甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成21年4月7日

(平成21年4月7日(金) 9:22~9:34  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私からは特にありません。どうぞ。

2.質疑応答

(問)直近の週末の報道各社の世論調査で、内閣支持率が大幅に上昇しているようなんですけれども、これについて大臣の御感想を伺いたいと思います。
(答)うれしいですね。ようやく麻生総理が行おうとしていること、あるいは行ってきたことがバイアスがかからずに国民の皆様のもとに届く環境ができつつあるんだと思います。いろいろ批判がありました定額給付金その他経済対策について、実行されるにしたがって、その正当な評価が少しずつ定着してきたというふうに思っております。これからさらに大規模な追加の経済対策が行われます。それが国民の皆さんのもとに届けば、更にこの内閣の評価が上がるということを確信をいたしております。
(問)追加の経済政策に関連して、解散の時期についていろいろな、党役員の方も含め、麻生総理も含めいろいろ発言されているようなんですが、もちろん解散は首相の専権事項ではあると思うんですが、大臣は解散の時期についてどのようにお考えでしょうか。
(答)党内には、追加の経済対策を仕上げて、そこで信を問えという意見もあれば、サミットで日本のプレゼンスをしっかりと世界に示して信を問えという意見等々幾つかあります。総理がお決めになることでありますから、閣僚がとやかく言うことではありませんが、いずれにしても、もう5カ月しか残っておりません。ベストのタイミングを見計らって総理がお決めになると思っております。
(問)今の関連で、大臣が昨日、総理が解散時期について揺れているとおっしゃったというふうに一部報道で出ているんですけれども、具体的にはどういう表現でおっしゃって、真意はどういうものなんでしょうか。お聞きしたいと思います。
(答)党内には、幹部の方々は、今の金融経済危機からの脱出に向けて、極めて意欲的な政策を具体化をしたと。それを国民に示して、そこで信を問うべきだと。つまり、麻生内閣は、具体的な仕事と成果の見通しをしっかりつけられる堅実な内閣であるということを示して信を問えという声があります。
 一方で、総理御自身は外務大臣も経験していらっしゃいますし、各種国際会議で日本の存在感というものも示しておられますし、中国の今回の金融サミットにおける発言も、福岡で行われました日中韓の首脳会談の際に麻生総理がかつて日本が経験した金融危機の経験、それから処方箋等々お話をされたようでありますが、それらを参考に中国側がいろいろな中国側の意志表示をされたということ等々、国際舞台における麻生総理の影響力が次第に大きくなってきていると。そういう自信も総理は持っておられるでしょうから、サミット、御自身の総理の初舞台としてしっかりと日本の総理の存在感を示したいという思いも当然お持ちだと思います。
 でありますから、そういう党内のかくあるべしという時期と、御本人の意欲と、いろんな要素の中でこれから選択肢を絞っていかれるんではないかと思います。至極当然の話なんですけども。
(問)追加経済対策の中に贈与税を中心にした税制関連法案、減税を盛り込むか盛り込まないかということで議論があるんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)日本の個人金融資産はある年齢層に偏ってるんですね。60歳、65歳以上でしたっけ。その個人金融資産に占めるシェアが3分の2以上だと記憶をしております。高年齢層は、家のローンとか、それから子供の教育費等々手が離れていると。つまり支出の必要性が若い世代ほどない。そういう層にかえって個人金融資産が偏重して存在をしているということですね。そういう60、65以上の方が6割、7割の個人金融資産の持ち主であると。支出の必要性に迫られている若い世代に金融資産がないと。
 そこで、必要とする世代に金融資産の移転を図るのをスムースに行うということは、それが消費に向かうという確率が高くなるわけですね。ですから、景気回復の即効性としては極めて有効だと思っております。
 ただ、私がいつも総理に申し上げていますのは、消費というのは使い切ってしまってそれで終わりということでは、一時的な景気浮揚にはなりますけれども、次の成長力にはつながっていかないと。大事なことは、消費がイノベーションと連動するということが極めて大事だと。つまり、次の付加価値をつくっていくことと連動していくということが成長のサイクルになっていくわけですね。使い切っておしまいということだと、もう次には弾がないわけですから。使った消費が次なる富を生み出すというサイクルにつなげていくのが大事と。それがイノベーションにつなげることが大事ですから。つまり、移転消費が次なる付加価値の連鎖につながっていくということをどう工夫するかということが大事なんですね。
 ですから、例えば太陽光の設置につながるとか、そこからさらに効率の高い太陽光パネルが生み出されると、これはイノベーションにつながっていくわけです。自動車につながる、その自動車がより環境に適合したものの開発につながっていく。そういう消費が次なるイノベーションにつながっていく連鎖が大事ということですから、そういうスキームをつくった上での所得移転、金融資産移転ということが大事だと思っております。
(問)一方で、税法の場合、民主党の反対等があれば60日かかるので、解散権を縛るんじゃないかという話もあるんですが。
(答)追加の経済対策というのは、全国民共通のこの苦境から政治の主導力でそれを脱するということですから、これは政争の具にすべきではありませんし、また野党にもそういう意思、民主党にもそういう意思はないと思います。ですから、そこは与野党協力をして迅速に仕上げるということが大事だと思います。これが遅れるから解散だとか、解散させるために遅らせようというような政治行動は国民のためにはならないと思っています。
(問)北朝鮮のミサイル発射についてですけれども、まず大臣の受け止めと、日本として北朝鮮にどういうメッセージを発するべきかというふうにお考えでしょうか。
(答)北朝鮮はなぜミサイルを発射するかといえば、それが国益につながると思っているからなんですね。どういう国益につながるかといえば、それは、それだけの技術力を持っているものを取りやめるにはそれなりの代償をよこせという交渉力につながると。あるいは、長距離ミサイル技術を武器輸出として紛争関係国に輸出する、外貨を稼ぐ材料になると思っているから開発をするわけですね。それをやめさせるためには、そういうことがプラスには働かない、北朝鮮にとってもマイナスに働くぞということを示さなきゃならないわけであります。
 ですから、国連決議、難しい状況になったという話を聞きましたけれども、これは世界、特に拒否権を持っている常任理事国は、ミサイル開発や核開発が北朝鮮にとってはプラスにならないというメッセージを送るということをきちんと見据えて決議をしていかなきゃならないというふうに思っております。その上で、経済制裁を徹底してやると。つまり、北朝鮮の行動がマイナスに具体的に働いているということを彼らが実感するような環境をつくらなきゃいけない。それを特に常任理事国は共有してもらわないといけないと思いますし、共有させる方向で我が国は動くべきだと思います。

(以上)