鳩山内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成20年9月26日

(平成20年9月26日(金) 10:23~10:49  於:総務省会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。総理の国連での演説は終わったようでございます。途中で通訳の機械が壊れたそうです。そこで麻生総理は、「あっ、壊れたのですから通訳機械は日本製ではないということですね。」とこう言ったら、大爆笑だったそうでございます。
 私は、今日は消費者物価指数について閣議で報告をいたしました。以上です。

2.質疑応答

(問)臨時国会が開会しましたが、解散総選挙含みの国会となっています。その中で総務省としては何に重点を置いて取り組んでいくか、お答えください。
(答)この間申し上げましたように、地方を元気にすることが最大の課題であって、これは地方分権と絡めば、司馬遼太郎先生ではないが、将来の国の形にも直結すること、未来世代に大きく影響することだと思っております。総理からも、そのことを強く指示を受けておるわけですし、繰り返しになりますが、総理自身が無役の時に10か月、161か所で講演をして、そのうちほとんどが地方であった。地方の疲弊している姿、あるいは隣り合わせでも、片方は元気で片方は元気がないという地域間格差、この問題は麻生太郎という一衆議院議員が、無役の時に初めて具体的に提言をしている点でございます。そういうことを考えれば、私は今後の地方を元気にする施策について、麻生カラーの非常に強いものが御指示をいただけるものと心待ちにしていると、この間も申し上げたとおりであります。総務大臣の御経験者でもありますし。ですが、緊急にということであれば補正予算でございまして、補正予算並びにいわゆる経済対策、経済対策という名前ではありませんが、実質上は緊急総合対策でございますが、いわゆる一月分の暫定税率上乗せ分が地方に入らなかった、つまり地方の上乗せ分が一年間に9,000億円あるうちの、多分計算上は656億円ぐらいの減収になっております。これは、一般財源化はもう方針として決めてある。私はその時に閣僚だったから、はっきり覚えている。福田総理大臣は度重ねて答弁される中で、「一般財源化するわけですから、ある意味では税金の姿が新しくなるということですから、したがって税率の問題も新しい税の税率を決めるような観点で、新たに考えていかなければなりません。」という意味の答弁をされています。ですから、一般財源化する、その時に税率をどうするというのは決めたことで、具体的にどうするかはこれから決まる。ですが、穴があいてしまった656.2億円、これは要するに地方自治体が予定していたものが入らないわけですから、非常に困るわけで、何とか地方税収の減収を補てんする関連法案を出さないといけない。予算は成立してもこの法案が成立しないと、地方の財政に穴があくということでございますから、私の仕事かどうかは別にして、当然野党の御理解を得ていかなければならないということになります。兄弟ルートが使えるかどうかはまだ分かりません。民主党がどう出るか。
 それ以外に、御承知のように内閣府の方からの260億円があります。これが実際には総務省が絡んでやってまいりますので、それも足して考えることができる。それから市町村合併の関係における補助金の増、これが40億円前倒しして使えるというふうなことでございますので、総務省関係だけでも1,000億円ぐらい地方に配れるようにしたい。これが緊急の問題としてあるということでございます。
 御承知のように、継続審議となっている案件もありますし、問題としては人事院勧告があります。人勧を受けて、これは国家公務員の一般職の給与法、勤務時間の15分短縮うんぬん、それから、残念ながら不祥事があるので、退職手当を削れる条件を緩めて、より公務員には厳しくするというふうなことで、これもやっていきたい課題ではあります。
(問)各社今朝の朝刊で内閣支持率、世論調査の結果が報道されていまして、軒並み支持率50%くらいで、比例区の投票先も民主党が自民党を上回るという結果に大体なったみたいですけれども。
(答)そうでない新聞もあったのでは。
(問)はい。これに対する受け止めをまずお願いします。
(答)私はこの支持率というものは、まだ確定的によく理解していないのです。というのは、朝日新聞社には申し訳ないが、朝日新聞が死神と書いてくれた時に、私は反ばくをしたわけです。それを各社報道したわけです。世論調査が出た。鳩山邦夫支持率が急伸したのです。その世論調査の結果をインターネットで細かい結果が出ているので調べました。そうしたら20代、30代が圧倒的に高い。8割を優に超えてくるのです。私は地元のお祭りに回ったら、20代の若者がわーっと寄ってくるのです。ほほう、世論調査というのはこういうものなのだなと。余り私ども、若い人に大勢囲まれるということは、そうはないです。どちらかと言うと中年の支持層の支持率の高い鳩山邦夫でございますが、そのときは世論調査を見たら、若い20代、30代がすごい数字で、地元の後援会やお祭りでも20代、30代の人がいっぱい参加してわーっと寄ってきた。だから、その時に世論調査って怖いなと思いました。
 しかし、それは私の個人的な経験を申し上げているので、内閣の支持率というもの、もちろんそれと自民党の支持率が直結しないところがまた簡単ではないこと。要するに麻生さんがいいですか、小沢さんがいいですかというのはダブルスコアで勝てるのだけど、それが自民党中心の政権か、民主党中心の政権かということになると、また話が変わってきて、比例代表をどこに投票するかということが、麻生対小沢とは違う数字が出てくるから、本当に難しい。そこで結論。私は、これは要するに導関数というか、微分したものが欲しい。変化率です。私は麻生太郎という強いリーダーシップと明るい麻生スマイルと、それから本人がキャラ立ちしているという独特の非常に若者に受けるキャラクター、これが浸透することによって微分係数がプラスであればいいと、変化率の問題です。例えば解散から投票日まで随分あるわけで、その間の、要するに微分してプラスかマイナスかという問題だから。私は麻生太郎総理あるいは麻生内閣の支持率は微分するとプラスに出る内閣と、こう思っていますので、どんどん麻生カラーを御本人にも出していただきたいと思っています。だから皆さんもこういう調査をするのだったら、3日ごとにずっとやっていけばいいですよ。それが大事ですね。以上です。
(問)今日、消費者物価指数が出たのですが、引き続き物価が高止まりという傾向です。これについての受け止めはどうですか。
(答)少し下がったのですが、これは結局、エネルギーと食料を除くとゼロ、イーブンだということです。これは原油高、食料高について、どういう対策が打てるかということだと思うのです。ただし、10年以上前から世界食糧危機が来て、30年後、35年後には大変なことになるということを、マスコミは報道してくれないけど、ありとあらゆる講演で言い続けたのは鳩山邦夫くらいのものです。これは環境の勉強をすればすぐ分かるのです。昔のマルサスの「人口論」ではないけど、人口はまだ幾何級数的に増えてきているのです。50年で倍、粗っぽく言うと、1900年に世界人口15億人。50年後には倍の30億人。50年後というのは私がまだ2歳。では、2000年はどうかといったら60億人になって、2050年には120億人にはならないにしても、100億人に近づくということであれば、要するに、まさにマルサスの「人口論」ではないけど、人口は増えていく。食糧はイーブンか、むしろ地球環境の影響で絶対地下水の枯渇や気候の変動によって大穀倉地帯が駄目になってきて、逆にロシアの寒い方が穀倉地帯になってくる。結局、増えるかやや減る。こうなってきた時には世界食糧危機でしょう。だから私は食料品の値段が上がっていくことが、結局は環境問題が強く影響しているというふうに思って、何とかこれを防ぐためには食糧自給率をとにかく徹底して高める。農業をやる方がやる気があって耕地を広げよう、耕作放棄地はもうゼロだと、みんな作ろうという、そういう農業が元気を出す政策をやらないと、食糧の値段は上がり続けます。
(問)昨日、小泉元総理が次の選挙では出馬をしないということを表明されたのですが、大臣の御所感をお願いします。
(答)ものすごく偉い方だなと。私もかつて総裁選挙でも一生懸命応援したこともありますし、小泉改革というもののすごさを目の当たりにしてきましたけれども、あれだけの人気を現在でも維持し、それだけの実績を上げた方がすぱっとお辞めになる引き際の見事さというのは、私はやはり、偉大な指導者が引き際が見事だというのはすごいことだなと思いまして、心から尊敬します。さすが小泉純一郎先生という、そういう思いを持ちました。
(問)先ほどの支持率の関係なのですけど、福田政権に比べて10ポイント以上下がっているところもありまして、思ったほど支持率が上がらなかった関係で、解散に慎重な意見もあれば、比例で言えば自民より民主が逆転したということで、早期にやった方がいいのではないかと、両方の意見があるのですけど、大臣は解散時期についてどのようにお考えですか。
(答)解散は総理大臣の専権事項ですから、私から申し上げるわけにはまいりませんが、先ほど申し上げた、微分をして変化率を調べて、私は麻生太郎並びに麻生政権というものは微分係数がプラスであると今でも信じておりますけれども、その微分係数がプラスで、支持率が上昇していくということを見ながら、総理にお考えをいただきたいなと思います。
(問)同じ支持率の関係なのですけど、これまでの内閣で言うと、微分係数は大体、小泉元総理でもマイナスになっていまして、要するに政権発足時は高いけれども、次第に支持率は下がってきますというのが大体の流れだと思うのですが、それを考えると解散は早い方がいいのではないかというような見方もあろうかと思うのですが、どうでしょう。
(答)解散は総理の専権事項ですから、私はそういうことにお答えをする権限はありませんけれども、あなたのおっしゃったことは傾向としては正しいのです。私はそうでない、麻生太郎というものの、時代が求めている麻生太郎というトップリーダー、私は本人に、あなたのひいひいおじいさんの大久保利通は時代が求めたリーダーだった。西郷さんもそうだけど、「翔ぶが如く」を読まなくても、それくらいは分かる。だから、あなたが今の時代に求められていますよと。10年前、時代が求めたかは分からない。10年後、時代があなたのようなキャラクターを求めるかは分からない。しかし、今正に時代の救世主として麻生太郎は大久保利通以上に求められて、大久保利通ひいひいおじいさんを超えたらいかがですかとこう申し上げたら、大久保利通が初代内務卿だということを聞いて、また少しどきっとしました。総務大臣のもとをずっとたどっていくと初代は大久保利通、二代目は木戸孝允、桂小五郎で三代目も大久保、元の名前が大久保一蔵です。なかなか偉大な先人がいますので、私も辛いですな。だから麻生太郎は、大久保利通や西郷隆盛のように時代が求めるならば、微分係数は絶対プラスで行く。それを信じたい。一般的にはあなたの言う傾向だ。だから時代が求めている人は違うのだよと言いたい。

 この間の夜の会見はもうクーラーが効かなくて、暑かった。それを、失言を恐れて汗をかくという新聞の書き方は失礼ですよ、本当に。私はそういう意図的な物の書き方はよくないと思う。暑ければ汗かくでしょう。私はもともと汗っかきだから。もともと汗っかきであれだけの温度だったら汗かくんでね。私はやや暴言をしたことはあるけど、失言したことはないと思っています。
 以上でございます。
(問)ありがとうございました

(以上)