甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年5月26日

(平成21年5月26日(火) 9:12~9:23  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 どうぞ。

2.質疑応答

(問)昨日、北朝鮮が地下核実験を実施したというふうに発表しました。所管外とは思いますが、大臣の受け止めをお願いします。
(答)明確な国連決議違反であります。この事態に国際社会は一致結束をして北朝鮮に国連決議の履行を迫るべきでありますし、国連決議違反について責任追及をすべきであろうと思いますし、新たな国連決議、前回は議長声明で終わりましたけれども、一歩進めることが必要だと思います。内にあっては、この問題を政局とせず、与野党一致をして毅然たる姿勢で国内世論を統一するということが必要だと思います。
(問)関連ですけれども、今朝方、日本時間未明、国連安保理の緊急理事会で北朝鮮の行動を批判して安保理決議違反を明言する議長談話というのが出されたんですけれども、先ほど大臣からも、より前回よりも、議長声明よりも強いものという話がありましたけれども、さらに総理とオバマ大統領と電話協議も今日予定されているという話もありますけれども、今後の対応については、どのように伺っていますか。
(答)やはり鍵は中国・ロシア、特に中国だと思います、中国が曖昧な姿勢をとらず、毅然たる姿勢で北朝鮮に臨むと。さすれば、ロシアは当然それに追従すると思いますし、国際社会が一致結束して毅然たる姿勢を示すと。北朝鮮は、勘違いをしているわけでありますから。六者協議等の国際交渉を有利に進めるための手立てとして有効であるというふうな誤解をしているんであります。この種の国連決議違反を連続して行えば、ますます北朝鮮にとっては交渉は不利になると。やればやるほど北朝鮮は損をするということをわからせるという必要があるわけであります。交渉のバーゲニングパワーとして、瀬戸際外交が有効であると思っている限り、この種の行動を連続して北朝鮮はとってくるわけでありますから、やればやるほどマイナスに働くということを思い知らせるということが必要だと思います。
(問)そうすると、私、個人的な意見にもなってしまうんですが、4月のミサイル発射のときに、議長声明という弱い内容にとどまったのがちょっと影響しているのかなという気もしなくもないんですけれども、その辺についてどう見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)あのときに、国際社会の判断の中には最後のカードを早く切り過ぎてしまわないほうがいいという思いもあったのかもしれませんし、あるいは北朝鮮に正常な行動に戻る余地を残しておくべきという判断等々いろいろな思惑があったと思いますけれども、次第に厳しいステップに歩んでいくということを示すそのまだ幅、アローアンスを置いておいたということであるならば、いよいよ後がないぞということに踏み出す機会ではないかと思っております。
(問)厚生労働省の分割・再編の件なんですけれども、今官邸、官房長官を中心に素案づくりが進んでいると思うんですが、大臣はどういった視点からこの厚生労働省の再編、また省庁、厚労省だけじゃなくて、省庁全体の再編にどういった視点から取り組んでいこうとお考えでしょうか。
(答)まず第一の視点は国民利便だと思います。行革の視点からできるだけ省庁の数は少ないほうがいいという論がありますけれども、それによって国民が受ける行政サービスの質が落ちる、あるいは量が希薄になる、あるいはスピードが遅くなるということはあってはならないと思います。前々から厚生労働大臣の所掌する範囲が広過ぎて、いろいろなことが同時に発生した場合に一人の責任範囲でカバーし切れなくなるんではないかということが危惧されておりましたし、国会対応一つ見てみても、厚労大臣が朝5時から役所に出て答弁の準備をしなければならないというような事態に至っているわけでありますから、いろいろな意味から言って、一人の大臣が司令塔になって指示を出す範囲が広過ぎると。その結果、国民利便性が悪くなるという懸念があります。ただし、単に二つを一つにくっつけて、やっぱり大きかったから二つに戻そうねというのでは何の意味もありません。政策の整合性と政策の連続性の視点から、厚労省の役割を分けて、そして新たに厚労省が担うべき新しい任務とあわせて、政策的な視点から分割をするということが大事だと思っております。まだ具体的にどういう分け方をして、どういう所掌にするかということは詳細が煮詰まっているわけではありません。どこまで具体的に話をまとめていけるか、今後の作業にかかっていると思います。
(問)関連して、もう一点、その中で幼保の一元化というのがもう一つの再編の柱の一つになるということは巷間言われていますけれども、いろいろ賛否あると思うんですが、大臣はどのように考えてらっしゃいますでしょうか。
(答)いろいろと問題を指摘されている識者のお考えは同じような年齢の幼児を対象としていながら、片や待機児童の問題で頭を痛め、片や定員割れの問題で頭を痛めていると。相互に補完できるような仕組みがないだろうかということで、認定こども園という政策も出てきたわけであります。認定こども園は、言ってみれば、行革的に言えば、幼児教育保育特区みたいな話なわけですね。それの知見を得て、双方の抱えている悩みをカバーできることはできないのかということが識者から言われているわけであります。その視点は検討してもいいんだと思います。ただし、余りこの問題は短兵急に事を進めると、いろいろとそれ以外の副作用、ハレーションも起きてくると思いますから、最初に幼保一元化ありきという取組ではないと思いますが、識者から問題提起をされている一つであるという認識は持つべきだと思います。

(以上)