甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月10日

(平成21年4月10日(金) 9:02~9:10  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは特にありません。どうぞ。

2.質疑応答

(問)政府は今日10日にも総額15兆円規模の追加経済対策を正式に決定する予定のところだと思うんですが、これについて大臣の御意見、御感想を伺いたいと思います。
(答)財政出動、いわゆる「真水」額で15兆、事業規模で50兆という補正予算、経済対策は、過去最大規模だと承知をいたしております。景気の落ち込みが過去最大規模になるという中で、過去最大規模の押し上げ効果になると期待をいたしております。
 この補正予算の中で大事なのは、まず「日本の強みをつなげていく」ということです。日本の強みというのは、個人金融資産が1,500兆近くあるということ。これが高齢化世代に偏在をしていること。必要性の高い若年世代、非高齢世代に、この個人金融資産を移転をして、必要な人が使えるような措置をするということがまず一つ評価できる点ではないかと思います。
 日本の強みを引き延ばす視点の2番目は、この個人金融資産を単なる消費として使い切ってしまわないということであります。次なる付加価値の創造に結びつけていく、つまり次なる国の資産形成に結びつけていくということであります。それは、研究開発へ向かわせる、例えば企業の研究開発のための減税措置がありますけれども、これを加速をする、あるいは機能しない高速道路をつなげて機能させる。あるいは必要な空港整備が行われていない、これを延伸をさせる。あるいは個人の間での資産移転に関して言えば、住宅、しかもこの住宅を購入する場合には、太陽光発電等のパネルを設置する際の支援策が従来から組まれています。あるいはエコカーを購入するということは、省エネ技術を加速させるという、つまり日本の技術開発をさらに進展をさせるという、新たなる国の競争力を築いていくということになりますし、省エネ家電についても購入利点が働くということでありますから、省エネ技術、環境技術をさらに進展させていくための措置になっていくということであります。日本の持っている強みをうまくつなげていくという点で、大変工夫されている予算だと思いますし、中小企業あるいは中堅企業を支援する金融策の強化についても、支援する側の体力増強にも配慮をされている予算であると。
 それから、今の若い世代の子育てを支援するということにも配慮をしている。少子化対策に、その前の景気対策に関して支援をしたということと連続性がある支援だと思っております。
(問)一方で、総理は景気底割れのため財政出動するというふうにおっしゃっていた中での経済対策だと思うんですけれども、一方、赤字国債の発行が過去最大になる見通しという報道もあったりとかして、財政再建への危惧、将来にツケを残すんではないかという、不安も言われるとは思うんですけれども、それについてはどのようにお考えですか。
(答)この問題は、どうやって整合性をつけるかという課題があるわけですね。今回の経済対策というのは、いわば恒常的策ではありませんから、需給ギャップが20兆とも30兆とも言われている中で、需要を追加するということは、どの経済学者も主張している点であります。
 需要を追加をしていく中で国際競争力を高めていくという、この2つを同時達成するということが大事だと私は思っております。一過性の消費であっては、一時的には需給ギャップは埋まっていても、次なる競争力がついていきませんから、後で財政再建に禍根を残すということだけでありますけれども、需給ギャップを埋めながら国際競争力を強化をしていくという点が政策上極めて大事なんですね。その点で、その2つの整合性がとれているというふうに思っております。
(問)関連なんですけれども、追加対策の中にハローワークの職員の増員というのも入っているようですけれども、行政改革の一環で、公務員数の削減をするという中で、行革担当大臣としてどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)単年度でつじつまが合わなくても、5年計画できちんとつじつまを合わせていくということが大事だと思います。緊急避難的な措置というのは当然、景気・経済の状況の変化によって起こり得ることであろうと思いますし、今時の措置は最大の状況変化に対する緊急対応だと思っております。
 ただ、5年間の中にIT戦略等がありますから、仕事をいかに効率化をさせるか。頭数をふやせば仕事が円滑にいくということではなくて、業務改善ということが大事なわけですね。この電子政府の取組も、かけ声とは裏腹に進捗状況が期待されているとおりではありませんから、この電子政府化の中で業務改善をしていくと、業務効率を上げていくと、そういうことと相まって、最終的に行革との整合性がとれるようにしていくことだと思っています。

(以上)