みということが一つの有力な案でありますけれども、そうなりますと、振り込め詐欺がこんな場面で横行されては困りますので、いずれ私自身が国家公安委員会委員長のところに出向いて、それはきちんと振り込め詐欺防止をお願いしてこようと思っています。
(問)大臣、地方交付税のことに関連してなのですけど、三位一体改革で税源移譲と何の関係もなしに5.1兆円を切っているわけですけれども、三位一体改革の評価を改めてしていただきたいのですが。
(答)国、地方を挙げて行政改革、スリム化をやるという、これはいつの時代にもそれはあるべき行政組織の健康管理のようなものだと私は思っているのですけれども、三位一体のときに、「二位一体」という言葉はないのでしょうけれども、補助金の4.7兆円を切ったと、税源移譲は3兆円であったと、一部交付金化したものもありますけれども、そうしますとそこにも穴があく。その穴もスリム化、行政改革努力で埋めてくれと、それに地方交付税の5兆円以上の減額というものが加わった。それはその頃のスリム化、スリム化ということで、地方公共団体も努力しろと。実際、それを受けてかなりの努力をしてですね、そのために地方単独事業が実は3分の1ぐらいになってしまったとか、あるいは地方の一般歳出が、地財計画というか、決算ベースだと思いますけれど13兆円くらい減ったりしているのですね。国の一般歳出が13兆円減ったかと言ったら、減っていませんから、そういう意味で地方は相当努力をした。5兆円削られたことによって地方が否応なく努力をせざるを得なかったという部分はありますが、それがやはり行き過ぎがあって、私は地方の弱体化、疲弊につながっていると、今は明確にそう思っております。
(問)その地方からはですね、そもそもの役割である財源保障機能とか、財政調整機能を今の地方交付税は果たし得ていないという指摘があるんですが、今の地方交付税制度全体が機能しているとお考えですか。
(答)あまり、こういう言い方は良くないかもしれないけれど、やはり行政には金が掛かる。金がなければどうにもならないという部分がある。世の中すべてが、金、金、金という考え方はしたくはないけれども、そうしますと、都道府県知事にしても市町村長にしても行政をやるために、自由に使えるお金というのが欲しい。私は、この間、栃木県知事選挙の応援に行ったけれども、知事候補もあるいは宇都宮市長候補も当然、独自の政策を言っているわけですよ。補助金としてくるのではなくて、例えば「小学6年生まで医療費は助成しますよ」とか、いろいろ自分の独自のマニフェストというのか、公約とかいう、これは当然自由に使える財源、麻生太郎式に言えば、市長や知事が真の地域の経営者になるためには自由に使えるお金がなくてはいけない。その自由に使える自主財源というのは、地方税と地方交付税なのだ。地方交付税がこのように減額されていると、ますます知事や市町村長さんは、自分のやりたい政策ができないと、こういうことだと思いますから、私は金額の問題だと思います。逆に言えば、国税5税の減収が予想される中で、今後の地方の自主財源を確保するために大変な努力が要るなと思っています。
(問)昨日、総理と小沢代表が会談しまして、2次補正を今回出さなければ、テロ特措法や金融強化法の採決に応じないということだったようですが、例の定額給付金の絡みでいうとですね、2次補正をなるべく早めに出して通した方が、自治体にとっても作業の時間が長く取れていいという見方もあると思うのですけれども、2次補正の扱いについてはどうお考えですか。
(答)2次補正の内容というのは、ほとんどもうじき明らかになってくるわけですよね。2次補正は国税の減額補正もやるわけでしょ。そういうものには時間が掛かるわけですよね。だから物理的な問題もあって、国会の会期との関係もあって、今、努力中だけれども、出せるかどうか分からないということですが、この定額給付金についても基本的な枠組みは、もうほとんど固まりつつありますから、そういう意味では、今後の実施本部の検討を待って、あるいは都道府県、市町村への説明、あるいは地方からの意見を聞いたりしていく中で、準備はもう、年内に始めてもらえばいいと、こう思います。ただ、給油支援とかですね、あるいは金融機関の機能強化、資本注入という話とですね、全然別の2次補正のことを絡めて、とにかく政局のためには国政の邪魔は何でもやってやるぞという姿勢には驚きましたね。私は理解できないですね。まるで法案を人質にとって、国としてやるべきことやらせないというねじれ国会が亡国の道を歩むような、そういうことを承知でやっているのですかね。私には理解できない。

(以上)